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大田大臣 経済財政諮問会議後記者会見要旨

第19回会議(平成19年8月6日)

大田大臣

(1) 今後の諮問会議の進め方について

(2) 経済の現況と今後のマクロ経済運営について

(3)「平成20年度予算の全体像」について

 大田弘子です。本日、今年第19回目の経済財政諮問会議が開催され、今後の諮問会議の進め方、経済の現況と今後のマクロ経済運営、「平成20年度予算の全体像」について議論しました。

 今後の諮問会議の進め方については、今日が「基本方針2007」を取りまとめた後の初めての諮問会議でしたので、民間議員からペーパーが出されました。2007年後半の審議の主な柱として、歳出・歳入一体改革と成長力の強化の2本柱で提言が出されています。成長力強化への枠組みを後退させるべきではない、歳出削減も決して手を緩めるべきではないとされています。

 これに対しては、格別の反対意見はありませんでした。成長をしっかりと強化しパイを拡大させることが格差を減少させるためには重要、経済活性化と財政再建をしっかり両立させるべきという発言が相次ぎました。
また、菅議員から、地方分権を進めることが重要、地方も歳出削減をしっかりとやるが交付税総額を確保することは重要、頑張った地方が報われるような仕組みをつくっていかなくてはいけない、地方の声を受けとめて形にしていきたいという発言がありました。

 民間議員からは、以下の発言がありました。

  • 今日は課題として大きい2本柱で掲げられているが、この中の具体的な項目について、目玉として何を集中的に議論していくのかを明確にしていくことが必要。
  • 社会保障番号の議論が重要。これは、是非ではなく、早期に導入することを前提に制度設計に取り組むべき。社会保障については、サービス水準と真に保護すべき人について、過去にとらわれることなく議論すべき。
  • グローバル化改革は重要。そのダメージは一部の地域、産業に及ぶが、基本的には広く便益が国民全体に広がるわけで、そのためにはタイミングも重要。これはしっかりと議論をすべき。
  • 労働市場改革は重要。改革をしたから格差が広がるのではなく、経済社会の変化に対応しない仕組みが残っているところからひずみが起こる。

 総理からは、以下の発言がありました。

  • 選挙が厳しい結果になった。反省すべきは反省したい。困難な中にあっても改革をしっかりと実現し、責任を果たしたいのでよろしくお願いしたい。
  • 今後の諮問会議の進め方として、高齢化に打ち勝って生活を豊かにしていくには、経済を成長させるための改革を停滞させないことがどうしても必要。「基本方針2007」に取りまとめた政策をきちんと実行していきたい。
  • 底上げ戦略や地域経済のための政策を充実させることで、生活や地域に豊かさを広げていくことが重要。
  • 諮問会議は、これからも改革のエンジンとして議論をリードしてほしい。

 経済の現況と今後のマクロ経済運営については、来年度の予算を議論するにあたり、内閣府から3つの説明をしました。まず、日本経済の現状について、経済財政白書の分析を踏まえた説明をしました。また、19年度のマクロ経済が年の始めに見通したものから年の真ん中の時点でどうなってきたのか、19年度の経済動向の試算を報告しました。更に、予算は20年度予算ですので、20年度のマクロ経済の想定について報告しました。なお、20年度のマクロ経済の想定については、民間議員の考え方に沿って分析していますので、民間議員の参考資料ということで提案しています。

 また、福井議員から、日銀の展望リポートの中間評価について報告があり、以下のような議論がありました。

民間議員から、CPIについて、昨年10月時点それから今回の時点で少し下振れしているが、これがなぜ下振れしているのか。
←福井議員から、フィリップス・カーブがフラット化している。グローバル化や国境を超えた企業間競争で、企業は生産性を上げる努力とあわせて固定費を削減する努力をしている。日本はすでに失業率が3%台になって需給はタイトになっているが、労働者側も賃金よりも雇用安定への要望がある。また、フィリップス・カーブのフラット化は国際的にも共通の現象。但し、需給は少しずつタイトになっているので、物価もタイトになっていくと見ている。これが物価上昇率に反映してくると見ている。

民間議員から、2006年はCPIだけではなくて実質成長率も、日銀の展望リポートでの見方をもとにしているが、これは実は需給がタイトになっていないのではないか。
←福井議員から、2005年GDPの確報での下方改定により”げた(発射台)”が下がったことに基づく2006年の下方の修正である。

名目が下がることが問題。日銀は量的緩和を解除したときにCPIはマイナスにならないという前提だったのではないか。見通しを誤ったのではないか。1日も早くデフレから完全に脱却しなくてはいけない。
←福井議員から、日銀があげている物価上昇率は、いわゆるコアと呼んでいる生鮮食料品を除くが、エネルギー価格は含むもの。したがって、原油価格の要因によって振れる。但し、需給がタイト化している割に、サービスを含めて上昇圧力が弱いのは事実。これは4月の展望リポートには既に織り込んでいる。

民間議員から、フィリップス・カーブがフラット化しているということは、急に物価が上がっていくということではなく、労働需給がタイト化していっても、ゆっくりと物価が上がっていくという時間的余裕があるということではないか。
←福井議員から、十分な時間的余裕を前提に金利水準の調整をゆっくり行うことをしている。但し、それ以上にさらにゆっくりやるということになると、資源配分の歪みをもたらすことにもなりかねない。

 「平成20年度予算の全体像」については、上記のマクロ経済の前提を受けて、民間議員から提案がありました。この民間議員の提案について、反論はありませんでした。

 この民間議員の提案を前提にして、「進路と戦略」で掲げた中期の経済の姿についても内閣府の方から説明をしました。つまり、「予算の全体像」が財政健全化の経路にしっかり乗っているかというのを、この時点で確認して予算の議論に入るということです。

 これについては、以下のような発言がありました。

  • ほとんどの出席者から、歳出改革をきちんとやっていくのが改革の試金石。しっかりとやっていくべき。
  • 山本経済産業副大臣から、予算の中身の質を高めていくことが大事。経済成長のための仕組みをしっかりつくっていく、成長力と安心力をつくる予算の中身が大事。

 また、尾身議員から、以下のような発言がありました。

  • 歳出改革と成長を両立させるのは非常に重要。
  • 民間議員ペーパーについている参考試算は、2011年度のプライマリーバランスが歳出削減を14.3兆円という経路に沿って歳出改革を行い、かつ成長力強化のための効果が十分に発現すれば、2011年度の時点でプライマリーバランスは0.0%ということで均衡するという試算。これが1月の時点ではプラス0.2%になっていた。この参考試算により2011年度のPBが0.0%になったことで、財政健全化の状況が楽観できる状況ではないことが明らかになった。20年度予算については、改革の方向性が変わらないという方針のもと、歳出全般にわたって歳出削減努力を緩めることなく最大限の削減を行う。
  • 概算要求基準については、昨年と同様の基準を基本として行っていく。予算配分について、重点化、効率化を図り、メリハリがついた予算にする。要求の出し方については、成長力強化に加えて地域活性化、環境立国戦略、教育再生などに重点的に調整していく。
  • 概算要求基準については、しっかりと調整していきたいが、地域間で経済のばらつきがあり、非常に厳しい地方がある。選挙のときに地方を回っても実感したが、高規格幹線道路をつくってほしいとか、地方自治体の財政が非常に悪くなっているというような声がたくさんあった。これらの点について、総務大臣とも相談しながら進めていきたい。また、中小企業の活力や技術革新、イノベーション、こういう点も重要である。
  • 税制改革については、歳出改革に徹底して取り組むとともに、基礎年金の国庫負担割合の財源を確保するため、社会保障給付や少子化対策に要する費用の見通しを踏まえつつ、安定的な財源を確保することが必要。今回の民間議員の試算の見直しで示された財政状況や今後の社会保障給付の見通しなど踏まえて、歳出・歳入一体改革の実現に向けて幅広い意見を聞きながら、消費税を含む抜本的税制改革について、骨太の議論を行っていく必要がある。

 この他、以下のような発言がありました。

  • 菅議員から、改革の基本方向を変えてはいけない。但し、地方によって非常に厳しいところがあり、地方によって差がある。したがって、全国網羅的というのではなく、メリハリをつけていきたい。
  • 民間議員から、プライマリーバランスの均衡は一里塚。いずれデフレーターやCPIが上昇していくと名目金利も上昇するが、これがプライマリーバランスには影響を与えないが、債務残高には影響を与える。債務残高の対GDP比を減らしていくことも視野に入れなくてはいけない。
  • 改革路線に対して諸外国が不透明感を持っているので、今こそ財政規律を緩めずに歳出改革をしっかりやっていくということを明示していきたい。また、社会保障については、公的医療を含めて2011年度までの制度改革をしっかりと道筋をつけていく必要がある。債務残高を含めて、より強靱な財政をつくっていく必要がある。そのための目標についても検討する必要がある。

 総理からは、以下のような発言がありました。

  • 平成20年度予算は、「基本方針2007」に沿って改革を進める予算にしなければならない。
  • 歳出全般にわたって、国、地方を通じ最大限の削減を行うとともに、成長力強化、地域再生、教育再生、環境立国戦略に重点を置き、メリハリをつけたものにする必要がある。
  • こうした方針に従って、早急に「平成20年度予算の全体像」を取りまとめ、それに沿った厳格な概算要求基準を策定してほしい。
  • また、予算編成過程においても、各般の制度改革をさらに加速・拡大し、新しい国づくりに全力で取り組んでいく必要があるので、よろしくお願いする。

 総理の発言の前に、私から、今日の意見を踏まえて、早急に「予算の全体像」を調整して、諮問会議としての「予算の全体像」を取りまとめるということを話しました。これについては、明日の諮問会議で、諮問会議としての「予算の全体像」の取りまとめを行う予定です。

(以 上)

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