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大田大臣 経済財政諮問会議後記者会見要旨

第14回会議(平成19年5月25日)

大田大臣

(1) 地方分権改革について

(2) アジア・ゲートウェイ構想について

(3) 規制改革について

(4) 「基本方針2007」に向けて

 大田弘子です。本日、今年第14回目の経済財政諮問会議が開催され、地方分権改革、アジア・ゲートウェイ構想、規制改革、基本方針2007について議論しました。

 地方分権改革については、まず丹羽地方分権改革推進委員会委員長から説明があり、民間議員から地方税財政改革と国の出先機関の見直しの提案がありました。また、菅議員、尾身議員から資料が提出されました。

 尾身議員から、資料説明の際に、以下の発言がありました。

  • 税源移譲するのは見かけはよいが、都市部と地方部の格差が拡大する。格差是正のための対応が必要である。
  • 格差是正は交付税などの形で行うことがよい。それは地方分権とは矛盾しない。
  • 行政サービスの機会均等の観点から、交付税などによる格差是正が必要である。これを安倍政権の基本的考え方とすべき。

 これに対して民間議員から、以下の発言がありました。

  • 地方分権と格差是正は両立する。例えば、民間議員の提案にあるように、法人税と消費税を交換する、あるいは元々交付税の財源になっている消費税を地方消費税にして、法人2税を交付税の財源にするという方法がある。補助金を減らして地方に移すということもある。

 菅議員からは、以下の発言がありました。

  • 民間議員の提案にある個人住民税の均等割を地方税の中核に据えるべきということについては、今でも税収が2,000億円ぐらいなので、中核に据えるのはやや無理があるのではないか。
  • 出先機関の見直しに関し、国から地方に大胆に移譲していくべきだという民間議員の提案に対して、これは非常によい提案である。

 こういう議論を受けて丹羽委員長からは、今日の議論を踏まえて、今後しっかりと議論していきたいという前向きの話がありました。

 私からは、今後また地方分権改革推進委員会の提案などを受けて、諮問会議でも議論していきたいということで取りまとめました。

 総理からは、以下の発言がありました。

  • 地方分権改革推進委員会で30日に「基本的考え方」が示されることになっているが、これを受けて「骨太2007」に盛り込んでいきたい。
  • その取りまとめを受けて私が本部長となる推進本部を設置し、この提言を強力に実行することをお約束する。

 アジア・ゲートウェイ構想については、根本内閣総理大臣補佐官の説明の後、民間議員から更なる航空の自由化についての提言がありました。その際民間議員から、アジア・ゲートウェイに書かれた中身を5つの点で確認したいということで、冬柴臨時議員に以下の5つの質問があり、それぞれ、冬柴臨時議員から回答がありました。

アジア・ゲートウェイ構想の中で、2010年に第4滑走路が通る以前の羽田で深夜・早朝便を飛ばすとして、「欧米便を含む国際チャーター便」と書いてあるが、定期的なチャーターを含む内外無差別と見てよいか。
(回答)そのとおり。定期的なチャーターも含めて、内外無差別である。

羽田の新国際線ターミナルは、乗り継ぎの便を考えて、無料化するとかシャトルにするとか、そういうことを考えてもらえるのか。
(回答)無料バスや無料乗車券を配ることを検討している。但しシャトルシステムについては、コスト・ベネフィットの関係でどうなるかわからないので、もうしばらく検討したい。

アジア・ゲートウェイ構想の中で、アジア各国の航空自由化が大きく進められることは大変評価するが、欧州との間の航空自由化も重要で、これについても今後検討するということでよいか。また、欧州航空会社とイコールフッティングが図られなくてはいけないので、日欧間のフライトにシベリア上空通過料というものがかけられないようにしなくてはいけないが、その点はどうか。
(回答)アジアの次の段階として、欧州についても状況を見て検討していきたい。また、シベリア上空通過料は大変大事なことで、努力していきたい。2月27日にロシアのレベティン運輸大臣が来られた際、「欧州にかけていない通過料を日本にだけかけるということはないだろうな」という確認をしたら、「それは絶対にない。EUと提携を結ぶときは、日本にもこの通過料は取らないという形で結ぶ」という返事をもらった。

第4滑走路の供用開始時に「羽田の国際線3万回」となっているが、2010年はまだ少し先なので、例えば国内線の需要など、需要を見きわめながら国際線の回数を再検討するのか。
(回答)3万回というのは、関係自治体、国土交通大臣も入って合意したもの。但し、空港の需要状況を見ながら検討したい。また、今でも羽田の第4滑走路が出来たら羽田につけてくれという要望が、いろいろな自治体から来ている。そういうことも念頭に置いてほしい。

首都圏空港の容量拡大については、実施状況を逐一把握して御報告いただきたい。
(回答)逐次報告したい。

 また、民間議員ペーパーのアジア・ゲートウェイ構想の実施について工程表を作成してほしいという要望に対して、冬柴臨時議員から、自由化は交渉事でもあるので限度はあるかもしれないが、できる限りの努力をしたいという回答がありました。

 あわせて、冬柴臨時議員から以下の発言がありました。

  • 5月16日にアジア・ゲートウェイ構想がまとめられたが、これは実行可能な最大限の策である。
  • ところが、5日後の5月21日の規制改革会議で、航空局長に対して公開討論会の要請があり、その席で内際分離の見直しが提案され、羽田は直ちに国際線を就航させるべきだという提案があった。
  • これまでも関係自治体と調整しながらやってきた。漁業者の組合の問題、騒音問題、羽田の埋め立てに千葉の土砂を使っている問題などもあって、非常に苦労しながらやってきている。
  • アジア・ゲートウェイ構想がまとまったところで、それをすぐに前倒しせよと公の席で言われるのは困る。最大限の努力はするが、関係自治体との合意に反すること、物理的に困難なものは難しい。

 この他、民間議員から、以下の発言がありました。

  • 首都圏空港は大事である。アジア・ゲートウェイ構想では、本当によい提案をまとめていただいた。首都圏空港充実のためにもインフラ整備が重要で、公共投資にめり張りをつけていくことが重要。
  • 先日の新聞に道路整備計画について出ていたが、これについてもめり張りが必要。ぜひ道路整備計画についても、今後、諮問会議で議論していくことが重要。

 これに対して冬柴臨時議員から、以下の回答がありました。

  • これまでの道路特定財源は、一般財源化するに当たって負担については従来どおりの税率になっている。納税者に負担と受益という観点から道路整備の姿を示すことが大事で、今、一生懸命やっている。
  • これはぜひ報告したいし、意見も聞かせてほしい。

 私の取りまとめは、以下のとおりです。

  • アジア・ゲートウェイ構想によって航空自由化の大きい一歩を踏み出すことができたというのは合意がとれた。
  • アジア・ゲートウェイ構想について、先ほど民間議員から冬柴臨時議員へ質問した点が確認されたことは非常に有益であった。
  • 今後、冬柴臨時議員には工程表をぜひ策定していただきたい。また、引き続きの課題をまた諮問会議で議論したい。
  • 民間議員から発言のあった道路整備計画についても、諮問会議で今後議論させていただきたい。

 総理から、以下の発言がありました。

  • オープンとイノベーションは、日本の未来を開く重要な核であると申し上げてきた。
  • オープンということに関して、アジア・ゲートウェイ構想は中核的な構想になる。この中核的な構想を実行していくに当たって、アジア・オープンスカイについて、さらに空の自由化を進めていただきたい。
  • すばらしいものをまとめていただいた。

 規制改革については、渡辺臨時議員から、今、集中改革プログラムの第一弾を取りまとめている。多くの分野で政府内の合意がとれている点があるが、幾つか残っている点があるので、草刈議長から報告すると発言があり、草刈規制改革会議議長から説明がありました。

 これに対して民間議員から、以下の発言がありました。

  • 国家公務員のII種、III種の試験年齢の上限引き上げについて、なぜできないのかわからない。30代、40代の子育て後の女性などの再チャレンジのために必要。
  • 規制改革は随分努力してやっているが、どれだけどの分野で規制改革されているのか、新しい政策が打ち出されているのか、国民にしっかりと知らせながらやることが必要。

 菅議員からは国家公務員試験の所管大臣として、賛成である、但しIII種は高卒の受験になっているが、ここに大卒の人がどっと入り込んでしまって高卒の人の受験機会が狭められたという経緯があるため、21歳という制限がなされてきた経緯がある。そういうことも考えなくてはいけないのではないか、という発言がありました。

 これに対して草刈議長から、おっしゃるとおりである、但しフリーターの問題もあり、新卒との兼ね合いをとりながら工夫したい。例えば、高卒の枠をつくるなどの方向で考えたいという意見がありました。もちろん、再チャレンジのために年齢が高いところで受け入れるという枠はできているわけですが、それをさらに広げていきたいという話がありました。

 この論点は法律事項ではありませんので、諮問会議での議論が進展すれば、それは事態の打開につながるわけです。菅議員からも賛成が得られています。そこで私から、国家公務員採用試験のII種、III種については、再チャレンジを支援する観点から受験年齢上限を引き上げることとし、具体的な仕組みを本年末までに検討することということを、諮問会議としても取りまとめてはどうだろうかという提案をして、賛成が得られました。

 規制改革会議は、今後このプログラムの残された課題や追加課題について、また議論することになっています。

 この他、民間議員から、以下の発言がありました。

  • 規制改革会議の取りまとめの中で、医療レセプトの審査支払い要綱を抜本的に変えるというのは大変重要。これは、諮問会議で議論してきた高コスト構造是正にも大きい役割。
  • 現在、レセプトの3分の1がIT化され、紙ベースが3分の2だが、IT化された3分の1についても、社会保険診療報酬支払基金では紙に打ち出して審査していると聞く。IT化されるということは統計的手法で異常値をはじくということなので、これを本当の抜本的対策に結びつけてほしい。
  • これによって審査機関同士の競争が起こり、現在の支払基金は紛争処理的な機関になるのが望ましいのではないか。

 また、渡辺臨時議員から、以下の発言がありました。

  • 規制改革の観点から、空の自由化について、消費者の利益という観点から考えることが必要。
  • これまで航空業の観点から考えられてきたが、空の自由化の利害関係者は航空業界だけではなく、消費者あるいは産業界全般である。
  • したがって、規制改革会議は、この観点から議論していきたい。アジア・ゲートウェイ構想も、まさにこの方向で提言を出されている。
  • 首都圏空港には多くの問題があることは知っているが、消費者利益の観点から考えていきたい。これは、都市間競争の観点からも不可欠である。

 この他、銀行・証券のファイアーウォール規制は預金者保護という観点が重要だったので、これを自由化するときは当然それに代わるものは考えられているのかという質問があり、これに対して優越的地位の乱用や利益相反というのは十分に検討するという話がありました。

 総理からは、以下の発言がありました。

  • 規制改革は固い岩盤にチャレンジしている。規制改革をこれまでも進めてきて、難しいところが残っている。だからこそ、どの程度進んでいるかを国民に見せることが必要。
  • 規制改革は、総論賛成、各論反対になる。この各論反対というのは、規制に関係した人が厳しい態度をとるということだから、常に国民に問うていく、こういう利益があったということを国民に示していくことが重要。
  • 今月末の規制改革会議の1次答申、また、その後引き続き頑張っていただきたい。

 「基本方針2007」については、甘利議員から、以下の発言がありました。

  • 成長力の強化を第1の柱に据えたのは重要。
  • マスコミの論調として、成長戦略というのはばらまきを誘発するというような書かれ方をしているものもあるが、財政再建と成長戦略の同時達成というのが目指すべきところ。
  • 成長戦略の予算は、外にはみ出すのではなくて、質の改革。縛りをかけた中で、質の改善をする。したがって、歳出・歳入一体改革は堅持する。

 民間議員からは、以下の発言がありました。

  • 「基本方針2006」の書きぶりは、あまり定量的な目標や期限が書かれていなかった。「基本方針2007」では、具体的な目標や工程を書いていくことが大事。
  • 企業経営では「予算を消化したか」ではなく、「予算を節約したか」が重要。国の予算でも、同じ効果を少ない予算で達成するということを考えていかなければいけない。予算制度改革の中でこういう考え方を出していかなければいけない。それはまさに公務員の人事評価の問題である。

 ここで総理から、指示のペーパーが配られました。内容は以下のとおりです。

 6月に予定している「基本方針2007」の取りまとめに向け、歳出・歳入一体改革について、私の考えを明らかにしておきたい。

  • 歳出削減を一段と進め、財政の無駄を無くすとの基本方針は、安倍内閣において、いささかも揺らぐことはない。真に必要なニーズに応えるための財源の重点配分を行いつつ、歳出改革を着実かつ計画的に実施する。
  • 平成20年度予算は、この歳出改革を軌道に乗せる上で極めて重要な予算である。歳出全般にわたって、これまで行ってきた歳出改革の努力を決して緩めることなく、国、地方を通じ、引き続き「基本方針2006」に則り、最大限の削減を行う。
  • また、新たに必要な歳出を行う際は、原則として他の経費の削減で対応する、税の自然増収は安易な歳出等に振り向けず、将来の国民負担の軽減に向けるなど、「進路と戦略」で示した「予算原則」に沿って規律ある財政運営を行う。
  • こうした歳出改革の取組を行って、なお対応しきれない社会保障や少子化などに伴う負担増に対しては、安定財源を確保し、将来世代への負担の先送りは行わない。
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