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大田大臣 経済財政諮問会議後記者会見要旨

第13回会議(平成19年5月15日)

大田大臣

(1) 地球環境問題について

(2) 社会保障制度改革について

(3) 税制改革について

 大田弘子です。本日、今年第13回目の経済財政諮問会議が開催され、地球環境問題、社会保障制度改革、税制改革について議論しました。

 地球環境問題については、サミットまで1カ月を切っており、議論の内容が外交交渉上大きな影響を与えるので、資料、議事概要の説明、議事要旨を非公開とします。

 社会保障制度改革については、柳澤臨時議員から高コスト構造の是正プログラムの提示がありました。

民間議員が当初要望していた項目のうち、医科レセプトの直接審査、介護施設の経営の2つについては答えがありませんでしたが、それ以外についてはプログラムが出されています。内閣府とも何度もやりとりをしましたが、数値目標、期限が書かれている点で、意義あるプログラムができたと思います。2001年の「骨太」でも医療効率化プログラムはつくられましたが、期限や数値目標が書かれていなかったために実効性を伴わなかったという点があります。その点を踏まえ、今回は数値目標と期限が明確に書かれています。年内に制度改革をさらに詰めて、極力これが財政上どういう効果を持つかというのを出していきたいと思います。

医療制度改革が財政上どういう効果を持つかはかなり難しい点があります。例えば病院が効率化されるだけでは財政効果を持たず、それが診療報酬改定にどう反映されるかで初めて財政効果が出てくるというところがあります。また、医療費の中で公費は35%ぐらいの比率なので、公費の占める割合によっても変わってきます。

したがって、今回はプログラム、数値目標、期限をつくるというところで手いっぱいというところがありました。これを年内さらに制度改革を厚生労働省にも詰めていただき、より充実したプログラムにしていきたいと考えています。

 菅議員からは、公立病院の改革プログラムが示されました。この中で、国がガイドラインを策定し、それをもとに自治体が数値目標を設定するという提言をいただきました。国が人件費比率などのガイドラインを示すことを明確に言っておられます。

 主な議論は、以下のとおりです。

  • 民間議員から、厚生労働省ペーパーに関し、1日当たりにかかった診療費を包括払いするDPCだけではなく、疾病当たりの医療費を出すDRGの方が望ましいのではないか。
  • 民間議員ペーパーの中の年内に「基本方針2006」に定める削減目標を確実に達成するための道筋を示してほしいという記載に関し、歳出削減だけなく歳出構造も見直し、例えば高齢者の給付費の比率を少し下げて少子化の費用を増やすというような構造の見直しも必要ではないか。
  • 菅議員による公立病院の改革プログラムに関し、民間議員から、公立病院は耐震基準上の問題があるものも多いので、経営形態の見直しに当たってはPFIや指定管理者制度を入れて、なるべく民間という要素を入れてほしい。医療全般に関し経営の効率化が非常に大事。コストをしっかり意識した民間的経営が必要。後発薬の促進に当たっては、新薬の投資コストが回収できない問題もあるので、開発期間の短縮化、薬価の改革が必要。
  • 民間議員から、20年度の診療報酬改定は、今後の医療費削減、医療改革を占う試金石。したがって、診療報酬制度をさまざまな点で変えなくてはいけない。まず、水準を厳しく見直すことが必要。包括払いについては、今回の厚生労働省の紙では対象病院を拡大するとなっているが、対象病院の拡大だけではなく、1入院当たりの包括払いの導入、あるいは外来への拡大も考えるべき。2008年に導入される後期高齢者の医療費については、導入の当初から包括払いを前提にすべきではないか。医師不足の問題が言われているので、医師の確保、後発医薬品の拡大などと整合性のある、メリ張りある診療報酬制度にすべき。
  • 民間議員から、後発医薬品を使うとき、クリニックではチェックしたら後発医薬品でもよいことになっているが、チェックしない限り後発医薬品というふうにしたらどうか。
  • 民間議員から、患者は自己負担でコストを考えがちなので、領収書に医療費総額を記入するようにしてはどうか。
  • 別の御意見として、診療報酬改定に当たっては、医師不足が深刻な小児科医とか産婦人科を手厚くするというようなことも考えるべき。

 これに対し、柳澤臨時議員から、以下のような発言がありました。

  • プログラムの制度改革の内容を19年中に示してほしいという民間議員の提案があるが、今回最大限の努力をして、数値目標、検討期間を明示した。したがって、その内容をすぐ示していくのは難しい。一生懸命努力するが検討のための時間が欲しい。
  • 後発医薬品について、今回の厚生労働省のペーパーの中で後発医薬品の比率を数量ベースで30%に増やすということが書かれている一方、民間議員からはドイツ並みの40%を目指してほしいということで財政推計の数値も出されていることについて、努力はするがやや難しい。今のところ目標は30%に置きたい。
  • チェックしない限り後発医薬品にするというような処方上の措置は、ぜひ検討してみたい。
  • 新薬の開発の際、薬価のメリ張りをつけることも、そのとおりだと思うので、ぜひ検討したい。
  • 小児科、産科医にメリ張りをつけることも、その方向で取り組みたい。
  • 高齢者医療導入のときから包括払いを入れるべきという意見に対しては、大変参考になるが、荒っぽい診断が行われないように常にチェックしていくことが必要。
  • DPCをさらに拡大という点については、当面は1日当たりの包括払いということでやっていきたい。ただ、意見のあったDRGについても視野に入れて取り組みたい。
  • 医科レセプトの直接審査については、今は医療機関の事前合意が必要ということになっており、それによって紛争も事前に防いでいる。紛争が頻発する中で、なかなか病院の同意なしに直接審査というのは難しい。

 私からは、柳澤臨時議員の制度改革の内容を19年中に詰めていくのは難しいという点に関し、民間議員にも提言していただきながら、また諮問会議で議論していきたいとお願いしました。

 総理からは、今回、柳澤臨時議員、菅議員から示されたプログラムは、具体的な目標も掲げられていて大変意義が大きい、着実に実行してほしい。柳澤臨時議員には、今回のプログラムを踏まえて、年内に「骨太2006」を達成するための道筋を示してほしいという発言がありました。

 税制改革については、以下のような議論がありました。

  • 甘利議員の資料(※甘利議員は海外出張のため、山本経済産業副大臣が説明)の中の「租税原則として、「成長」を重視すべき」という記載に関し、香西会長から、法人税率を下げ国際競争力を重視する方向は大事だと思うし、税制改革の目標としては成長を重視したいが、租税原則というのは違和感がある。
  • 民間議員から、納税者番号が長く議論されているが、これは税制改革において非常に重要なポイントである。控除制度を含めて税制を簡素化し、電子申告を推進することは重要。
  • 民間議員から、納税者の不信感や不公平感があるので、受益と負担の情報をしっかりと出すことが大事。徴収コストを削減するため、社会保障手続と納税の手続を一体的に検討することが必要。日本の寄付金税制は非常に貧しい、これを大胆に拡大することが重要。
  • 香西会長から、控除簡素化という話に関連し、国際的にも所得控除を税額控除にする動きもあるので、それも含めて勉強していきたい。

 民間議員からの「税制改革の基本哲学」の提言に対し、4月25日と今回の2回にわたって明確な反対があったのは、前回の尾身議員からの地方分権に関し「財源における地方の自立性を高めるため、国と地方の税収比を5:5にする」という点に対する明確な反論でした。これについては、今後、地方分権を議論するときに、引き続き議論したいと思います。

他の点については、格別の反論はありませんでしたので、民間議員ペーパーをベースに「骨太2007」を調整していくということで進めたいと私から提案し、了承が得られました。

(以 上)

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