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第13回会議(平成19年5月15日) 大田大臣 経済財政諮問会議後記者会見要旨

大田大臣

19時24分~19時57分 於:共用220会議室

(1) 地球環境問題について

(2) 社会保障制度改革について

(3) 税制改革について

1.発言要旨

 今日の諮問会議の議題は3つです。地球環境問題、社会保障制度改革、それから税制改革、これは4月25日の続きです。
1つ目の地球環境問題につきましては、非公開ということにさせていただきました。サミットまで1カ月を切っておりますので、議論の内容が外交交渉上大きな影響を与えるということで、非公開にさせていただきます。したがいまして、資料、私からの議事概要の説明、それから通常3日後に出されております議事要旨については非公開ということになります。御了解いただきたいと思います。
2つ目の議題の社会保障改革については、以前から高コスト構造の是正プログラムをつくるということで、まず民間議員から項目を出し、厚労省と連携をとって作業を進めてまいりました。今回、柳澤大臣からプログラムの御提示がありました。
民間議員が当初要望しておられました項目のうち、答えていただいていないのは恐らく2つだけだと思います。医科レセプトの直接審査と、それから介護施設の経営、この2つについてはお答えがありませんでしたけれども、それ以外につきましてはプログラムが出されております。内閣府とも何度もやりとりをしまして、今回のプログラムがつくられています。数値目標、それから期限が書かれているという点で、意義あるプログラムができたと思います。2001年の「骨太」でも、医療サービス効率化プログラムというのをつくることとしたわけですけれども、期限や数値目標が書かれていなかったために、なかなか実効性を伴わなかったということがございます。このことを踏まえて、今回は数値目標と期限が明確に書かれております。年内に、制度改革をさらに詰めて、極力これが財政上どういう効果を持つかというのを出していきたいというふうに思います。
医療制度改革が財政上どういう効果を持つかというのは、かなり難しい点がありまして、例えば病院が効率化されるだけでは財政効果を持たないわけで、それが診療報酬の改定にどう反映されるかで初めて財政効果が出てくるというところがございます。それから、医療費の中で公費は大体3割、35%ぐらいの比率ですので、その公費の占める割合によっても変わってまいります。
したがいまして、今回はこのプログラム、数値目標、期限をつくるというところまでで、もう正直手いっぱいというところがございました。これを年内さらに制度改革を厚労省にも詰めていただき、より充実したプログラムにしていきたいというふうに考えております。
主な議論を紹介いたします。
民間議員から、厚労省のペーパーでDPC―これは1日当たりにかかった診療費を包括払いするというものですが、DPCだけではなくて、やはりDPG―これは疾病当たりの診療費を包括払いするものですが、DRGの方が望ましいのではないかと。
それから、民間議員ペーパーの中に、年内に「基本方針2006」に定める削減目標を確実に達成するための道筋を示してほしいということがございます。このときに、歳出削減だけではなく歳出構造も見直して、例えば高齢者の給付費の比率を少し下げて少子化の費用を増やすというような構造の見直しも必要ではないかという御発言がありました。
また、紹介が遅れましたが、菅大臣からも公立病院の改革プログラムが示されております。この中で、国がガイドラインを策定する、それをもとに自治体が数値目標を設定するという大変重要な御提言をいただいたと思います。国が人件費比率ですとか、そういうもののガイドラインを示すということを明確に言っていただいています。これに対して民間議員から、公立病院は老朽化して耐震基準上の問題があるものも多いが、経営形態の見直しに当たっては、PFIとか指定管理者制度を入れて、なるべく民間という要素を入れてほしいという御意見。医療全般ですが、経営の効率化というのが非常に大事で、コストをしっかり意識した民間的経営が必要だという点。後発薬の促進に当たっては、新薬の投資コストが回収できないという問題もあるので、併せて開発期間の短縮化、薬価の改革が必要だという御意見がありました。
別の民間議員の御発言として、20年度の診療報酬改定は、今後の医療費削減、医療改革を占う試金石である。したがって、診療報酬制度をさまざまな点で変えなくてはいけない。まず、水準を厳しく見直す必要がある。包括払いは今回の厚労省の案では対象病院を拡大するとなっておりますが、対象病院の拡大だけではなくて1入院当たりの包括払いの導入、あるいは外来への拡大も考えるべきだ。2008年に導入される後期高齢者の医療費については、導入の当初から包括払いを前提にすべきではないか。医師不足の問題が言われておりますので、こういう医師の確保、あるいは後発医薬品の拡大などと整合性のある、めり張りある診療報酬制度にすべきだという御意見がありました。
それから、後発医薬品を使うとき、今は患者が後発医薬品でもよいと紙にチェックしたら後発医薬品ということのようですが、逆にチェックしない限り後発医薬品というふうにしたらどうかというお話がありました。
患者は自己負担でコストを考えがちなので、領収書に医療費総額を記入するようにしてはどうかという御意見がありました。また、診療報酬改定に当たっては、医師不足が深刻な小児科医とか産婦人科を手厚くするというようなことも考えるべきだという御意見がありました。
こういう御意見に対して、柳澤大臣から次のような御意見が出ました。
プログラムの制度改革の内容を19年中に示してほしいという民間議員の提案があるけれども、今回最大限の努力をして、数値目標、検討期間を明示した。したがって、その内容をすぐ示していくのは難しい。一生懸命努力するけれども、やや検討のための時間が欲しい。後発医薬品についていろいろな御意見があったわけですけれども、民間議員からの意見として、今回の厚労省のペーパーの中で後発医薬品の比率を数量ベースで30%に増やすということが書かれているが、ドイツ並みの40%を目指してほしいということで財政推計の数値も出されております。これについては、努力するけれども、やや難しい。今のところ、目標は30%に置きたいと。
チェックしない限り後発医薬品にするというような処方上の措置というのは、ぜひ検討してみたい。新薬の開発の際、薬価のめり張りをつけるというようなことも、そのとおりだと思うので、ぜひ検討したい。小児科、産科医にめり張りをつけるということも、その方向で取り組みたいという御発言がありました。
後期高齢者の診療報酬導入のときから包括払いを入れるべきだという御意見に対しては、大変参考になるけれども、それで荒っぽい診断が行われないように常にチェックしていくことが必要であると。
DPCをさらに拡大という御意見については、当面は1日当たりの包括払いということでやっていきたい。ただ、御指摘のあったDRGについても視野に入れて取り組みたい。
医科レセプトの直接審査について。これは民間議員ペーパーにも書かれておりますけれども、今は医療機関の事前合意が必要ということになっており、それによって、紛争も事前に防いでいる。紛争が頻発する中で、なかなか病院の同意なしに直接審査というのは難しいというような御意見がありました。
柳澤大臣からの制度改革の内容を19年中に詰めていくのは難しいという御意見に対しましては、私から、民間議員にも提言していただきながら、また諮問会議で議論していきたいということでお願いいたしました。
総理からは、今回、柳澤大臣、菅大臣から示されたプログラムというのは、具体的な目標も掲げられていて大変意義が大きい、着実に実行してほしい。それから、柳澤大臣には、今回のプログラムを踏まえて、年内に「骨太2006」を達成するための道筋を示してほしいという御発言がありました。
社会保障については以上です。
次に、税制改革について御紹介いたします。
税制改革は、民間議員ペーパーは前回と同じもの、それから香西会長のペーパーには韓国、シンガポールの税制改革についての記述が追加されております。
甘利大臣からの資料―甘利大臣は海外出張で、山本副大臣が御説明されましたが――この中に、「租税原則として、「成長」を重視すべき」ということが書かれております。
これに対して香西会長から、まさに法人税率を下げ国際競争力を重視するというような方向は大事だと思うけれども、「租税原則として、「成長」を重視」するというのはやや違和感がある。税制改革の目標としては成長を重視したいが、租税原則というのは違和感があるという御発言がありました。
それから、民間議員から、納税者番号というのが長く議論されているけれども、これは税制改革において非常に重要なポイントであるということ、それから控除制度を含めて税制を簡素化して、電子申告を推進することは重要だという御発言がありました。
別の民間議員から、納税者の不信感や不公平感があるので、受益と負担の情報をしっかりと出すことが大事だ。徴収コストを削減するために、社会保障手続と納税の手続を一体的に検討することが必要。日本の寄付金税制は非常に貧しい、これを大胆に拡大することが重要ではないかという御意見がありました。
控除の簡素化という御発言に関し、香西会長からは、国際的にも所得控除を税額控除にする動きもあるので、それも含めて勉強していきたいというような御発言がありました。
民間議員からは、この「税制改革の基本哲学について」というペーパーで御提言をいただいております。これに対して、4月25日それから今回、この2回を通して明確な反対がありましたのは、前回、尾身大臣から出された反論で、地方分権のところで「財源における地方の自立性を高めるため、国と地方の税収比を5:5とする」というところだけです。これについては、今後、地方分権を議論する時に、引き続き議論したいと思います。ほかの点については、格別の御反論はありませんでしたので、民間議員ペーパーをベースに「骨太2007」を調整していくということで進めたいと私から御提案申し上げて、了承が得られました。

2.質疑応答

(問)医療費、社会保障のところですが、大田大臣から、今日の議論を踏まえて諮問会議でまた議論したいということですが、「骨太」までにという意味ですか。

(答)いえ、年内の制度改革についてということです。

(問)そうすると、社会保障費の削減、高コスト構造是正について、「骨太」までに平場で議論するのは、今回が最後だと思ってよいのですか。

(答)はい。もちろん「骨太」の原案とかを出していく過程で、また議論は出てくると思いますけれども、今回のプログラムを基本的には「骨太2007」のベースにしていきたいと思います。
ただ、「骨太」の本文の議論というのはこれからスタートしますので、さらに検討は深めたいと思います。

(問)最初の地球環境問題についてなのですけれども、これは非公開ということで理由の説明があったのですが、まず1点は、民間議員のペーパー等のやりとりはあったのかということと、それから、これは外交交渉上大きな影響が出るというふうに判断したということなのですが、これまで諮問会議が扱っているテーマでも、外交交渉で扱っているテーマもいろいろあったと思うのですけれども、あえて今回非公開になった理由について、もう少し詳しく教えてください。

(答)まず1点目ですが、民間議員からはペーパーが出されました。それについても議論がなされました。それから、若林大臣、麻生大臣、甘利大臣から資料が提出されて、議論いたしました。
なぜ今回は非公開なのかということですが、もうサミットまで1カ月を切っておりますので、非常に切迫した最終的な取りまとめに入っているということがございます。これまで諮問会議を非公開にしましたのは、過去2回あります。その時も、不良債権処理の問題ですとか、議論が外に出た場合の影響が大きい場合に非公開にしております。非公開というのは、決して望ましいことではありませんので、可能な限りしないようにしておりますが、今回、サミットが非常に近いということもあって、やむなく非公開という決断をいたしました。

(問)今回、民間議員の方から出されている社会保障について、具体的に要請している項目は3項目しかなかったわけですけれども、これは先ほど大臣が仰られたように、年内に向けてより多くの項目について財政効果を検証していくということで、厚労省を含めて合意したという理解でよろしいのでしょうか。

(答)制度改革がもっと詰められませんと、なかなか推計に至らないわけです。その制度改革の内容を詰めるというのは、19年中はなかなか難しいという柳澤大臣からの御反論を今日いただいておりますので、また民間議員からも提案する形で詰めていきたいと私としては考えております。

(問)制度改正を詰める中で、財政効果についてもより精密に検証していくということでしょうか。

(答)はい、そうです。

(問)税制のことでお伺いします。先ほど、今日の議論では、国と地方の税源の部分以外はそんなに反論も特になかったので、民間議員ペーパーをベースに「骨太」へと反映させるというお話だったのですけれども、そこの中で、民間議員ペーパーの中には、法人課税や所得課税を「広く薄く」という観点に立って、成長力重視と書いてありますけれども、この「広く薄く」というのは、普通に考えると税率を引き下げて、そして課税ベースを広げるという方向性のように考えられると思うのですけれども、4月25日の前のときだったかと思うのですが、民間議員ペーパーの中に税制について若干挙げている部分があって、研究開発減税など政策的な目的の減税を拡充すべきだというようなこともあったと思うのですが、ここは課税ベースの拡大というのとまた逆の方向性になっているように思えるのですけれども、この点について、もし議論があったのであれば、どのような議論があったのか教えていただきたいのと、大臣はどのように整理していこうとお考えになっているのでしょうか。

(答)まず、今日はこれに関して議論はありません。
ここは、恐らく民間議員の意向としては、税を設計する上での考え方ということだと思います。なるべく税を可能な限り薄くすることによって中立性を保つ、このペーパーにありますように、生産活動、就労への意欲を阻害しないということですね。そのためには、課税ベースを広くとらないといけませんので、税の設計の考え方として「広く薄く」ということが出されている。具体的に税率をどうこうするという話ではないと思っております。私自身も、税の設計の重要なあり方としては、「広く薄く」ということは重要な点だというふうに考えております。
あと、その研究開発というのは、いつの紙でしたでしょうか。

(問)成長力加速プログラムでしたか、そこに幾つかあった項目の最後に、たしか書いてあったと思うのですけれども、4月のペーパーなのですが。

(答)成長力加速ですね。R&D税制ですね。
基本的に、R&D税制は個別の税の提案だと思うのですが、ここは税の設計の考え方だというふうにとらえていただいたらどうかと思います。私が先ほど申し上げたのも、まさに税を設計する上での考え方だとお考えください。

(問)社会保障で、総理の発言の関連でお伺いします。これは、民間議員の提案と同じようなことだと思うのですが、「プログラムを踏まえ、年内に「基本方針2006」に定める削減目標を確実に達成するための道筋を示す」ということなのですけれども、これは具体的には制度改革を年内に担保していくというような意味なのか、今回の柳澤大臣の出された効率化プログラム、これをしっかりやるようにというような指示なのか、どういう意味合いで総理は言っているのでしょうか。

(答)これは、民間議員ペーパーの最後に書かれておりまして、民間議員がこの紙を説明されるときも、「ここが一番重要なポイントだ」と言われましたので、総理としては、やはりそこをサポートされたのだと思います。これは、「骨太2006」の中で、5年間で国・地方を合わせて1.6兆円、国で1.1兆円という削減目標が書かれております。これを達成するための道筋を示してほしい。その中の中心的な部分として、今回のプログラムがある。それをしっかり踏まえるようにということだと私は受けとめました。

(問)国と地方の税収比の5:5の議論のところなのですが、反論があったのは今回ではなく、前回ということでよろしいでしょうか。

(答)そうです。4月25日に、尾身大臣が反対意見を言っておられます。これはもう議事要旨が出ています。

(問)今回は、特にそういう議論はなかったということですか。

(答)この5:5の国と地方の部分は、地方分権にも絡みますので、地方分権を議論するときに議論したい、今回は、前回時間切れでできていないそれ以外の点で、ということを私からお願いしてあります。

(問)金融所得課税の話なのですけれども、これは来年予定されている金融一体課税をにらんだ動きというか、そういう方向性という解釈をしてよろしいのか、あるいはそこまでの議論には至っていないのか。
それから、税制全般について、総理から何か御発言があったら教えてください。

(答)まず、ここの金融所得課税は、具体的にどれだという議論には至っておりません。
それから、総理からは特別御発言はありませんでした。

(問)医療の効率化プログラムについてなのですけれども、確かにこの中に細かい数値目標がたくさん盛り込まれたなという印象はあるのですけれども、当初の数値目標というのは、やはりコストの削減額の数値目標というものが出てくることを期待していたというのがあると思います。今回、それは具体的にはここに書かれずに、民間議員ペーパーの試算という形になったわけですが、このことについてどういうふうに考えたらよいのかというのと、実際にこの効率化プログラムで本当にコスト削減できるかどうかというのがいま一つわからないと思うのですけれども、その辺、必ずコスト削減につながるということを担保するためには、どのようなことが講じられるかについて教えてください。

(答)コストの削減、あるいは財政コストというのは、先ほど申し上げたように、なかなかダイレクトには出てきませんので難しく、できればその効果が出るとよかったのですけれども、やはりなかなか数値は難しいというお話が当初柳澤大臣からありましたので、では民間議員から項目を出し、それについてプログラムを一緒につくっていくということで、これは総理からも連携してつくるようにということでしたので、何度もやりとりをして、今回のプログラムができたということです。これを何とか効果に結びつけていきたいというのが、これから年内の課題になります。
それをどうやって担保するかということですが、民間議員ペーパーでも、外部有識者の参加も得て定期的に実現状況を検証した上で、情報を開示し、諮問会議に報告してほしいとあり、完全にPDCAでやることにしておりますので、その中で本当に削減効果があったのかどうかをチェックしていくということになります。

(以 上)

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