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大田大臣 経済財政諮問会議後記者会見要旨

第12回会議(平成19年5月9日)

大田大臣

(1) グローバル化改革(EPA・農業)について

(2) ハローワークについて

(3) 独立行政法人改革について

 大田弘子です。本日、今年第12回目の経済財政諮問会議が開催され、グローバル化改革(EPA、農業)、ハローワーク、独立行政法人改革について議論しました。

 グローバル化改革(EPA、農業)については、民間議員から提案がなされました。 EPAは、日豪EPA、日米EPA、日EUのEPAについて。農業は、農地の所有から利用へというところに絞って提案がなされています。

麻生臨時議員からEPA交渉に関する工程表が出されていますが、この6番目に「米国・EUを含め、大市場国、投資先国等については、諸外国の動向、これまでの我が国との経済関係及び各国の経済規模等を念頭におきつつ、将来の課題として検討していく」と、初めて米国・EUが書き込まれました。これについては、民間議員からも評価するという発言がありました。

また、甘利議員の資料の中でも、大市場国との新段階のEPAがどんどん進んでいる。韓国、EUは、近隣諸国、旧植民地と締結する従来型のFTAではなく、大経済圏との締結を目指す新しいタイプのFTA戦略を推進している。米韓FTAは我が国への産業界への影響は大きく、韓EU・FTAははるかに大きい影響だということも書かれています。

 議論を紹介すると、以下のとおりでした。

  • 民間議員から、米韓はさまざまな問題を乗り越えて質の高いFTAを結んだ。韓国は直ちにEUと交渉を開始している。日本もEUや米としっかりと結んでいかないと、取り残されるデメリットは甚大である。特にEUは日本との間での高関税品目を残しているので、ここで取り残されるデメリットは非常に大きい。日本は世界の潮流から取り残されている。危機感を共有してスピード感を持って進めなくてはならない。
  • 同じ民間議員から、投資協定、租税協定、社会保障協定について、協定ごとに担当省が異なるという縦割りの交渉を国際協力の場で行わずに、包括的にやっていく必要がある。
  • WTO交渉を日本がイニシアティブをとってやっていくことは重要。その際、5%から10%の低い関税のものがあるが、その程度のものは一律に廃止するというような方針を打ち出すことは、イニシアティブをとる上で有効なのではないか。
  • 松岡臨時議員から、どの国も農業については問題を抱えており、日本だけが反対というわけではない。しっかりパッケージとして改革をしていくが、日本だけが問題があるというわけではないということは理解してほしい。
  • 民間議員から、農業を守るのが悪だというような意見はよくない。しかし、農業が国際競争力をつけるのは大変重要なことで、それには時間がかかる。各国とも時間をかけながら、農業を改革し競争力をつけており、日本も競争力をつけることを忘れてはいけない。
  • 松岡臨時議員から、民間議員の農地改革のペーパーに対し、所有から利用へというのは農水省としても考えている。その解決策として集落営農という方向も打ち出した。ただ、日本人の観念として所有権を乗り越えていくのはなかなか難しい。農地をどう集約していくかは、色々今考えている。農地解放以来の取り組みとして、秋に改革を取りまとめたい。その際、今回のグローバル化改革専門調査会の報告でも良いものはどんどん取り入れていきたい。
  • 松岡臨時議員から、5年間で耕作放棄地をゼロにするという民間議員提案についても、5年間でできるのかどうか、どれぐらい難しいのか、すぐには答えられないが、秋の取りまとめまでに検討して考えていきたい。
  • 松岡臨時議員から、民間議員ペーパーの農地と株式を交換するという提案について、金融の株式と違って、北海道でも鹿児島でも株式として農地は全部で一本化するというわけにいかないという難しさがある。
  • 民間議員から、乗り越えられない壁があるというのはわかるが、なかなか進まない。大規模農園に行かないと競争力はつかない。したがって、農地を取得する人に多様なオプションが必要である。株式との交換というのも一つのオプションだが、ほかのオプションもあるだろうから、専門調査会でさらに検討をしていくべき。
  • 民間議員から、EPAに関する麻生臨時議員からの、外交というのは相手があるので交渉上立場を強めることが重要、あまり譲ると国内で叩かれるし、相手のある話なので数値目標というのはそぐわないという話について。相手次第といっても、交渉相手だけでなく、韓国のような競争相手はどんどんFTAを進めているので、競争相手に合わせることも重要ではないか。
  • 民間議員から、松岡臨時議員の資料の中にある平均関税率は低いという指摘について、日本の弱みである上限関税が高い高関税品目を解決していかなくてはならない。

 私からは、以下のようにとりまとめました。

  • EPA・農業については、専門調査会報告で大きい議論のベースが出されたので、これをベースにまた諮問会議で議論を深めていきたい。
  • 今日、民間議員から提案のあった農地改革についても、秋の取りまとめに向けて農水省も検討していくということなので、私からも松岡臨時議員に積極的な検討をお願いする。

 ハローワークについては、無料職業紹介に市場化テストを導入するときに、ポイントは以下の3つがありました。これが民間議員ペーパーに出されているものです。

  • 対象業務は、すべての求職者を対象にした無料職業紹介でなくてはいけない。
  • 情報が提供されているネットワークは、現行の情報ネットワークと連携をとって、官民双方が無料職業紹介業務に必要十分な情報を共有する。
  • 対象ハローワークとして、23区内にあるハローワークのうちの数カ所であり、1カ所ではだめ。

 柳澤臨時議員の提案は、この3つを満たしています。具体的には、以下のとおりです。

  • 実施内容について。ハローワークの庁舎内で官と民、両方を併設してやっていく。求職者はそのどっちを選んでもいい。ただし、失業給付を受け取るためには失業認定がいるため、現在4週間に1回はハローワークに行かなくてはいけないということになっているが、失業認定を行うための作業は官のハローワークで行う。底上げ戦略の中で障害者や生活保護を受けている方については、福祉事務所と連携をとって職業紹介を行うことが書かれているが、このチーム支援の対象者も官が扱う。業務内容は、職業紹介、職業相談。実施施設は、東京23区内の2カ所。官民両方でやるので、100名から120名の従業員規模のあるところを検討したい。
  • ネットワークについて。ハローワークの無料職業紹介、雇用保険、事業主指導という3つの業務のうち、今回市場化テストを実施する無料職業紹介。事業主に対して行う企業指導情報というのがあるが、これは様々な監督を行うもの。例えば求人に当たって、差別的な取り扱いはしていないかとか、社会保険、労働保険への加入を指導するといったような情報。これは今回扱わないので民間ハローワークには提供されない。しかし、現在のハローワークの情報システムでは、求人・求職情報と企業指導情報が一体となっているので、最新の全国情報をCD-ROMで提供する。朝の4時からの6時の間に1日1回更新されるので、更新された後の最新の情報が毎日CD-ROMで民間のハローワークに提供される。更新は1日1回なので、官と民のハローワークが使っている情報は同じ。事業所名が非公開の求人情報については、事業主の了解を確認した上で民間事業者に提供する。求職者の側が使う自己検索端末はいずれも自由に利用できる。
  • 求職者選別・求人求職情報管理の問題について。民間の事業が就職困難な人を後回しにしてはいけない。守秘義務を守らなくてはいけない。
  • その他、3年間が実施期間になるので、その結果をしっかりと踏まえて、その後の対処のあり方を検討する。労働関係法令等違反企業、障害者雇用率未達成企業等は入札から排除する。民間事業者は窓口業務のために一定数の正社員を確保する。契約途中でも問題があれば契約を解除する。民と官のイコールフッティングを確保し、市場化テストの目的が十分に達成されるようにする。この観点が実質的に確保されるよう、監理委員会で行われる基本方針や実施要項の審議を経て、市場化テストを実施する。実施後においても、この実施状況のフォローアップにおける監理委員会の意見を十分に尊重し、適切な改善措置を講じる。

 これに対して民間議員から、長年の懸案に対して柳澤臨時議員の英断で道が開かれてことを評価するという発言と、なるべく早く平成20年度に実施してほしいという要請が出されました。

 議論としては、民間議員から以下の発言がありました。

  • 情報が命なので、くれぐれもイコールフッティングでやってほしい。民間の創意工夫を生かせるような制度設計にしてほしい。
  • 企業指導情報の中に、実は職業紹介するときに重要な情報もあるのではないか。例えば、最低賃金を何度も違反しているとか、そういうものがあった場合に、全く非公開になると民間事業者が職業紹介するに当たって不利になり、求職者にとってもマイナスがあるのではないか。

 これに対して柳澤臨時議員から、伏せてくれというのは企業側の要望でもある、実際上の対応で何とか解決されていくのではないかというような意見がありました。

これについては、私が市場化テストの担当大臣ですので、労働者の利益という点に立って制度設計をしっかりと行っていきたいと思います。

 総理からは、以下の発言がありました。

  • ハローワーク本体業務の民間委託は、10年前から検討されているが実現できなかった課題である。
  • 柳澤臨時議員の提案は、官民が机を並べて、文字通りの官民競争が行われるわけで非常にわかりやすい仕組み。明確な成果が出ることを期待したい。これは非常に改革の大きな一歩である。柳澤臨時議員や関係各位に感謝申し上げたい。
  • 今後も徹頭徹尾、利用者の立場に立って官民のイコールフッティングのもとで市場化テストが実施されるよう制度設計を行ってほしい。

 独立行政法人については、民間議員からペーパーが出され、渡辺臨時議員におかれては、菅議員と連携して独立行政法人見直し三原則に基づいて、101全法人を対象に見直しを行い、年内を目途に独立行政法人整理合理化計画を策定していただきたいという要請がなされました。

 渡辺臨時議員からは大変重い課題だが全力を尽くしてやっていきたい、菅議員も全面的に協力するという発言がありました。

 この他、渡辺臨時議員から、以下の発言がありました。

  • 独立行政法人の下に公益法人というお金の流れがあり、透明性のためにはここを連結して決算するような仕組みが必要。
  • 独立行政法人が役所の単なる関連会社や子会社にならないようにするためには、人と金をしっかりと独立させていかなくてはいけない。
  • 人については、押しつけ的天下りを根絶するという公務員制度改革で大胆な見直しが進むだろう。
  • 金については、運営交付金に専ら依存している部分が多いが、ここは例えば寄附をしたら税制上優遇が与えられるというようなにことも考えたらいいのではないか。

 また、菅議員から、政策評価で諮問会議と連携をとってやっていってはどうかという提案がなされました。民間議員からも、これは非常に重要なことで政府全体で取り組んでいくべきだという提言がありました。

 総理からは、以下の発言がありました。

  • 行政の新たなグランドデザインを描く一環として、独立行政法人改革は避けて通れない課題である。
  • 渡辺臨時議員におかれては、政府機能の見直しの第一弾になるような本格的な改革をよろしく頼む。菅議員もよろしく頼む。

(以 上)

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