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大田大臣 経済財政諮問会議後記者会見要旨

第8回会議(平成19年4月17日)

大田大臣

(1) 生産性加速プログラム(仮称):その1(成長可能性拡大戦略)

(2) グローバル化改革(金融・資本市場)について

 大田弘子です。本日、今年第8回目の経済財政諮問会議が開催され、生産性加速プログラムの成長可能性拡大戦略、グローバル化改革(金融・資本市場)について議論しました。

 生産性加速プログラムには、成長力底上げ戦略、サービス革新戦略、成長可能性拡大戦略の3つの柱があり、今日はこのうち成長可能性拡大戦略について審議しました。なお、サービス革新戦略を次回議論します。

 民間議員からは、まず生産性加速プログラムの全体像について説明がありました。大きなポイントは、成長力の発現を阻害している要因を徹底して取り除くということと、消費者やユーザーの視点から供給サイドの大胆な改革を行うということで、潜在力を「基礎力」、「効率」、「創造力」の3つの観点から見直すということでした。

この全体の説明の後、成長可能性拡大戦略の策定に向けての説明がありました。大きな柱は、政策イノベーション、大学・大学院改革、「貯蓄から投資へ」の加速の3つです。まず大学・大学院改革について議論しました。

 伊吹臨時議員からは、以下のような説明がありました。

  • 運営費交付金の配分については、単に経済成長という観点からR&D的なものが効率的であるという考え方はとらない。あらゆる学問分野について優れた教育・研究が行われるよう整理が必要。
  • 例えばローマの歴史、中国の歴史、あるいは米国の国の成り立ち、そういうものを理解して外交交渉に当たること、そういうことができることも国にとっては大変大事なことで、単に物理的なR&D的なものが経済成長に結びつくということではない。

 尾身議員からは、「改革」というと常に国立大学が議論されるが、私立大学も含めて考えることが必要との説明がありました。

 主な議論は、以下のとおりです。

  • 伊吹臨時議員の説明に対して、民間議員も経済成長を狭くR&Dに限定しているわけではない。歴史や外交が重要というのは賛成。広く経済成長に結びつくという観点から提言をしている。
  • 民間議員の提案は新しいことではなく、平成13年に当時の遠山文科大臣から出された遠山プランに盛り込まれている。ここに書かれている国立大学の再編や統合を大胆に進めるべき。そのために、目標や工程を「骨太」にしっかり盛り込むべき。

 これに対して伊吹臨時議員から、以下の反論がありました。

  • 目的を立てて交付金の配分を考えることは、個人的にはやってよいと思う。
  • ただ、文部科学省が入って大学の再編を進めるというのは、計画経済的に介入することにならないか。

 これに対して民間議員から、以下の発言がありました。

  • 文部科学省が介入すると計画経済的になるというのはおかしい。競争政策も立派な政策である。例えば、入試日に関しては国立大学協会が規制しており、入試日が分散しない。ここを是正していくのも、立派な競争政策ではないか。

 この他、伊吹臨時議員から、大学の競争を促すに当たっては、例えば寄附金税制の拡充というようなことも重要ではないかという発言がありました。

 政策イノベーション及び「貯蓄から投資へ」の加速については、以下のような発言がありました。

  • アメリカのSBIRには第1フェーズ、第2フェーズ、第3フェーズがあり、第1フェーズをクリアした企業にだけ第2フェーズとして実用化段階の支援をし、第2フェーズをクリアしたところには商業化段階の補助をするという仕組みになっているが、SBIRをさらに広げ、それぞれの省で研究開発予算の一定割合をこれに向けるべきだという民間議員の提案に対して、研究開発予算の一定割合を当てるということは硬直的になるのではないか。
  • エンゼル税制は重要。そのために、投資損失の繰り延べ、その損失を相殺する所得を広げるべき。

 私からは、以下のようにとりまとめました。

  • 大学改革については、諮問会議以外にも、教育再生会議、イノベーション25、総合科学技術会議で議論がなされているので、そういうところとも連携をとりながら、「骨太2007」に向けて取りまとめていきたい。
  • プログラムの基本的な考え方と骨子については異論がなかったので、4月25日の取りまとめを目指して引き続き検討していきたい。
  • SBIR、エンゼル税制、伊吹臨時議員から議論のあった寄附金税制については尾身議員に検討いただきい。

 総理からは、以下の発言がありました。

  • 大学改革については、意欲的な改革案を「骨太2007」に盛り込むように、もう既に前回も申し上げている。
  • 大学改革を検討している政府の会議が複数あるので、関係会議間でも議論して、教育再生会議を中心に取りまとめて、「骨太2007」に盛り込んでほしい。

 グローバル化改革(金融・資本市場)については、近日中に予定している専門調査会の第1次取りまとめの中で生産性に関係が深い部分について、民間議員から提案がありました。大きな議題は、取引所の競争力強化、銀行・証券の垣根の見直し、審判の機能の強化―市場の監視体制の強化の3つです。

 甘利議員からは、資料に沿って説明があった後、総合取引所について、以下の反論がありました。

  • 商品先物で取り扱われている原油、金、白金などは、単なる資産運用の対象ではなく、資源エネルギー戦略を支える重要な産業インフラである。したがって、実需市場と連動した市場設計が必要。証券市場とは異なる。

 山本農林水産副大臣からは、国が関与しない農産物については、厚みある市場をつくるというのは良いことだと思う。ただ、生産調整を行っているものについては上場商品にすべきではないという発言がありました。

 主な議論は、以下のとおりです。

  • 金融・資本市場については、グローバルな変化のスピードをきちんと踏まえなくてはいけない。その変化に加速度がついてきている。日本は、90年代後半のビッグバンで改革したが、その後十分な改革がなされておらずギャップが広がっている。一度見直して終わりではなくて、制度を常に見直していく、イノベーティブな変化を起こすくせをつけなくてはいけない。最近の金融・資本市場の世界の特徴として、マネーだけではなくコモディティーや排出権まで含めて、市場横断的にバリューとリスクの取引がなされ、裁定が行われるようになっている。このような変化をしっかりと踏まえて制度設計すべき。
  • 日本の場合、輸入商品が非常に多いので、単純な商品先物ではなくて、他の金融商品との組み合わせを考えることが必要。
  • 商品先物と証券市場は違う。形だけ一緒にしてはよくない。日本の証券取引所、金融・資本市場がおくれているのは、英語が使われていないから。
  • 産業インフラとして重要との意見があったが、今の東京証券取引所では扱われている商品が非常に少なく、品揃えが極めて貧弱。したがって、産業インフラとは異なる観点から総合取引所を進めなくては、世界から遅れてしまう。
  • ETFに組み込むのはよいが、商品と証券を一緒にすると問題がある。
  • 現在の商品取引所がその機能を果たしていないというのが現状。投機資金が流れるから重要な産業インフラには良くないという反論があるが、今の商品取引所の方がむしろ投機的になっている。それを規制したが、規制によって取引は減少している。参加者を増やすことは、非常に重要なリスクヘッジにもなる。
  • 山本副大臣から生産調整をしているものは上場の対象にしてはいけないという反論があったが、例えば米であれば、作付が終わった後に上場すればむしろ天候のリスクヘッジにもなる。

 私からは、以下のとりまとめをしました。

  • 反論はいろいろあったが、日本の金融・資本市場が今のままではいけないという点は、共通していた。
  • 総合取引所については、引き続きまた議論したい。
  • 銀行と証券の垣根の見直しについては、山本臨時議員の方で、金融審議会で早急に検討を進めていただきたい。なお、山本臨時議員も了解したとのことでした。
  • 課徴金の引上げ等については、来年の早い時期に実現するよう検討していただきたい。なお、山本臨時議員もそのようにしたいということでした。

 総理からは、以下の発言がありました。

  • 金融・資本市場は、すべての産業や経済のベースとなるもの。したがって、改革は不可欠。
  • 日本をロンドンやニューヨークに並ぶ国際金融センターにするために、民間議員ペーパーにある「取引所競争力強化プラン」をはじめ、具体案を山本臨時議員が中心となってさらに検討を進め、「骨太2007」で改革全体の方向を示してほしい。

(以 上)

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