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大田大臣 経済財政諮問会議後記者会見要旨

第7回会議(平成19年4月6日)

大田大臣

(1) ハローワークについて

(2) 労働市場改革について

 大田弘子です。本日、今年第7回目の経済財政諮問会議が開催され、ハローワークへの市場化テストの導入、労働市場改革について議論しました。その後、基本方針2006のフォローアップ、経済成長戦略大綱のフォローアップ、生産性についての現状データの紹介がありました。

 ハローワークへの市場化テストの導入については、最初に、ハローワークとILO条約に関する懇談会の花見座長から報告がありました。その後、民間議員ペーパーが説明され、以下の提案がなされました。

  • 東京23区内に19のハローワークとその出張所があるが、そのうち数カ所のハローワークについて市場化テストを実施する。
  • 対象となるハローワークは、国の指揮監督下に置いた上で、現行のネットワークとの連携を図る。
  • 民間が受託した場合には、受託によって得られる求職求人情報の適正利用の義務づけや守秘義務の徹底など厳格な行為規制を課す。

 それから、柳澤臨時議員から説明がありました。ポイントは以下のとおりです。

  • ハローワークは、障害者、失業者などの弱者の職業紹介も多いので、長年かかって培った信頼関係が重要。入札をかけて官がいいのか民がいいのかというのは、少しなじまないのではないか。
  • ハローワークにおいては、職業紹介、雇用保険、事業者指導を含む雇用対策を一体となってやらなくてはいけない。

 これに対して、民間議員から以下のような意見がありました。

  • 提案しているのはハローワークの機能を壊すのではなく、高めること。
  • フリーターなど、マッチングが難しい職業紹介が増えており、なぜ官でなければできないのか。
  • 人間的な信頼関係は、民でもつくれるはず。
  • 官のハローワークはきめの細かいサービスを提供しているという説明があったが、それは証明されていない。それを証明するのが市場化テスト。官民競争入札は、どちらのサービスの質が高いかを判定するので、もし民よりすぐれているのならば、それは市場化テストにかけて証明するべき。
  • どんなふうにしたら、民間の活力を入れられるのかということを工夫すべき。
  • 貴重な公務員が窓口業務をやるのではなくて、民にできることは民に任せるべき。

 この他、以下のような意見がありました。

  • ILO条約のいわば神学論争ではなくて、利用者にとってどういう運用が望ましいのかという視点が大事。民間が労働者のために情報を提供したり、サービスを提供することが重要。通常、民間の方がいいサービスを提供するではないか。民間議員の提案は、日本全国、全部市場化テストをかけろということではなくて、都区内の19のうちの幾つかということだから、なぜ悪いのかわからない。あくまで働く人の立場で提供すべき。
  • ハローワークはもっと機動的にあるべきだと、かねがね思っていた。失業率5%だったときに、日曜日でもハローワークは開くべきだということを提案したら、けんもほろろにILO88号条約があるからだめだということを言われた。何のためにハローワークがあるのかということを考えて、民間の参入というのもやるべきではないか。

 これに対して、柳澤臨時議員から、以下の反論がありました。

  • さっき申し上げた3つの業務-雇用保険、職業紹介、雇用対策-この縦の業務の一体化だけではなく、窓口に来た人が最後に仕事を見つけるまでを一体としてやらなくてはいけない。つまり、失業して雇用保険を受け取りに来る人が仕事を見つけるまで、横軸としても一体的でなくてはいけない。
  • ハローワークの仕事というのは、右から左に就職が決まらないような人が多い。求人情報も難しい職場が多い。厳しい職場と就職が難しい人とのマッチングである。厚生労働省としても、民間にできることにしゃしゃり出ているつもりはないが、そこに市場化テストを入れたときに、どういうことが問題になるのかが懸念される。

 私からは、現在、新規求職者の中で雇用保険の対象者は約3割であり、それ以外の対象者が増えている。そういう点も踏まえて、また諮問会議で引き続き議論させていただきたいと発言しました。

 総理からは、以下の発言がありました。

  • ILO条約を採択してから60年たち、時代は変わり働き方も大きく変わっている。だからこそ、今、労働法制6本を国会に出している。
  • こういう多様なニーズにこたえて、流動性の高い労働市場をつくることが必要になってきている。
  • 求人と求職をマッチングさせる機能を、質的に強化させることが重要になっている。また、年長フリーターや母子家庭の方々など、働く機会の確保が重要で、しかも難しいケースが増えている。
  • したがって、職業紹介について議論を行うときは、こういう労働市場を取り巻く環境変化を十分に把握して、官民双方の力を合わせて、どういう職業紹介の仕組みをつくっていくのかという視点を持つことが必要である。
  • このような観点から、ハローワークへの市場化テストの導入をどのように行っていくのか、柳澤臨時議員にも具体的に考えてほしい。

 本日は大きく議論も分かれましたが、ハローワークの市場化テストについては、また諮問会議で議論をしたいと考えています。

 労働市場改革については、まず労働市場専門調査会の第1次報告が説明されました。この中ではワークライフバランスを重視しており、ワークライフバランス憲章を定めるべきという提案があります。これまでは失業率を下げることが主に経済政策になっていましたが、日本は労働力人口が減るので、就業率を高めていく、職探しをあきらめたり高齢者で非労働力になる人が多いわけですが、労働市場の参加率を高めていく、失業率の引き下げから就業率を引き上げるという転換です。それから労働時間を短縮させていく。こういうものを盛り込んだワークライフバランス憲章をつくるべきだという提案がなされました。

 柳澤臨時議員からも以下のような説明がありました。

  • 就業率の上昇は、厚生労働省では2030年に向けて推計を出しているが、今日の労働市場専門調査会とほぼ同じような結果になっている。
  • 労働力人口が減るのを補うためには、就業率を上げていくことに尽きる。
  • 一方、専門調査会にある労働時間を減らすことはそう簡単なことではない。これは大変な改革。

 これに対して、以下のような発言がありました。

  • ワークライフバランス憲章を踏まえて大きな国民運動にするために働き方を変える行動指針をつくるべきだという民間議員の提案に対し、そういうことをやると日本はキリギリスの国になる。働きたい人は働いて、休みたい人は休むのがいいわけで、働かないことがいいことだというのは自由主義に反する。そういう国家に日本をするのか。国家の方向として、週休2日とか有給休暇100%とか、そういうことを決めることには反対。日本が衰退する方向に向かうのではないか。
  • 働くことの量的な指標が出ているが、働きがいという質的な面も大事ではないか。

 これに対して、民間議員から以下のような反論がありました。

  • 働きたい人が働くということは賛成だが、ワークライフバランスという考え方が出てきているのは、女性の就業率を上げていくということが背景にあったはず。
  • 労働が多様化する時代にオプションを多くする。専門調査会の報告は総合的に見ると、多様化ということを含む思想になっている。
  • 労働市場の多様化のためには、年功序列賃金も見直していくべき。

 この他、テレワークを普及させるのが重要だが、これも職務専念義務のような幾つかの縛りがあるので、そういうのは自由にしていくべき。トータルに女性が働けるような環境をつくっていくべき、というような発言がありました。

 総理からは、以下の発言がありました。

  • 長時間労働を前提に経済が成り立つというのはおかしい。家族と時間を過ごすということも大事。
  • ワークライフバランスを実現させるのは少子化対策の観点からも重要なテーマであり、安倍内閣として本格的に取り組みたい。
  • 民間議員から提案のあった働き方を変える行動指針というのは、政府部内で十分に連携して取りまとめていきたい。

 議論は以上で、その後、基本方針2006のフォローアップなどの報告がありました。

(以 上)

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