内閣府 Cabinet Office, Government of Japan

内閣府ホーム >  内閣府の政策 >  経済財政政策 >  経済財政諮問会議 >  経済財政諮問会議(平成13年~平成21年) >  諮問会議情報 >  平成19年会議結果 >  大田大臣 経済財政諮問会議後記者会見要旨

大田大臣 経済財政諮問会議後記者会見要旨

第5回会議(平成19年3月16日)

大田大臣

(1) 公務員制度改革について

(2) 社会保障改革(高コスト構造是正プログラム)、及び、医療・バイオ分野の成長戦略の確立(成長可能性の拡大戦略 その1)について

 大田弘子です。本日、今年第5回目の経済財政諮問会議が開催され、公務員制度改革と社会保障改革について、議論を行いました。

 公務員制度改革については、渡辺臨時議員がペーパーに沿って説明しました。ペーパーに書かれていないこととして、再就職あっせんを人材バンクによるあっせんだけにしていくのを、余り長い期間かけずに2年ぐらいでやってはどうかと考えているという発言がありました。

 その後、民間議員がペーパーに沿って説明しました。また公務員たたきが目的ではなく立派な公務員をつくっていく、よい公務員なくしてよい政治はないということが最大の主眼であり、大量の公務員が路頭に迷うことがないように制度設計していかなくてはならない、という発言がありました。

 全体として、総理がかねがね言っておられるように、国民から見て押しつけ的な再就職あっせんは根絶するということは、共通した意見でした。また公務員がやる気になって働くような制度でなくてはいけないというのも一致していました。それから公務員制度全体をパッケージで議論しなくてはいけない、透明な制度でなくてはいけない、しっかりワークする仕組みでなくてはいけない、という点は共通していました。

 一番のポイントは、各省庁によるあっせんを人材バンクに一元化していくのかどうかという点です。これについては、1人の議員から反対がありました。理由は以下のとおりです。

  • 年金は65歳から、定年は60歳であるが年金を受け取るまでに間があるので、65歳までの定年延長とパッケージでなくてはいけないのではないか。
  • 各省庁によるあっせんを全面禁止すると、45歳や50歳になると職権を利用して職探しをする公務員も出てくるのではないか。つまり、モラールが低下して職務に集中するというところが崩れてしまうのではないか。
  • 性悪説で制度設計すると有能な人材が集まってこないのではないか。

 これに対して、民間議員から以下の反論がありました。

  • 押しつけがないとすれば、なぜ人材バンクではいけないのか。
  • もし各省でなければ本人の能力が十分にわからないというのなら、各省が推薦状をしっかりと出せばいいのではないか。
  • どうしても各省庁が直接再就職あっせんをしなければならないというのならば、それは国民の目から見ると、何らかの利益誘導があるのではないかと見えるのではないか。
  • 各省庁によるあっせんを全面禁止すると、45歳や50歳から職権を使って職探しをしかねないという方が、よほど性悪説に立っているのではないか。

 その他の意見としては、以下のものがありました。

  • 公務員は専門性を高めることが必要。ところが今の再就職あっせんの仕組みというのは、専門性が生かされていない。最終的にどういうポストにいるかに見合った処遇になっている。
  • 一定割合を公募にしてはどうかという提案が、渡辺臨時議員からも民間議員からも出ているが、これは外から人を持ってくるのが目的ではなく、専門性という観点から最もその専門性を強く持ち能力がある人がポストに就くということが主眼であって、その役所にいる人が問題だということではない。

 総理からは、以下の発言がありました。

  • 押しつけ的なあっせんは根絶しなくてはいけないということは、かねがね申し上げてきた。国民の目から見て押しつけ的なあっせんというのは、完全になくしていかなくてはいけない。
  • いろいろな議論はあるだろうが、全体パッケージとして、各省による再就職あっせんはなくして、機能する新人材バンクに一元化していくことが必要。
  • 渡辺臨時議員は、この方向で法案化に向けて進めていただきたい。そして、よく説明することもしてほしい。

 社会保障改革については、今回2つが議題になっています。1つは、高コスト構造を是正するためのプログラムづくりという点。もう1つは、成長戦略の中で、医薬品とか医療機器というのは大きい成長分野であるという点。この2つについて議論がありました。

 まず柳澤臨時議員から、社会保障全体のITグランドデザインという非常に前向きの話がありました。それから、健康保険証をすべて個人カード化していくという話、医薬品・医療機器分野は戦略分野として取り組む、というような話がありました。その後、民間議員から資料に沿って説明がありました。

 柳澤臨時議員からは、民間議員提案には保険者によるレセプトの直接審査というのが入っているが、これについては反対である。病院と保険者の間に今は審査機関というのがあるが、ここが行司役を担っている。ここがなくなっていきなり審査すると、バランスが崩れるのではないかという発言がありました。

 民間議員からは、レセプトというのは支払い請求書なので、金を払う側が第一義的には審査すべき。1枚100円以上の報酬は高コストである。それに支払い基金の独占的な体制となっているのではないかという意見がありました。また、IT化が極めて重要という意見、数値目標は必要という意見がありました。それから、小児科、産婦人科が不足しているという国会でもよく議論されている大問題については、診療報酬の仕組みを変えなければいけないのではないか、あるいは医学部の学生の数を増やしていくことが必要ではないかという意見がありました。更に日本の場合は卒業したての医者もベテランの医者も優劣なく扱われているが、こういうことが問題ではないかという意見がありました。

 民間議員ペーパーと柳澤臨時議員の話で、一番大きく違っているのは、数値目標をつくるかどうか、第三者機関を設置するかどうかという点です。これに関して、柳澤臨時議員から、以下の発言がありました。

  • 現実に実行している立場からすると数値目標というのは設定しにくいので、諮問会議で参考指標を出すのがいいのではないか。
  • 第三者機関についてもアイデアとしてはわかるが、既に厚生労働省には中医協があって中立的な委員もおられるので、こういうところでやるということも考えられるのではないか。
  • レセプトの直接審査については、やった後の行為に対する審査なので紛争になり大きい問題になるため、まずいのではないか。
  • 医者の優劣がついていないという意見に対しては、日本は皆保険の国であり、皆保険との制度の両立をどうするのか。

 医薬品や医療機器の開発については、意見が一致しています。日本は、最初の技術開発は早くても、治験や承認で大変時間がかかってしまっておくれている。これについては、総理からも、長い間議論されているので出来ない理由を明確にして、しっかり取り組んでほしいという意見がありました。

 総理からは、更に以下のご意見がありました。

  • 高コスト構造というのは非常に大事なので、数値目標や項目をしっかりと入れたプログラムをつくっていってほしい。
  • 医薬品・医療機器については、柳澤臨時議員も4月を目途に案をつくるということだが、しっかりとした戦略をつくってほしい。

 1点補足すると、民間議員から、数値目標を財政効果に置きかえたらどれぐらいの効果があるのかについて、幾つか試算した例が説明されました。例えば、以下の試算が示されました。

  • 公立病院の人件費等費用構造の見直しによる赤字の縮小については、仮に公立病院の人件費の医業収入に対する割合(54.5%)を普通の医療法人並み(52.1%)に引き下げたら、1,400億円のコスト削減効果がある。
  • 後発医薬品の価格を先発品の半分と仮定して、後発品の数量ベースのシェアを現在の16%~17%ぐらいからドイツ並みの40%に引き上げたら、医療費抑制効果が8,800億円になる。

 民間議員提案と柳澤臨時議員との間で幾つかの項目について違いがあり、数量目標、目標年次、第三者機関をどうするのかについて意見が一致していませんので、これについては厚労省と内閣府でも詰め、諮問会議でもプログラムそのものを議論していきたいと考えています。それから、医薬品・医療機器を成長分野にしていくというのは、4月に厚生労働省からたたき台が出てきた後、諮問会議で議論したいと考えています。

(以 上)

内閣府 Cabinet Office, Government of Japan〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1
電話番号 03-5253-2111(大代表)