内閣府 Cabinet Office, Government of Japan

内閣府ホーム >  内閣府の政策 >  経済財政政策 >  経済財政諮問会議 >  経済財政諮問会議(平成13年~平成21年) >  諮問会議情報 >  平成19年会議結果 >  大田大臣 経済財政諮問会議後記者会見要旨

大田大臣 経済財政諮問会議後記者会見要旨

第4回会議(平成19年2月27日)

大田大臣

(1) 生産性加速プログラムに向けて

  1. 生産性向上と成長力強化の全体像について
  2. イノベーション25について
  3. 大学・大学院改革について
  4. ITの活用について

 大田弘子です。本日、今年第4回目の経済財政諮問会議が開催され、生産性加速プログラムに向けて、イノベーション25、大学・大学院改革、ITの活用について、議論を行いました。

 まず議論に先立ち、私の方から生産性加速プログラムの見取り図のようなものを簡単に示しました。生産性加速プログラムは、4月末までに取りまとめます。これから順次議論していきますが、粗々の見取り図があった方がわかりやすいのではないかということで、あくまで今の案を示しました。名称や内容をともに、4月に向けて諮問会議で審議していきます。

 目標については、労働者1人当たり1時間に生み出す付加価値の伸び率である労働生産性の伸び率を指標とし、過去10年間で年平均伸び率1.6%ですが、これを今後5年間で5割増しの2.4%を目指すということです。これから人口が減る中で、一人一人が生み出す付加価値を多くしていこうという取り組みになります。総理からは、例えば生産性倍増のようなわかりやすい目標をという指示がありましたが、5年間で倍増というのは難しいので、5割増しを目指していきます。

 中身については、「成長力強化への三重奏」ということで、3つのパートでなっています。1つ目のパートが「成長力底上げ戦略」。これは人材への投資です。2つ目のパートが「サービス革新戦略」。これは、現在非効率な部分を改革していくということでサービス産業の改革、また政府の改革ということで世界最先端の電子政府をつくっていきます。3つ目のパートは「成長可能性の拡大戦略」で、未来への投資ということになります。成長分野の開拓、大学改革、リスクマネーというようなことが柱になると思っています。なお1つ目のパートの「成長力底上げ戦略」については、骨太に先立って既に発表しています。

 イノベーション25については、高市臨時議員、黒川イノベーション25戦略会議座長から説明がありました。あまり議論はありませんでしたが、以下のような発言がありました。

  • 世界の知的拠点になるには、ヒト、モノ、カネが自由に移動する、つまり純潔主義を捨てる取り組みが要る。
  • マーケティングの人材、資本が流入するようなマーケットをつくっていかなくてはいけない。

 大学改革については、民間議員からの提言を中心に議論されました。大学改革は、過去の諮問会議においては、必ずしも十分に議論できなかったテーマの1つですが、成長力強化の礎になるものです。諮問会議でも、骨太に向けてしっかり議論していきたいと思います。

 民間議員からは、以下のような提言がありました。

  • 日本の大学は世界の潮流から遅れている。研究拠点としても、教育拠点としても、選択と集中が必要。
  • イノベーションの拠点としては、研究予算の選択と集中を行うべき。なるべく競争原理に基づいて、一律配分するのではなく、評価に基づく配分、すなわち競争的資金の比重を高めていくべき。
  • オープンな教育システムの拠点として、大学・大学院グローバル化プランをつくっていくべき。その中で、文系、理系の区分の撤廃、入試日の分散、9月入学の実現をする。
  • 国立大学運営費交付金の配分ルールを改革すべき。
  • 私立大学も区分せずに、支援のあり方を改革する。

 これに対して、伊吹臨時議員から、以下のような発言がありました。

  • この提言に対して異論はない。異論はないが、大学の難しさとして、努力や成果をどう評価するのかが難しい。
  • 大学の場合は企業経営とは違うので、利潤追求と大学のあるべき姿をどう両立していくか、質の保障をどうするかというのが大変難しい課題。
  • 規制緩和の中で大学の数が増えたが、学位の質、大学の質の保証をどうしていくのかというのは大変難しい課題。
  • 国立大学も今は国立大学法人なので、大学の多様な取り組みを支援するような形にしていきたい。文部科学省として1つの方法を打ち出すというようなことは、なるべく避けたい。

 これに対して、民間議員から、以下のような発言がありました。

  • 質を高めるには、運営費交付金の配分ルールを改革することが重要。
  • かつて小泉内閣ができた直後の平成13年6月に遠山プランというのが出されたが、その中で競争的資金を増やすということが書かれており、既に評価に基づく配分というのは言われている。
  • この6年の間に評価に基づく配分をしっかりと進めるべきだった。

 他の意見を紹介すると、以下のとおりです。

  • 私立と国立の格差が大きい。私立の人材が科学技術のポテンシャルとして貢献していない。海外では、競争的資金を配分すると、それにマッチングする形で国の支援があるようなので、そういうものを入れていくべき。
  • 成長力強化のためには、予算制度を変えて競争的資金を増やす、あるいは評価を緻密にするといったことが必要。
  • 大学の合従連衡が必要。

 その前に高市臨時議員から、イノベーション25の重点課題の1つとして、世界に開かれた知の拠点としての大学の改革ということが上げられていますので、その観点からの発言がありました。

 最後に、伊吹臨時議員から、以下の発言がありました。

  • 安倍内閣が成立したときは、既に平成19年度予算の概算要求は出ていたので、安倍内閣としての性格を出すのは20年度予算から。
  • 安倍内閣は、教育にしっかりと取り組む内閣であるので、ぜひ安倍内閣らしい予算にしていきたい。今日出た民間議員の提案など、また諮問会議として詰めていただき、相談をしたい。

 総理からは、甘利議員の資料を引用する形で、以下の発言がありました。

  • 日本の大学から外に出ていく研究者は13万人、入ってくるのは3万人という資料が出ているが、これがもっと細くなってはいけないので、人材育成は非常に大事。
  • 骨太2007に意欲的な大学改革のプランが盛り込まれるように、諮問会議としても精力的に議論をしてほしい。
  • 教育再生会議もこれから高等教育の議論を始めるので、ぜひ連携をとってほしい。

 IT活用については、民間議員から以下のような提言がありました。

  • 世界最先端の電子政府をつくるために、内閣IT調達本部をつくる。医療のIT化を進める。
  • 民間の中でネットワークが標準化されていないために、生産性の上昇に結びついていないので、標準化されたITシステムを普及・促進すべき。
  • 成長分野創出のために、電波特区の創設、デジタル・コンテンツ流通促進法制を整備する。

 非常に時間が押していて、十分な議論はできませんでしたが、これに対する明確な反論はありませんでした。それぞれ持ち帰って詰めてもらい、また諮問会議で議論することにしたいと取りまとめました。

 電子政府に関連して、内閣IT調達本部については、高市臨時議員のIT戦略本部で詰める。医療のIT化については、IT戦略本部で詰めてもらいますし、高市臨時議員からも、これは大変重要という発言がありました。また柳澤厚生労働大臣に出席いただいたときに、この点は詰めたいと思います。

 ネットワーク化の推進については、甘利議員のところで詰めてもらいます。電波特区については、菅議員から電波特区に限らずデジタル特区というふうにもっと広げて、電波以外のものも含めて取り組みたいという発言がありました。

 デジタル・コンテンツ流通促進法制、これは非常に難しい課題であるという意見はありましたが、知的財産戦略本部の官房長官のところで前向きに取り組みたいという発言がありました。

 最後に、総理から、以下の発言がありました。

  • ロシアの首相が来日するが、ロシア経由でヨーロッパと日本のブロードバンドがつながるようになる。これはまた新たな大きな変化になる。
  • 日本はハブ機能を果たすぐらいインフラ機能が整っているが、利用・活用するにはまだまだ開拓分野があるというのが今日の議論でわかった。
  • ぜひ政治のリーダーシップで積極的に取り組んでいきたい。

(以 上)

内閣府 Cabinet Office, Government of Japan〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1
電話番号 03-5253-2111(大代表)