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大田弘子 経済財政諮問会議後記者会見要旨

第25回会議(平成18年11月10日)

大田弘子

(1)集中審議(3)

  1. 社会保障改革
  2. 公共投資改革

(2)平成19年度予算編成の基本方針(事項案)について

 大田弘子です。本日、今年第25回目の経済財政諮問会議が開催され、社会保障改革と公共投資改革について、議論が行われました。その後、予算編成の基本方針の事項案について、審議しました。

 社会保障改革については、民間議員、柳澤臨時議員(厚生労働大臣)、菅議員、甘利議員から、それぞれ資料が提出されました。主に論点になった点は、以下のとおりです。

  • 民間議員の提案に対し、柳澤臨時議員から、(1)身の丈に合った制度をつくることは必要であるし、高コストを是正するというのは大変重要、(2)ただし、民間議員の提案にあるように、高コスト構造是正プログラムにおいて5年間で何兆円を削減できるのかを数値目標を出し、それを更に毎年の目標にして示してほしいという点については、金額だけの話ではなく、制度の納得が伴わなくてはいけないので、必要な制度改革を積み上げていく形でしかなかなか示せない、(3)既に決められている改革のサイクルというものもある、(4)政治的にも難しさがある、(5)高コスト構造を是正するためにこういう項目が必要であるという項目案については提示したい、という話がありました。
  • 甘利議員から、努力が報われる仕組みが必要、菅議員から、現場の知恵を生かす仕組み、あるいはICTの活用が必要、という発言がありました。
  • この他、社会保障は一般歳出の4割を占めるので抑制が不可欠、利用者の現実を踏まえての対応、現場の運用としてまだまだ解決すべきことがあるのではないか、という発言がありました。
  • 民間議員から、柳澤臨時議員が、コスト構造是正のための項目は出せるけれども、金額は難しいという発言があったことに対して、やはり項目の中身が必要。例えば、包括払いというのもどういう形でやるのか、日本は1日定額払いになっているが、世界ではもう少し違う方法がとられているので、項目をどう実現していくかの中身が重要であり、数値目標が必要。数値目標がなければ、PDCAサイクルも実施できない。項目を出してもらえるならば、民間議員の方でも、一定の前提のもとで効果の推計をしたい、という提案がありました。また、数値化というのが日本の政策評価に欠けているので、何らかの数値化が必要という発言が出されました。
  • この他、IT化の一環として、健康保険証のICT化が必要。国民は質を削ってコストを削減するのは反対だが、質を維持しながらコストも削減できる方法があり、それを進めるのがIT化。いろいろなプラットフォーム化を進めることによって、効率化が進められる、こういうIT化が重要、という意見が出されました。

 私の取りまとめとしては、以下のとおり行いました。

  • 社会保障の改革に取り組むに当たっての基本的視点及び高コスト構造を是正しなくてはいけないという点に共通の認識があった。
  • 5年間にどれだけできるかという金額については反対があったが、厚生労働省から項目を提示してもらい、それをもとに民間議員が一定の推計を出すという形で議論を進めていきたい。
  • IT化の重要性については、これを生かす方法を厚生労働大臣の方で更に考えていただきたい。

 総理の取りまとめは、以下のとおりでした。

  • 社会保障というのは、質の向上と効率化を両立しなくてはいけない。質というのは金額の問題でないので、金額の効率化を図っても質を上げるという両立化はできる。質の向上と効率化を両立するに当たっては、高コスト構造の是正というのは不可欠。いろいろ難しい点はあるけれども、厚生労働大臣には是非プログラムづくりに取り組んでもらい、改革の道筋を示していただきたい。
  • 社会保険庁については、国民の関心が非常に高いところであり、年金制度の信頼という点から見ても、解体的な出直しを行うつもり。

 公共投資改革については、民間議員、冬柴臨時議員(国土交通大臣)、菅議員から、それぞれ資料をもとに説明がありました。

 冬柴臨時議員からは、主に以下の発言がありました。

19年度予算の3%削減は厳しいが、やっていかなくてはならない。2011年に向けてプライマリー収支を均衡させるという目標に協力するのは当然のこと。ただし、公共投資としてまだまだやらなくてはならない課題がたくさんあり、例えば、安全・安心、国際競争力とか地域の自立があるので、民間議員の提案にあるように、20年度以降、その後4年間、3%の削減を継続するというのは受けにくい。これまでの改革努力を継続するが、デフレから脱却した場合に、資材の値上がりというようなことがあるので、その中で3%の削減を続けるということは難しい。基本方針2006を決めたときも大激論があり、マイナス1%からマイナス3%という幅が決められた。

  • 入札談合を廃絶することについては、既に、一般競争入札の範囲の7.2億円から2億円への切り下げ、入札ボンドといった取り組みをしてきたが、更に考えたいし、地方においては問題が多いので、総務大臣と協力して、民間議員からの提案にあるように、年度内に改善案を提示したい。
  • 民間議員から提案のあったPDCAサイクルについて、国土交通省は平成10年度からいろいろな形で取り組んできている。例えば、費用対効果を出すに当たって貨幣換算できない部分もありなかなか難しいが、年度末にこれまでの報告をかねてまた発表したい。
  • 国と地方の役割分担について、民間議員から提案があったが、補助事業をやめるということは、県と県にまたがる事業もあり、なかなか難しい。
  • 道路特定財源については、総理の所信表明演説に沿った対応をもちろんするが、納税者の理解ということも重視しなくてはならない。

 菅議員からは、主に以下の発言がありました。

  • 国と歩調を合わせて抑制していく。メリハリをつけて抑制していきたいが、国際競争への対応、地域間格差への対応ということも必要。入札談合の廃絶に向けては、国土交通大臣と協力して年度内に改革案を提案したい。

 このほか、以下のような発言がありました。

  • 投資のメリハリをつけなくてはならない。
  • 他国に比べるとまだ公共事業費の割合は高い。
  • 20年度以降も3%削減を継続するのは難しいという意見だったけれども、まだやはり無駄や非効率があるのではないか。
  • 費用対効果を3倍以上としている国があり、日本も例えば費用対効果は3倍以上のものに限定して、そこに重点化するというようなことが必要なのではないか。
  • 道路特定財源は国民に約束をしていることなので、わかりやすい結果を出す知恵が必要。
  • 入札談合については、公務員制度改革も深く関係しているのではないか。

 私の取りまとめとしては、以下のとおり行いました。

  • 19年度の予算で3%を削減することは合意があったが、その後の4年間については引き続きの課題としたい。
  • 入札談合の廃絶に向けては、冬柴臨時議員(国土交通大臣)、菅議員に、改革案を年度内に検討し、また諮問会議に報告いただきたい。
  • 公共投資に関するPDCAサイクルについては、既に国土交通省は取り組んでいるということではあったが、民間議員の提案を受けて、更に一歩進んだ提案をお願いしたい。
  • 国と地方の役割分担、それから道路特定財源については、引き続きの議論にしたい。

 総理の締めくくりの発言は、以下のとおりでした。

  • 小泉改革のもとで、公共事業費は削減の努力を続けてきた。かなり削減してきたけれども、ここが踏ん張りどころであり、小泉改革を引き継いでいかなくてはいけない。
  • 公共事業は削減すべきは削減するけれども、必要な事業はきちんと行っていくことが必要といってきたが、そのためにも、民間議員から提案のあったルールをつくることは必要なので、国土交通大臣に是非改革案を策定してほしい。
  • 道路特定財源については、所信表明演説で言った方針に沿って、国民が納得できる改革が実現するよう諮問会議でも引き続き検討を続けてほしい。

 その後、平成19年度予算編成の基本方針(事項案)の審議に入りましたが、時間が大変押していましたので、今日は事項案の提示にとどまり、具体的な議論はできませんでした。予算編成の基本方針は、これからが議論になります。

 次回の諮問会議で原案を提示し、今月末を目途に諮問会議として取りまとめ、閣議決定できるよう努力したい、そのための協力を私から最後に依頼しました。

(以 上)

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