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大田弘子 経済財政諮問会議後記者会見要旨

第24回会議(平成18年11月2日)

大田弘子

(1)集中審議(2):グローバル化改革

(2)マクロ経済運営について

 大田弘子です。本日、今年第24回目の経済財政諮問会議が開催され、グローバル化改革とマクロ経済運営について、議論が行われました。

グローバル化改革については、まず、民間議員からペーパーの説明がありました。今日の議論のポイントを民間議員の提言に沿って整理すると、以下のとおりです。

専門調査会を設置して課題の整理と具体策の検討を行うべきという点については、合意が得られました。 *EPA交渉を加速し、そのEPAも質の高いものを加速すべく努力するべきという点については、合意がありました。 *民間議員から提言があったEPA工程表の改定について、関係閣僚の間で来年の春までに改定すべきであるという点についても、合意が得られました。

  • EPA交渉を加速し、そのEPAも質の高いものを加速すべく努力するべきという点については、合意がありました。
  • 民間議員から提言があったEPA工程表の改定について、関係閣僚の間で来年の春までに改定すべきであるという点についても、合意が得られました。

 大きな議論があったのは農業をめぐってです。松岡臨時議員(農林水産大臣)から、以下のような発言がありました。

  • 国境措置に依存しない強い農業を育てていくべきだということは全く同感。
  • しかし、現在は輸出しようとしても、なかなかそれがイコールフッティングになっていない。例えば、中国は米の輸入を認めていない。輸出環境の整備が必要。

 これを受けて、以下のような発言がありました。

  • 国境措置に依存しない強い農業を育てるのが何より必要。
  • 付加価値の高い輸出競争力のある農産物が出てきているという点については、概ね意見は一致しているが、国内の農業の生産性を高めるということが必要。
  • 特に、農地の集約化を進め、生産性を上げるスピードが重要。

 これに対して松岡臨時議員から、以下のような発言がありました。

農地の集約化というのは、農地への執着もあるのでなかなか難しいが、今懸命に取り組みつつある。

 これに対して、以下のような発言がありました。

  • 例えば契約による集団営農を更に進めるといった工業的な農業のやり方が必要。
  • あるいはリースする場合も、長期の賃貸を可能にするような枠組みが必要。

 また、民間議員提案の2ページ目の一番下にある国境措置撤廃のスケジュールも含めた農政全体の改革工程表を今年度内を目途に作成してはどうかという提言に対しては、松岡臨時議員から明確な反対が表明されました。(1)各国とも国境措置は何らかの国境措置を持っており、日本では実施されていない輸出補助金も欧米では講じられている、(2)厳しい国際交渉が行われている中でこういう改革工程表を示すということは、日本の農業だけ裸になってしまうということに等しいので、工程表を作成するということは現実的に困難であるという理由でした。

 私の取りまとめとしては、以上の点を簡単にまとめた上で、以下のとおり行いました。

  • 松岡臨時議員に対し、強い農業、国境措置に依存しない農業に向けて、更に今日の民間議員提案も踏まえて検討を進めていただき、改めて諮問会議に報告してもらう。
  • グローバル化に関する専門調査会について、今後人選を進め、今日出された論点について検討を深めて、来年の春に諮問会議に中間的な報告を行う。
  • EPA工程表の改定について、関係閣僚の間で議論を深めて、来春までに取りまとめていただく。

 総理の取りまとめは、以下の通りでした。

  • グローバル化改革は、オープン・アンド・イノベーションのまさにオープンであり、安倍内閣の重要な柱。
  • 専門調査会には実りある議論をお願いしたい。
  • 日ASEAN経済連携協定を皮切りに、多国間の経済連携協定に取り組んでいきたい。
  • これをチャンスとして、国内の構造改革を進めることも重要。
  • 松岡農水大臣には、守りから攻めへ大きく方向転換した、今後も強い農業をつくるための改革の道筋を示してほしい。
  • この改革の道筋を示すことが、農家にとっても重要であり、また若い人が農業に携わっていくという点でも重要。

 マクロ経済運営については、まず内閣府、次に福井議員(日本銀行総裁)から、経済の動向について説明がありました。このマクロ経済の現状については、概ね共通の認識がありましたが、以下のような発言がありました。

  • マクロ経済は足元比較的よい基調だが、地域間の格差がある。
  • 正規・非正規雇用で格差がある点、企業規模によって格差があるという点は十分に注意して見ていかなくてはいけない。
  • 地方についても、細かく見た判断が必要。

 また、福井議員が示した上振れリスク、下振れリスクについて、以下のような発言がありました。

  • 上振れと下振れの発生する確率だけでなく、下振れリスクの方が実際に発生した場合の影響が大きい点を考慮することが必要。
  • 上振れリスクとして設備投資の過熱感が示されているが、景気の現状からいうと、設備投資の過熱感よりむしろ消費が少し弱いという点が問題。

 これに対して、福井議員から、このリスクは今見えているリスクではなく、将来起こり得る可能性があるリスクというふうにとらえてほしい、という発言がありました。

 また、消費が弱いということに関して、以下のような発言がありました。

  • 企業部門は好調であっても、雇用や消費という家計部門への波及を注意していかなくてはいけない。
  • 家計への波及についても、じわじわと労働市場が逼迫して、じわじわと転化が進んでいくのではないか。

 さらに、日本銀行がとっている0~2%という物価安定の理解について、CPIそのものにバイアスがあること、あるいはエネルギー価格、「のりしろ」も考慮する必要があるのではないかと、いう発言がありました。
これに対して、福井議員から、これはあくまで中期的な見通し・期待であって、短期的には様々な総合的な指標を見ていく、という発言がありました。

 このほか、経済成長と財政再建の両立の必要性について幾つか発言があり、だからこそメリハリのある予算編成が重要だという発言がありました。

 私の取りまとめとしては、以下のとおり行いました。

  • 民間議員から提案のあった基本的視点については、これを共有化しながらこれに沿ったマクロ経済運営をしていくということについて、政府にも日銀にも異論はなかった。
  • 当面のマクロ経済運営のあるべき方向性についても合意があった。
  • 今後、こうした観点から、マクロ経済運営には政府・日銀一体となって万全を期していく必要があり、諮問会議としても必要に応じて議論していきたい。

 総理の取りまとめは、以下の通りでした。

  • 民間議員から提案のあった基本的視点は、マクロ経済運営の指針となるべきもの。
  • 政府としては、今後この基本的視点を踏まえてマクロ経済運営を行っていきたい。
  • 日銀も政府と連携して政策運営をやっていただきたい。
  • 引き続き経済財政諮問会議においてマクロ経済運営に対する審議を行い、更に議論を深めていただきたい。
  • 今日の議論に関連し、アジアゲートウェイ構想も重要な柱なので、この諮問会議で一度根本補佐官に報告いただく機会が必要。

(以 上)

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