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大田弘子 経済財政諮問会議後記者会見要旨

第23回会議(平成18年10月24日)

大田大臣

(1)重点改革分野について

(2)集中審議(1):地方の改革

 大田弘子です。本日、今年第23回目の経済財政諮問会議が開催され、これから議論する重点改革分野と、集中審議の第1回目として地方分権改革について、議論が行われました。
重点改革分野については、民間議員からペーパーに沿って発表がありました。前回の諮問会議で、これから5年間を新成長経済への移行期とし、その中で、2年間を離陸期間とするという話がありましたが、今回はこの離陸期間における重点検討課題が掲げられました。これから行う集中審議の中では、この中で緊急性の高いものを優先するということが書かれています。この説明の際、規制改革は、この紙の中に個別の改革項目としては書かれていないが、全体の横ぐしになる非常に重要な改革だということが民間議員からつけ加えられました。また、議論を進めるに当たっては、必要に応じて諮問会議の下に専門調査会を設置して議論することが必要であるということがつけ加えられました。
次いで、甘利経済産業大臣からも、歳出・歳入の前提として成長戦略が重要であるということで、資料に沿って発言がありました。
自由討議の中では、民間議員ペーパーの中にある「自然増収が安易な歳出増に使われないための仕組みをあわせて検討する」に関して、この自然増収があった場合に、それが一時的なものであるのか恒久的なものであるのか見きわめてから、例えば歳出増などに結びつけていくことが必要であり、一時的に税収増があっても、それはまだ不確実なものであるという発言、また、既に歳出の枠はシーリングという形で示されているので、これを守っていくことが必要ではないかという意見がありました。更に、この経済活性化と財政再建は両立するものであるという趣旨の発言がありました。
また、民間議員ペーパーの政府改革の中に、政府資産・債務管理改革について、「政府資産・債務管理改革(骨太方針に沿って実行、現専門調査会の改組)」と書いてあります。これについては、「骨太方針2006」の中に、「政府資産・債務管理改革の専門調査会について、金融などの民間有識者を加えて改組する」ということが書かれているので、早急に準備を進めたいと私の方から発言しました。
これに関連して、この資産・債務管理については、単に資産を売却するということだけではなく、有効活用していくという視点も重要ではないかという意見がありました。なるべくその資産が収入を生み出すような活用の道というのも考えられるのではないかという意見です。
総理からは、以下のような発言がありました。

  • 資産・債務管理については、有効活用し、民間の知恵を活用して、なるべくアピールしていくような改革が必要である。

 地方分権改革については、まず、菅総務大臣から、資料に沿って提案があり、次いで、民間議員から提案があり、補足的な発言として、新分権一括法を3年で制定するけれども、制定されるまでは、例えば補助金の議論とか税源移譲の議論を何もしないのではなく、この3年の間にも、補助金の改革、税源移譲、あるいは新型交付税の拡大はしっかりと議論していかなくてはいけない。そして、順次、補助金の改革や税源移譲を進める必要があるという発言がありました。それから尾身財務大臣、甘利経済産業大臣からそれぞれ提言がありました。
この中で、地方分権を進めると地方自治体の中で格差が拡大していくのではないか、なるべく格差拡大を防ぐような仕組みがあわせて必要である、という議論が出てきました。
具体的にいうと、税源移譲を進めて税収比を1対1にすると、税収を上げられる地域と上げられない地域によって格差が開いてしまうことになります。地方分権という名のもとに、東京と地方の格差が拡大するようになってはいけない、バランスのとれた税収増に結びつくような仕組みが必要ではないかということが、議論されました。
これに関連して、例えば法人事業税はばらつきが非常に大きいので、この仕組みを考えていく必要があるのではないか、あるいは地方消費税のような仕組みを考えていく必要があるのではないかという意見がありました。このように、税源を移すに当たっては、そのやり方を十分に考えなくてはいけないという議論がありました。
税源を移して不交付団体を拡大させていくというのは、菅議員の資料にも、民間議員ペーパーにもあります。この不交付団体についても、不交付団体の場合は税源移譲されると税収が増えていくわけですが、現在の仕組みでは、不交付団体に一度税源が入ると、そこから取ってくるという仕組みはありません。このため、交付税を受け取っている自治体の中では、交付税を通して格差が是正されるが、不交付団体については格差是正の仕組みの枠外に出てしまいます。不交付団体が増えてしまうということは、格差是正ができなくなるということを意味するのではないかという指摘がありました。
しかし、これに対しても、やはり不交付団体を増やしていくということが地方分権の非常に重要なかぎであって、格差があまり拡大しないような仕組みを考えていく必要があるという意見がありました。
あわせて、これに類似した議論で、民間議員ペーパーの中に、留保財源比率を高めるべきだという提言があります。交付税の基準財政収入を計算するときに、25%は地方の手元に残して、その残りが基準財政収入に含められます。これがないと、税収を増やす努力をしても、その分、地方交付税が減ってしまうということになりますので、そのインセンティブを働かせるためにも、今、25%という留保財源率が残されていますが、これをさらに拡大すべきだという提言が民間議員ペーパーの中にあります。これに対しても、その趣旨はよいけれども、留保財源比率を拡大すると格差が拡大するのではないかという議論がありました。つまり、頑張る地方を支援していくというインセンティブの仕組みと、それが格差拡大につながらないような仕組みづくりという、この問題について突っ込んだ議論がなされました。
そのほかの議論として、現在の仕組みのままでいつまでもやっていくのはやはり限界で、長期的な視点から道州制という議論をしっかりとやっていく必要があるということが、複数の議員から提言されました。これを、総理のリーダーシップのもとで、いつまでに実現するのだという期限を決めて、しっかりやっていかなくてはならないという議論がなされました。また、その際、仕分けの哲学といいますか、何を国がやり、何を道州にゆだねていくという仕分けの哲学が必要であるという議論がなされました。
それからもう1点、民間議員の中に地方債の完全自由化を目指すという提言があります。これに対して、恐らく地方債の完全自由化というのは、市場の中で自治体の信用度が評価される仕組みなので、これは地方分権の最終ゴールであり、これがどれぐらいできるかというのが、実は地方分権のバロメーターなのではないかという意見がありました。また、例えば今は直轄事業の負担金を地方自治体が支払うことになっているので、完全に地債を自由化してしまうと、財政力の弱いところ、地方債を発行できないところは、この直轄事業の負担金も出せないということになります。自由化に当たっては、そういう幾つかの条件整備が必要だという議論がありました。
それから、重点改革分野に関する民間議員ペーパーの中に、「民間主導の地方再生に向けた取り組み」という一文があります。この民間主導を進めるというのは常に忘れてはいけない。産業構造をしっかりと変えていくとか、民間主導の仕組みをつくっていくというのが重要ではないかというような議論がありました。
私の取りまとめとしては、新分権一括法を3年で策定することと、新型交付税を拡大していくということについては、大まかな合意が得られたと思います。それから、再生制度を2年以内に策定することについても、合意が得られました。
他方、税源を移して税収比を1対1にするということ、あるいは留保財源、それから不交付団体の拡大、これが格差拡大につながらないような仕組みを考えていくというのは、また今後の議論に引き継いでいきたいと思っています。
総理からは、以下のような発言がありました。

  • 重点改革分野については、これからこの集中審議の中で、各大臣、関係大臣を交えてしっかりとした議論を深めてほしい。そして、それを、11月末に策定する「平成19年度予算編成の基本方針」、それから来年1月に策定する「新たな中期方針」の中に入れていく。そのために、しっかりと議論を深めてほしい。
  • 地方分権を進めることが地方行革にもつながり、これが活性化にもつながっていくので、地方分権は非常に重要である。まず、地方分権改革推進法案を速やかに成立させる。強力な検討体制のもとで、実効ある地方分権改革推進計画を策定してほしい。本格的な地方分権を進めるために、新分権一括法を3年以内に提出したい。これが、道州制への前提でもあり、道州制にとっても重要なことである。
  • 道州制は、既に政権公約の中で示されているので、しっかりと進めていきたい。どんな権限と責任を国から道州に譲るものであるのかによって、道州制の姿は変わってくるので、どういう権限と責任を移譲するのか、そのイメージを明確にしながら議論を進めなくてはいけない。
  • 新分権一括法は道州制にとっても重要なステップになるので、道州制が進まないから一括法も進まないということではなくて、しっかりと両方の議論を進めていく必要がある。
  • 地方財政改革は、交付税、税目・税源配分の見直し、補助金改革、地方債改革、このどれが1つ欠けてもいけない。この4つをしっかりと議論して、新たな中期方針にはこれらの改革の道筋を明確化してほしい。
  • 19年度予算については、「骨太方針2006」に従って、例えば地方の単独事業も含めて歳出削減を徹底してほしい。

(以 上)

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