第5章 地域別の人口・経済データ

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コラム(人口・経済データで特徴のある市区町村)

【沖縄県豊見城市】

人口指標が11以上でかつ経済指標が65以上の市区町村数は、1980年0、1990年33、2000年33、2010年21となっており、その中で1990年・2000年・2010年のいずれにも入っていて、生まれる子どもの数がある程度維持され、地域経済の好調が続いている自治体が9つある。その一つである沖縄県豊見城市は人口指標が1980年24.9、1990年16.5、2000年14.9、2010年15.1、経済指標が1980年57.7、1990年71.3、2000年69.4、2010年69.2で推移している。

豊見城市は沖縄本島南部に位置し、県都の那覇市や那覇空港に隣接している。1972年の本土復帰により、他地域からの転入増加や商工業の台頭などで急激な都市化や産業構造の変化が進んだことから、当時の豊見城村は人口が急増した。総人口は1980年33,075人、1990年40,777人、2000年50,198人と推移しており、村としての人口規模が日本一となるなど大規模の村として発展し、その後、2002年4月には村から市へ市制施行を行い、豊見城市が誕生した。2015年5月現在の人口は62,030人である。

豊見城市は昔から農業の盛んな地域で、戦前はサトウキビ、戦後は葉野菜づくりが行われ、近年ではこれらに加え、ビニールハウス栽培などを中心に都市近郊型の農業が行われ、マンゴー、トマトなどが栽培されている。さらに、サトウキビの葉、穂を染料としたウージ染めが開発され、市の特産物として販売されている。

2010年国勢調査における産業別就業者数及び構成比をみると、第一次産業912人(4.1%)、第二次産業3,003人(13.4%)、第三次産業18,439人(82.5%)となっている。第一・二次産業は減少傾向にあり、第三次産業については増加傾向にある。

市北側は那覇都市圏の拡大により、住宅用地を中心とした宅地が広く分布している。また、幹線道路沿いを中心に比較的大規模な商業用地や工業用地の分布がみられるほか、近年では、豊崎地区の埋立てによる開発が進められている。豊崎地区は観光振興地域の指定を受け、アウトレットモール、ゴルフ場、スポーツ・レクリエーション施設等の観光関連施設が立地しており、多機能型観光・リゾート拠点として整備されている。

1 ハーリー船
約600年前、中国留学から帰国した豊見城城主・汪応祖が龍船を作り五穀豊穣を願って競渡したことが始まり。
ハーリー船
2 マンゴー
1970年代から経済栽培を積極的に推進。甘くてビタミンがバランスよく含まれた豊見城マンゴー。
マンゴー
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