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第2章 人口・経済・地域社会の将来像

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(9)市区町村別の経済動向

●現在までの地域経済の推移-1990年代末頃から悪化傾向が明確に

1980年から2010年までの経済指標の推移をみると、1980年から1990年にかけて偏差値60以上の市区町村数は、1から272となり大幅に増加している。一方で、1980年から1990年にかけて偏差値47.5未満の市区町村数は、1519から335となり大幅に減少している。経済指標の全市区町村の平均値は、1980年から1990年にかけて44.9から53.0と大きく上昇している。1990年から2000年にかけて、経済指標の全市区町村の平均値、偏差値60以上の市区町村数、47.5未満の市区町村数は、いずれも緩やかな変化にとどまっている。しかし、2000年から2010年にかけて経済指標の全市区町村の平均値は52.9から51.3に低下し、偏差値60以上の市区町村数は微減、偏差値47.5未満の市区町村数は大きく増加に転じている。このことから2000年以降市区町村の経済状況は厳しさを増しているとともに、市区町村間の経済状況の好不調のバラツキが大きくなっていることが分かる。(図表2-9-1参照)

図表2-9-1 現在までの全市区町村の経済指標平均値、経済指標60以上及び47.5未満の市区町村数の推移

●市区町村別の経済の将来推計-年平均0.3%の改善で過去のピークまで改善できる

地域の経済面では、北海道、東北から北陸・山陰にかけての日本海側、近畿、四国の南部などの地域が総じて厳しい状況が続いている。また、それぞれの地域内において経済の好不調のバラツキが大きくなっている。5万人前後ないし10万人前後くらいの人口規模の市区町村では経済を何とか維持しているところが多い。もう少し規模の大きい、30~40万人、50万人以上の市区では緩やかな悪化が継続している。1万人未満の町村の多くは厳しい状況に直面している。市区町村毎の規模を考慮せず、それぞれの経済の好不調を単純に全国平均すると、1990年から2000年の10年間は年平均0.6%増であったが、2000年から2010年の10年間は年平均▲0.3%の悪化となり、最近時の不調な地域の増加が目立つ。しかしながら、経済の不調が目立つ比較的人口規模の大きい都市や小さな町村における努力が足し合わされば、全国平均で年0.3%ずつの改善は十分可能な数字であり、経済全体の変調や地域間の好不調のばらつきの拡大の改善の目安となる。

上述の年0.3%ずつの経済指標の改善をめどとし、一つの例示として、経済指標の8つの構成要素のうち、各市区町村において最も高い偏差値の指標と最も低い偏差値の指標を毎年1%ずつ改善させた場合の推計を行った。この場合の1990、2010、2030、2060年時点の経済指標の姿を図表2-9-2に示している。2010年に経済指標の偏差値47.5未満の市区町村の割合は全国で37.0%であったが、2060年には20.2%となり、約半減する。一方、偏差値60以上の市区町村の割合は2010年に17.1%であったが、2060年に22.3%となり約1.3倍増となる。この水準は1990年(偏差値47.5未満19.2%、偏差値60以上15.6%)よりも良好な水準といえる。

全般的に経済状況が厳しい地域についてみると、中国5県107市区町村のうち経済指標の偏差値47.5未満の市区町村の数は、2010年に70であったが、2060年に42となり、偏差値60以上の市区町村の数は、2010年に4であったが、2060年に6となる。四国4県95市区町村のうち経済指標の偏差値47.5未満の市区町村の数は、2010年に53であったが、2060年に26となり、偏差値60以上の市区町村の数は、2010年に10であったが、2060年に11となる。北海道は緩慢な改善にとどまり、179市区町村のうち経済指標の偏差値47.5未満の市区町村の数は、2010年に107であったが、2060年に83となり、偏差値60以上の市区町村の数は、2010年に13であったが、2060年に15となる。

※経済指標の作成方法は、第5章で説明

図表2-9-2 市区町村別の経済指標マップ(1990~2060年)

●複数の将来推計-起業・開業の活発化は重要

前述では、最も偏差値の高い分野と最も偏差値の低い分野の指標を年1%ずつ増加させた場合の推計を行ったが、推計方法はいくつもあり、どのように指標を改善するかで将来像は大きく変わる。例えば、「事業所数」は他の指標に比べ経済指標に与える影響が大きい傾向にあり、年2%ずつ増加させれば2040年時の「経済指標」50未満の割合は28.4%まで低下し、前述の推計方法の2060年時の水準までほぼ回復する。経済環境が整い、起業、開業が活発化すると、その地域に雇用や資金の循環が生まれ、前述の将来像とは大きく変わっていくものと考えられる。(図表2-9-3参照)

このように、最も地域経済に効きのいい分野を伸ばした場合は、それほど長い時間をかけることなく、経済状況を大きく改善することも可能と考えられる。

図表2-9-3 各指標を年2%増加させた場合の経済指標50未満の市区町村の割合の推計
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