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第11回記者会見要旨:平成30年 会議結果

茂木内閣府特命担当大臣記者会見要旨

  • 日時:平成30年7月9日(月曜日)16時57分~17時21分
  • 場所:中央合同庁舎第8号館1階S101・103会見室

1.発言要旨

経済財政諮問会議の概要について御報告いたします。
今日は2027年度までの「中長期試算」、前回は2018、19年度の数字を出しましたが、中長期の試算を公表した上で、前回の民間議員からの御提案に基づき、「予算の全体像」の取りまとめを行いました。また、その考え方を踏まえた「概算要求基準」について了承を得ました。
「中長期試算」は、前回1月の試算の後に明らかとなった経済財政動向のデータを反映して再度試算したものです。率直に申し上げて、大きな変化はありません。その結果、2020年代初頭までの成長率を、足元の経済に合わせて、若干、下方修正したものの、名目GDPが600兆円に達する時期は前回同様、2021年度であること。財政面では、歳出改革を織り込まない姿で、自然体としては、PB黒字化の時期は2027年度であることなど、前回から大きな変更はない試算となっております。
最後に総理から、予算の全体像、概算要求基準、そして歳出改革の工程表等について、締めくくりの発言がありました。そのポイントとしては、今後、概算要求基準を踏まえ、メリハリの効いた平成31年度予算とするよう政府を挙げて取り組んでいく。経済財政諮問会議においては、消費税率引上げに伴う機動的な対応を図るための措置の具体的な内容について、議論をしっかりと進めてほしい。また、財政健全化について、年末に向けて、歳出改革の重要課題の方向性や歳出の目安の明確化・具体化に取り組み、改革工程表を改定し、新たな改革工程表の取りまとめを行うよう、私に指示がありました。
詳細については、後程、事務方から説明させていただきます。


2.質疑応答

(問)中長期試算について伺いたいのですが、ベースラインケースを見ると、黒字化の目標である25年度でも8兆円以上の赤字が残るとの試算が出ており、先ほどおっしゃっていたように、歳出改革については織り込まれていないかと思うのですが、黒字化のハードルも、仮にベースラインケースの方でいくと、高いように見えますが、改めて、骨太でも決めた再建計画の実現性等々について御説明いただけますでしょうか。


(答)まず、基本的な考え方として、我々としては、成長実現ケースをいかに達成するか、そのために必要な施策をとっていくという形であり、ただ、現実的にこのベースラインケースも念頭に置きながら機動的な政策運営に当たっていくということであり、ベースラインケースを基本にどうかという質問については、その基本が違うので、考え方が違うとしかお答えできないと思います。



(問)中長期試算について、GDPを見ると、2019年度、2020年度と、いずれのケースにしても1%以上の成長率が確保されることになっています。これは、特に消費税率引上げの影響があるから落ちるという試算にはなっていないわけであって、その中で、あえて当初予算に消費税対策を積み増して、消費税対策を行うということについて、その整合性がとれるのかなというふうに思うのですが、その点大臣はいかがお考えでしょうか。


(答)2014年、消費税率を5%から8%へ引上げを行ったわけですが、御案内のとおり、大きな駆け込み需要、そして反動減が出て、その後の経済成長に対してマイナスで働いたことは間違いないのだろうと思っており、今回は、来年10月に予定されている消費税率の引上げに際して、経済変動の影響をできる限り少なくし、同時に世界経済、今後のさまざまな動き等々にもしっかり対応して、その後の継続的な経済成長につなげていくことが何より重要だと思っており、そのために、臨時・特別の措置を2019年度、2020年度の当初予算において組むという方針を決定したところです。正に今後、それに向けて、メリハリのある、しっかりした具体策を各省庁からも上げていただくということで、今回、別枠の措置という形にさせていただいたわけであり、その具体的な内容については、改めて年末までの予算編成の形で明らかにしていきたい。その段階で、その政策が妥当であるかどうか御判断いただければと思います。



(問)先ほど2014年の振り返りというか、教訓を踏まえてというお話だったと思うのですが、中長期試算を拝見しても、例えば個人消費においては、沈みっぱなしということではなく、一定の水準で推移していくような試算になっていると思うのですが、そういう意味においては、増税対策を打つ必要性なり、その規模感も、そのように膨らます必要性というのは、あまり試算からは感じとれないのですが、その点はいかがでしょうか。


(答)前回の経済変動は単純に駆け込み需要、反動減の問題だけではなく、価格が一斉に上がることによるさまざまな影響といったものも出たわけであり、そういったことも含めた対応というのは、私は必要だと思っております。
耐久消費財を含めた対応をどうしていくか。住宅の問題、さらには自動車の問題は、当然、政策を担当する人間としては、視野に入れるべき問題だと思っております。
もちろん、その中で経済をしっかり動かしていくということは、同時に考えていく問題だと思っています。



(問)消費増税による影響について、日銀の試算では、国民負担分としてネットで2.2兆円といった数字がはじかれているのですが、平準化という意味においては、2兆円なりという数字がひとつ目安になると思うのですが、こうした試算を踏まえ、大臣は当初予算で積み増す消費税対策の規模感としては、どのようにお考えでしょうか。


(答)これは、単純に、先ほどより申し上げておりますように、消費税率の引上げに伴う経済変動の影響だけではなく、同時に、今後のさまざまな経済要因がどうなっていくかを年末の予算編成に至る過程で、今より明確な形で把握し、また、予測していく必要があると思っております。
同時に、単に消費税率引上げの変動を乗り切るだけではなく、その後の経済成長を確かなものにしていくための施策として位置付けたい。
そのため、2019年度だけではなく、2020年度においても、当初予算で臨時・特別の措置を行うということを既に決定しているわけです。



(問)予算に関してですが、今日、自民党の総務会で概算要求基準が議論されたときに、西日本の大雨の被害対策については、この範囲では乗り切れないといった話があったそうです。
西日本の大雨の対策に関して、現時点で補正の必要性に関しては、どのようにお考えでしょうか。


(答)今回の豪雨による川の氾濫や土砂崩れなどにより、甚大な被害が各地域で、そして、広範囲に生じております。まず、お亡くなりになられた方々に心よりお悔やみを申し上げます。同時に、多くの方々が被災をされております。全ての被災者の皆様に心より御見舞いを申し上げたいと思います。
政府としては、まずは人命第一の下、全力で救命救助に当たるとともに、被災者の生活支援にしっかりと取り組んでいきます。
なかなかまだ現段階では経済への影響、直接の影響だけではなく、サプライチェーンがどうなっていくかといった影響等も見ていかなければならないわけであり、そういった生活の再編に関わる問題、さらには経済への影響といったことを考えて、どういった対策が必要であるか。やるべきことは全てやる、これが政府の基本的な方針だと思っていますが、今の段階でどういう対策を打っていくかは決まっておらず、迅速に対応するということであれば、まずは予備費から対応していくのだと思っています。



(問)改めて中長期試算、特に2021年度、骨太で中間指標が置かれたところの数字を拝見すると、成長実現ケースは特にですが、ベースラインケースでも、そのまま自然体でも達成できる水準になっています。
歳出削減に対する姿勢が緩むのではないかという懸念を持つ人もいるかと思うのですが、今後その再建に向けてどう取り組まれますか。


(答)これまで3つのメルクマールを置いているわけであり、PB黒字化の問題、そして、債務残高対GDP比を安定的に引き下げていく、このためには財政赤字対GDP比を下げていくということであり、目標がクリアできるかどうかということは、中間段階も含めてリファレンスみたいなことになってくるのだろうと思います。
大切なことは、財政再建ができるかどうかということであり、財政赤字対GDP比3%以下がクリアできるかどうかであったり、債務残高対GDP比180%台前半に入るかどうかであったりということは、そういった分析、研究をされる方はいて当然いいと思っておりますが、政府としては財政健全化をしっかり道筋に沿って進めていくということが何より重要だと思っております。



(問)当初予算で措置を講じる、消費増税の需要変動に対する措置について、メリハリをどう付けていくかということが、与党から色々な要求が出てくる中で、どれが効いてくるものなのかどうかという分別というのは非常に難しくなると思うのですが、その辺りを現時点でどのように年末の予算編成に向けて考えていかれるか、考え方を教えていただけますでしょうか。


(答)いずれにしても、年末ぎりぎりのタイミングで急に決まるというより、今回、特別な枠ということで、具体的な額を入れなくても各省庁も政策要求ができるという形を取ったわけであり、ある程度検討に時間は掛けられると思っておりますが、そうは言っても、年末まで引っ張るということはできないわけであるから、まずは各省庁でよく練っていただき、正にメリハリのある政策をお出しいただいて、それを精査した上で、政府全体としてどのようなものが必要かといったパッケージというものはしかるべき段階で取りまとめをしたいと思っています。




3.黒田内閣府参事官(総括担当)(政策統括官(経済財政運営担当)付)による追加説明

平成30年第11回経済財政諮問会議について、概要を申し上げます。
本日は、2027年度までの「中長期試算」を公表した上で、「概算要求基準」について、議論を行いました。
事務方から資料1及び資料2、麻生議員から「概算要求基準」について説明があり、その後、意見交換を行いました。主な御意見を紹介いたします。
経産大臣から、「昨年度の税収の上振れがPB赤字の縮小に寄与しており、一体改革の成果は着実に上がっている。4月にスタンダード&プアーズが日本国債の格付の見通しを「安定的」から「ポジティブ」に引き上げた。理由として、名目成長率が2%を超え、実質金利がマイナスであることを挙げている。その上で、実質金利上昇のリスクがあるものの、デフレに再び陥ることによるリスクの方が大きいとの見解も示されている。できるだけ早期のデフレ脱却が必要であり、経産省としても成長戦略の実現に全力を挙げていく。」
民間議員から、「今後、経済財政諮問会議で、歳出改革の方向性、歳出の目安の具体化を検討していく。その際、健康予防の議論がカギになる。中長期試算について、財政健全化は進んでいるが、潜在成長率の向上や物価の上昇が遅れており、成長が鈍化すれば、PBの改善のペースに影響がある。これまで以上にしっかり取り組んでいく必要がある。」
別の民間議員から、「概算要求基準で別途の措置とされた臨時・特別の措置については、秋までの時間を有効に使い、各省庁から効果の高い施策が提案されるよう、しっかりと取り組むべき。年末までに策定する改革工程表は、経済・財政一体改革の航路図に当たるもの。掲げるKPIと工程表に盛り込む改革項目との整合性を取りながら取り組むことが重要。」
別の民間議員から、「経済財政と財政健全化を並行して進めていく中で、イノベーションの推進が重要。Society 5.0の具体的施策を進めていく必要がある。社会保障について、ヘルスケアや予防により健康寿命を延ばしていく必要がある。時間はかかるが、着実に進めていき、社会保障費の自然増を抑制していくことが重要。」
別の民間議員から、「平成31年度予算について、ワイズスペンディングを進め、一層メリハリのある予算編成を行うべき。社会保障については、これまで掲げた44項目の改革にしっかりと取り組むべき。見える化による歳出削減とともに、イノベーション・生産性向上につながるものに、予算を思い切って配分すべき。とりわけ、糖尿病・認知症の重病化予防は、生産性向上のための重要課題。関係省庁においては、優先的に取組を進めてほしい。」
その後、経済財政諮問会議として、前回の民間議員からの御提案に基づき、資料2のとおり「予算の全体像」を取りまとめるとともに、その考え方を踏まえた「概算要求基準」を了承しました。
また、新たな改革工程表を年末に向けて取りまとめていくために、資料4のとおり「経済・財政一体改革推進委員会」の設置規定を改正しました。
最後に、総理から御発言がありました。
「本日は、2027年度までの「中長期試算」を公表した上で、前回の民間議員からの御提案に基づき、「予算の全体像」を取りまとめた。また、その考え方を踏まえた概算要求基準について了承を得た。今後、本概算要求基準を踏まえ、メリハリのきいた平成31年度予算とするよう政府を挙げて取り組んでいく。
経済財政諮問会議においては、消費税率引上げに伴う機動的な対応を図るための措置の具体的な内容について議論を進めていただきたい。財政健全化について、年末に向けて、歳出改革の重要課題の方向性や歳出の目安の明確化・具体化に取り組み、改革工程表を改定し新たな改革工程表の取りまとめを行っていただくよう、茂木大臣にはしっかりとした対応をお願いする。」



(以上)

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