第4回記者会見要旨:平成30年 会議結果

茂木内閣府特命担当大臣記者会見要旨

  • 日時:平成30年4月12日(木曜日)18時18分~18時39分
  • 場所:中央合同庁舎第8号館1階S101・103会見室

1.発言要旨

それでは、まず未来投資会議の概要について御報告いたします。
今日は、国土交通省から、先端技術を活用したインフラ管理の効率化の事例として、河川管理の分野で、第四次産業革命の現場実装をわずか1年で実現した、こういった紹介がありました。また、世界経済フォーラムのシュワブ会長、そしてムラット第四次産業革命センター所長、サンフランシスコにあるところですね。ここから、第四次産業革命に向けてWEFと日本でいかに協働していくかについて説明を頂きました。
日本は、少子高齢化など人類共通の課題に立ち向かう最初の国でありまして、ヘルスケアであったり自動走行などの分野で世界を牽引してほしいと、こういったお話がありました。
また、ボストン市の自動走行実証プロジェクト、「Go Boston 2030」プロジェクトについて紹介があり、日本とも連携を図っていきたいという話でした。
総理からは、関係大臣に対しまして、インフラ老朽化の克服に向け、河川管理の事例を全てのインフラに横展開し、イノベーションの現場実装を加速をする。そして、Society 5.0の国際展開に向け、日本発のフラッグシッププロジェクト、旗艦プロジェクトの具体化や世界経済フォーラムとの連携を進める、こういった指示がありました。
次に、経済財政諮問会議の概要ですが、本日は、経済・財政一体改革の2つのテーマ、社会保障と社会資本整備について、今後の改革の在り方や重点課題について議論を行いました。
まず、最初の「社会保障」につきましては、今後3年程度の改革の取組を明示すると共に、改革を通じて目指すべき、社会保障関係費の歳出の目安となる水準を明らかにすべき。その際、団塊の世代が75歳に入り始める2022年度以降の構造変化を踏まえるべき、こういった意見がありました。
2つ目のテーマ、「社会資本整備」につきましては、長寿命化等への取組とともに、徹底した効率化と重点化を進めるべき。そして、年度末に集中している各府省・自治体の予算執行を平準化すべきといった意見がありました。
最後に、総理から締めくくり発言がありました。ポイントとしては、財政の大宗を占める社会保障については、今後3年程度で取り組む改革の方向性について、歳出の水準も含め、しっかりと検討する必要がある。関係大臣においては、具体的な検討をお願いしたい。
また、今後の社会資本整備については、関係大臣においては、長寿命化等への取組とともに、執行の平準化に向けての取組を強化してほしい、こういった発言がありました。
詳細につきましては、事務方から説明をさせていただきたいと思っております。
私からは以上です。


2.質疑応答

(問)未来投資会議の件ですが、今回、国土交通省のオープンイノベーションの形がかなりコスト削減であるとかそういったものに支出したと思うのですけど、大臣から御覧になって、一番何が効いたかということ、あと今後、横展開していく上で何が課題になっていくか、その辺りはどう御覧になりますでしょうか。

(答)恐らく要求基準というのを示すということによって、大企業だけではなくてベンチャーも含めて様々なアイデアを出し合う、こういったオープンイノベーションが進んだのだと、そんなふうに思っております。
それから、詳細を御覧いただきますと分かるように、様々な管理に関わる機械も、コストといいますか値段が10分の1、100分の1と、こういった形で、これまでなかなか地方では設置できなかったような機材も設置できるようになるということでありまして、コストも大幅に抑えられたり、またコンパクト化するというか、小さい物にすることによって速やかに配備ができる、こういう状態、これが1つの成果ではないかと、こんなふうに考えております。


(問)経済財政諮問会議の方で、今後3年の計画、目指すべき歳出の目安も含めて検討を進めるということですが、これはスケジュール感としては6月をめどに、そのときにもある程度示すという感じで検討されるということでしょうか。

(答)それで結構です。


(問)財政健全化が、今後6月に向け、経済財政諮問会議で議論になっていくと思いますが、それを踏まえて、それに関連して、今日はたまたま経団連が20年代半ばという目標を設定すべきだという提言をしましたので、受け止めを伺えればと思います。

(答)PB黒字化を目指すと、この目標自体はしっかりと堅持して、この夏の骨太方針におきましてその達成時期、さらには、その裏付けとなる具体的な計画をお示しするということであり、そういったスケジュール感に沿ってお示ししたいと思っております。
歳出改革を見込まない自然体のケースにつきましては、既に2027年という数字を出しておりますが、しっかりと歳出改革を織り込んだ場合どうなるかということを夏の段階でお示ししたいと思っております。


(問)社会保障について伺います。3年間で、これまで1兆5,000億という目安、めどというものがあったと思うのですが、今後新たな計画を作る上で、大臣御自身は、この改革の路線というのをどのようにお考えになられているか伺えますでしょうか。

(答)5,000億に抑制する、これはキャップではなくて改革を進める、結果として5,000億円抑制が3年間されてきたわけであり、今後3年間程度と、こういった取組につきましては、改革を通じて目指すべき社会保障関係費の歳出の目安となる水準を明らかにしたいと考えているところであり、いくらありきということが最初に来るのではなく、しっかりとした改革を進める。そして、結果として、どれくらいの目安というものをお示しできればと思っております。



3.黒田内閣府参事官(総括担当)(政策統括官(経済財政運営担当)付)による追加説明

平成30年第4回経済財政諮問会議について、概要を申し上げます。
本日は、「社会保障」、「社会資本整備」について議論を行いました。最初に、「社会保障」について、榊原議員から資料1、加藤厚労大臣から資料2について説明し、その後、意見交換を行いました。
主な意見を紹介いたします。
経産大臣から、「介護予防等に資する保険外サービスの活性化が重要。特に、成功報酬型で自治体が支払いを行う「ソーシャル・インパクト・ボンド」の活用を促していく。」
民間議員から、「社会保障改革の基本的な考え方について、ワイズスペンディングでないものは削減していく一方で、国民のQOLが上がるものについては中長期のビジョンを持って、先手先手で予算を組み替えていく必要がある。医療費・介護費の地域差で突出しているところが、見える化で分かってきている。分かったところは早期に手を打つべき。経年変化についてのモニタリングの仕組みが必要。成功事例を横展開するインセンティブが必要。」
別の民間議員から、「今後の計画策定に当たっての材料として、政府として社会保障の中長期推計を示していただくことが必要。様々な前提の下で複数のシミュレーションを提示し、それを基に抜本策を検討すべき。各保険の事業主体がばらばらになっている。広域連合はガバナンスが効きづらいという話も聞くので、市町村で一体的に実施すべき。成功報酬型の取組は官民一体となって成果を上げているため、大胆に推進すべき。生活習慣病の重症化予防の呉市の先進事例については、654市町村への展開にとどまっている。こういった先進事例の全国展開を加速すべき。」
別の民間議員から、「社会保障費の見通しが議論の土台になる。」
別の民間議員から、「社会保障の歳出水準については、75歳以上の人口動態を踏まえて目安を設定すべき。高齢化・高度化を踏まえた2022年度以降の総合的・重点的な医療・介護の改革に関する議論の結果を骨太方針に反映すべき。給付と負担の適正化に資する制度改革を重点的に進めるべき。」
財務大臣から、「高齢者人口が増え、これを支える人口が減る中で、技術進歩のことも踏まえて給付と負担の関係を考えてもらいたい。」
厚労大臣から、「社会保障関係費の将来見通しのシミュレーションは関係各省と連携して取り組む。病床数については、地域医療構想の実現に努力していく。平成30年度から、病床の廃止についても助成金を出せるようにした。予防・健康づくりについては好事例の横展開を支援していく。」
次に、「社会資本整備」について、高橋委員から資料3、石井国交大臣から資料4について説明し、その後、意見交換を行いました。 主な意見を紹介いたします。
民間議員から、「2019年10月の消費税率引上げ時については、補正予算ではなく当初予算をしっかり確保し、歳出のコントロールを行うことが必要。公共工事の平準化によるコストダウンを進めるべき。」
別の民間議員から、「長寿命化の先行事例では、インフラ維持更新費の削減に大きな成果を上げている。ナッジが大事であり、地方自治体に危機意識を持たせることが重要。成功事例として広く展開し、トータルコストの削減を進めるべき。」
最後に、総理から御発言がありました。
「本日は、経済・財政一体改革の各論として、社会保障と社会資本整備について、今後の改革の在り方や重点課題を議論した。
第一に、財政の大宗を占める社会保障については、今後3年程度で取り組む改革の方向性について、歳出の水準も含め、しっかりと検討する必要がある。その際、団塊世代が75歳に入り始める2022年度以降の構造変化を踏まえる必要がある。関係大臣においては、具体的な検討をお願いする。
第二に、今後の社会資本整備に当たっては、長寿命化等への取組とともに、徹底した効率化と重点化が必要。民間議員からは、各府省の予算執行が年度末に集中するとの指摘があった。石井大臣をはじめとする関係大臣においては、執行の平準化に向けての取組を強化していただくようお願いする。」
以上です。


(以上)