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第3回記者会見要旨:平成30年 会議結果

茂木内閣府特命担当大臣記者会見要旨

  • 日時:平成30年3月29日(木曜日)18時30分~18時58分
  • 場所:中央合同庁舎第8号館1階S101・103会見室

1.発言要旨

経済財政諮問会議の概要を御報告いたします。
本日は、本年夏に取りまとめる経済・財政一体改革の新たな計画に向けて、2つのテーマで議論を行いました。
1つ目は、「経済財政一体改革の中間評価」です。
経済再生について、5年にわたるアベノミクスにより、GDPの増加、雇用・所得環境の改善等の大きな成果を生み出しましたが、デフレ脱却と実質2%程度・名目3%程度を上回る経済成長の実現はいまだ道半ばである。財政健全化については、2018年度のPB赤字対GDP比について、2015年に掲げたマイナス1%の目安に対し、マイナス2.9%の見込みとなっているなどの評価の下、PB改善の進捗の遅れの要因を分析し、歳入・歳出両面から今後求められる取組を検討しました。
これらを踏まえ、新たな計画の策定に向けて、「経済再生なくして財政健全化なし」との基本方針を堅持し、財政健全化は着実、かつ景気を腰折れさせることのないようなペースと機動性を持って行う必要がある。
PB黒字化目標の実現を確実にする仕組み、また、何らかの中間的な取組の進捗を管理する仕組みを構築すべきといった提言を頂きました。
2つ目のテーマは、「社会保障と社会資本整備に関する中長期展望と政策対応」についてです。
これについては、新たな計画を策定するに当たっては、今後増加が見込まれる社会保障給付や負担の中長期的な見通しを示すべき、インフラの長寿命化等の取組を拡大展開すべきといった意見がありました。
最後に、総理から締めくくりの発言がありました。ポイントは、経済・財政一体改革の新たな計画の策定に向けて、PB黒字化目標の実現を図るため、取組の進捗を評価しつつ黒字化目標と毎年度の予算編成を結び付ける枠組みを検討する。また、歳出改革の進化に向けて、公的サービスの産業化やインセンティブ改革、見える化など行動の変化を促す取組を加速・拡大する。今後、諮問会議において、具体的な議論を進めていただきたい。
また、2020年代を見据えた社会保障と社会資本整備の中長期展望、政策対応について、関係大臣においては、民間議員の意見を踏まえて具体的な検討をお願いしたい。こういった発言がありました。
詳細は、後ほど事務方から説明させていただきます。


2.質疑応答

(問)先ほど総理の御発言の御紹介がありましたが、この取組の進捗を評価しつつ、黒字化目標と毎年度の予算編成を結び付ける枠組みを検討すると。この御発言の趣旨ですが、過去3年間は、社会保障については3年で1.5兆円、一般歳出で1.6兆円という目安があったと思うのですが、こういった枠組みを継続するというのが念頭にあるのでしょうか。

(答)具体的に今の時点で、その額も含めてどういった枠組みにすると決定したわけではありませんが、先ほども申し上げたように、財政健全化の取組と毎年度の予算編成を結び付ける仕組みを作る、さらに、PB黒字化と財政健全化に向けて何らかの中間的な取組の進捗を管理する仕組みを構築するということですから、毎年度の話と何年かのスパンの話について、歳出改革も含めた取組をしっかりと進めていくということになるのだと思います。


(問)2018年度時点でのPB赤字対GDP比は、マイナス1という目標よりも大きく後退するマイナス2.9という数字になりました。この数字は、2015年度時点のベースラインでの試算の2.1よりも悪い結果になっており、やはり見込んでいる成長が高いのではないかという気もするが、その点を見直すということは考えられないでしょうか。

(答)中間評価のポイントの3ページ目になると思いますが、右側にこれまでのLeakage Analysis を示しています。歳出改革の努力はしっかりと進んでいますが、その他3つの要因があり、実際には目標が達成できず、マイナスの1%までいっていないということであり、確かにこれは政策的な取組の問題もありますが、3番目の項目で言いますと、基本的には世界経済、特に新興国の経済等が、これはOECDも含めて予想した以上に成長が鈍化した。それに伴って日本の成長も鈍化して税収が下がったという問題が出てくるわけであり、4つ目、そういった下振れリスクも考えた上で消費税率の引上げの時期を延期した要因等があるわけであり、必ずしも当初の経済成長の目標がまずかったという分析にはなっていないと思います。


(問)今のページの次の4ページ目、今後求められる取組の2つ目の箱のところに、歳出改革について、「これまで以上のペースと範囲での改革実施への全体的コンセンサス作りが必要」という書き方になっていますが、夏に取りまとめるものは、より積極的な歳出改革をというものになるのでしょうか。

(答)「これまで以上のペースと範囲」というのは、先ほど申し上げたような「行動の変容」という言葉を使っていると思いますが、そういった取組については緒に就いたばかりであり、横展開をしていくというスピードがまだ十分エンジンがかかっていない。さらには横展開する範囲がどこまで大規模にできるかという意味で、「ペースとその範囲」という言葉を使っております。


(問)歳出改革の中、財政健全化の中で景気を腰折れさせないという話も出てきたと思うが、社会保障費が伸びていく中で、その辺りを両立させていくには、どの辺りがポイントになってくるのでしょうか。

(答)これまでの経験と今の日本経済の現状を考えると、持続的な経済成長のレベルに達していないということです。もちろん経済自体は良くなっているわけですが、もうこれがしっかりと持続的な成長に持っていく途中の段階でそれが腰折れをしないことを十分に考えながらやっていかなければならない。同時に、前回の消費税率の引上げの時点で非常に大きな駆け込み需要、反動減もあったわけであり、それによって経済が影響を受けたというのは間違いない事実でありますから、こういった教訓も生かしながら今後の財政運営をやっていくということになるのだと思います。


(問)先ほど大臣から御説明あった3ページの図についてです。これを見ると、補正予算の影響もかなりの部分で歳出改革の取組を相殺してしまっているわけですが、来年度以降の予算編成に当たって、補正予算を前提とした当初予算の策定というこれまでの取組に対して、何か手立てなり考えることはありますでしょうか。

(答)基本的な考え方を4ページに書いています。4ページの①の「歳出抑制とマクロ経済への影響」の、「今後求められる取組」の2番目を御覧いただきますと、「必要な予算は当初で手当てするとともに、生産性革命、人づくり革命などに予算を重点化」、そして3つ目ですが、「デフレ脱却・経済再生の取組を一層進め、補正予算に頼らない経済を構築」していくとしています。
補正予算の影響ということで3ページに示していますが、これは補正予算を組まざるを得なかったような体質あるいは状況にあったということであり、その時点において補正予算を組んだことそのものが問題であるというよりも、補正予算を組む必要があるような経済の状況あるいは体質であったこと、そういったものを今後変えていく必要があるということを4ページで示しています。



3.黒田内閣府参事官(総括担当)(政策統括官(経済財政運営担当)付)による追加説明

平成30年第3回経済財政諮問会議について、概要を申し上げます。
本日は、「経済・財政一体改革の中間評価」、「社会保障及び社会資本整備に関する中長期展望と政策対応」について議論を行いました。最初に、新浪議員から資料1、資料2について説明し、その後、意見交換を行いました。
主な御意見を御紹介いたします。
財務大臣から、「財政健全化は着実に進んできていると考えるが、PBの改善に遅れが見られるのも事実。PB黒字化に向けて、経済再生を図りつつ、歳出全般にわたり聖域なき徹底した見直しを行い、改革工程表に沿って着実に改革を実行していく必要がある。特に社会保障については、少子高齢化や人口減少を踏まえた給付と負担の適正化などに取り組んでいく必要がある。」
経産大臣から、「「中長期試算」によれば、来年度から債務残高対GDP比は低下に転じる見込み。これまで財政健全化と経済再生を一体的に進めてきたアベノミクスの成果である。今後の財政健全化目標等の策定に当たっては、デフレ脱却、経済再生との一体的な実現を重視する必要がある。目標設定に当たっては、2019年の消費税率引上げの反動減対策に対しての機動的な財政運営を制約しないよう留意する必要がある。」
総務大臣から、「重要なのは、財政健全化と経済再生のバランスを図ること。経済再生には、地方公共団体の積極的な取組が欠かせない。そのために重要なのは、地方公共団体の将来不安を取り除くため、一般財源総額の安定的な確保と予見可能性、また公共施設の老朽化対策など、賢い投資に取り組める環境の整備、国と地方の信頼関係であり、こうした点に留意して取り組んでいきたい。」
民間議員から、「PB、債務残高対GDP比に加え、財政収支の動向もしっかりチェックしていく必要がある。歳出改革を進めるに当たり、国の取組だけでなく、自治体、企業、国民の行動をどのように促していくかが重要である。必ずしも人間は合理的に行動するわけでなく、「見える化」で「横並び意識」に働きかけるというようなことが重要。」
別の民間議員から、「集中改革期間の歳出の目安が達成された一方で、その大半は薬価改革や企業負担増で賄われている。現役世代や企業に頼った改革では持続可能ではなく、今後は給付の伸びの抑制に直接効果のある制度改革に踏み込んでいくことが必要。PB黒字化達成に向けて、現実的で実効性ある取組をしていく必要がある。徹底した歳出改革で2020年代半ばのPB黒字化を目指すべき。消費税率引上げは予定どおり実施すべきであり、前回の駆け込み増、反動減を踏まえ、当初予算で万全の措置を講ずるべき。」
別の民間議員から、「今回の中間評価は「PB改善の進捗の遅れの要因分析」が行われており、極めて分かりやすかった。今後へのインプリケーションについて、政府は財政面でやるべき点が3つある。1点目、厳しい財政事情の中、社会保障の効率化を進め、研究開発投資などの非社会保障への支出を確保すること。2点目、政府もビッグデータやAIを活用して業務を効率化し、また、それに伴う新しい産業をつくっていくこと。3点目、政府のストックを活用し、フローの財政に貢献させること。」
次に、「社会保障及び社会資本整備に関する中期展望と政策対応」について、事務方から資料3、伊藤議員から資料4について説明し、その後、意見交換を行いました。
主な御意見を御紹介いたします。
国交大臣から、「インフラの維持管理には戦略的に取り組んでいくことが重要。長寿命化やトータルコストの縮減を図る「予防保全」が効果的。効率的な維持管理、更新に向け、集約化・複合化、PPP/PFI、新技術の開発・社会実装等のあらゆる政策に戦略的に取り組んでいく。社会資本の大部分は地方公共団体が管理しており、地方公共団体への技術的・財政的支援を推進する。安定的・持続的な公共投資の確保が重要。」
厚労大臣から、「2040年を見据えた一体改革後の社会保障の在り方について、必要な推計をお示しできるよう準備を早急に進めていきたい。」
経産大臣から、「社会保障負担の増加や将来不安は、家計消費が伸び悩む大きな原因。公費負担部分のみならず、社会保障費全体を適正化し、将来不安を軽減していくことは、経済の好循環のためにも不可避。AI、IoTなどの第4次産業革命の技術革新を活用し、また健康寿命を延ばすような公的保険外のサービスの充実を図っていく必要がある。」
民間議員から、「今後3年程度を集中構造改革期間として取り組むに当たって、これまで以上に無駄の排除が必要となる。社会保障の中長期の姿を示すに当たり、現状を放置して自然体でいった場合の姿も示すべき。政府全体として、責任ある推計を示すべき。」
別の民間議員から、「社会保障の将来推計について、国民に対して安心感を、確信をもって示していくことが重要。社会保障改革が緩んではいけないが、技術革新などには、単年度予算ではなく、使うべきところに使っていくことが重要。」
別の民間議員から、「国交大臣には、インフラ維持更新費の中長期的な試算の精緻化と、地方での取組が進むようにお願いしたい。内閣府の資料で、自治体の1割しか長寿命化等の効果を示していない。自治体自身のメリットのため、歳出削減効果を算出するよう、総務大臣から促していただきたい。」
総務大臣から、「地方公共団体が策定する公共施設総合管理計画の指針を2月にまとめたところであり、地方公共団体には中長期的な費用の推計等を要請していく。」
最後に、総理から御発言がありました。
「今日は、第一に、経済・財政一体改革の中間評価を行った。今後の一体改革においても、「経済再生なくして財政健全化なし」との基本方針を堅持し、経済成長と財政健全化の両立を目指していく。新たな計画の策定に向けては、PB黒字化目標の実現を図るため、取組の進捗を評価しつつ黒字化目標と毎年度の予算編成を結び付ける枠組みを検討する。また、歳出改革の進化に向けて、公的サービスの産業化やインセンティブ改革、見える化など行動の変化を促す取組を加速・拡大する。今後、諮問会議において、具体的な議論を進めていただきたい。
第二に、2020年度を見据えた、社会保障と社会資本整備の中長期展望、政策対応について議論した。民間議員からは、新たな計画を策定するに当たっては今後増加が見込まれる社会保障給付や負担の中長期的な見通しを示すべき、また、インフラの長寿命化等の取組を拡大展開すべき、といった意見があった。関係大臣においては、これらの意見を踏まえて具体的な検討をお願いする。
いよいよ新年度に入る。経済財政諮問会議では、本年夏に取りまとめる経済・財政一体改革の新たな計画に向けて議論を加速したいと思うので、よろしくお願いする。」
以上です。


(以上)

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