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第17回記者会見要旨:平成29年 会議結果

茂木内閣府特命担当大臣記者会見要旨

  • 日時:平成29年12月21日(木曜日)18時21分~18時52分
  • 場所:中央合同庁舎第8号館1階S101・103会見室

1.発言要旨

今日は、報告は3点ございます。
まず、月例経済報告等に関する関係閣僚会議の概要です。
景気の現状についての総括判断は、「緩やかな回復基調が続いている」として先月から据え置いております。先行きについては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって緩やかに回復していくことが期待をされます。ただし、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要があります。
政策の基本的態度については、先月からの変更点として、1つは、経済政策パッケージに関し、「人づくり革命と生産性革命を車の両輪として少子高齢化に立ち向かうため、12月8日に閣議決定した「新しい経済政策パッケージ」を着実に実行する」ことを記載しました。また、12月8日に「平成30年度予算編成の基本方針」が閣議決定されたこと、12月19日に「平成30年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」が閣議了解されたことを記載しました。
また、今月のポイントとして、私から2点申し上げました。
1点目は、世界経済の同時回復についてです。世界経済の動向を世界各国の企業の景況感でみてみますと、リーマン・ショック後は新興国主導で回復しましたが、2013年半ば以降は、新興国で低下する一方、先進国では上昇しました。2016年半ば以降は、先進国・新興国共に上昇し、世界経済は同時回復しております。こうした傾向変化の中で、世界の貿易量の伸びも、リーマン・ショック後の2011年末以降、経済成長率を下回る推移、スロー・トレードとなっていましたが、世界同時回復の中、2017年からは経済成長率を上回っています。
2点目は、日本のアジア向け輸出の動向です。世界の貿易量が、今申し上げたように拡大する中で、日本の輸出の約半分を占めるアジア向け輸出も持ち直しを続けており、特に、半導体製造装置ICなどの情報関連材が増勢を強めております。この背景としては、世界の半導体市場が成長を続けており、その用途もスマートフォンだけではなく、データセンター、車載向けなどに裾野が広がっていることがあげられます。
月例経済報告等に関する関係閣僚会議については以上であります。
続いて、第17回経済財政諮問会議について報告します。
今日、経済財政諮問会議のテーマは2つあり、最初に、今週の火曜日に閣議了解した「平成30年度の経済見通し」を踏まえて、今後の経済財政運営についての議論を行いました。2つ目、「経済・財政一体改革の進捗状況」について議論を行いました。新浪議員から、「着実に政策は実行されていると言えるものの、成果の達成状況という観点で見ると十分とは言えないため、対応策を講じることが重要」、との意見がありました。続いて、各論として「薬価制度の改革」や「所有者不明の土地への対応」について、それぞれ加藤大臣、石井大臣から報告を受けた上で議論を行いました。その上で、経済財政諮問会議として、「経済・財政再生計画 改革工程表2017改定版」を決定しました。
最後に、総理から発言がありました。その内容は、既に会議の最後でカメラ入りで聞かれている方もいらっしゃるかもしれませんが、概要を改めて申し上げますと、我が国は、経済の好循環が実現しつつあり、来年度もこの好循環が更に進展する中で、民需を中心とした景気回復が見込まれる。このように経済が好調な時機を捉え、最大の課題である少子高齢化の克服に向けて、「生産性革命」と「人づくり革命」を断行しなければならない。関係大臣におかれては、先般閣議決定した「新しい経済政策パッケージ」の着実な実施をお願いしたい。また薬価制度について、加藤大臣には、改革の具体策を着実に実施してほしい。所有者不明の土地について、菅官房長官、石井大臣をはじめ関係大臣が協力して、総合的な対応策を作成し、実行してほしい。さらに、決定した「経済・財政再生計画 改革工程表2017改定版」について、関係大臣は、着実に改革を実行してほしい。との発言がありました。
詳細については、後ほど事務方から説明いたします。
最後にここで、日EU・EPA及びTPP11の経済効果分析を公表いたします。
日EU・EPA、TPP11の発効が、我が国のマクロ経済に与える経済効果分析をまとめたものでありますが、分析にあたっては、2015年の「TPPの経済効果分析」に準じて、関税引下げ効果等に加え、貿易が拡大することで生産性が向上する効果等その他を含めた総合的なマクロ分析を行いました。
分析の結果、日EU・EPAについては、実質GDPにして約1%増、2016年度のGDP水準で換算すると約5兆円の拡大効果が見込まれる。さらに、TPP11については、実質GDPにして約1.5%増、約8兆円の拡大効果が見込まれるとしております。
こうした効果は、一時的な需要喚起ではなく、我が国の成長力を持続的に高めるものであり、アベノミクスのエンジンとして我が国経済を力強く牽引するものと考えております。先月、日EU・EPA、TPP11等を通じた国内産業の競争力強化及び海外展開の拡大を後押しするために必要な政策を取りまとめた「総合的なTPP等関連政策大綱」を決定したところでありますが、日EU・EPA、TPP11の早期署名、発効を実現するとともに、政策大綱に盛り込まれた施策を着実に実行することで、我が国経済を新たな成長経路、成長軌道に乗せることを目指していきます。
私の方からは以上です。


2.質疑応答

(問)月例経済報告について、7か月連続の回復ということですが、企業側の設備投資や生産などは上方修正、住宅や公共工事は下方というような、2つ上がって2つ下がるというよう内容でした。その受け止めをよろしくお願いいたします。

(答)我が国の経済について個別の指標の動向、確認をしてみますと、海外経済が緩やかに回復する中で、御指摘のように、生産や設備投資は緩やかに増加するなど、企業部門に一層の改善が見られるところであります。一方、雇用・所得環境の改善が続く中で、個人消費の持ち直しは引き続き緩やかなものにとどまっております。
こういった状況を総合的に判断いたしまして、公共投資についてはいろんな形の政策判断、今後もできる、こう思っておりますが、総合的に判断すると、今月の月例経済報告でもお示しをしているとおり、我が国の景気は「緩やかな回復基調が続いている」という認識であります。

(問)私も月例報告についてですが、7か月連続で同じ表現で、回復基調が続いているということですが、「緩やかな」という言葉が付いていて、もう一段表現を高めたりすることは可能なのか、そのためには何が必要なのかについて、よろしくお願いします。

(答)そうしたいと思っていますが、勝手に文章をいじるわけにもいかないので。ポイントになるのは、やはり個人消費の回復と設備投資の拡大だと思っております。
政府としては、今後3年間を生産性革命集中投資期間と位置付けて大胆な政策を断行していくことにしております。具体的には、御案内のとおり、3%以上の賃上げなどを行う企業は25%まで、正に革新的な技術に投資する企業については20%まで法人税負担を引き下げる等の取組、かなり画期的なものを盛り込んでおります。これによって企業による力強い賃金アップ、そして投資を後押ししていきたいと考えています。



3.新原内閣府政策統括官(経済財政運営担当)による追加説明

本日は最初に、「平成30年度の経済見通し」について議論を行いました。事務方から資料1について説明をし、その後、意見交換を行いました。
主な御意見を紹介いたします。
経済産業大臣から、「設備投資と賃上げ、人材投資を税制によって支援し、来年度の経済見通しは確実に達成をしていきたい。中小・小規模事業者が生産性向上を図る設備投資や、ITツールを導入することを促進する。下請け、中小企業への取引条件改善などの取組も進める。」
総務大臣から、「先日、経団連から女性の活躍を応援していきたいとの話をいただいた。内容を見ると、女性が活躍している企業は収益を伸ばしているということで、経済的側面からも女性の活躍を支援していきたい。」
民間議員から、「来年度の経済見通しの実現の鍵は、1番目に「新しい経済政策パッケージ」の着実な実行、2番目に企業の賃上げと設備投資である。企業の新陳代謝についても進めていくべきである。来年1月の中長期試算は、PB黒字化の道筋を議論するための土台となる。内閣府には現実的な試算をお願いしたい。そして、民間議員から、この3年間の成果について中間評価をし、報告をしたい。」
別の民間議員から、「2018年度は内閣府の試算のように、民需主導の経済にする大事な年である。そのためにも官民挙げてSociety 5.0を本格的に稼働させたい。そして、2019年度以降は、オリパラ需要の発現や消費税の引上げ、長時間労働規制の影響が出てくる。前回の消費税率引上げ時に経験した、消費の上下動を避ける必要がある。経済界としても来週の賃上げに一生懸命取り組み、投資増の取組を進めていきたい。」
別の民間議員から、「来年の経済財政運営については、経済が順調に推移すると、デフレ脱却が視野に入ってくる。重要なのは来春の賃上げであって、是非3%の賃上げをお願いしたい。それから、より長い目で見ると、経済成長率実質2%、名目3%を実現するような道筋を描いていく必要がある。財政健全化計画を策定する際に、経済についても注意深く見ながらやっていくことが必要である。」
別の民間議員から、「2%の物価安定目標をしっかりと実現していかなければならない。そのためには、1番目に3%の賃上げの実現、2番目に賃金増に見合った可処分所得の増加のための社会保障改革による社会保険料の上昇の抑制、3番目に社会保障に関する将来不安を払拭するような、団塊の世代が75歳になる2025年問題解決のビジョンの提示が重要である。」
経財産業大臣がさきほどの民間議員の企業の新陳代謝を進めていくべきという発言に答えて、「企業の新陳代謝は重要である。設備投資や人材投資を熱心に行う企業や、地域未来牽引企業を重点的に支援していく。一方で、事業承継税制は親から子への承継だけでなく、事業の売却や廃業もやりやすくするものであり、退出も促せるものと考えている。」
次に、加藤厚生労働大臣、石井国土交通大臣に御参加いただき、経済・財政一体改革について議論を行いました。事務方から資料2、新浪議員から資料3、加藤大臣から資料4、石井大臣から資料5について説明があり、その後、意見交換を行いました。
主な御意見を紹介いたします。
経済産業大臣から、「AIやIoTなどの新技術の活用による生産性向上を推進する観点から、経済産業省として貢献していきたい。マイナンバーカードの利用範囲が狭く、普及率が低いことは課題である。国民が便利に使えるようにしていく必要がある。」
民間議員から、「社会保障について、現役世代の負担が積み重なる中で、限界に近付いてきていると思っている。負担の年々の上昇は企業の賃上げの効果を削いでいるという事実がある。今後については、薬価引下げは国民負担の軽減に使われるべきであるので、この原則を踏まえていただきたい。そして、高齢者について、応能負担を高めていくべきである。厳しい改革に取り組んでいくことが必要である。」
別の民間議員から、「歳出改革を推進するためには、大胆な発想で官民のやる気と知恵を出していく必要がある。公的ストックの有効活用により得られた財源をほかに回すといった考え方が有益である。マイナンバーの活用により、公的部門の生産性革命を進めるべきである。所有者不明土地の問題の解決に向け、これまでに手つかずの問題にも取り組んでいくべきである。地方財政について、不交付団体の支出の拡大の問題、税収偏在の是正、そして自治体独自の教育サービスの提供等について議論していくべきである。」
別の民間議員から、「改革には大きな進展があったが、デフレ脱却のために、将来不安を払拭する必要があると考えている。」
別の民間議員から、「来年の中間評価に向けて社会保障の自然増がどうなっていくのか、この分析をしっかりしていく必要がある。」
以上の議論の後、経済財政諮問会議として、「経済・財政再生計画 改革工程表2017改定版」を決定いたしました。
ここで総理から発言がございました。
「第一に、平成30年度の経済見通しを踏まえて、今後の経済財政運営について議論した。
我が国経済は、今年度、雇用・所得環境の改善が続く中で、個人消費や設備投資が持ち直すなど経済の好循環が実現しつつある。来年度もこの好循環が更に進展する中で、実質成長率1.8%と、民需を中心とした景気回復が見込まれる。
このように経済が好調な時機を捉え、最大の課題である少子高齢化の克服に向けて、「生産性革命」と「人づくり革命」を断行しなければならない。
関係大臣におかれては、先般閣議決定した新しい経済政策パッケージの着実な実施をお願いしたい。
第二に、薬価制度の改革について議論した。加藤大臣におかれては、創薬イノベーションの促進を図りつつ、「国民負担の軽減」と「医療の質の向上」の両立に向けて、改革の具体策を着実に実行していただきたい。
また、所有者不明の土地への対応について議論した。高齢化の進展に伴って大量の相続が発生し、今後、所有者不明の土地が更に拡大していくおそれがある。菅官房長官、石井大臣をはじめ関係大臣が協力して、総合的な対応策を作成し、実行していただきたい。
第三に、「経済・財政再生計画 改革工程表2017改定版」を決定した。関係大臣におかれては、この改革工程表に沿って、「見える化」の徹底・拡大、「先進・優良事例の展開・促進」を進めながら、着実に改革を実行していただきたい。」
以上です。


(以上)

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