第12回記者会見要旨:平成29年 会議結果

石原内閣府特命担当大臣記者会見要旨

  • 日時:平成29年7月18日(火曜日)17時54分~18時11分
  • 場所:中央合同庁舎第8号館1階S101・103会見室

1.発言要旨

第12回経済財政諮問会議の概要について説明申し上げます。
本日は、中長期の経済財政に関する試算、平成30年度予算の全体像と概算要求基準について議論しました。
民間議員からは、中長期試算を踏まえ、デフレ脱却・経済再生を最優先で実現すること、また、人材投資・生産性向上や働き方改革等を通じて成長力を高めるとともに、引き続き歳出改革に取り組むべき、といったような意見が出されました。
その後ですが、財務大臣、関係大臣を交えまして意見交換を行い、「平成30年度予算の全体像」を取りまとめるとともに、概算要求基準については、本日の議論を踏まえて決定することとしました。
最後に総理から、財政健全化のためには、歳出改革の着実な推進とともに、持続的な経済成長が不可欠であり、潜在成長力を引き上げるため、働き方改革や人材投資・生産性向上を通じたサプライサイドの改革が最重要課題、との発言がありました。
平成30年度予算編成においては、「平成30年度予算の全体像」を踏まえ、無駄な予算を排除するとともに、人材投資や生産性向上など真に必要な施策に予算を重点配分するよう指示もありました。
私からの説明は以上です。詳細については、後ほど事務方から説明させていただきます。



2.質疑応答

<財政健全化目標>

(問)基礎的財政収支について、2020年度にPB黒字化目標というものがあって、今回、8.2兆円の赤字という試算が公表されました。来年度は中間評価の年に当たると思いますが、この8.2兆円の赤字という数字を、大臣としてどのように捉えていらっしゃいますでしょうか。

(答)経済再生ケースで申しますと、2020年度のPBは、直近の経済財政状況を基に推計した結果、前回試算と1,000億円程度違いますが、ほぼ同水準となったということです。
忘れてはならないことは、今後とも「経済再生なくして財政健全化なし」だということ、ここがポイントだと思います。そのような中で経済をしっかりと成長させる、そして税収を増やす。昨年度は若干下がっているというようなお話も聞いていますが、やはり税収を増やすということは1つの大きなポイントではないでしょうか。それは、ある意味では経済のパイが拡大しているということの裏表ですので、そういう方向で「経済・財政再生計画」と改革工程表というものがありますので、現段階では歳出の抑制に取り組ませていただき、2020年度のPBの黒字化、債務残高対GDP比の安定的な引下げというものに取り組んでいくという姿勢を変更するということは絶対あってはならないことだと考えています。

(問)同じくPBに関して、ベースラインケースでは、2021年度から債務残高対GDP比が微増していくということが数値として出ています。そのことについてどう思われるのでしょうか。また、経済再生ケースでも、2020年度の半ば頃になっていきますと、成長率よりも金利の方が高い状況になりまして、財政運営がなかなか難しい状況になっていく数値が出ています。その点もどのようにお考えでしょうか。

(答)これは、資料1-1の2ページのところに関して御質問されていると思いますが、当然、経済が成長していって金利が上がらなかったら、これまた不正常な状態でありますので、そういう姿を念頭に置いているということは、是非御理解いただきたいと思います。
その中で、先ほどの質問と重なるわけですが、ベースラインケースというものは、要するに経済成長が加速しないということですから、「経済再生なくして財政健全化なし」と、ここをやはり押さえていかなければいけない。そのためにどうするかということで、先ほどお話をさせていただきましたように、総理の指示なのですが、大変財政事情が厳しい、要するにPBのギャップもあるので、無駄な予算を排除する。しかし、その一方で潜在成長力を上げていかなければ、パイは、人口ボーナスがありませんから広がっていかない。ですから、総理から、人材投資や生産性向上など真に必要な施策に予算を重点配分せよ、と予算編成の指示があったわけです。その指示に従って、この経済再生ケースにどのように乗せていくのか、また、この経済再生ケースでいかなければ発散する可能性が出てくるわけですから、それは絶対に避けなければいけない。そうすると、歳出削減あるいは増税のような話になりますが、そうではなくて、「経済再生なくして財政健全化なし」だという路線が安倍内閣の経済政策の基幹である、というように御理解をいただければと思います。


3.黒田内閣府参事官(総括担当)(政策統括官(経済財政運営担当)付)による追加説明

本日は、塩崎厚生労働大臣に御参加いただき、中長期の経済財政に関する試算、平成30年度予算の全体像及び平成30年度予算の概算要求基準についての議論を行いました。事務方から資料1、高橋議員から資料2、事務方から資料3、麻生財務大臣から資料4について説明、提案があり、その後、意見交換を行いました。
主な御意見を御紹介します。
塩崎厚生労働大臣から、「今後、加齢による医療・介護費の増加、自己負担割合等の変化の両面で、医療・介護給付は確実に高まる見通しである。このため厚生労働省では、「3年間で1.5兆円」の基調を継続するとともに、中長期視点では、予防による医療・介護需要そのものの抑制に取り組んでいく。そこで、データヘルス改革、保険者機能や都道府県のガバナンス機能強化等の取組を進めていく。社会保障予算の枠組みを考える際には、サービスの質の維持の向上を図りつつ効率化を進める。産業界、学校教育、生涯教育においての連携・協力が重要。」
世耕経済産業大臣から、「資料2-2の4ページにあるように、力強い経済成長の実現、歳出・歳入改革努力は、それぞれが独立変数ではなく実際には相互に関係することを視野に入れるべき。デフレを脱却しないと財政健全化もない。このため未来投資戦略を着実に進めるとともに、人材投資、イノベーションを通じて、需用・供給両面からの対策を行っていくべき。」
民間議員から、「デフレ脱却について、再びデフレに戻らないかどうかについて改めて検証をすべき。外国人労働者の受入れについて本腰を入れて検討すべき。潜在成長率を高めるために政策経費を拡充すべき。財政について、フロー面、ストック面から検証を進めるべき。」
別の民間議員から、「生産性向上やSociety5.0の実現に向け、研究開発投資の促進が重要。政府においては未来への投資となる研究開発投資、人材投資、設備投資を後押ししてほしい。全世代型の社会保障の実現のため、既存の歳出を徹底的に見直し、高齢者に向かっている財源を、子育てに向けた財源にするべき。社会保障の「3年間で1.5兆円」の基調を、来年度も継続するとの厚生労働大臣の発言があったが、中長期的には年5,000億円の増加を一層抑制することを検討すべき。」
別の民間議員から、「財政について効果の出ないものはカットし、効果のあるものに配分する。見える化とワイズスペンディングを通じて、そういった配分を行い、国民のQOLを改善し、生産性が向上することが重要。医療・介護についても、一層チャレンジが必要であり、経済財政一体改革推進委員会やそのワーキンググループでも、予算の組替えを進める提案をしていきたい。」
それに対して塩崎厚生労働大臣から、最初に申し上げた発言と同様の発言があったのですが、より具体的には、「若いうちからの健康診断で、今、例えば骨密度などはないが、そういうものをもう少し今後の高齢化を見据えたものに変えていく。また、データヘルス改革など科学的な見方を投入してEBPMを更に進め、結果として、ワイズスペンディングを目指していく。薬価改革について年内にしっかり結果を出していきたい。」
麻生財務大臣から、「EBPMの観点からワイズスペンディングを確保し、予算の質を高めていく必要がある。平成30年度予算編成でも同じコストなら政策効果の高いやり方を選ぶなど、効率化の方向で進めていきたい。」
その後、「平成30年度予算の全体像」を取りまとめるとともに、概算要求基準については、本日の議論を踏まえて決定することとしました。
最後に、総理から発言がありました。
「本日は、中長期の経済財政の試算や平成30年度予算の在り方について議論した。
財政健全化のためには、歳出改革の着実な推進とともに、持続的な経済成長が不可欠であることが確認された。
また、経済成長を持続するためには、潜在成長力の引上げが課題であり、働き方改革や人材投資・生産性向上を通じたサプライサイドの改革が最重要課題。
平成30年度予算編成においては、本日取りまとめていただいた「平成30年度予算の全体像」を踏まえ、無駄な予算を排除するとともに、人材投資や生産性向上など真に必要な施策に予算が重点配分されるよう、メリハリのついた予算編成を進めていきたい。麻生大臣、石原大臣及び関係大臣の御協力をお願いする。」
以上です。


(以上)