第2回記者会見要旨:平成29年 会議結果

石原内閣府特命担当大臣記者会見要旨

  • 日時:平成29年2月15日(水曜日)18時59分~19時22分
  • 場所:中央合同庁舎第8号館1階S101・103会見室

1.発言要旨

本年2回目の経済財政諮問会議の概要について説明させていただきます。
本日の議事は2つあります。
第一に、米国等の国際経済について、岸田外務大臣から、先週末の日米首脳会談の模様について結果報告がありました。
その後、世耕大臣から「分野横断的アプローチの経済対話の枠組みとなったことに意義があり、自分としてもしっかりと取り組みたい」という発言がありました。
民間議員の方から、今回の総理の訪米の成果を高く評価する、等々の発言がございました。
第二の議題ですが、金融政策、物価等の集中審議です。まず、黒田日銀総裁から金融政策運営について説明がありまして、その後、伊藤議員から「デフレ脱却を確実なものにするには、経済の好循環を拡大することが重要」と、消費の活性化策と人手不足対策について提言がありました。
その後、世耕大臣から「プレミアムフライデーを通じて、産業界と連携しながら消費マインドを喚起したい」「IT分野等における人材育成策を関係省庁と連携して検討していきたい」旨の発言がありました。引き続きまして、民間議員から「働き方改革は、生産性向上を通じて年収アップに通じるようなものにすべきである」「IT人材不足には、高度外国人材の確保が必要」「プレミアムフライデーでは、旅行需要を喚起するよう工夫すべき」、お子さんを連れて行くようなケースもありますので、「そのためには、子供の休み方の工夫も必要である」「省力化投資の先進事例を横展開すべきである」「人材確保のため理系の女性へのリカレント教育や留学生の就業促進が必要」等々の発言がありました。
これら働き方改革の発言等々を受けまして、塩崎厚生労働大臣から「マンアワーベースの生産性向上が重要である」との発言がありました。
最後に、配付資料の中にも入っていますが、本年前半の経済財政諮問会議の課題について決定いたしました。その課題に則って、前半は議論を進めていきたいと考えています。
ここで、総理から御発言がありましたので、発言のポイントを要約して紹介させていただきます。
日本と米国は、世界のGDPの30%を占め、力強い世界経済の維持、金融の安定性の確保、雇用機会の増大という利益を共有している。
先日の米国訪問において、日米がウィン・ウィンの経済関係を一層深めるために、麻生副総理とペンス副大統領の下で新たな経済対話の枠組みを立ち上げることになった。建設的な議論をしていきたい。
日本経済のデフレ脱却に向けて、政府と日銀とが一体となって、三本の矢をうち続けていかなければならない。今年の春季労使交渉、いわゆる春闘においても、前向きな成果が出ることを期待する。
新たな個人消費を喚起しようという取組として、今月24日から毎月、プレミアムフライデーが実施される。政府においても、できる限り多くの職員が楽しめるように工夫をしたい、等の発言がありました。
私からは以上です。詳細については事務方から説明させていただきます。


2.質疑応答

<自由貿易体制をリードする観点からの取組>

(問)今後の課題・取組について「自由貿易体制をリードする観点からの取組」と明記されていますが、国内で、これを実行するためにどのような取組ができると見ていますでしょうか。

(答)「自由貿易体制をリードする観点からの取組」は、「経済の好循環実現に向けた取組の強化」というところです。総理もトランプ大統領に対して、TPPの戦略的な意義等々について、大統領令で離脱されたわけですが、世界経済が自由貿易によって発展していくということを何度も、総理のお言葉をお借りしますと、しつこいぐらい、トランプ大統領に話をしました。日本の過去の発展を見ると、私たちは自由貿易の恩恵を十分に授かって今日の繁栄を築いてきました。総理は何度も何度も、やはり公正なルール、新しい21世紀に即した貿易のルールを作っていくことが非常に肝要であるということも含めてお話をされたわけです。そのような総理の思いに対して、経済財政諮問会議でも、どのような順番になるかはこれからですが、これに則って議論を進めていきたいと考えています。


<プレミアムフライデー>

(問)今日、プレミアムフライデーが話題に出て、民間議員の方からも期待の声があったかと思うのですが、その他、大臣として、景気への影響も含めて意気込み等があればお願いします。

(答)先ほど総理の発言の要旨を紹介させていただきましたが、政府の側も率先してできる限りプレミアムフライデーを楽しむ、もちろん仕事のある方は仕事をしなければなりませんが、このことによって消費が喚起される。
特に今日言及がありましたのは、旅行業です。総理から、石原さん、2泊すると宿泊料が高くなる、そうなるとまずいのではないか、やはり1日目は安くセットするくらいのことを、今、関東圏の近くでは箱根でも1.5泊という形があるのですが、日本全国でもそういうものができるように旅行業界にもしっかりと働きかける必要があるのではないか、ということを言われています。そのようなことも非常に重要です。
旅行業はすそ野が広いです。旅行に行ったらバスに乗る、タクシーに乗る、地元で買い物をする、御飯を食べる、と色々とすそ野が広いわけですから、こういうものが定着するようにする。ただ、それで逆にコストが高くなってしまって夏休みが短くなるとか、冬休みが短くなると需要が変わりませんから、需要を喚起することが可能になるようにしっかりと制度設計をしていくことが旅行業等々では非常に重要なのではないかと考えています。

(問)国会開会中ではありますが、プレミアムフライデーに関して、大臣御自身は何かされたいことや予定はありますでしょうか。

(答)私は政府職員ではありませんが、総理がおっしゃっているとおり、政府職員が働き方改革の一環として皆さんと共に3時頃からのんびりできるというのは、ある意味では望ましいのではないでしょうか。ただ、国会がありますので、国会に委ねざるを得ない。そういう立場ですので、歯切れの悪い答弁で本当に恐縮です。


3.新原内閣府政策統括官(経済財政運営担当)による追加説明

第2回経済財政諮問会議について、補足説明を申し上げます。
最初に、岸田外務大臣に御参加をいただいて、米国等の国際経済についての議論を行いました。岸田大臣から資料1、私の方から資料2について説明を行い、その後、意見交換を行いました。
主な御意見を御紹介させていただきます。
経産大臣から、「経済対話の立ち上げについて、特に「分野別協力」や「貿易・投資ルール」に関して、副総理の指導の下で、しっかり取り組んでいきたい。」この枠組みができたことには非常に意味があるという話でございました。
民間議員から、「今回の総理訪米を非常に高く評価する。日米同盟の重要性を内外にはっきり示すことができた。共同声明の中で、自由で公正な貿易ルールの大切さを表明するとともに、経済対話の立ち上げに合意したことは意義深い。」
次に、塩崎厚生労働大臣に御参加をいただきまして、金融政策、物価等に関する集中審議を行いました。これは先の日本銀行の金融政策決定会合を踏まえてのものでございます。黒田議員から資料3、私の方から資料4、伊藤議員から資料5について説明、問題提起があり、その後、意見交換を行いました。
主な御意見を御紹介させていただきます。
経産大臣から、「プレミアムフライデーについては、世の中のデフレ傾向を変え消費活性化につなげたい。産業界とも連携し、消費マインド喚起を進める。経産省も、当日は早期退庁を呼び掛ける。IT分野等の人材不足に関しては、「第4次産業革命人材育成会議」で関係省庁とともに、施策の加速に向けて検討していきたい。」
民間議員から、「働き方改革について、生産性が上がって年収が上がることが重要である。残業代が減って年収が減るようでは元も子もない。改革の目的に従って、企業も賃金で報いることを示すことが必要。しっかり見ていかなければいけない。外国人材について、外国人労働者数が増加していることは良いことであり、日本経済にとって不可欠な存在になっている。積極的に受け入れることができる社会になっていくことを前提に、高度人材の受け入れを進めていくことが重要である。」
民間議員から、「働き方改革の成果を適切に賃金に反映させることが大切である。消費の山谷を作るだけに終わらないよう、プレミアムフライデーを契機に旅行需要をつくることが大事。」「山谷」というのは、平日が減って金曜日だけ延びてもしようがないということです。
それから民間議員から、「プレミアムフライデーの取組に対する政府の協力に感謝。観光の生産や雇用に与える影響は大きい。インバウンドは増えているが、日本人の旅行は減ってきており、増やすようプレミアムフライデーも活用してほしい。政府は子供の休みの在り方についても検討してほしい。」
厚労大臣から、「時間外賃金の減についての話があったが、大事なことは、時間当たりの生産性の向上である。このため、時間でなく成果で評価する「高度プロフェッショナル制度」や、新しく労働市場に入ってくる人にも同一労働同一賃金がスムーズに適用されることが大切である。労働移動を容易にして職業訓練もしっかりやることが重要である。」
財務大臣から、「ITも観光も求められる人材像はそれぞれであり、上手なマッチングが大切である。」
民間議員から、「外国人の受け入れが大事だが、時間がかかる面もあるので、「リケジョ」、「リカレント」、「留学生の就労」といった今あるリソースを使うことが大切であり、目標を定めて真剣に取り組むことが大切である。」
意見交換の後、配付資料の「経済財政諮問会議の今後の課題・取組について」を決定いたしました。石原大臣から、今年前半は、このアジェンダに基づいて議論を進めてまいりたいと発言がありました。
ここで総理から発言がございました。
「第一に、米国を始めとした国際経済について、議論を行いました。
日本と米国は、世界のGDPの30%を占め、力強い世界経済の維持、金融の安定性の確保、雇用機会の増大という利益を共有しています。
先日の米国訪問において、日米がウィン・ウィンの経済関係を一層深めるために、麻生副総理とペンス副大統領の下で、新たな経済対話の枠組みを立ち上げることになりました。建設的な議論をしていきたいと思います。
第二に、金融政策、物価等に関する集中審議を行いました。
日本経済のデフレ脱却に向けて、政府と日本銀行とが一体となって、三本の矢をうち続けていかなければなりません。今年の春季労使交渉においても前向きな成果が出ることを期待したいと思います。
民間議員からは、所得の伸びに比べて消費の回復テンポが伸び悩んでいるといった指摘がありました。新たな個人消費を喚起しようという取組として、今月24日から毎月、プレミアムフライデーが実施されます。政府においても、できる限り多くの職員が楽しめるよう工夫したいと思います。」
私からは以上です。

(以上)