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第1回記者会見要旨:平成29年 会議結果

石原内閣府特命担当大臣記者会見要旨

  • 日時:平成29年1月25日(水曜日)18時24分~18時54分
  • 場所:中央合同庁舎第8号館1階S101・103会見室

1.発言要旨

今年初めての経済財政諮問会議について、概要を説明させていただきます。
本日の議題は3つあります。
まず1番目、麻生財務大臣から、平成29年度予算及び税制改正について説明がありました。その中で、税制改正における配偶者控除の見直しや所得拡大推進税制の見直しに関連して、企業にも配偶者手当の見直しや賃上げの着実な実行に取り組んでほしい、との発言がありました。
これに関連して民間議員から「働き方に中立、子育てという観点から配偶者手当を再点検するよう呼びかけている。また、昨年に引き続き、年収ベースの賃上げへの前向きな検討を呼びかけている。ベースアップについては、賃金引上げ方法の柱の1つと位置づけ、昨年より一歩踏み込んだ。」等々の発言がありました。
また、事務方から中長期の経済財政に関する試算について説明があり、その後、世耕大臣から「今後も続くであろう低金利に対応した戦略が必要」「公債残高対GDP比率は大きく改善している」との発言があり、また、民間議員から「2020年度のPB黒字化は大事だが、飽くまで通過点。ワイズ・スペンディングにより、65歳までは現役、65歳以上は緩やかに経済活動に参加する社会をつくるべき」「経済再生ケースとベースラインケースで財政の姿が大きく違う。経済活性化が大前提である」等々の発言がありました。
これに対し、塩崎厚生労働大臣から「持続可能な医療・介護のため、人材育成とデータの活用を強化していく」との発言がありました。
2番目に、米国等の国際情勢について、榊原議員から「米国新政権については期待と不安が交錯している。経済界としても、様々なチャンネルを通じて新政権や議会との関係を構築し、米国との経済連携を強化していく」といった発言がありました。民間議員から「日本が率先してグローバリゼーションの旗頭として世界に発信すべき」との発言がありました。
続いて3つ目です。経済財政諮問会議の今後の検討課題について、まず伊藤議員から、2030年展望と改革タスクフォースの検討結果として、2人的資本大国としての再生、2「未来」に向けた大胆な資源配分のシフト、2ダイナミックな外国人等々との交流拡大という視点から構造改革を実行すべし、という報告がありました。
また、榊原議員から、アベノミクスのこれまでの4年間の成果等を踏まえ、今後の経済財政諮問会議においては、人材への投資や活力ある中間層の形成など人づくりへの資源配分の強化、Society5.0の実現、社会保障改革等に重点的に取り組むべき、との提言がありました。
その他、民間議員から「政府においてもSociety5.0関連大型プロジェクトの実行をお願いしたい」「社会保障関連で第四次産業革命を起こすべき」等々の発言がありました。
ここで、総理から発言がありました。発言のポイントを要約して紹介いたします。
経済再生と財政再建、社会保障改革の3つを同時に実現しながら、一億総活躍の未来を切り拓いていかなければならない。まずは来年度予算や税制改正法を早期に成立させる必要がある。
このうち、税制については、働き方改革を進めるため、配偶者控除や所得拡大促進税制を見直すこととしており、企業にも配偶者手当の見直しや、少なくとも昨年並みの水準の賃上げなど、前向きな取組をお願いしたいと思う。
石原大臣つまり私に対し、本日の議論を踏まえて、今年前半の諮問会議のアジェンダを取りまとめるよう指示をいただきました。私としましては、次回の経済財政諮問会議で、今日の議論を踏まえて、アジェンダを取りまとめたいと思っています。
私からは以上です。


2.質疑応答

<中長期試算>

(問)中長期試算について伺います。今回の試算では、2020年度のPB赤字が8.3兆円ということで、前回試算より赤字幅が拡大していますが、これについて大臣の受け止めと、2020年度の黒字化目標を達成するためにどういったことが必要か、お考えをお願いします。

(答)総理も話されていますが、「経済再生なくして財政再建なし」を基本として経済再生に最優先に取り組むとともに、今日も塩崎大臣からも話がありましたように、社会保障改革を含む歳出改革に重きを置いて取り組んできたわけです。だからこそ、今日の姿があるのだと思います。しかしながら、デフレではないという状態にはなっていますが、デフレ脱却まではいっていない、そこから戻ってしまったらデフレになってしまいますので、今後とも「経済最優先」で金融政策、財政政策、成長戦略の「三本の矢」の柱の政策を続けて、デフレ脱却というところまで持っていって、そこで初めて日本経済が成長軌道に確固たるものになるのだと思います。そこを目指していきたいと思います。
社会保障費がこれだけ伸びている国はそんなにないわけでして、社会保障改革を含めた具体的な歳出の重点化・効率化が非常に重要になってきます。そして、経済が再生してパイが大きくなっていくことによってPBの黒字化を実現して、債務残高の対GDP比率を、下がっていくようですが、中長期的に着実に下げていくということが肝要なのではないかと考えております。

(問)今の質問に関連して、経済再生ケースを見ると、名目GDP成長率を3%以上にしていたり後半非常に高い前提を置いているのに8.3兆円の赤字ということですから、道のりはこれまでよりもかなり厳しいかのように思います。果たして本当に目標を達成できるでしょうか。

(答)潜在成長率を2016年度で1.1%、2017年度で1.4%、実質GDP成長率を1.3%、1.5%と見込んでおり、やはりそのぐらいの成長はできているのだと思います。名目成長率で見ても、日本銀行の期待インフレ率よりは低いですが、2016年度で1.5%、2017年度で2.5%です。いずれの成長率を見ても、トレンドとしては回復基調にあります。こういうことに取り組んでいって経済成長を実現していかないと、債務残高の減少もPBの黒字化もできないことは明らかになったので、それに向かって全力で取り組むということに尽きるのではないでしょうか。止めてしまったらそこでお終いですから、先程の質問にお答えしたように効率化・重点化に取り組む。一度緩めたらもうお終いです。そのくらい厳しい気持ちを持ってこれからも取り組んでいかなければいけない点だと思います。歯止めですね。


<財政健全化目標>

(問)財政健全化目標について確認させていただきます。2018年度の対GDP比1%という数字は消費税増税延期等もあったため達成できなくても仕方がない、という認識でしょうか。また、2018年度の1%という数字が仮に達成できなくても2020年度の黒字化は達成しなければならない、という認識でしょうか。

(答)やるしかない、ということに尽きるのではないでしょうか。「経済・財政再生計画」でメルクマールとして、集中期間の最終年度の2018年度にPB赤字を対GDP比1%程度にするとしてあるから、予算をこのように組めているわけです。これを止めたら間違いなくお終いですよ。
去年の4月に消費税を上げることになっていましたが、それが2019年10月に延期されました。中間評価では、その影響を踏まえてどうなるかという分析をしていきます。
それと、国際的な経済動向がどうなるか、不確実性の問題が吉と出るか凶と出るか、これによっても全然違ってきますので、やはり絶対やるという強い意思を持っていかないといけないのだと思います。


3.新原内閣府政策統括官(経済財政運営担当)による追加説明

最初に塩崎大臣に御参加いただき、中長期の経済財政の展望と再生についての議論を行いました。
麻生大臣から資料1、事務方から資料2について説明があり、その後、意見交換を行いました。
主な御意見を御紹介させていただきます。
民間議員から、「経団連の調査によると、全企業の約3割が103万円の壁を設定している。今回の税制改正を契機として、働き方に中立な制度の実現や、子育て世代への経済的支援などの観点から、配偶者手当を点検し、見直しを行うなど、対応を早期に広げていきたい。賃金引上げについては、昨年11月の安倍総理からの要請も十分踏まえ、昨年に引き続き、「年収ベースの賃金引上げ」への前向きな検討を呼び掛けている。ベースアップについては、賃金引上げ方法の柱の一つと位置付け、昨年より一歩踏み込んだ。多くの企業で賃金引上げのモメンタムが継続されることを期待している。」
経産大臣から、「今後続くであろう低金利に対応した戦略が必要である。公債残高対GDP比率は大きく改善している。財政については、第一に、2025年に向けた社会保障改革を進めていくこと。第二に、潜在成長率の引上げのため、人材投資、イノベーション支援にしっかり取り組むべきである。」
続いて民間議員から、「2020年度のPB黒字化は大事だが、あくまでも通過点であり、2025年以降、高齢化をどう乗り切るかが大切。2050年にもヤマがあり、ワイズ・スペンディングにより高齢者が若者に過度に依存しない社会をつくることが大切。65歳までは現役、65歳以上は緩やかに経済活動に参加する社会をつくるべき。未病対策、創薬などを重点的に推進すべき。こうしたことにより、医療費の低下、労働供給の増加、競争力の向上が図られる。」
民間議員から、「経済再生ケースとベースラインケースでは、財政の姿が大きく違う。これは経済活性化が重要であることを示している。その上で、社会保障改革を進めることが大切である。また、イノベーションに歳出を配分していくことが大切であり、今後議論していきたい。」
次に、塩崎大臣に引き続き御参加いただき、米国等の国際経済についての議論と、経済財政諮問会議の今年前半の検討課題についての議論を併せて行いました。
事務方から資料3、伊藤議員から資料4、榊原議員から資料5について説明があり、その後、意見交換を行いました。
主な御意見を御紹介させていただきます。
榊原議員から、「トランプ新政権の政策については、期待と不安が交錯している。経済界としても、様々なチャネルを通じて新政権や議会との関係を構築し、米国との経済連携を強化していく。英国、EUに対しても、適切な対応を求めていきたい。」
民間議員から、「潜在成長率を引き上げていくためには、Society5.0の実現が重要である。これは、技術革新はもとより、働き方改革や国民のライフサイクルの変革も含めて考えるべき国家的大プロジェクトである。社会保障改革を着実に推進すべく、経済財政諮問会議としてしっかり後押ししていく必要がある。」
厚労大臣から、「社会保障改革について、医療・介護の考え方として、保険者がその機能を発揮することが大切である。そのためには、保険者の意識改革と人材の強化が必要であり、取り組んでいきたい。また、健康・医療・介護のデータ分析を行って、創薬や医療費適正化、個人の健康増進など幅広くつなげていく。」
経産大臣から、「米国等の国際経済について、経済運営のリスク対応を図る必要がある。」
民間議員から、「ダボス会議では保護主義にどう対応すべきか、という議論があった。経営者が集まる会合では、企業の短期主義に警鐘を鳴らす指摘が多かった。今後、AIが普及する中で、企業が社会的な投資をしていかなくてはいけない、という指摘があった。人口減の日本にとっては、社会保障分野に第4次産業革命を導入するチャンス。同時にモノも作らなくてはいけない。この点は、日本は優れている。データアナリストやコンピュータ技術者は足りないので、人材育成とともに海外から高度人材を呼び込むことが大事である。」
民間議員から、「世界の仕組みについて議論が行われている。1930年代の保護主義、あるいは自由貿易協定、EPA、FTAを始めたのも米国だった。今は、米国は2国間交渉を唱えている。マクロ経済について、外的なショックがあっても対応できるよう、日本は潜在成長力を上げていく必要がある。」
以上でございます。

(以上)

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