第24回記者会見要旨:平成25年 会議結果

甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨

  • 日時:平成25年11月29日(金曜日)19時06分~19時22分
  • 場所:内閣府本府仮設庁舎講堂

1.発言要旨

第24回経済財政諮問会議が先ほど終了いたしました。概要を申し上げます。
一つ目の議題として、地方財政・地域活性化に関し、伊藤議員から資料1について、新藤議員から資料2について、麻生議員から資料3について、それぞれ御説明がありました。その後、議員の方々からいただいた主な御意見を御紹介申し上げます。
民間議員から、「地方交付税の配分について、行政需要の算定の測定単位として、教職員数や農家の数などが使われているが、これらは少子化対応や農業の規模拡大という政策の方向性に適合していない。コンパクトシティ化など頑張る地方を支援するよう地方交付税の配分方法に工夫が必要である。」
同じく民間議員から、「地方法人所得課税は、偏在性も変動も大きく、基本的に国税化すべきである。そして、地域活性化に向けた努力が反映される仕組みで一部配分されるべきではないか。また、国税化をした上で法人実効税率を引き下げ、第三の矢である成長戦略に資するべきである。」
同じく民間議員から、「公設試験研究機関は効率化するとともに、研究開発の方向性を変えて産業クラスターにもつながるよう地域再生のための中核的組織とすべきである。中小企業を地域における知的財産戦略とも結び付けるべきである。」
同じく民間議員から、「第三セクターや地方三公社の抜本改革、固定資産台帳、地方公会計の整備促進についての民間議員からの提案を受け止めて、新藤大臣が、指針やガイドラインを策定するようお約束をいただいた。更に進めて工程表を作ってもらいたい。頑張る自治体を支援する観点から、PPP/PFIにどれだけ取り組んだかなどの新たな行革の取組を地方交付税の算定の中に入れてもらいたい。地方財政計画における歳出の特別枠について、根雪のようになってしまうのは問題だ。これはあくまで経済危機対応の臨時措置であり、地域の成長力を高めるとともに、財政の効率化を進めるという観点に立って、ずるずると措置され続けることがないように適切に指導してもらいたい。」
同じく民間議員から、「地方交付税の別枠加算については、平成26年度から元のルールに戻すべきである。」
二つ目の議題として、経済の好循環の実現に関し、西村副大臣から資料4について御説明がありました。その後、議員の方々からいただいた主な御意見を御紹介いたします。
民間議員から、「政労使会議に加え、内閣府の有識者会議にも参加をしている。二つの会議の審議を通じて、復興特別法人税が前倒し廃止された場合には、賃金が上昇し、好循環実現に近づくものと考えている。民間シンクタンクが来年度の経済予測の作業をしているが、雇用者報酬が伸びる予測になると思われる。好循環を持続的成長へつなげていくためには、プロダクト・イノベーションが重要であり、人的資本への投資を行うことが必要である。」
茂木議員から、「経済産業省を挙げて90団体以上、100社以上に要請を行い、前向きな反応を得た。また、実際に具体的な動きが出ている。現在、産業競争力強化法案を国会に提出しており、経済の好循環実現に向け、早期成立に万全を期したい。」
最後の議題として、「平成26年度予算編成の基本方針」に関し、私から資料5について説明をし、続いて、麻生議員から資料6及び配布資料の教員給与関係資料について説明がありました。その後、議員の方々からいただいた主な御意見等を御紹介いたします。
民間議員から、「骨太の方針に基づき、財政の質を高める考え方を前面に打ち出してほしい。」
同じく民間議員から、「目標に対して施策が単年度で終わるとは限らない。複数年度にわたって、かかる費用と効果を明示する仕組みづくりを考えてもらいたい。」
最後に、総理から御発言がございました。発言のポイントを御紹介申し上げます。
「民間議員から提案のあった、オリンピック開催決定を契機にした地域活性化、地域産業の集積促進を含め、地域再生に向けた政策に重点的に取り組んでいかなければならない。26年度予算においても、必要な予算に対応する一方、地方財政予算を、国と歩調を合わせて、徹底して効率化していかなければならない。また、リーマン後の危機対応モードから平時モードに仕組みを切り替えていく必要がある。関係大臣において、引き続きしっかりと取り組んでほしい。経済財政諮問会議でのこれまでの議論をしっかり踏まえ、「平成26年度予算編成の基本方針」の取りまとめに向け、関係大臣において、更に具体的に議論を深めていってほしい。政労使会議を通じて経済界・労働界の双方ともに好循環実現に向けた共通の認識が深まり、取組が始まりつつあることを私としても確信できた。デフレ脱却を確固としたものとするため、甘利大臣には更に尽力していただきたい。」
以上を踏まえ、私から、「次回の経済財政諮問会議では、来年度の予算編成の基本方針の原案について御議論いただきたい。」
以上です。

2.質疑応答

(問)今日、民間議員から御提案のあった、オリンピックのホストシティの構想についての受け止めと、本格的にこれを実現していくという考えか聞かせてください。
(答)なかなか画期的なアイデアだと思います。かつてワールドカップ・サッカーの時に、アフリカの国のチームのホストシティを引き受けた自治体がありまして、それ以来、地域交流を通じて国の交流が始まったということもありました。全参加国に対してホストシティを設けるというのは、それが可能であるならば国対国の友好関係を非常に強固にしていくという意味合いもあろうかと思っております。
(問)民間議員から、地方財政のところで、歳出の特別枠の早期削減と、地方交付税の別枠加算を通常ルールへ戻すべきだという御提言がございました。一方で、総務省からは、財源不足が大幅に残っているというデータも出ているようですが、これについて、甘利大臣の御見解、どういうふうにすべきとお考えなのかお聞かせください。
(答)臨時・異例の措置は、その時の対応策であります。いわば、戦時モードを、平時になったときには平時モードに戻す。それについては、総務省も財務省も民間議員の間でも認識は一致していると思います。ただ、いつをもって平時モードとするか、ということだと思います。総務省は、直前のピークをもって平時である、直前の絶好調の時をもって平時であるという認識であります。しかし、財務省は、平時は平時、絶好調になる前の時点であるという認識です。ですから、もう既に底を打って、アベノミクスで急回復モードにあるわけだから、それは早急にということで、その「平時」の認識の違いが残っているだけだと思っております。
(問)重ねての質問で恐縮ですが、甘利大臣は、いつの時点で平時モードに戻したらいいとお考えでしょうか。
(答)もう平時モードに戻りつつあると思います。リーマンショック前のピーク時というのは、それ以前のグラフから見ても、かなり天井になっているというふうに思っております。
(問)「平成26年度予算編成の基本方針」の部分で、今日は社会保障のところは特に何かやりとりはあったのでしょうか。平成26年度は診療報酬改定等もあると思いますが。
(答)社会保障については、三本柱の一つとして既に経済財政諮問会議で議論しています。今回は地方財政をやりました。
(問)地方交付税の別枠加算のところで、麻生大臣と新藤大臣の御発言をお聞かせ願えればと思います。
(答)麻生大臣は、「もう平時モードと言っていいから、すぐに戻すべきである。」。新藤大臣は、「平時になれば平時モードに戻すということに異論はないけれども、現状はまだ平時とは認識していない。」という違いだと思います。
(問)今回の会議には直接関係ないですが、TPPに関して、韓国が参加の考えを表明され、日米と交渉していきたいということも表明されていますが、韓国の参加について大臣の今のお考えをお聞かせください。
(答)参加数が増えるということはウエルカムというのが基本認識です。ただ、ある種「一次会員」の締め切りを行った後でありますから、まずこのTPPをとにかく仕上げるということ、それから「二次募集」についてはしっかり対応してあげる、という手順ではないかというふうに思っております。参加されることそれ自体は歓迎すべきことだと思います。
(問)地方法人税の在り方の見直しで、税源偏在というところでは、今日参加された皆さんの方向性は一致しているという理解でよろしいでしょうか。それとも違うのでしょうか。
(答)今日は問題提起だというふうに思いますが。
(問)問題提起があって、意見を交わされたのか……
(答)この点について、そうすべきだとか、すべきでないという議論はたしかなかったと思います。
(問)今日、経済財政諮問会議が終わった後、総理とお二人でお会いになられていたようですけれども、差し障りない範囲でどんなお話があったか教えていただければと思います。
(答)TPPに関してです。
(問)経済財政諮問会議の前にお入りになられた時もそうでしょうか。
(答)ええ、そうです。
(問)それは(米国通商代表の)フローマンさんとの会談の話とか、本番を控えて……
(答)それもあります。フローマン氏が日曜日に来られますから、これは極めて重要な会議になろうかと思います。この意味合い、それからどのような話になるかということを含めてお話をしました。
(問)総理と(米国副大統領の)バイデンさんとのお話は……
(答)その話はしていません。
(問)TPPですけれども、日本がTPPに入るときに、ほかの国からかなりいろいろと注文をつけられて大臣も御苦労なさったと思いますけれども、韓国が今度入ってくる時には、どういった注文をつけようというふうに思われているか、今の考えを聞かせてください。
(答)別に意地悪をするつもりはありません。やっていただくべきことをやっていただく、ということだと思います。

(以上)