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第3章 経済活動を支える基盤

本章では、経済活動を支える人材、金融サービス、そして社会インフラという三つの生産基盤に着目する。これらが適切に供給され、かつ、その利用コストが妥当であれば、我が国は企業の立地活動拠点として選択され、雇用創出などを通じた経済成長の果実を享受することが可能となろう。

しかしながら、そのためにはいくつかの課題を克服する必要がある。まず、今後20年程度先の我が国経済の姿を考える場合、高齢化と人口減少という傾向が続く。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2033年の人口は2010年よりも10%程度少なく、県別人口推計では、秋田県と和歌山県の人口は20%以上の減少となるなど、人口減少率が10%を超える都道府県数は38に上ると見込まれている。こうした予測を踏まえれば、国や企業の成長力を維持するためには、労働力の質を高めて効率的に活用し、また、外国から高度人材を取り込んでいくといった対応が必要となる。

また、国や企業の成長力を維持するためには、投資も必要である。これまでの高い貯蓄率を背景に金融資産は積み上がったものの、その大半は国債へと投じられ、リスクはあるものの適切なリターンが期待される民間分野へは向かっていない現状がある。こうした中、日本銀行は、2%の物価上昇率をターゲットとする政策を採用し、デフレ脱却に向けた「次元の違う」政策対応を行うことになった。今や、デフレ下における合理的な家計や企業の資金配分は変化を求められ、金融機関もそれに呼応していく必要がある。全員が新たな局面への対応力を問われている。

さらに、経済活動に不可欠な社会インフラの整備については、少子高齢化や過疎化に加え、我が国の厳しい財政状況等、直面している課題も考慮する必要がある。そのような中で世界から選ばれる国に相応しい社会インフラを整備し、維持していくという目標を、一定の歳出によって実現するためには、経済社会の姿に対応した質と量の両面で見直しが不可欠であり、特に、ICTなどを利活用した効率化を進めていく必要がある。

以下では、企業活動を支える基盤を巡る現状を把握し、課題克服のための検討を行う。

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