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第1章 回復しつつある日本経済

日本経済は、2009年3月に景気の谷を迎え、景気循環上は拡張局面に移行した。リーマンショック後は、世界各国による財政出動により安定的な回復経路に乗ることが期待されていたが、実際の推移はそれほど平穏ではなかった。当初は、輸出や経済対策に下支えされた消費の増加はみられたが、設備投資は低調なままであり、景気は持ち直しの域を出なかった。その後、2011年3月には未曾有の被害をもたらした東日本大震災(以下、「大震災」という)が発生し、サプライチェーンの寸断や計画停電といった事態をもたらした。2011年末には、サプライチェーンの寸断は解消したと見られるが、電力の供給制約については、いまだ懸念が拭い去られていない。

また、同年夏以降は、欧州政府債務危機がリスク要因として一層認識され、為替市場等では不安定な動きも見られた。さらに、同年10月には、タイの洪水被害によるサプライチェーンの寸断が発生し、我が国企業の生産活動は再び困難に直面した。正に内憂外患という状態であった。

本章は、こうした度重なるショックに見舞われた日本経済の推移と現状を分析し、将来展望を行う際のポイントを提示することを目的としている。第1節では、景気の現局面を概括的に見渡すとともに、今後の経済の動きを考えるに当たり、重要な変化である高齢化などが与える影響についても分析する。第2節では、2009年後半から再び顕在化したデフレの現状と背景について検討し、政策対応を紹介する。第3節では、イノベーションや貿易投資の自由化、そして電力供給制約と新たな電源導入案といった成長戦略とかかわりの深いテーマについて触れる。

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