第2節 改革の成果が実り始めた企業部門(2)

(2) 服部・前田(2000)では、従業員の高齢化や高学歴化によって一人当たり賃金が高止まっていると指摘している。また、西崎・須合(2001)では、日本においては、労働と資本の代替の弾力性が1よりも低いために、資本深化による労働生産性の上昇にともなって労働分配率が長期的に上昇する傾向があることが指摘されている。なお、第1-1-2図では、雇用者報酬(SNAベース)を名目GDPで除した労働分配率は最近かなり低下しているが、これは、雇用者報酬には、法人企業統計に含まれない公的部門や金融部門が含まれることなどの違いがあるためである。