第2節 金融の再構築(24)

(24) 80年代後半以降の金融自由化の中で、金融機関にとって安定収益源であった優良企業が、次第に直接金融による資金調達にシフトした。さらに、90年代以降は、不良債権処分損や株式売却・償却費用等がかさむことにより、その原資として株式含み益を活用することや、自己資本比率規制の下における株価変動リスクの回避という要請が加わった。企業側にとっても、景気が低迷するなかで資本効率の向上が意識されるようになったという事情もあった。こうした結果、持合い解消の動きが進むことになった。