平成15年度

年次経済財政報告

(経済財政政策担当大臣報告)

−改革なくして成長なしIII−

平成15年10月

内閣府


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はじめに

 日本経済に前向きの動きがみられている。これを確かなものにするとともに、自律的な景気回復を実現することが求められている。そのためには、日本経済が直面する構造的課題への取組の手を緩めてはならない。特に、金融と企業の再構築という課題と、高齢化・人口減少のもたらす影響への対応、特に財政・社会保障制度の改革という課題は、一刻の猶予も許さない。平成15年度の年次経済財政報告は、そのような問題意識から、景気の将来展望と当面する構造的課題についての分析を行う。
 第1章「景気回復への展望」では、景気が踊り場的な状況を脱する中で、どのような将来展望が描けるかを分析している。そのために、景気回復力やデフレの現状について分析するとともに、現在の財政金融政策が及ぼしている影響についても分析している。そこでは、景気の中でみられる前向きの動きを確認した上で、先行きに関する基本シナリオを提示し、景気が持ち直す可能性が高いことを示す。同時に、景気の先行きをめぐってはリスクや脆弱性があることも確認し、景気が自律的な回復に向かうための条件について明らかにする。
 第2章「金融と企業の再構築」では、民間需要が力強く回復するために必要な金融と企業の再構築について検討する。現在、間接金融の機能が低下している背景には、金融が抱える不良債権の問題と、それとは表裏一体の関係にある企業の過剰債務の問題がある。本章では、この二つの問題の現状と課題について整理する。その中で、金融については、不良債権処理を進めるとともに金融機能をめぐるインセンティブ構造の重要性を、企業については、過剰債務を削減するとともに収益力を高めるための取り組みの重要性を示す。また、金融・企業の再構築に伴って、雇用・賃金面で調整コストが発生するが、それを最小限に留めるための雇用政策の重要性について論じる。
 第3章「高齢化・人口減少への挑戦」では、これまで世界各国が経験したことのないスピードで進展している我が国の高齢化・人口減少の問題を取り上げ、それが今後の経済成長にどのような影響を及ぼすことになるかを分析するとともに、一刻も早い対応を求められている財政・社会保障制度の改革の課題について検討する。そこでは、高齢化・人口減少の経済的な影響について悲観する必要はないが、実際の経済成長がどうなるかについては、今後の政策対応等によるところが大きいことを示す。また、財政・社会保障制度の改革は緊急を要する課題であり、将来にわたり持続可能なものとしていくために、抜本的な改革を行う必要があることを示す。また、制度改革に際しては、人口や経済成長の変動に対して頑健な制度を確立するとともに、各制度の間の整合性をとりながら総合的な制度改革を行うことの重要性を論じる。
 我が国が当面する以上の構造的課題に対しては、早急な取組が求められている。本年度の年次経済財政報告は、そのような取組に対して分析面において貢献することを目的としている。

コラム0-1 経済財政諮問会議

経済財政諮問会議とは
 経済財政政策に関し、内閣総理大臣のリーダーシップを十全に発揮することを目的として、2001年1月に設置。

現在のメンバー
 小泉内閣総理大臣(議長)、福田内閣官房長官、竹中経済財政政策担当大臣、麻生総務大臣、谷垣財務大臣、中川経済産業大臣、福井日本銀行総裁、牛尾治朗(ウシオ電機会長)、奥田碩(トヨタ自動車会長)、本間正明(大阪大学教授)、吉川洋(東京大学教授)

最近の主な活動
2001年6月「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針」 (いわゆる「骨太の方針」)の審議(閣議決定(6/26))
2001年8月「概算要求基準」の審議(閣議了解(8/10))
2001年9月「改革工程表」の審議(閣議配布(9/25))
2001年9〜10月「改革先行プログラム」の審議(経済対策関係閣僚会議決定(10/26))
2001年11月「予算編成の基本方針」の審議(閣議決定(12/4))
2001年11月「緊急対応プログラム」の審議(経済対策関係閣僚会議決定(12/14))
2001年11〜12月「構造改革と経済財政の中期展望について」(いわゆる「改革と展望」)の審議(閣議決定(2002年1/25))
2002年2月「早急に取り組むべきデフレ対応策」の審議
2002年5月〜6月「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002」(いわゆる「基本方針2002」)の審議(閣議決定(6/25))
2002年8月「15年度予算の全体像」の審議(8/2)
「概算要求基準」の審議(閣議了解(8/7))
2002年10月「改革加速のための総合対応策」の審議((10/30策定)
2002年11月「予算編成の基本方針」の審議(閣議決定(11/29))
2002年12月「改革加速プログラム」の審議(経済対策関係閣僚会議決定(12/12)
2002年11〜12月「構造改革と経済財政の中期展望について」(いわゆる「改革と展望」)の改定(閣議決定(2003年1/24))
2003年6月「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」(いわゆる「基本方針2003」)の審議(閣議決定(6/27))
2003年7月「16年度予算の全体像」の審議(7/29)
2003年8月「概算要求基準」の審議(閣議了解(8/1))
2003年11月「予算編成の基本方針」の審議(予定)
2003年11〜2004年1月「構造改革と経済財政の中期展望について」(いわゆる「改革と展望」)の改定(予定)

ホームページで情報公開
 http://www.keizai-shimon.go.jp
 会議配布資料は当日、会議の議事要旨は3日後に掲載


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