付注2-2-2()     長期金利関数の推計

 日本、アメリカ、フランス、イタリア、イギリス、カナダ、オーストラリア、スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、スペイン、韓国の12ヶ国について、82年~97年のパネルデータを用いて推計を実施。

 まず、レベルの変数を用いて以下の推計を行った。

①レベルの変数による推計(パネルデータ推計)

   Rit αPit + βFBit +γCAit uit ,  uit = μi + εit

Rit:各国の長期金利(%)

Pit:各国のGDPデフレータ伸び率(前年比、%)

FBit :各国の財政収支(赤字をプラスで表示、対GDP比、%)

CAit:各国の経常収支(対GDP比、%)

μi:各国の定数項

 ①の式の推計結果は第2-2-2(17)()①に示されている。次に、①で推計した関数の予測値と実績値の差(一期前)を説明変数とし、各変数の一階の階差をとって以下の推計を行った。

②階差をとった変数による推計(パネルデータ推計)

   ⊿Rit = Σαi SRit + β⊿Pit ― γRESit-1 u'it ,  u'it = μ'i + ε'it

  ⊿Rit:各国の長期金利(%ポイント)

  ⊿SRit :各国の短期金利(%ポイント)

 ⊿Pit :各国のGDPデフレータ伸び率(%ポイント)

  RESit-1:構造要因(①で推計した関数の予測値と実績値の差(一期前)

  μ'i:各国の定数項

 ②の式の推計結果は第2-2-2(17)図(1)②に示されている。

(データ出所)OECD"Economic Outlook 65"

(参考文献)Adrian Orr, Malcolm Edey and Michael Kennedy

"The Determinants of Real Long-Term Interest Rates: 17 Country Pooled-Time-Series Evidence", OECD Economic Department Working Papers No.155