付注2-1-1(1) 情報化投資額の試算方法

1.総務庁「産業連関表」を用いて、1970年から1995年まで5年毎の情報化投資額(名目ベース)を算出する。産業連関表中の「固定資本マトリクス」より、情報化投資に係る設備と定義した以下の資本財を抽出し、国内固定資本形成(民間)に計上されている額を集計する。なお85年以前は、旧電電公社分(公的通信)を含めている。

情報化投資に係る資本財として抽出したものは以下の通り。

 ・コンピュータ関連機器(電子計算機本体、電子計算機附属装置)

 ・通信関連機器(有線電気通信機器、無線電気通信機器、その他電気通信機器)

 ・事務用機器(複写機、ワードプロセッサ、その他事務用機械)

 ・通信土木(電気通信施設建設)

2.1.で作成した5年毎の投資額を基準に、毎年の投資額を試算する。産業連関表掲載の対応表をもとに、「工業統計表」(99年については「機械統計月報」)および「貿易月表」から上記資本財の内需を求めて、毎年の伸び率を算出する。通信施設建設については通信業設備投資伸び率(大蔵省「法人企業統計季報」・その他運輸通信業「建設仮勘定」新設増加額など)を参考にする。内需の毎年の伸びが、5年毎の情報化投資額の伸びと整合的になるように、内需の伸びに一定の調整係数を掛けて、毎年の情報化投資額の伸び率を求め、名目ベースの情報化投資額を算出する。

3.2.で求めた投資額は、商業マージンや国内貨物運賃を含まない生産者価格ベースであるため、産業連関表から5年毎の各財のマージン率を求め、線形補完して毎年の値を出し、購入者価格ベースの投資額を算出する。

4.実質ベースについては、5年毎の投資額は産業連関表の接続表を用いて求める。毎年の伸び率は、工業統計表等より求めた内需を、財毎の国内卸売物価を用いて実質化して求める。

 参考文献:篠崎彰彦「情報革命の構図」(東洋経済新報社、1999)