付注1-1-7(1) 「為替変動の影響の低下」の推計
「為替変動の影響の低下」の推計(第1-1-7(13)図)の推計方法は以下の通り。
①個別企業ごとのデータ(ミクロデータ)による推計
推計式:πi=αi・EXC + βi・TPX
πi: |
EXC:実質実効レート指数(90年=100、外国通貨/円、日本銀行試算値)前月比
TPX:TOPIX(東証株価指数、一部総合)前月比
推計期間:(A)1985年1月~1989年12月
(B)1990年1月~1994年12月
(C)1995年1月~1999年3月
輸出比率(85年以降の平均)が30%以上の上場企業製造業に関し、上記の推計を行い、パラメータαに関して10%有為である企業を抽出(各推計期間において有為であるのは(A)113社中23社、(B)133社中26社、(C)138社中34社)し、輸出比率を横軸に、パラメータα(該当企業の平均)を縦軸として分布図を作成した。
上記の推計では、被説明変数を「前月末にi社株式に投資した場合の暫定的な投資収益率」とし、為替要因と国内株式市場要因を説明変数としている。為替要因のパラメータαは、市場から見た企業価値である投資収益率に対して、為替レートの変動がどの程度影響を与えるかを示唆している。為替レートは、パラメータαが大きくなれば(マイナス幅が縮小すれば)、為替レートの影響が小さくなっていることとなる。
②パネルデータによる推計
推計式:πi=α・EXC + βi・TPX + Const
推計期間および変数は①の推計に同じ。
Const(定数項)については、ハウスマンテストの結果をふまえ、変量効果(random effect)モデルを採用した。