注) 9.財・サービスの取引にかかる情報の不完全性や非対称性が存在する場合、市場取引を行うよりも内部取引の方が望ましい場合がある。また、特殊な用途のための技能や設備は、その他の代替的用途を見つけるのが困難なため、それが参入障壁となる可能性が高い。これらのケースでは、取引相手を変更する「取引コスト」が大きいために、当初の契約を勝ち得た者が独占利益を追求する誘因が生じ、民間委託が困難となる場合がある。また、委託契約においては、依頼された側が契約履行に関する現場の情報について優位にあるために、こうした情報の非対称性を自らの利害のために活用しようとする誘因が働く。これを防ぐために、行動を綿密にモニタリングしようとすると、そのためのコストがかかるが、こうしたコストを「エージェンシー・コスト」と呼ぶ。こうしたモニタリング・コストが大き過ぎると、民間委託には適さない。