第1章 グローバル化と経済成長・雇用

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グローバル化の進展は総じてみれば一国の経済成長にとってプラスに働くことから、日本経済はもとより、世界経済が持続的に成長していく上でも、経済活動の自由化を推進していくことが不可欠である。一方で、欧米の主要国ではグローバル化の進展に異を唱える保護主義や内向き傾向の高まりがみられており、2016年にはいくつかの国々で政治情勢を左右する局面もみられるなど、グローバル化に対する疑念が広がりつつある。

本章では、最初にグローバル化の進展状況を確認した上で、グローバル化と所得格差に関する理論・実証研究上の見解を概観する。次に、グローバル化と経済成長に焦点を当て、アメリカやドイツにおけるグローバル化の恩恵を活かした成長の具体例を述べる。最後に、グローバル化が一国の労働市場に与える影響に関する分析を行い、政策的含意を述べる。

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