第2章 第4節

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世界経済の見通しとリスク

以下では、2016年までの経済見通しとリスク要因について、世界経済及び各地域について概説する。

1.世界経済の見通しとメインシナリオ

世界経済は、アメリカ経済の回復、ユーロ圏の景気の持ち直しが続くことなどにより、緩やかな回復が続くと期待される。

国際機関の見通しでは、世界経済の実質経済成長率は15年通年ではおおむね3%台前半、16年にはおおむね4%弱の成長になるとみられている(第2-4-1表)。

第2-4-1表 国際機関による見通し
第2-4-1表 第2-4-1表 国際機関による見通し 実質経済成長率(前年比) <世界経済> IMF(市場レートベース) 13年実績 2.5% 14年実績 2.6% 15年見通し 2.9% 16年見通し 3.2% IMF(購買力平価ベース) 13年実績 3.4% 14年実績 3.4% 15年見通し 3.5% 16年見通し 3.8% OECD(購買力平価ベース) 13年実績 3.3% 14年実績 3.3% 15年見通し 3.1% 16年見通し 3.8% 欧州委員会(購買力平価ベース) 13年実績 3.3% 14年実績 3.4% 15年見通し 3.5% 16年見通し 3.9% <個別国(3機関平均)> アメリカ 13年実績 2.2% 14年実績 2.4% 15年見通し 3.1% 16年見通し 3.0% アジア 韓国 13年実績 3.0% 14年実績 3.3% 15年見通し 3.5% 16年見通し 3.7% アジア 中国 13年実績 7.8% 14年実績 7.4% 15年見通し 6.9% 16年見通し 6.7% アジア ASEAN5 13年実績 5.0% 14年実績 4.5% 15年見通し 5.0% 16年見通し 5.2% ヨーロッパ ヨーロッパ4 13年実績 0.1% 14年実績 1.2% 15年見通し 1.6% 16年見通し 1.9% ヨーロッパ ユーロ圏 13年実績 ▲0.5% 14年実績 0.9% 15年見通し 1.5% 16年見通し 1.8% (参考)日本 13年実績 1.6% 14年実績 ▲0.1% 15年見通し 1.0% 16年見通し 1.3% (備考)1.国際機関は、IMF(15年4月)、OECD(15年6月)、欧州委員会(15年5月)。IMFの市場レートベースは”World Economic Outlook, April 2015”の参考付表から引用。2.「ASEAN5」は、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム。「ヨーロッパ4」は、ドイツ、フランス、イタリア、英国。3.日本を除く個別国の実績、見通しは国際機関(3機関)の単純平均値による。ただし「ASEAN5」はIMFのみ。日本の実績は内閣府公表値(15年5月)。

2.世界経済の主なリスク

一方、前述のメインシナリオに対しては、いくつかのリスク要因が存在する。

(1)アメリカの金融政策正常化のアメリカ及び新興国等への影響

第一に、15年後半にも予定されているとされるアメリカのFRB(連邦準備制度理事会)の金融政策正常化(利上げ)である。利上げが行われれば約10年ぶりとなる。ニューヨーク連銀がアメリカ政府証券公認ディーラーを対象にした調査(4月16~20日が調査期間)によると、利上げがいつ行われるかについての確率の平均値は、6月が13%、9月が37%、12月が20%、16年1月以降が15%となっている1別ウィンドウで開きます

アメリカの金融政策正常化は、アメリカ経済と新興国経済に大きな影響を及ぼす可能性がある。

金融政策正常化に伴って想定以上に金利が上昇する場合には、アメリカ国内の企業の設備投資や住宅市場が影響を受け、景気回復に水を差すリスクがある。アメリカ経済は世界の景気をけん引しており、アメリカの景気の腰折れはそのまま世界の景気の腰折れにもつながるおそれがある。

また、新興国経済から資金が流出し、実体経済に影響をもたらす可能性がある。13年5月にバーナンキFRB議長(当時)が量的緩和終了を示唆する発言を行った際には、新興国の通貨が下落する局面がみられた。13年当時と現在の新興国の対外的ショックに対する耐性を表す指標として、経常収支赤字、外貨準備高及び対外債務残高をみると、大きな変化はない(第2-4-2表)。ブラジルやトルコでは政権に対する市場の信認の低下も景気の低迷につながっているとみられる。

第2-4-2表 新興国の耐性
第2-4-2表 新興国の耐性 ブラジル 経常収支(GDP比) 13年1~3月期 ▲2.8%→14年10~12月期 ▲3.9% 外貨準備高(GDP比)13年1~3月期 15.8%→14年10~12月期 15.5% 対外債務(GDP比) 13年1~3月期 13.6%→14年10~12月期 14.8% インド 経常収支(GDP比) 13年1~3月期 ▲4.8%→14年10~12月期 ▲1.4% 外貨準備高(GDP比)13年1~3月期 15.9%→14年10~12月期 17.1% 対外債務(GDP比) 13年1~3月期 25.2%→14年10~12月期 25.8% インドネシア 経常収支(GDP比) 13年1~3月期 ▲3.0%→14年10~12月期 ▲3.0% 外貨準備高(GDP比)13年1~3月期 10.3%→14年10~12月期 12.6% 対外債務(GDP比) 13年1~3月期 27.9%→14年10~12月期 33.0% トルコ 経常収支(GDP比) 13年1~3月期 ▲6.8%→14年10~12月期 ▲6.4% 外貨準備高(GDP比)13年1~3月期 18.1%→14年10~12月期 17.3% 対外債務(GDP比) 13年1~3月期 44.8%→14年10~12月期 48.9% 南アフリカ 経常収支(GDP比) 13年1~3月期 ▲6.2%→14年10~12月期▲5.4% 外貨準備高(GDP比)13年1~3月期 10.6%→14年10~12月期 12.4% 対外債務(GDP比) 13年1~3月期 36.3%→14年10~12月期 43.1% ロシア 経常収支(GDP比) 13年1~3月期 4.0%→14年10~12月期 3.4% 外貨準備高(GDP比)13年1~3月期 22.7%→14年10~12月期 15.9% 対外債務(GDP比) 13年1~3月期 33.8%→14年10~12月期 29.8% (備考)1.各国統計より作成。2.経常収支、外貨準備、対外債務はそれぞれの15年5月末時点の公表値より作成。

(2)中国経済の先行き

中国経済は景気の拡大テンポが一段と緩やかになっており、中国経済の成長が想定以上に減速した場合、中国への外需に依存する国々の輸出への影響が懸念される。また、中国の構造改革が円滑に進まない場合、過剰設備が解消されずに過剰生産によって企業収益が悪化したり、不動産市場の調整が長引いて金融システムが動揺したりすることが懸念される。

(3)ヨーロッパの政治リスク

ヨーロッパでは、政治リスクの経済への影響が懸念される。ギリシャでは15年1月の総選挙を経て、政権交代が起こった。新政権は反緊縮を掲げており、債務返済・軽減をめぐってユーログループ、IMFとの交渉が難航している。ギリシャ国債のデフォルトリスクが懸念されていることから、ギリシャの国債利回りは14年末以降急上昇している。ギリシャのユーロ圏から離脱の可能性も指摘されており、Economist Intelligent Unit(15年4月)によると、ギリシャのユーロ離脱リスクは40%とされている。ギリシャのユーロ離脱の懸念は当面尾を引き、金融市場の不安定化要因となるものとみられる。

また、15年には更にヨーロッパのいくつかの国で総選挙が予定されている。5月の英国の総選挙では、保守党が政権を維持し、保守党の政権公約であった17年のEU離脱の国民投票が現実味を増している。9月以降の南欧諸国の総選挙ではギリシャ同様に反緊縮を掲げる政党が台頭する可能性もある。

(4)地政学的リスク

地政学的リスクも世界経済に影を落としている。ウクライナ情勢をめぐっては、15年2月に停戦のためのミンスク合意がなされたものの、なおも断続的に戦闘が続いている状態である。欧米のロシアへの経済制裁は、合意の完全履行が解除の条件となっており、解除の見通しは立っていない。また、ウクライナでは紛争の影響が長引く中、15年1~3月期の実質経済成長率は前年比▲17.6%になるなど景気悪化が著しくなっている。公的債務のデフォルトリスクも取りざたされる中、3月にはIMFから約175億ドルの金融支援を受けた。

中東やアフリカの一部ではイスラム過激派が台頭している。原油価格やVIX指数2別ウィンドウで開きますをみると中東・アフリカの地政学的リスクが意識されている状況ではない。しかし、14年6月に「イスラム国」の攻勢が強まった際にはイラク南部の油田における原油生産に支障が出ると懸念され、原油価格の上昇圧力となったこともあり、地政学的リスクの行方には注視が必要である。

3.アメリカ経済

(1)経済見通しとメインシナリオ

アメリカ経済は、賃金の上昇率に加速はみられないものの雇用者数の増加は続いており、こうした雇用環境の改善を背景に個人消費の増加が続いていることなどから回復が続いている。ただし、15年1~3月期の実質経済成長率は、寒波・大雪の影響等の一時的要因があったことなどから前期比年率▲0.7%となり、14年10~12月期の同2.2%から大幅に低下した。

今後は、寒波による消費低迷の反動や原油価格下落の個人消費へのプラスの影響が顕在化することに加え、労働需給のひっ迫化により賃金の上昇率も徐々に高まってくると期待されることから、消費の増加を通じて回復が続くと見込まれる。国際機関等の見通しをみると、15年の実質経済成長率は2%台の後半から3%程度と、14年の2.4%を上回る見込みとなっている(第2-4-3表)。

第2-4-3表 国際機関等の見通し
第2-4-3表 国際機関等の見通し IMF(4月) 15年 3.1% 16年 3.1% 連邦準備制度理事会(FRB)(3月) 15年 2.3~2.7% 16年 2.3~3.7% 議会予算局(CBO)(1月) 15年 2.8% 16年 3.0% (備考)IMF”World Economic Outlook, April 2015”、連邦準備制度理事会、アメリカ議会予算局より作成。

(2)リスク要因

アメリカ経済は雇用情勢の改善を背景に回復が続くと考えられるものの、今後留意すべきリスクとしては以下の点が指摘できる。

(i)金融政策正常化に向けた動き

年内にも見込まれている利上げが、想定以上に金融市場の変動をもたらす場合には、企業の設備投資や住宅市場に影響を与える可能性がある。また、アメリカと日欧の金融政策のスタンスの差異等によりドル高傾向が続けば、対外市場に依存度の高い企業を中心に企業収益へのマイナスの影響が懸念される。

(ii)原油価格下落の影響

原油価格下落は、鉱業を中心とした企業の設備投資や生産活動に既にマイナスの影響をもたらしている。原油価格の推移によっては、鉱業部門のマイナスの影響が、個人消費や鉱業以外の産業へのプラスの影響を打ち消すことが懸念される。

4.ヨーロッパ経済

(1)経済見通しとメインシナリオ

ユーロ圏では、景気は持ち直している。先行きについてみると、低インフレや雇用環境の改善等を背景に消費は引き続き緩やかに増加するとみられる。輸出は、ユーロ安が押上げに寄与するものの、景気が悪化しているロシア向け輸出が下押し圧力になるとみられるため、全体としては伸びは緩慢なものにとどまると見込まれる。以上のことから、ユーロ圏の景気回復ペースは緩やかなものにとどまることが見込まれる。国際機関等の見通しをみると、15年は1%台半ばの成長が見込まれている(第2-4-4図、第2-4-5表)。

なお、英国では景気回復が続き、15年も2%台後半の成長が見込まれている。

第2-4-4図 ユーロ圏及び英国の実質経済成長率:ユーロ圏の回復ペースは緩やか
第2-4-4図 (備考)1.ユーロスタット、英国統計局、欧州委員会より作成。2.見通しは前期比で公表されるため、内閣府で年率換算。
第2-4-5表 ヨーロッパ主要国の国際機関等の見通し
第2-4-5表 ヨーロッパ主要国の国際機関等の見通し 前年比 OECD(15年6月) ユーロ圏 14年 0.9% 15年 1.4% 16年 2.1% ドイツ 14年 1.6% 15年 1.6% 16年 2.3% フランス 14年 0.2% 15年 1.1% 16年 1.7% 英国 14年 2.8% 15年 2.4% 16年 2.3% 欧州委員会(15年5月) ユーロ圏 14年 0.9% 15年 1.5% 16年 1.9% ドイツ 14年 1.6% 15年 1.9% 16年 2.0% フランス 14年 0.4% 15年 1.1% 16年 1.7% 英国 14年 2.8% 15年 2.6% 16年 2.4% IMF(15年4月) ユーロ圏 14年 0.9% 15年 1.5% 16年 1.6% ドイツ 14年 1.6% 15年 1.6% 16年 1.7% フランス 14年 0.4% 15年 1.2% 16年 1.5% 英国 14年 2.6% 15年 2.7% 16年 2.3% ECB(15年3月) ユーロ圏 14年 0.9% 15年 1.1~1.9%(中央値 1.5%) 16年 0.8~3.0%(中央値 1.9%) (備考)欧州中央銀行”Staff Macroeconomic Projections for the Euro Area”、IMF”World Economic Outlook database, April 2015”、欧州委員会”European Economic Forecast-Spring 2015”、OECD”Economic Outlook 97”より作成。

(2)リスク要因

リスクについては、前述の政治リスクに加えて以下の3点が挙げられる。特に欧州政府債務問題が再燃した場合には、世界経済にも重大な影響を及ぼす可能性があることに留意が必要である。

(i)欧州政府債務問題の再燃

14年10月半ば以降、支援プログラム継続交渉の難航等を受けてギリシャの国債利回りが急上昇するなど、先行きに対する懸念が高まっているが、これに対して、ECBによる国債を含めた資産購入プログラム実施により、ギリシャ以外のユーロ圏諸国の国債利回りは低下傾向にある。しかし、ギリシャのデフォルト等により欧州政府債務問題が再燃した場合には、ヨーロッパ経済全体に対する不確実性が再び高まり、金融市場の混乱や企業・消費者のマインド悪化等を通じて、景気に対する大きな下押し圧力となる。

(ii)地政学的リスクの高まり

ウクライナにおける停戦が完全には実施されず、ロシアに対する経済制裁が強化されるなど、地政学的リスクが更に高まった場合には、企業や消費者のマインドの悪化を通じて、投資や消費が抑制されることにより、景気に対する下押し圧力となる。

(iii)低インフレの長期化

ユーロ圏の物価上昇率は13年10月以降1%を下回る低水準で推移しており、原油価格下落の影響により14年12月から15年3月までは前年比マイナスとなった。低インフレが長期化した場合には、実質金利の上昇もしくは高止まりによる投資抑制等を通じて、景気を下押しするリスクがある。

5.アジア経済

(1) 経済見通しとメインシナリオ

中国の実質経済成長率は12年以降7%台で推移しており、景気の拡大テンポは一段と緩やかになっている。先行きについては、中国政府が将来の持続可能な成長に向けた構造改革に重点を置いており、景気が一定程度減速することを容認しているため、成長ペースの加速は見込みにくく、景気は緩やかな拡大傾向が続くと見込まれる。国際機関の見通しをみても、15年の中国の成長率は7%前後と見込まれている(第2-4-6表)。

なお、その他のアジア各国の実質経済成長率は、韓国、台湾は3%台半ば、ASEAN諸国は3~5%、インドは7%台半ばと、原油安によるプラスの影響等を背景に、おおむね成長ペースの加速が見込まれている。

第2-4-6表 国際機関の見通し
第2-4-6表 国際機関の見通し 前年比 中国 14年実績 7.4% IMF(15年4月) 15年 6.8% 16年 6.3% ADB(15年3月) 15年 7.2% 16年 7.0% 世界銀行(15年4月) 15年 7.1% 16年 7.0% OECD(15年6月) 15年 6.8% 16年 6.7% 韓国 14年実績 3.3% IMF(15年4月) 15年 3.3% 16年 3.5% ADB(15年3月) 15年 3.5% 16年 3.7% 世界銀行(15年4月) 15年 - 16年 - OECD(15年6月) 15年 3.0% 16年 3.6% 台湾 14年実績 3.7% IMF(15年4月) 15年 3.8% 16年 4.1% ADB(15年3月) 15年 3.7% 16年 3.6% 世界銀行(15年4月) 15年 - 16年 - OECD(15年6月) 15年 - 16年 - インドネシア 14年実績 5.0% IMF(15年4月) 15年 5.2% 16年 5.5% ADB(15年3月) 15年 5.5% 16年 6.0% 世界銀行(15年4月) 15年 5.2% 16年 5.5% OECD(15年6月) 15年 4.9% 16年 5.5% タイ 14年実績 0.7% IMF(15年4月) 15年 3.7% 16年 4.0% ADB(15年3月) 15年 3.6% 16年 4.1% 世界銀行(15年4月) 15年 3.5% 16年 4.0% OECD(15年6月) 15年 - 16年 - マレーシア 14年実績 6.0% IMF(15年4月) 15年 4.8% 16年 4.9% ADB(15年3月) 15年 4.7% 16年 5.0% 世界銀行(15年4月) 15年 - 16年 - OECD(15年6月) 15年 - 16年 - シンガポール 14年実績 2.9% IMF(15年4月) 15年 3.0% 16年 3.0% ADB(15年3月) 15年 3.0% 16年 3.4% 世界銀行(15年4月) 15年 - 16年 - OECD(15年6月) 15年 - 16年 - インド 14年実績 7.2% IMF(15年4月) 15年 7.5% 16年 7.5% ADB(15年3月) 15年 7.8% 16年 8.2% 世界銀行(15年4月) 15年 - 16年 - OECD(15年6月) 15年 7.3% 16年 7.4% (備考)IMF”World Economic Outlook”(15年4月)、ADB”Asian Development Outlook 2015”(15年3月)、世界銀行”East Asia and Pacific Economic”(15年4月)、OECD”Economic Outlook 97”(15年6月)より作成。

(2)リスク要因

アジア経済の先行きについては、アジア域内貿易のけん引役となっている中国の景気が想定より弱くなるリスクが挙げられる。中国では不動産市場に弱い動きがみられており、今後不動産市場の調整が長期化し、大幅なものとなる場合には、金融システムの混乱を通じ、投資等の実体経済が急激に冷え込み、アジア地域の貿易に大きく影響する可能性もある。

また、アメリカの金融政策正常化の影響にも引き続き注視が必要である。最終需要地である欧米の景気を通じた輸出への影響が懸念されるほか、アジア各国からの資金の対外流出が拡大することになれば、株価下落や金利上昇等による内需への影響3別ウィンドウで開きますも下方リスクとして考えられる。

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