ミシュキンFRB理事は、07年8月に報告した論文で、資産価格がバブルであるかの評価が難しいことなどを理由に、金融政策は、資産価格より一般物価に着目すべきとした上で、ただし、ひとたび資産価格のバブルが崩壊し、実体経済に悪影響を及ぼす場合には、例えばテイラー・ルールで示されるより迅速に金融緩和を行うことにより、実体経済への影響を小さくすることができるとしている(Mishkin (2007))。07年秋以降の現実のFRBの政策運営はこうした考えに沿ったものとみることができる。