2000年代の住宅価格の上昇は、欧米諸国に限られたものではない。新興国の中でも例えば中国等のように、不動産市場が活況を呈し住宅価格が高騰したところもある。その背景には、経済の高成長等を背景に所得水準が向上したことに加え、為替レートの管理政策によって金利水準が低く抑えられるとともに、為替介入によって増加した流動性が完全に不胎化されずに市場にあふれたことも影響していると考えられる。中国の住宅価格については、引締め政策の強化等を受け一部の地域では調整局面に移行したところもみられるが、全体でみれば住宅価格の上昇が続いている(第2章第3節を参照)。