国際収支統計における投資収支(Financial Account)では、投資形態別に、(1)出資の割合が原則10%を超える直接投資家・直接投資企業間の株式取得、再投資収益、資金貸借を計上する「直接投資」、(2)中長期債及び短期債等負債性証券や株式の取引(「直接投資」、「外貨準備増減」に含まれるものを除く)を計上する「証券投資」、(3)貿易信用、貸付け・借入れ、現預金、雑投資等、他の項目に含まれない資本取引を計上する「その他の投資」が挙げられる。その他、我が国の国際収支統計では、オプション取引、先物及び先渡取引、ワラント、通貨スワップの元本交換差額、金利スワップの取引にかかる利子等を計上する「金融派生商品」も含まれるが、他国においてデータが整備されていないケースが多いことから、本章では含めずに整理した。また、「外貨準備増減」は、外貨、貨幣用金、SDR、IMFリザーブポジション等、通貨当局の管理下にあってすぐに利用可能な対外資産の増減を計上しているが、その大部分が外貨の証券や預金として保有されていることから、ここでは特に説明しない限り便宜上投資収支に含めて整理している。