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2  カナダ    Canada

カナダ経済のこれまで

<2001年の経済>
 97年以降内需中心の拡大を続けてきたが、2001年に入り景気の拡大テンポは鈍化した。個人消費の鈍化や在庫投資の減少等に加え、アメリカ経済の減速により対米輸出が減少したことが主な要因であった。経済成長率は、2001年7〜9月期は前期比年率0.6%減となったが、個人消費が回復し、住宅投資が大きく増加したこと等から10〜12月期は2.0%と持ち直し、2001年通年では1.5%となった。

<2002年の経済見通し>
 2002年前半から緩やかに回復し、1%台半ばの成長になると見込まれる(政府見通し1.1%、民間機関23社の平均2.2%(2002年4月時点))。民間機関の見通しは、半年前(2001年10月時点2.1%)に比べてわずかに上方修正されている。

カナダの主要経済指標

 回復の要因としては、これまでの減税や金融緩和の効果により内需が上向くほか、アメリカの景気回復により輸出が増加すること等が挙げられる。
 下方リスクとしては、依然として企業収益に改善がみられないことから設備投資の回復には時間がかかるとみられること、アメリカがダブルディップに陥った場合に対米輸出が伸び悩む可能性等が挙げられる。

<財政金融政策の動向>
 カナダでは現クレティエン政権が発足した94年度から本格的な財政再建への取り組みが始まり、歳出の削減を中心に推進された。その結果、97年度以降、財政収支は黒字化しており、2000年度の黒字額は過去最高の171億カナダ・ドル(GDP比1.6%)となった。2000年10月のミニ予算(注(1))では5年間で1000億カナダ・ドルの大型減税計画が発表され、2001年1月から実行されている。2001年12月には、より力強い経済とより安全な社会の確立を目標とした2001年予算(注(2))が提出され、今後5年間で緊急安全強化対策に77億カナダ・ドルを支出すること等が盛り込まれた。こうした財政政策が、個人消費や設備投資等の回復に寄与することが期待される。
 カナダ中央銀行は、アメリカと歩調をあわせ、2001年には年初から9回、合計3.50%ポイントの利下げを行い、オーバーナイト金利の目標水準を2.25%とした。2002年1月には企業の景況感の弱さ等を理由に、さらに0.25%ポイントの利下げを行った。こうした金融緩和の効果が経済を下支えしているとみられる。4月にはアメリカ及びカナダ経済の予想以上に堅調な回復を受けて金利は引き上げられた。また、カナダ中央銀行は2001年5月に、2002〜2006年のインフレ・ターゲットを引き続き1.0〜3.0%とすることを発表したが、このところ物価上昇率は1.5%前後で安定している。


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