第1章 先進国における低金利・低インフレ

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世界金融危機以降、各国政府は前例のない規模で財政政策を展開し、危機後の経済の急速な落ち込みを緩和する様々な措置を講じた。各国中央銀行も大規模な金融緩和を行い、量的緩和政策やマイナス金利を始め、非伝統的とされる政策も果断に講じてきた。これらの政策は危機後の景気の持ち直しに寄与したとみられるものの、その後の回復のペースは緩やかなものにとどまっており、先進国の中には低金利・低インフレが慢性化している国もみられている。

本章では、最初に先進各国を中心に広がりを見せる低金利・低インフレの背景や、そうした状況下での財政・金融政策のあり方について近年の主な議論を整理する。次に、アメリカの金融政策変更やグローバルリスクイベントの新興国世界経済への影響について分析を行う。

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