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21 世界貿易     World Trade

世界貿易/世界輸出シェア

<2006年〜08年の動向>
 2006年の世界貿易(財貿易、数量ベース)は、前年比9.3%の増加となった。金額ベースでみると、世界輸出は同15.2%増加し11兆9,383億ドル、世界輸入は同14.9%増加し12兆3,491億ドルであった。06年は世界景気が加速したことから、05年に落ち込んだ先進国の貿易の伸びは回復し、世界貿易の伸びは前年を上回った。
 IMFの見通しによれば、07年の世界貿易(財貿易、数量ベース)の伸びは前年比6.3%、08年は同6.9%となっており、景気の先行きが不透明な先進国を中心に減速すると見込まれている。先進国の輸出(財貿易、数量ベース)は、07年が前年比4.7%、08年が同5.4%の増加、輸入(同)は、07年が前年比3.9%、08年が同5.1%の増加と見込まれるなど、06年(輸出前年比8.7%、輸入同7.8%の増加)に比べて増勢が鈍化すると見込まれる。一方、途上国の輸出(財貿易、数量ベース)は、07年が前年比9.0%、08年が同8.8%の増加、輸入(同)は、07年が前年比12.4%、08年が同11.7%の増加となるなど、中国等の輸出の堅調な動きやエネルギー輸出国の旺盛な輸入需要を背景に、先進国と比べ相対的に堅調な見通しとなっている。

<各国・地域の動向>
 主要国・地域ごとにみると、アメリカでは、2002年前半を底に輸出入ともに増加基調となっている。06年の輸出(財貿易、金額ベース)は前年比14.7%、輸入(同)は同10.8%の伸びとなった。アメリカの貿易赤字額は近年拡大する傾向にあったが、国内需要の伸びが緩やかになり輸入の伸びが鈍化する一方で、世界経済の回復をうけて輸出が増加したことにより、06年10〜12月期以降は緩やかな縮小傾向がみられる。
 EUでは、国際競争力強化や地理的な近さを背景として旧加盟国の企業が生産工程を04年と07年の新規加盟国や加盟候補国を中心に域内及び周辺地域に分散させてきたことから、これらの国との貿易が拡大している。06年の輸出(財貿易、金額ベース)は前年比12.1%、輸入(同)は同13.6%の伸びとなった。
 アジアでは02年前半を底に、輸出入ともに急速に回復してきたが、05年は世界景気がやや減速したことから、伸びが一服する形となった。06年の輸出(財貿易、金額ベース)は前年比18.9%、輸入(同)は同17.8%の伸びとなった。特に輸出が顕著であるが、中国がけん引する構図は不変である。中国の06年の輸出(財貿易、金額ベース)は前年比27.2%、輸入(同)は同19.9%の伸びとなった。07年1〜9月の貿易黒字額が06年の年間貿易黒字額を超過するなど、引き続き貿易黒字は拡大している。地域別でみると、これまでアメリカの寄与が大きかったが、景気の回復が著しいEUの寄与が大きくなっている。

主要国・地域の輸出/主要国・地域の輸入
ドイツの対EU新規加盟国貿易/中国の貿易収支への地域別寄与


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