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4  韓 国     Republic of Korea

韓国経済のこれまで

<2007年の経済>
 2007年の経済成長率は、4%台後半となる見込みである(政府見通し4.6%、民間機関26社の平均4.8%(07年10月時点))。民間機関の見通しは、半年前(07年4月時点4.4%)から上方修正されている。
 07年前半の経済は、ウォンの増価が輸出に与える影響が懸念されたものの、EUや中国を始めとした堅調な海外需要を背景にIT関連財や船舶、自動車等の輸出が拡大した。また、内需も民間消費や設備投資が比較的堅調に推移したことにより、成長率は1〜3月期が前年同期比4.0%、4〜6月期が同5.0%となった。年後半をみると、7〜9月期は年前半に増加していた設備投資が半導体製造装置等の減少により鈍化したものの、堅調な輸出や民間消費の増加等に支えられ、同5.2%(速報値)となった。10月以降も引き続き輸出や民間消費を中心に成長するものと見込まれる。
 雇用情勢をみると、失業率はおおむね3%台前半で推移している。また、消費者物価上昇率(総合)は、ウォンの増価の影響等により、おおむね2%台前半で推移している。

韓国の主要経済指標

<2008年の経済見通し>
 2008年の経済成長率は、IT関連財や船舶、自動車等を中心とした輸出と民間消費が引き続き堅調に推移することなどにより、5%程度になると見込まれる(政府見通し5.0%、民間機関26社の平均5.0%(07年10月時点))。しかし、世界経済の減速による輸出の鈍化や、原油価格の高騰等による物価上昇の影響等の下方リスクがあると考えられる。

<財政金融政策の動向>
 財政政策については、2007年9月に08年度予算案が作成され、国家予算規模が07年度当初予算の238.4兆ウォンに比べ前年度比7.9%増の257.3兆ウォンとなった。また、一般会計歳出総額は07年度予算より同10.4%増の182.8兆ウォンとされ、5.3兆ウォンの赤字国債が発行される予定である。部門別の予算では、社会福祉関連分野が前年比10.0%増(67.5兆ウォン)、教育分野が同13.6%増(35.7兆ウォン)、研究開発(R&D)分野が同11.2%増(10.9兆ウォン)となっており、政府は急速に進む高齢化に備え社会福祉関連分野の充実を図るとともに、人材育成を強化し、成長力を高めることに重点を置いたと説明している。
 金融政策については、韓国銀行は07年7月、8月と2か月連続で政策金利(コールレート翌日物誘導目標水準)を0.25%ポイントずつ引き上げ、01年以来6年ぶりとなる5.00%とした。消費者物価上昇率(総合)が韓国銀行の設定している物価安定目標(前年比3.0%±0.5%)の下限付近で推移する中で利上げを行った背景として、韓国銀行は、景気が堅調に推移している一方で、金融機関の融資の中でも特に中小企業向け融資(07年10月前年同月比23.6%増)が急増しており、市中の豊富な流動性を解消するための措置と説明している。


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