8 例えば、大久保・馬成三(2005)は、国有商業銀行のぜい弱性に関し、銀行の損失に対して「実質上政府が変形の預金保険サービスを提供してきた」とし、銀行のモラルハザードを引き起こしやすく、また、リスク管理強化と内部コントロールメカニズム構築の主体性を低下させる結果となったとしている。また、渡邊(2006)は、中国の企業統治の大きな問題の一つとして、政府(地方政府含む)が8割を超える上場企業の支配株主になっていることを指摘した上で、支配株主が私的利益を追求し過剰投資が発生している可能性を否定できないとしている。