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8 インドネシア     Republic of Indonesia
<2003年>

インドネシア経済のこれまで

<2004年の経済>
 2004年の経済成長率は4.5%程度になると見込まれる(政府見通し4.8%、民間機関9社の見通し4.5%(2004年10月時点))。民間機関の予測は、半年前(2004年4月時点4.3%)に比べて上方修正されている。2004年1〜3月期のGDP成長率は前年同期比4.5%、4〜6月期のGDP成長率は同4.3%の成長となった。低金利政策に加え、所得の増加や個人向け融資が拡大していることから、自動車の需要が伸びるなど、民間消費が引き続き景気をけん引している。一方で投資は、選挙が続いたことで政治状況を見極める動きから、外国からの投資が手控えられたことが影響し低調である。輸出は原油を除いた輸出の伸びが鈍化しており、全体としても低い伸びとなっている。輸入は全体的に好調で、原材料や機械などを中心に伸びている。2004年は4月に総選挙、7月には初の直接投票による大統領選挙が行われ、9月の決選投票の結果、前調整相のユドヨノ氏が、現職のメガワティ氏を抑えて当選した。新政権も前政権同様、投資環境の改善や雇用対策に取り組むことを表明している。

インドネシアの主要経済指標

<2005年の経済見通し>
 2005年の経済成長率は4%程度の成長になると見込まれる(政府見通し5.4%、民間機関9社の平均4.3%(2004年10月時点))。
 成長を支える要因としては、低金利政策を政府が維持する方針を打ち出していることから、消費が引き続き経済を下支えすることが挙げられる。
 下方リスクとしては、ユドヨノ新政権が少数与党のため政権運営が不安定であることや、国内でテロが再発したことなどの政情不安によって、低水準の外国投資がさらに落ち込む懸念がある。

<財政金融政策の動向>
 インドネシア政府は2004年8月に2005年度国家予算案を発表した。内訳は、歳入が377.9兆ルピア、歳出が394.8兆ルピアで、財政赤字はGDP比0.8%の16.9兆ルピアとなり、前年度同様の緊縮型予算となっている。歳入では2005年に予定されている税制改正によって税収増が期待されるため、歳入全体の78.7%にあたる297.5兆ルピアの税収が見込まれている。歳出では原油価格の高騰を受けて、燃料補助金の増加が見込まれるため、補助金への支出は前年比26.3%増の33.6兆ルピアとなった。
 また、2004年度補正予算が2004年9月に国会で成立した。内訳は歳入が約53兆ルピア増の403.7兆ルピア、歳出が約56兆ルピア増の430兆ルピアにそれぞれ増額され、財政赤字は約2兆ルピア増えて、26.3兆ルピアとなった。原油価格の高騰により燃料補助金が当初予算の約4倍の62.8兆ルピアに増額された。
 金融政策については、為替レートが下落傾向の中、低金利政策を維持している。中央銀行証券(SBI)金利(3か月物)は2004年9月時点で7.31%である。為替レートはアメリカの金利引き上げによって、企業の外貨需要が高まったことから、2004年5月に1米ドル=9,000ルピア台に下落し、その後も減価傾向が続いている(2004年10月8日時点1米ドル=9,084ルピア)。


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