経済審議会経済主体役割部会 (第2回)

議事録

平成9年9月16日(火)10:00~12:00

経済企画庁特別会議室 (1230号室)


議事次第

  1. 開会
  2. 経済主体役割部会における論点整理について
  3. 今後の審議スケジュールについて
  4. その他
  5. 閉会

(配付資料)

  1. 資料1.経済主体役割部会における論点整理
  2. 資料2.各方面における提言・議論一覧
  3. 資料3.関連参考資料
  4. 資料4.今後の審議スケジュールについて(案)

経済審議会経済主体役割部会委員名簿

 部会長   水口  弘一    (株)野村総合研究所顧問
 部会長代理 金井  務    (株)日立製作所取締役社長
       潮田  道夫    毎日新聞経済部副部長
       浦田  秀次郎    早稲田大学社会科学部教授
       奥野  正寛    東京大学大学院経済学研究科教授
       川勝  平太    早稲田大学政治経済学部教授
       河村  幹夫    多摩大学経営情報学部教授
       神田  秀樹    東京大学大学院法学研究科教授
       公文  俊平    国際大学グローバルコミュニケーションセンター所長
       ポール・シェアード   ベアリング投信株式会社ストラテジスト
       末松  謙一    (株)さくら銀行相談役
       竹内  佐和子    長銀総合研究所主席研究員
       鶴田  卓彦    (株)日本経済新聞社代表取締役社長
       得本  輝人    日本労働組合総連合会副会長
       豊島  格    日本貿易振興会理事長
       那須  翔    東京電力(株)取締役会長
       西村  清彦    東京大学大学院経済学研究科教授
       樋口  美雄    慶応義塾大学商学部教授
       グレン・S・フクシマ  在日米国商工会議所(ACCJ) 副会頭
       星野  進保   総合研究開発機構理事長
       星野  昌子   日本国際ボランティアセンター特別顧問
       森地  茂    東京大学大学院工学系研究科教授
       諸井  虔    秩父小野田(株)取締役相談役
       山内  弘隆    一橋大学商学部助教授
       山口  光秀    東京証券取引所理事長
       吉野  直行    慶応義塾大学経済学部教授
       米倉  誠一郎    一橋大学イノベーション研究センター教授
       和田  正江    主婦連合会副会長


〔 部会長 〕 おはようございます。また、二、三お見えにならない委員の方もいらっ しゃいますけれども、定刻になりましたので、ただいまから、第2回の経済主体役割部会 を開催させていただきます。
 委員の皆様方には、ご多用中のところをお集まりいただきまして、誠にありがとうござ います。
 本日は議題が2つございます。
 第1は、「経済主体役割部会における論点整理」についてでございます。
 第2が、「今後の審議スケジュール(案)」についてであります。
 では、まず第1の議題であります「経済主体役割部会における論点整理」について事務 局より説明をお願いいたします。
 それでは、事務局、よろしくお願いいたします。

〔 事務局 〕 それでは説明させていただきます。
 前回、第1回のご議論を踏まえまして、まず、それぞれの分野において各方面ではどの ような議論が進んでいるのか、その中でどういった点が「主要な議論」としてまだ検討さ れているのかというのをまず整理させていただきました。その上で、当部会として取り上 げるのにふさわしい論点は何なのかということを整理させていただいたのが今回でござい ます。
 そこで、まず資料2で各方面における議論、あるいは提言というものを整理させていた だきましたので、これを簡単にご説明させていただきたいと思います。
 前回は、公的な部門、あるいは企業部門、あるいはNPOといった第3の部門といった 形で縦割りでご説明を申し上げまして、もう少し横断的な議論もという話がございました が、議論の整理上、今回も若干その辺は不都合はございますが、まず各方面の議論を公的 な部門に関する議論、企業部門に関する議論、そして個人、あるいはNPOに関する議論 という形で整理させていただきました。
 資料2の1ページをお開きいただきたいと思います。ここでは、官民の役割について、 原則といたしまして政府レベルでの議論に限定をいたしまして整理したものでございます。 最初に、(1)公的部門の役割に関する議論について、最近の議論は大変進んでおります。特 に、ご承知のような行政改革委員会、官民活動分担小委員会、あるいは行政改革会議、国 民生活審議会といったところで議論が進んでおります。
 最近の整理された基本的な考え方は、一番左の欄にありますように、3つの基本原則が ほぼコンセンサスとして示されております。第1は、民間でできるものは民間に委ねる。 それから3ページにありますように、(2)の国民本位の効率的な行政、国民による監視機能 を充実させるという考え方、最後に、(3)説明責任、こういったことが基本的な考え方とし て打ち出されております。
 こういったことを具体的に実現するためにいくつかの具体的な提言が出ておりますが、 もう一度1ページに戻っていただきまして、行政の関与につきましては、その下の(1)から (6)にありますような市場の失敗がある場合に限り、必要最小限にとどめるといった方向で の整理がなされております。また、2ページにありますように、国の役割につきましては ナショナル・ミニマムとそれ以外の業務に区分して、特に、それ以外の業務については、 ことに奨励的、あるいは助成的行政を中心に厳しい点検を行う、これを基本的には国家戦 略上の観点から必要不可欠なものに絞り込む方向で見直すというのが、これは自民党の橋 本行革の基本方向についてというもので示されているところであります。
 3.現業の民営化等につきましても、先般の行政改革会議の中間報告では簡易保険事業に ついては民営化する、これが1点であります。(2)といたしまして、国有林野につきまして も、3行目にありますように国有林管理に関する実施部門は現在の独立採算制を前提とし た現業としての形態を廃止して、国の業務として残るものは外局・独立行政法人等とすべ きという提言がなされております。
 3ページにまいりまして、行政関与の仕方につきましては、(1)にありますように、民間 活動の優先、あるいは採算面・費用面等からその効率化を図る。(2)にありますように、行 政による利害調整等については、事後の紛争解決、あるいはチェックを中心としてやると いうことが行革委でうたわれております。さらに、5.独立行政法人につきましても、下か ら2行目にありますが、アウトソーシングの受け皿として独立行政法人の制度を導入すべ きだ、これは行政改革会議の中間報告でなされているところでございます。
 4ページにまいりまして、政府の役割の中では、2.社会のコーディネーターという考え 方が「基本的考え方」として打ち出されております。これは国民生活審議会の平成6年の 部会の報告でございますが、民間部門の能力と判断の尊重、あるいは公共的活動を含め民 間の行動の自由の確保等により、自覚と責任のある市民社会の確立、あるいは市民自体の 積極的な社会参加を促進・支援するコーディネーター役となるといった考え方を打ち出し ております。
 具体的な社会のコーディネーターの役割といたしまして、具体的な提言といたしまして 、その横にありますように、(1)、(2)、(3)といったことを挙げております。特に、(3)にあり ますようにNPOの活動といったものを提言しております。
 5ページにまいりまして、ここは(2)国と地方の役割分担についての議論を整理してござ います。国と地方の役割についても、かなり最近では議論が進んでおります。基本的な考 え方といたしまして、左側の1.にありますように、国と地方公共団体との間では、統治権 力の適正な配分を図るべく地方分権を推進するということが行政改革会議の中間報告で述 べられております。それに沿った形といたしまして、次の2.の(1)にありますように、新た な地方分権型行政システムの骨格といたしまして、国と地方の関係を対等・協力の関係に 持っていく、国と地方公共団体の間のルールは事前の立法統制・事後の司法統制へ移すべ きだといった考え方。
 6ページにまいりまして、(2)にありますように、「国から地方へ」の権限委譲を通じた 地域住民の自己決定権を拡充すべきだと。
 7ページにまいりまして、(3)にありますように、地方自治体の自治責任の増大といった 考え方が打ち出されております。
 そういった考え方に基づきまして、5ページの具体的提言といたしましては、国と地方 公共団体の間の国の関与の手続の原則を述べると同時に、都道府県と市町村との新しい関 係についても地方分権推進委員会の勧告で述べられているところでございます。
 6ページにありますように、4.国庫補助負担金の整理合理化、あるいは地方税の財源の 充実確保といったものも同時に述べられております。
 7ページにまいりまして、国と地方の役割分担の「基本的考え方」といたしまして、国 の役割、地方の役割ということが一番左に書いてありますが、(2)にありますように、地方 公共団体は、地域における行政を自主的かつ総合的に広く担うというのが「地方分権推進 委員会中間報告」で述べられているところでございます。
 以上のようなことの他に、8ページでは、公的金融分野についての官民の役割分担につ いても最近かなり議論が進んでおります。「基本的考え方」にありますが、1.公的金融の 全体的な見直しの必要性を臨時行政改革推進審議会が平成5年に出しております。(1)公的 金融については、官業は民業を補完しつつ適切な役割を果たしていく。全体的な我が国の 金融、財政における位置づけやその役割の明確化を図るとともに、全体的な見直しを図る 必要があるということを述べておりますし、今年の6月、(2)にありますように、財政構造 改革については、民業補完や償還確実性の徹底等、スリム化を目指した財政投融資の見直 しが不可欠であるというふうに述べております。
 こういった考え方をもとに、真ん中の「具体的提言・方向性」といったところで、1.財 政投融資の対象分野の限定、あるいは2.財政投融資の規模、3.高齢化社会に向けた財政投 融資、4.政策金融における質的補完、9ページにありますように、5.市場との密接な連動 、6.新たな運用・調達方法の導入、7.ディスクロージャーの充実といったところが、財政 審議会の下にあります財政投融資の将来研究会報告といったところで述べられているとこ ろであります。これは大蔵省の理財局長の私的研究会の研究会報告であります。
 それから、今般の行政改革会議の中では、8.郵政3事業関連につきましては、(1)簡易保 険事業については民営化をする、(2)郵便貯金事業は早期に民営化するための条件整備を行 う、(3)資金運用部への預託を廃止するといったところまで打ち出されているところでござ います。
 10ページ以下は、諸外国の行政改革の状況について述べたものでございますが、ここの 説明は省略させていただきたいと思います。 以上、国と地方といった問題について説明をいたしましたが、まだ、こういった論点で もかなりまだ残された検討点というのがあろうかと思います。 1ページに戻っていただきまして、公的部門の役割に関する議論では、以上述べました ような基本的な原則に沿いながらも具体的なプロセス、官から民へ移行する、その具体的 なプロセスについてまだ残されているように思います。ここにありますように、(1)民間委 託、あるいは民営化への移行の仕方といったものが大きな方向として残っております。
 2ページにありますように、あるいはこれからご説明いたしますように、国と、あるい はボランティア団体等NPOとの関わりのあり方といったところが大きく残された検討点 だろうと思います。
 5ページにありますように、国と地方との間の関わりについては、1.国と地方の財源の あり方、あるいは補助金の見直し、2.地方出先機関の見直し・事務簡素化の具体化、これ からご説明いたしますが、3.公共事業に関する国と地方の役割分担といったものがまだ残 された検討点であろうと思います。
 8ページにまいりまして、1.財政投融資に関しましては、これは資金運用審議会の中に 懇談会が設けられまして、その中でさらに検討されるべき問題点として、この懇談会を含 めて整理をされております。1.財政投融資の基本理念の更なる検討、あるいは2.対象分野 についても更なる検討、3.にありますように市場原理との調和の推進策の検討、4.にあり ますように現に問題になっております資金調達として、財投債、あるいは財投機関債とい ったものを含む資金調達のあり方についても検討、こういったものがこの懇談会で更なる 検討として残されているところでございます。
 14ページにまいりまして、(5)社会資本整備に関しまして、これは具体的に官民の役割分 担について議論を整理したものでございます。この社会資本整備につきましては、公共投 資基本計画というものが作られておりまして、そこでかなり議論が整理されております。 2.をご覧いただきたいと思いますが、ここで公共投資基本計画は官民の役割分担と民間活 力の活用について、基本的な理念として、3行目の後半にありますが、基礎的な社会資本 は公的主体が整備する、多様かつ高度なニーズに対する社会資本は、民間主体が収益性を 確保しつつ創意と工夫を発揮してやるのだということを述べております。
 15ページにまいりまして、財源につきましても租税、公債、財政投融資資金、民間資金 等を適切に組み合わせるといったことを決めているものでございます。 こういった事柄を踏まえまして、具体的なやり方といたしましても公共投資基本計画の 中で、14ページの一番上の欄にありますが、具体的なものとして【1】~【4】と示されておりま すが、特に【4】「公共工事コスト縮減対策に関する行動指針」といったものを踏まえること といったようなことが具体的に提言をされております。 民間活力の方法といたしまして、14ページから15ページにかけてでありますが、特に、 15ページの(2)にございますが、これは産構審、あるいは私どもの経済審議会の2010年委員 会の報告でございますが、BOT方式、これは施設を建設する、その建設したものを一定 期間運営して、その建設費用も含めて収益を回収した後に公的部門に引き渡すという方式 でありますが、そういった方式を採用したらどうだといったようなこと、あるいは英国で は既にPFIといったところで民間資本の導入が図られているといったようなことが挙げ られているわけであります。
 3.地域振興における官民の役割というのが16ページに書いてありますが、最近では財政 構造改革といったことで、地域における社会資本整備についても財源がかなり窮屈になっ てきている、そういった中でやはり地域の経済をどうやって解決するのかということで、 やはり社会資本整備のあり方が問題になっております。
 特に、社会資本整備における国と地方の役割分担につきましては17ページで「基本的考 え方」が公共投資計画で示されているところでございます。住民に身近な社会資本の整備 は地方が行う、あるいは利益が広範囲に及ぶものは国が主体となって行うというふうなこ とが書いてあるわけであります。こういったことをもとに16ページから17ページにかけて 地域経済の課題、あるいは地方分権の推進といった形でいろいろな具体的な施策が提言さ れておりますが、ここでは16ページの一番右の欄にありますように、地域における社会資 本につきましても(1)にありますように、公共投資の縮減が地方経済にマイナスの影響を与 えるおそれがある中で、一体どれだけどういった形で民間主導の経済成長を基本としなが ら社会資本整備を図っていくのかといったような問題、あるいはその地方における生活関 連社会資本整備を着実に長期的に進めていくためにはどのような工夫を行っていくのかと いった具体的な問題がやはり残されているように思います。
 18ページにまいりまして、これは公的な規制だけではなくて業界団体がいわゆる民民規 制といった中で公に代わって規制を行っていくといった役割があったのではないかという ことで、民民規制についてもいろいろな議論がございます。これは主として行政改革委員 会で議論が行われているのを整理したものでございますが、「基本的考え方」として、今 まとめられているのは、民民規制についても国民の側から見れば、活動を制約するもので あることはその国の規制と何ら変わることがないので、これについても規制緩和を推進す る必要があるというふうに述べております。その上で、真ん中の欄にありますように、1. いろいろな行政が関与しないもの、あるいは2.行政指導、あるいは3.公益法人といったも のについて行政改革委員会から提言がなされております。 そこで、残されたこの面についても、やはりまだ民民規制の実態、あるいはそれ中心に なって果たしてきた業界団体の役割といったものがまだ明らかにされておりません。また 、本来、業界団体の役割というのは何なのか、特にグローバルスタンダードの下で、その 積極的な役割というのもやはりあるのではないかといった点が大きく残されているのでは ないかというふうに思われます。 以上が、公的部門についての議論の整理でございます。 19ページにまいりまして、次に、2.企業部門について議論を整理させていただきました 。前回も、グローバルスタンダードについての議論が多く出されました。第1に何がグロ ーバルスタンダードかといった問題についてでございますが、これはOECDで議論がな されておりますが、真ん中の3行目にありますように経営の透明性確保が重要である、デ ィスクロージャーの充実、あるいは国際会計基準への収斂が求められるといったところで 、特に、企業の国際競争力の評価のためには国際的に共通のベースを検討する必要がある といったような議論がなされているわけであります。特に、有識者の意見等をここに掲げ ておりますが、その横にありますように、そもそも我が国が考慮すべきグローバルスタン ダードとして、どんな分野のものがあるかということは、やはり大きく残された問題点で あります。 20ページにまいりまして、前回も議論になりましたが、そもそも【2】我が国が持っている 規範とこのグローバルスタンダードの関係はどうなのかといった議論がなされております 。21世紀世界経済委員会の報告が経済審議会から出されておりますが、その中で、(2)にあ りますように経済システムはその多様性を否定するものではない。(3)の第2段落にありま すように、今後は、グローバリゼーションに積極的に対応する中で、新たな日本型システ ムが経営されていくこととなろうといったことがまとめられております。
 その他に、社会経済生産性本部セミナーや、有識者の意見をとりまとめておりますが、 いずれにしろ、残された検討点といたしましては、将来的に、やはり日本発のグローバル スタンダードというものを作り上げ、国際的に貢献していくということがナショナルイン タレストに絡むのではないかというご意見が前回あったわけでありますが、もしそうだと すれば、そのためのプロセスは一体どういうふうなものであるべきかといった点が大きく 残されているのではないかというふうに思う次第であります。
 22ページ以下、(2)コーポレート・ガバナンスといった問題が企業部門の最近の議論の建 て方として大きく問題になっております。そもそもコーポレート・ガバナンスとは何かと いうことが大きく議論になっているわけでありますが、我が国の議論を紹介するよりは、 23ページにありますように、これは各国のコーポレート・ガバナンスに関する議論という ものをご紹介した方が理解が早いのではないかというふうに思います。
 コーポレート・ガバナンスに関する議論というのは我が国の場合非常に特徴的なところ がありまして、2つの大きなコーポレート・ガバナンスに対する議論があろうかと思いま す。1つは、企業部門の効率性という問題と、企業における適法性といったものが議論さ れておりますが、他の国では効率性ということのみが議題にされております。
 我が国の場合は適法性ということが議論の対象になっているということが大きな違いで ございます。
 アメリカの場合には、その基本的視点というところに書いてありますが、経営の舵取り は株主であるということを前提といたしまして、徹底的な情報開示、明確で公正なルール の確立によるオープン市場型のコーポレート・ガバナンスを志向している。そのためのい ろいろな論点が議論されているというところが大きな特徴でございます。
 また、イギリスでも、この基本的視点というところにありますが、自主規制の伝統にた って、企業社会の自浄作用を基盤とする、より良いコーポレート・ガバナンス確保のため の模索ということで、監査役制度がないための取締役の問題、取締役会の機能充実といっ たところが問題になっております。
 ドイツでは、これは若干米英と異なりまして、監査役会というものの力が強いのですが 、従来コーポレートガバナンスを担ってきた監査役会、あるいは銀行(ハウスバンク)と いった役割の再検討を模索しているというのが最近の潮流でございまして、その主要論点 というものも監査役会の制度改革、あるいは銀行の力を規制すべきかといったようなとこ ろが論点になっております。
 それに対して我が国の場合には、基本的視点に書いてありますように企業活動の国際化 、規制緩和の流れ、あるいは企業業績の長期低迷などの中で、日本固有のコーポレート・ ガバナンスシステムが制度的疲労を見せているといった問題意識に立って、これをどうや って再構築すべきか、あるいは企業の不祥事といったものを踏まえて、その適法性といっ た問題をいかに確保していくということで議論が行われております。
 こういった中で、メインバンクにかわるコーポレート・ガバナンスの担い手は誰か、あ るいは株主総会、取締役会、監査役といった機能が議論されているところでございます。
 特に、これまで、我が国のコーポレート・ガバナンスの機能になってきたといわれるメ インバンクシステムについて、24ページ以下に議論を整理してございます。これまで、メ インバンクというのは、「問題点の所在」にありますように、(1)では1950年から60年にか けて旧財閥系による株買い占め事件を契機に株相互持合いシステムを形勢してきたわけで ありますが、特に、自由化の時代にはM&Aの脅威からその持合いは強化される、企業経 営危機に陥った場合、メインバンクがその監視責任を果たすということであったわけです が、エクイティ・ファイナンスによる資金調達面での銀行離れ、あるいは最近における銀 行の不良債権によるバランスシートの悪化といったものから、そういった機能について疑 問が呈されているわけであります。
 この辺につきましては、「主要な議論」にありますように、各地で最近、分析がなされ ておりますが、やはり、残された検討点にありますように、金融ビッグバンに伴って、メ インバンクの企業に対する監視機能が低下した場合に、ではその空白を誰が埋めるのか、 そういった場合にメインバンクの機能として残るものは何なのかといった点が議論として あるように思われます。
 25ページにまいりまして、いわゆる企業の組織の問題について議論がなされております。 取締役会、あるいは監査役といった機能について議論がなされております。特に、その不 祥事との関連で、26ページの「主要な議論」にありますように、最近では自民党法務部会 商法小委員会、あるいは経団連の特別委員会での議論で、こういった社外監査役、あるい は監査役会の強化といったようなことが具体的に議論されているのが現状でございます。 27ページにまいりまして、こういった問題に関しまして、必ず企業の情報開示といった 問題が取り上げられております。企業情報の開示につきましては、会計基準の問題、ある いはその企業内容の開示の具体的な内容、企業情報といったものが問題になっております 。「主要な議論」にありますように、1.OECDでも特に企業の国際競争力の評価のため の共通のベースの検討といったことが掲げられております。また、3.にありますように、 企業会計審議会では、連結財務諸表制度の見直しが進んでおります。
 28ページにまいりまして、最近では、時価会計基準をめぐる考え方が多くなっておりま す。ただ、時価評価につきましては、(1)のようにそれを積極的に評価する意見と、まだ含 み益を活用した収益の功績を認めて株式まで時価評価するのは非現実的ではないかという やや消極的な評価と議論が分かれているところであります。 また、機関投資家の機能充実として、いろいろな機関投資家の機能に関する議論が行わ れているところでございます。 いずれにしろ、この会計という問題につきましては、まだまだその時価会計基準の導入 のあり方、あるいは個人株主への情報提供機関としての格付け機関のあり方等、具体的な 問題が残されているように思います。 29ページにまいりまして、消費者や投資家の自己責任という問題がありますが、その自 己責任との裏腹でやはり救済制度といったものについても議論が行われております。株主 代表訴訟の問題、あるいは司法制度の充実といった問題が議論されているところでござい ます。 30ページ以下には、これはコーポレート・ガバナンスとはまた別の切り口でございます が、やはり、日本の企業の収益性が非常に低い、ではその収益性を高めるために一体どう したらいいのかといったような議論がいくつか行われております。特に、中企業といった ものが高収益企業となるのではないか、そういった条件を備えているのではないかといっ たようなことで、「主要な議論」にありますように高収益企業となるための条件は何か、 あるいは中企業、あるいは中小企業の活性化方策は何かといったような議論が盛んでござ います。そういった問題は常にあるわけでありますし、特に「残された検討点」にありま すように、2.にありますようなリスク分散を可能にするような資金調達の手段の多様化を いかに図るか、あるいは3.企業のリスク管理能力を高めるにはどうしたらいいかといった ような問題が中心に残っているような気がいたします。 我が国企業に対して、外から収益を与えるという意味で31ページに外資系企業にその積 極的な役割を期待する議論も多くございます。これまでそういった面から対日直接投資と いうものもいろいろな観点から議論が進められ、策が講ぜられているわけでありますが、 この「残された検討点」の1.にありますように、しょせんはやはり我が国自体の新規企業 の参入の容易さ、あるいは株主資本の収益率の他国並み水準の実現といった経済全般のグ ローバル化を進めていかないと、対日投資の抜本的な促進策としてはなり得ないのではな いかという点がどうしても疑問に残ります。
 ですから、こういった対内直接投資の問題ももともとはやはり国内でのいろいろなそも そもな基本的な問題と起を一にするのではないかという感じはいたしておりますが、それ でもやはりまだ講ずべき課題というのは若干あるような気もいたしております。 32ページにまいりまして、最近ではメインバンクシステムの議論との関連でも、収益を 向上させるということになると、ハイリスク・ハイリターンということになるわけですが、 そういった投資家のリスクテイキングといったものをどういうふうに進めるのか、そうい った中で、特に資本市場の発展方策をどうすべきなのかといった問題が残されております。
 特に、「問題点の所在」として書いてありますが、一番下から2行目に、これからの活 性化の主体である中企業への資金供給を誰がどのように担うのかといったようなことがあ りますが、その「残された検討点」にありますように、これまで担ってきた金融仲介機能 の柔軟な活用をいかに可能にするか、あるいは直接金融市場の更なる効率化、機能の向上 をいかに図るか、同時にこの分野で間接金融に期待されるものは何か、あるいは銀行の機 能はどうあるべきか、土地担保主義、あるいはそれに代わる手段といったものをやはり検 討していかないとこういった面での議論というものもかなり残された形でいくのではない かという問題意識でございます。
 同時に、企業の中といたしましては、やはり重要なステークホールダーとしての雇用、 労働者という問題が起こるわけでありますが、33ページ以下に雇用システムといった問題 を取り上げております。雇用システムのあり方はどう変化するのか、最近の少子・高齢化 、あるいはグローバリゼーションといった中で、外部環境の変化に対応して、一番下の段 落にありますが、労働者の能力発揮、あるいは社会の活用化を図るための有効な雇用シス テムをどうやっていくのかという議論が行われております。その中で、高齢者、あるいは 女性の活用をどういうふうに進めていくか、あるいは就労についての意識の多様化の中で 人事管理をどういうふうにしていくのか。あるいは雇用が流動化していく中で、労働者の 自発的な移動を容易にするための労働市場の整備の問題、あるいは長期雇用、年功賃金、 といった問題、雇用のポートフォリオ・シフトの問題がいろいろ残されております。そう いった点を踏まえて、具体的な(論点の例)として一番右の欄に整理しているところでご ざいます。
 こういった企業部門の問題に加えまして、今度は個人部門の問題として34ページ以下に 整理されておりますが、個人部門の問題につきましては国民生活審議会でだいぶ議論が整 理されております。一番左に「基本的考え方」が示されておりますが、下から3行目にあ りますように、最近では消費者取引の適正化のための環境整備を図るということが重要な 課題になっておりまして、そのために具体的提言といたしまして、その契約のためのルー ルづくりといったいろいろなさまざまなことが提案されております。それがまた法律化さ れようといたしております。情報提供の推進、あるいは消費者教育の推進といったものが 議論されておりますが、経済審議会として「残された検討点」として考えるならば、個人 が市場において積極的なプレイヤーとなるための環境整備のあり方をどう考えたらいいの か、格付け制度、アナリスト、あるいはコンサルタントの育成といった問題があるのでは ないか。あるいは画一的整備だけではなくて、世代間の相違を考慮した整備のあり方をど う考えるかといった点が残されているように思われます。
 35ページにまいりまして、4.新しい経済主体としてNPOといった問題が起こるわけで ありますが、やはり国民生活審議会を中心にこのNPOの活動についてもその存在意義、 あるいは抱える課題、発展のための諸施策について提言を行っております。その提言は、 真ん中の欄にあるようないろいろな提言でございますが、特に、3.に整理されております ようなNPOが発展していくための社会主体との課題として、公的部門との関わり、ある いは企業部門との関わり、個人、それからNPOそもそものいろいろな役割について国民 生活審議会から提案がなされております。ただ、NPOにつきましては、まだまとまった 報告といったものがございません。これを経済学的な機能の中でどうやってNPOの活動 を位置づけるのか。
 特に、一番右の欄の2.にありますように、公的部門の役割、企業部門の役割を補完する ものとしてNPOをどう経済の活動の中に位置づけるべきか、さらに構造改革の中で期待 される役割は何か、あるいは他の経済主体との相互連携のあり方はどうか、NPOの健全 な発展のための環境整備のあり方は何かといった、これを総合的に検討することがやはり 世間に示す大きな役割があるのではないかというふうに思われます。
 こういった資料2のサーベイを通じまして、一応一つの論点のあり方といたしまして、 資料1で整理をいたしました。ただ、これもまだ縦割的に整理をされておりますので、当 然、お互いの相互関連というものも考えていく必要があるのではないかと思っております 。資料1で官民の役割につきましては、項目として(1)政府が提供すべき財・サービスは何 か、あるいは(2)政府による財・サービスの提供は極力民に移行できないか、そのための民 間委託・民営化の具体的な範疇に検討したらどうかといったような問題。
 2ページにありますように、特に、(3)地域振興における官民の役割は何か、そこで社会 資本整備を一つの具体例として地域のニーズを踏まえた効率的な生活関連社会資本の整備 、特に官から民への流れの中でそういった具体的な問題をどういうふうに解決していくの か、公共投資の縮減が今必須の課題となっているときに、地方における民間主導の経済成 長を支援するような社会資本整備のあり方は何かといったところで、具体的な検討の視点 を掲げているところであります。
 さらに、(4)業界団体の役割につきましても、その問題点、今後のグローバル化の中で積 極的な役割は何かといったところ。
 3ページにまいりまして、2 企業部門につきましては、(1)グローバルスタンダードと は何か、我が国が考慮すべきグローバルスタンダードに何があるか、日本型規範でグロー バルに通用しているものはあるか、それをグローバルに通用するためのプロセスいかんと いうことで、具体的な検討視点を掲げております。
 (2)コーポレート・ガバナンスにつきましてもメインバンクとの関係を個別具体検討項目 として挙げているところでございます。
 4ページにまいりまして、(3)企業をめぐる制度面の問題として、経営者のあり方、ある いは外部の経営参画のあり方、企業情報開示、機関投資家の機能の充実、特にコーポレー ト・ガバナンス、今後のコーポレート・ガバナンスを考えていく場合に、やはり日本でも 我が国での機関投資家の機能の充実といったものを図っていくべきではないかといった問 題意識で掲げているところであります。
 5ページにまいりまして、(4)企業の収益力を高めるために、高収益分野にチャレンジし ていくことができるのは中(小)企業ではないか、あるいは外資系の役割、あるいはベン チャー企業のリスクテイキングのあり方といった問題点を掲げております。
 6ページにまいりまして、(5)新たな雇用システムでは先ほどご説明いたしましたような 労働者の能力発揮、あるいは社会の活力の向上を図るための有効な雇用システムといった ものを挙げているわけであります。
 7ページにまいりまして、3 個人部門の課題として、特に個人が自己責任原則の下で 市場において積極的なプレイヤーとなるための環境整備のあり方といったところを挙げて おります。
 NPOでは先ほどご説明したようないくつかの課題を個別検討項目として整理させてい ただいたところでございます。
 以上、若干まだ縦割りのところがあって、前回の議論を正確に反映し切れないところが ありましたが、事務局としての議論を整理させていただいたところでございます。

〔 部会長 〕 どうもありがとうございました。
 ご説明のありました資料2は政府関係を中心として各方面のいろいろな議論、提言を4 つの部門に分けまして整理したということで、それをもとにしての資料1論点整理でござ いますが、第1の議題は「経済主体役割部会における論点整理」ということでございます ので、ただいまのご説明に関しまして、ご意見をお伺いしたいと思います。どうぞご自由 にご発言をお願いいたします。

〔 A委員 〕 真先にご指名いただきましてありがとうございました。この前休んでい たことと真ん前に座っていたのが(笑)私にとって幸か不幸かだったわけでございます。 この前はおりませんで、今のご説明を聞きまして経済主体の役割というときに一体どうい う展開があるのかと思いながら、この前は休んでしまったのですが、今日お話を伺いまし て、私の頭も非常に整理していただいたような気がいたします。ご説明も大変わかりやす く、書いたものよりもまたわかりやすかったと思って敬服した次第であります。
 そこで2つ、3つ何となく気になりましたのが、官と民と言いますか、ここに書いてあ ります「官」に対する反対語は「民」でありますが、ところが官がイコール「公」になっ ているような気がちょっとするのです。「公」に対する反対語は日本語では「私」であり ます。だから、「官」と「民」、「公」と「私」ということをきちんと分けて議論しない と、官の中にも公があるし、公でなさ過ぎるものもないわけでもない。例えば、特殊法人 などというのは、ややそれに近くなってきます、同じ官でも。
 それから、民が常に私益だけを追求するかというとそうでもない。民が公のことを考え ないとこれからの民は成り立たないと思います。そういうわけで、官と民と言っているう ちはいいのですが、官と言っているうちにそれが公になってしまって、公ということを言 うがあまりに民の役割が少なくなっていくという発想がどうもこれには出るおそれがある のではないかという気がしますが、民の中で公でやらなければならないものは何か、公と してやらなければならないものは何かということを追求していくことで民のこれからのや り方がある。あるいは「小さな政府」とか規制緩和というようなときの解決にも、やはり 民の中に公が入っていかないと、公の仕事が入っていかないといけない、というところが ちょっとここでは薄過ぎるのではないか。「官」イコール「公」になったり、「官」と言 ったり「公」と言ったりしている中で、やや定義の乱れがあるのかという気がいたします。
 個人部門のところに書いてあるNPOですが、この前の議事録を拝見しましてもNPO の話はいろいろ出ておりますので、NPOということがこれからどういうふうに育ってい くかということは非常に大事なことだと思うのですけれども、その前に公益法人というの があります。公益法人というのは何だろうか。これはおそらく明治時代に公益法人を作っ た人はNPOのことを考えていたのではないだろうか、だから公益法人というのです。そ の辺が、今までの公益法人、社団法人、あるいは財団法人の扱い方がどうも問題があった から、公益法人についてそっぽを向かれてしまってNPOというものが出るのではないか 。そういった反省がもう少しあった上でNPOをやらないと何となく議論が中に浮いてし まって、今はやりの議論だけになってしまうのではないかというおそれを感ずる次第であ ります。
 そんなことが、大体今最初に申し上げたかった問題でございます。

〔 部会長 〕 非常に基本的な問題をありがとうございました。
 続きまして、B委員、お願いいたします。

〔 B委員 〕 こういう論点整理はこれで結構だと思います。相当議論をされてここ へ来たのだと思うのですけれども、若干基本的なスタンスと言いますか、官民分担をやる ときのスタンスで、どうも限界的な官の役割というのを前提として全部かぶせてしまうと いう議論が割と起こり得るのではないかということを申し上げたいと思います。
 といいますのは、あまり例がよくないのですけれども、昔からよく、例えば、補助金に するか支持価格制にするかというときに、要するにコスト負担としては非常に保護すべき ものが少ないときは補助金にした方がいいので、もっと大部分を保護するときには支持価 格制という経済政策の、これは農林省と通産省でもあったと思うのです。そういうことが あるのですけれども、やはり官民というときも、民にするとクリームスキミングになって しまうから、やはり官でやらなくてはいけないと言うけれども、本当はごく一部のことを やる方が、国民経済的に国民の負担は大事だという議論の展開はどうしても必要だと思う のですけれども、こういう議論はされたのだとは思うのですけれども、いろいろとその後 出ている議論を見ますと、その辺が十分議論を尽くされていないという感じのところがあ るので、是非この中で、そういうビヘイビアで議論していただいたらいいのではないかと いう感じがいたします。
 もう一つは、民活ということでBOTというのがここにも出ていまして、これは発展途 上国の、先進国のイギリスとかそういうところではなくて発展途上国で非常に盛んで「民 活、民活」というのですが、こんなことを言うと差し障りがあるかもしれませんが、かつ ての日本では第3セクター論というのが民活にあったわけで、今非常に問題となっている と思いますが、あの辺は、この中で官民の役割分担とか民活というときに反省とは言いま せんけれども、位置づけというのはまだ時期が早いのかどうかわかりませんけれども、民 活を考えるときに相当大きな問題ではないかと思いまして、整理の問題というより考え方 ということで申し上げました。

〔 部会長 〕 どうもありがとうございました。
 続きまして、どうぞご自由にご発言をお願いいたします。

〔 C委員 〕 Cと申します。今日初めて出席させていただいております。
 2、3点のポイントがあるのですけれども、前回の議論は聞くこともできなくて今の整 理を聞いていろいろわかってきましたけれども、全体的な1つの感想といたしまして、ど うも家計部門、あるいは個人部門のところがあまり全面的には出てこないような気がする のです。ですから、非常に大局的に経済主体の役割の分担はどうなるのかということを考 えますときには、例えば、企業部門、あるいは金融部門、政府部門、あるいは家計部門、 個人部門という大きな部門別の枠組みがあると思うのですけれども、どうも一番その主役 になっているはずの家計部門がやや影をひそめているような気がしたわけです。
 第2点目は、各方面における提言とか議論のところでは、ずいぶん公的金融システムに ついての記述が、あるいはどういうような議論がなされてきたという要約が出ているので すけれども、これからの論点整理のところでは、公的金融システムのあり方に関する記述 がちょっと見当たらないというのがいかがなものかというふうに感じた次第でございます。
 私の観点から見たら、日本のいろいろな各部門の特徴、非常に大局的に見た場合は、一 番特徴的になっているのがやはり公的金融システムが非常に肥大化してきたということな のですけれども、橋本総理大臣が座長となっている行革のところでは、民営化の方向が一 つの方向性としては出てきているのですけれども、これからそれを後押しするのか、どう いうふうにそれを具体化するのかということになりますと、まさに経済主体役割部会が一 つの意見を出せるのではないかというような気がしているのです。
 3番目としては、コーポレート・ガバナンスというところでは、これは私個人的に興味 を持っているところですが、メインバンク制についての話とか、あるいは社外重役とかの 話が非常に興味深いのですけれども、1つの感触としては、これからメインバンクシステ ムが崩壊してコーポレート・ガバナンスの担い手が市場の方に移るという一つの図式があ るのですけれども、それは1つの究極的な姿でしょうけれども、まず現実的な問題として は、ビッグバンをやることによってメインバンク制そのものがどういうふうに変わってい くのか、あるいはその中で機関投資家の役割がどういうふうに変わっていくのかという観 点が非常に重要だと思います。
 ですから、むしろ私の感じとしては、いろいろな競争原理を導入することによっては従 来型のシステムが活性化してくるというのが、おそらくより現実的な姿なのではないかと いうような気がするのです。
 ただ、その中で、いろいろ制度的な改革とかが現在も行われているわけです、持株会社 の導入とか、自社株制度の導入とか、ストックオプションの導入とかいうものがあるわけ で、1つ引っかかった記述があったのですけれども、機関投資家のところで「これから年 金資産等を預かる機関投資家に企業経営のチェック役として機能を発揮させる・・・」とい う記述があったのですが、これはまさにおっしゃるとおりですけれども、むしろ、現在大 きな機関投資家となっている銀行、生命保険会社、こういったところがこれからいろいろ なビッグバンの規制緩和が行われる中でどういうふうに従来型の経営行動を変えていくの かという、より足下のところに重要な課題があろうかと思います。
 もうちょっとより具体的に考えますと、持株会社がどういう役割を果たすのか。これは 記述の中にも出ているのですけれども、これは非常に重要な現実的な課題としては、特に コーポレート・ガバナンスを論じるときには非常に重要というような気がします。
 最後になりますけれども、雇用システムに関する問題点が出ているのですけれども、1 つの観点としてはむしろ雇用システムの改革とコーポレート・ガバナンスのあり方を1つ のセットとして考える必要があろうかと思います。

〔 D委員 〕 私はマイナーな点なのですが、ちょっと気になったところがございまして 、それは項目の立て方で、企業部門の(4)の中に「企業の収益力を高めるために何をなすべ きか」というような項目を立てていらっしゃるのですが、果たしてこういう項目の立て方 でよろしいのかどうか。例えば、企業収益を上げるためには一つのやり方は経費の削減と いうようなことになってくるわけですが、それは人件費の削減、賃金の低下、あるいはリ ストラの促進というようなことも一つの手段としては考えられる。そうなった場合に、従 来と違って、例えば、雇用保障のところをどうするのかというようなところまで議論しよ うというようなことなのか。そうではなくて、私はやはりここでは、経済を活性化させる ために何をすべきなのかというようなことではないだろうかというふうに思いますので、 ここのところをご検討いただけたらというふうに思います。
 それとの関連で公共事業が削減されることによって、地域経済にどういう影響を与える だろうかというような問題が提起されているわけでありますが、それと今の経済の活性化 というところは密接に関連してくる問題であるかと思います。そうした場合に、特にこの 5ページの今の項目のところで、「新規産業の創出」という問題を「検討の具体的視点」 として取り上げているわけですが、ここに政府の役割というものをどういうふうに考える のか。言い換えれば、産業政策の問題をどういうふうに考えるのかというのをここで議論 してもよろしいのかどうかということを少し伺えればと思います。
 この問題というのはやはり、雇用問題に直結する問題であるわけでありまして、雇用の ところでは雇用システムというような長い目で見たときの話ということが議論されている わけですが、いままで地域経済における公共投資のかなり大きな役割を担ってきたかと思 うわけですが、それが削減された場合に、「これは民間の責任です」というような立場を とるのか、ここに何か新たな政府の役割というものを求めていくのかというような形で関 連させていただけたらというふうに思います。

〔 部会長 〕 今の点につきまして何か事務局の方でありますか。

〔 事務局 〕 今、D委員がおっしゃったような点を含めて考えていかないと、特に地 域経済といったような問題は完結しないと思いますので、そこはどういうふうに最後議論 が収斂していくのか、あるいは深められるのかまだよくわかりませんが、とにかく議論の 題材としてやってみたいというふうに思います。

〔 部会長 〕 今の点につきましては、項目の立て方もまさに経済活性化のためであり 、特にグローバルスタンダード、あるいはグローバリゼーションという中で、日本の企業 の収益性が極めて低いということは、これは株式市場の評価ともつながってきますけれど も、いろいろ言われておりますので、項目の表現をどうするかということはまた十分検討 させていただきたいと思います。

〔 E委員 〕 全般に関わる話ですが、NPOの問題ですとか、個人がマーケットメカ ニズムの中の構成員としてどういう役割を果たすかとか、あるいは公的なセクターのいろ いろなチェック機構としてマジョリティをどう活かすかとか、いろいろなところに関係す るのですが、基本的に、例えば、情報公開とかNPOというときに、そういう一般の市民 とか団体が全体のシステムにどうやって影響を与えたり評価をするかという構図がもう一 つはっきりしないような気がします。
 今の論点整理では、1、2例を挙げますと、例えば、地方分権をしたときに、地方の市 民、あるいは県民が持っている情報というのはたかだかマスコミから伝わる情報プラス隣 りの県の情報とか隣りの町の情報しかないわけで、したがって、例えば、知事さんとか市 長さんの間で競争原理がちゃんと働いているかというと働かないということになります。 北海道と九州の例を挙げてよく議論されることでございますが。そういったときに、例え ば、こういうところでやっている情報を出すだけではだめで、むしろ、例えば、外部評価 的にそれぞれの町のある種のものについてのサービスがどうなっているかというものを公 開して、なるべくそれを活性化していくようなことが多分必要なのだろうと思います。
 既に暮らしやすさの指標とかというのはありますが、ああいうマクロの話だけではなく て、もう少しセクター別にそういうことをやっていかないといけないだろう。つまりそれ ぞれの市民がチェックをするために、あるいは競争条件がもっと発揮されるためにどうい う情報を作り出して提供するべきかという視点を持たないと、単なる情報公開というはや りの言葉では、このマーケット、あるいは公的セクターの是正のためには働かないような 気がします。一例であります。
 もう一つ例を出しますと、パブリック・インボルメントとか住民参加というような話は 、インターナショナルにもいろいろありますが、片や言いたい人の意見をちゃんと反映す るという側面と、もう一つはサイレントマジョリティーをどうやっていろいろな意思決定 にバランスよく入ってもらうか、こういう視点があると私自身は理解しております。そう いった類の話が一体どういう格好でこの全体のシステムの中に入ってくるのか、こんなこ ともございます。
 あるいは行政とか公的セクター、あるいはマーケット・メカニズムの中に市民を巻き込 みたい、これは大変正しい論点整理だと思うのですが、日本の国民が持っている政府に対 する矛盾した欲求とか、マーケット・メカニズムの中でちゃんと機能しないそういう国民 の意識、こういう問題はどう考えるのか、あるいはそこ自身を変えていくためにはどうす ればいいのかという、こういう問題がございます。国民の中には民間企業も多分入ってい るだろうと思います。
 例えば民間のセクターで競争がうまく働かないということを国内で議論すると同時に、 外国で全く競争力を持たない産業があって、それが国内では競争力を持っているという状 況について、国内だけではなくて海外でなぜ競争力を持っていないかというところを裏返 しに見てみることも大変価値があるような気がします。
 断片的な話ですが、全体のシステムの設計が基本的には原則論としてシステム設計がど うあるべきかという話とトランジェントな状態をゴッチャにしてやっているので、やや論 点整理がわかりにくくなっている、こんな印象を受けました。

〔 F委員 〕 前回、欠席いたしまして、議論をちゃんとフォローしているかどうかわ からないのですが、今、E委員がおっしゃったこと、あるいはD委員がおっしゃったこと とも関連するのですが、私も正直言いまして、今度の経済主体役割部会が何をしようとし ているのかについて疑問があります。
 私が今、論点整理をお聞きした限りでは、どうも官と企業と消費者とあるいはNPOと かそういうのがありまして、それぞれの役割とかプレゼンスがどのぐらい大きくあるべき か小さくあるべきかというような議論に終始しているような気がします。
 むしろ問題は、本当にそうなのかということの方がむしろ問題であって、とりわけ重要 なのが官と企業だと思うのですが、ここはある意味で、先ほどのA委員の話を使えば、両 方とも官、政府、企業、ある種のパブリックな性質を持っているわけです。当然パブリッ クな主体ですから、いろいろな人、つまり、実はいろいろな主体がそこには関わっている 。
 問題は、主体の関わり方が極めて非常に対照的であって、例えば政府においては一部の 業界であるとか、一部の族議員というものが非常に大きな力を持っていて、今の言葉で言 えばサイレント・マジョリティーが明らかに軽視されている。あるいは伝統的な日本の企 業であれば経営者と従業員の非常に大きな力を持っていて、いわばインサイダー・コント ロールをしていて、そこで株主という、本来、これもステイクホルダーである人たちが、 いわば除外された意思決定をしてきた。そういう意味ではややパブリックではないプライ ベートな部分が、日本では一部のプライペートが非常に大きな力を持ってきている。
 こういう制度をうまく変えてもう少しニュートラルで、もう少しデモクラティックなと いいますか、そういう仕組みに変えられないだろうかというのが、多分、今、日本で一番 問われていることではないかと思います。
 例えばコーポレート・ガバナンスというのを1つの例として言えば、これは実はいろい ろ定義がありますが、私が一番好きな定義は、コーポレート・ガバナンスというのは基本 的には決して株主の問題でもないし、経営者の問題でもない。コーポレート・ガバナンス というのは実は企業にはいろいろなステイクホルダーがいる。ステイクホルダーというの は株主も1つですし経営者も1つですが、それ以外に従業員にもいれば、顧客もいるし、 地域の住民もいる、銀行はもちろんいるわけです。
 そういうステイクホルダーがそれぞれどういう責任と権限を持っていて、最終的に意思 決定にそれがどういう形で反映されるのかという、そこの問題を「コーポレート・ガバナ ンス」と呼ぶというのが私が理解していることであって、まさに、日本の従来の仕組みは コーポレート・ガバナンスの仕組みがきちんと作用してきていない結果、インサイダー・ コントロールになってしまった。政府の場合も同じような問題があるというふうに私は思 います。
 戦後の日本というのは、ある意味ではそこをあまりパブリックにしないで、むしろプラ イベートにするということによって、まさに、先ほどD委員が言われた産業政策みたいな 形で一部のプライベート・インタレスト、一部のインタレストをいわば優遇することによ って、しかし結果的には全体のパイの増大を図ってきたわけです。それがうまくいくよう ないわば環境条件も仕組みの条件もあった。どうも今の日本はそれが壊れつつあるわけで すから、むしろそういう意味ではもう少し一番最初に言ったような一部のインタレストか らは離れたニュートラルでデモクラティックな仕組みというものを作ることによって、い わば日本のいいところをもう一ぺん引き出すような仕組みが作れないだろうか。これが我 々が今一番問われているところではないかと私は思うので、少しそういう方向で議論を組 み立てていただければうれしいと思います。

〔 部会長 〕 どうもありがとうございました。

〔 G委員 〕 前回欠席しましてすみませんでした。
 今のF委員の先生のお話、全く同感でして、コーポレート・ガバナンスというのが株主 だけのコーポレートではなくて、また、従業員だけのものでもなくて、取引先のものでも あるし、さらに顧客のためでもある。さらに言えば社会全体というものに支えられている という見方はとても大事なのですが、さて、これをもう少し長い流れの中で、あるいは今 日の議論の整理の中でどう位置づけるかということなのですけれども、経済主体が官から 民へ、あるいは中央から地方へ、あるいは男性中心から女性と共同して一緒にやる、そう いうふうに変わってきた。こういう論点は今日整理されていただいたとおりなのですけれ ども、そうすると、経済主体が何に対する役割を担っているのかという、そこのところの 整理が、大まかに言えば、多分、日本の経済というのは最初は国家のための経済であった 、あるいは政治に従属する経済であった。そして戦後は経済のためのあるいは企業のため の経済であった、生産主体のための経済であった。
 それが今ここで生活のための、ないし消費者のための経済である。それは言い換えます と、役割が政治に対する経済の貢献、つまり日本の国家のための経済の貢献というところ から、日本の経済それ自体のための貢献。それから今度、もし政治や経済というような動 機と同じレベルで言うとすると、文化のための実は経済、そういうものが問われている。 そういうところがもし明確になると文化というのは要するに暮らしの立て方なわけですか ら、どういう暮らしの立て方を描くかということがないと経済主体の役割というものにつ いて明確な位置づけはしにくいと思うのです。 そういうものが戦前の場合には明確にあった。もちろん戦後すぐにはそういう目標もあ ったと思うのですけれども、そういう中で日本の経済主体の特徴は、コーポレート・ガバ ナンスの場合、株主のための企業と言われている欧米のものとの対比で言うならば、日本 の企業の場合、いわゆる経営と所有というのは最初から分離しています。つまり、ヨーロ ッパの場合は所有者自体が経営者であるというのは、特にイギリスなどの場合もそうです けれども、資本家イコール経営者である。両者が一体のものというのが当たり前であって 、そこからだんだん経営が分離していくというのがヨーロッパの流れではなかったかと思 うのです。そういうことが実際に気付かれるのが20世紀のそれこそシュンペーターの経済 発展理論ぐらいにならないと、所有と経営は違うのだということがわからない。しかしな がら日本の場合は最初から経営というのが所有から分離している。つまり経営者ははじめ から経営者であって、つまり資本家ではない、資産を持っていない。例えば澁澤榮一みた いに、つまり日本の資本主義を最初に経営した最初の主体というのは、経営資質は持って いるけれども資産は持っていない。そうした人たちが経営していく。そういう中からむし ろ所有がくっついてきた。所有がくっついてくると、経営者があまりお金ということに関 わってくると、かえってその人が下品に見えてくるということになりまして、日本の場合 土光さんのようにメザシを食べている人の方が尊敬されるというようなことがあるわけで すけれども、それは経営というものがもともと自立したということがあったと思うのです 。 そうしたものが戦後になると法人格であるために企業が全部、経営者があるいは経済主 体がそれに奉仕するという形になったのですけれども、今度、生活あるいはNPO、いろ いろな主体が出てきたのですけれども、これをひっくるめて言うならば経済のための企業 、あるいは所有のための企業ではなくて、どういう文化あるいはどういう経済文化という ものを日本は理想として提供でき得るのかあるいは持ち得るのかということが今試されて いる。 そういう意味では、ここで、経済主体についての時代的変遷ないし今の現状整理という のは、今日の整理で非常に明確にわかったのですけれども、何に対する役割かというとこ ろの展望が見えない。私自身から言えば、政治ないしは国家に奉仕する経済主体から、生 産に奉仕する経済主体、それから消費ないし生活、さらにもう少し文化に奉仕する経済主 体へというそういう転換期に面しているのだろうというふうに思っております。

〔 H委員 〕 私も今日初めて出席いたしますので、論点整理の部分でいけば民営化の 話が出ていまして、次のページに地域サービスといった話が出ていますが、この2点に関 してちょっと申し上げたいのですが、民営化の問題というのは、要するにどういう対象の 人に対してどういうサービスをするかということがどのぐらいはっきりしているか。つま り、税負担でやっていたものを利用者負担に変えられるかということになりますと、一番 考えられる範囲は、ここに書いてあるようにコミュニティー・サービスみたいなものが一 番基本的には考えられのですけれども、コミュニティー・サービスというものが現在日本 ではどういう位置づけになっているのかということが、よくOECDの統計などでもコミ ュニティー・サービスというところに日本の統計が出てこなくて、うまく整合性がないの です。おそらく今はゴミとかレジャー施設とか上下水道施設とか、こういうものが新しい コミュニティー・サービスとしては重要な分野なのだろうと思うのですが、この問題と地 方分権の問題がうまくマッチングしないというか、地方分権というのは中央と地方の対立 というか、「分」という部分に権利を分割するという考え方に非常に大きなテーマがあっ て、権限委譲という言葉が非常に全面的に出ているのですが、「委譲」という言葉を使っ てしまいますと、結局、すべてがわからなくなってしまうというか、要するに国のサービ ス、地方のサービス、県のサービス、市町村のサービスというのは、すべてが複合的に提 供されて初めて形が出てくるわけなので、今みたいに、国の計画はこれです、地方の計画 はこれで、市町村の計画はこれですというふうに分割されてしまいますと、どういう住民 に対してどのぐらいの財源でどのぐらいのことが行われているかということをチェックす る方式が非常に欠けているように思うのです。だから、社会資本整備というものをもっと 統合的にというか複合的に包括契約みたいなもので、どのぐらいの地域の住民に対してど のぐらいの財源があれば、あるいは人口があれば、どのぐらいのことができるかというふ うな考え方から、包括的な社会資本整備みたいな考え方ができないのかという、つまり、 補助金のように単体ごとにお金をつけるとか、そういう考え方ではなくて、つまりオーバ ーなインベストメント、過剰な例えば社会資本がある地域にあるとしたら、過疎対策みた いなものもあるのですけれども、そういうものが果たしてどういう意味を持っているかと いうことがよくわからなくなっているので、その辺のコミュニティー・サービスといった 問題と今の地方分権というものがうまくきちっとくっついていないというところが1つ気 になります、うまく言えないのですけれども・・・。
 2つ目に、先ほどC委員がおっしゃったのですけれども、個人消費とかこういう分野の とらえ方について、非常に大きな問題があるのではないかと思うのです。例えば、医療と か介護サービスといいましても、医療というのはすべて公的サービスなので価格が決まっ てしまっている。一部自由化されるかもしれないのですけれども、介護サービスというの は非常にヒューマン・サービスの面がありまして、結局、どういうふうになるかというと 、流通医療のサービスはこのぐらいですと言いますと、ちょっと裏からお金を払うとすご く待遇がよくなったりということが生じてしまっていまして、病院でもみんなやっている わけです。つまり、ヒューマン・サービス、ちょっと何かやさしくしてもらいたいという ときは必ず裏からお金が回るというシステムというのは、要するにサービスというものが うまく価格づけができていないことによって、いくらの報酬、つまりいくら払ったらどの ぐらいのサービスが得られるかということがうまくマーケットに入ってきていないような 感じがするのです。聞くところによりますと、医療とヒューマン・サービスを一緒に提供 してはいけないという何か規制があるそうで、例えばお医者さんが医療をしながら介護を やって、しかも24時間配達サービスみたいなことをやると、配達部分についてのお金を請 求してはいけない、お医者さんなので医療行為を逸脱して地域サービスをやってはいけな いみたいな、そういう規制があると聞いたのですけれども、つまり、これから個人消費が 増えるかどうかというのは、こういうヒューマン・サービスがきちっと、公的サービスと は別に何らかの価格をメカニズムに乗るような形にしていかないと、お金を払いたい人は みんな裏金になってしまって、極端な話ですけれども、もらう方もそういうインフォーマ ルな感じになってしまうようなケースがたくさん発生してしまうというのはあまりよくな いのではないか。結局はコネ社会ということになってしまって、コネのある人はいいサー ビスを受けられて、コネクションがない人は最低のサービスで終わってしまうとか、そう いうことがある。 だから、その辺が個人消費というものをとらえるときの・・・、今、製造業の世界が個人 消費のキメ手みたいな考え方になってきましたけれども、これから物からサービスに移る ときにどういうふうなサービスを、なるべく公的な価格づけと離してできないと、こうい うなコミュニティー・サービスみたいなものがうまく経済の中に入っていかないのではな いかと思います。

〔 I委員 〕 3点ほど申し上げたいと思います。
 第1点は、今日の資料は論点整理ということですので、大変きれいに整理されていると 思いますが、1つ私が気になることは、前例主義的な感想を持つわけです。というのは、 いままでどういうことを議論されたかということの整理ですので、これによって今後の議 論が限定される、拘束される危険があるのではないかと思います。
 例を1つだけ申し上げますと、資料2の4ページの社会のコーディネーターということ が、これは平成6年の国民生活審議会で定義されたことですが、官の1つの好ましい姿と いうことのようなのですが、これは果たしてそうかということを私は大変疑問に思います 。コーディネーターという言葉そのものが問題なのかもしれませんけれども、コーディネ ーターというのはかなり役割が強い、むしろ主導、あるいは操作するというニュアンスが ありますので、私はこれはむしろ民ができることは民に任せるということに逆行する概念 ではないかと思います。
 ですから、いろいろな報告書とか、調査会とかの結果を勉強するのは大変結構だと思い ますが、それにあまりとらわれることによって議論あるいは視野が限定される可能性があ るのではないかというのが1点目です。
 2点目は、経済主体の役割の問題なのですが、これは1つには日本における競争の在り 方に大変密接な関連性があるというふうに思います。民間と民間、企業間の競争だけでは なく、例えば政府と民間の官民の競争といいますか、1つ申し上げますと、独占禁止法と いうのは本来でしたら競争を促進あるいは保証するための法律なのですけれども、これは 日本の政府が独占しているというふうに思います。公正取引委員会がほぼすべての独占禁 止法の運営、他の官庁ももちろん関与していますが、民間企業あるいは個人がこの法律を 活用して競争を促進する可能性というのは、ないことはないのですが非常に限られている ということで、これも2つ目の例になると思うのです。1つは民間と政府の競争、もう1 つは民間同士の競争を促進するための法律、これの活用ですが、そういう意味で独占禁止 法だけでなく行政手続法の活用とかいろいろな法律上、経済主体の役割をもう少し明確に して、もう少し競争を確保するための手段が数多くあるのではないかと思います。
 3点目は、先ほど委員の方からもご指摘があったのですけれども、なぜ経済主体の役割 に関して議論するかという、その目的あるいはビジョン、目標、展望というのがいま一つ はっきりしない点があると思います。1回目の会合のとき議論がある程度ありましたが、 委員の方の中には、これは日本の国益とか日本の文化とか日本の改善のためにというふう に解釈されている方もいらっしゃるようです。私は日本のことを外から見ていますので、 もちろん日本にとって改善といいますか、よくなることは大変結構だと思いますが、それ だけではなくて、日本と他の例えば貿易相手国との関係もある程度念頭に置いて、なぜ経 済主体の役割を議論しているかということを明確にしたいと思います。
 それに関連して1つの例ですが、対内直接投資、対日直接投資、この問題はもちろん論 点整理の中に書いてありますように、日本経済の活性化とか、日本経済における技術導入 とか、いろいろ日本にとっていい面もあるのですが、それだけでなく貿易相手国、あるい は世界の経済システムの中の日本の役割、そういう位置づけも必要ではないかと、対内直 接投資の問題に限らず全体としてもう少し広い視野で、世界の中の日本という観点から経 済主体の役割についてこれから議論していただきたいと思います。

〔 J委員 〕 非常に難しいテーマですから、感想じみた話になりますが、4つの主体 で議論は議論でいいのでしょうが、やはり将来に対する安心感だとか、どうなるのかとい うあたりの展望も片方では必要かなと思います。これは先ほど議論もありました「何のた めの議論をするのか」という。
 例えば公共事業削減の問題と地域との関係で雇用との関係等々の心配な話等もありまし た。これもそうですし、また、いわゆる金融システムの改革の問題、いわゆるビッグバン の問題等々を考えたときに、先を見通したときに雇用の問題等々についても、どちらかと 言うと若年層が減って労働力は制限されるという前提ですが、逆にその途中で非常に高い 失業率も発生するのではなかろうかと、片方では率直に心配を持っております。やはりそ ういうあたりを乗り越える何か1つの展望というか、安心感みたいな、そういうのを片方 で議論もしながら、この4つの主体、どういうふうに役割を果たしていくのか。これが将 来楽観という形だけでいいのかどうかというところについつて、もう少し深刻に考えたい と思っております。
 もう1点は、企業部門の課題のところで、特に企業をめぐる制度面。例えば企業の不祥 事等々もありました。そういうものを監視するチェックする仕組みという中で、例えば監 査役会であるとか、取締役会であるとか、いろいろ制度面もあるのでしょうけれども、企 業別労働組合が企業の中でのチェック機能を十分果たしていないと率直に思っております が、そのあたりでもどういう面、つまりただ努力するというだけではなくて、何か制度等 でもう少しチェックができるようにするためには、組合は何をやれとか、そういうあたり で第三者からいろいろな率直なご意見もいただければと思っております。
 もう一つは、雇用処遇システムのところの問題で、いわゆる三次産業分野、サービス産 業分野のウエイトが大きくなっていくのは事実でありますけれども、この中でものづくり の大事さということに、今、改めて我々自身の中でも危機意識を持っております。つまり 、いろいろな形で技術や技能がハードからソフトの形に展開していくにしても、ハードの 部分の技術や技能の伝承、継承が一体どの程度やられているのかというと、そのあたりが なおざりにされてきている。そこのところにもう1回目を向けていく、そういうことが結 局はサービス産業やいろいろな形でソフトの分野にも全部つながっていくのだという、そ ういうコンセンサスという形は、ある意味で当たり前ではないかと言われるかもしれませ んが、現実の企業の中にはそういうのが非常に不連続になっている。そのあたりについて の視点という形も、特に企業分野のところに入れていただければと思います。

〔 I委員 〕 先ほど申し上げるのを忘れたのですが、私の日本語の理解力が限られて いますので、非常に単純な質問で恐縮なのですが、官民と企業と個人という分け方なので すが、官というのは日本の場合は政治も含まれているのでしょうか、要するに政治指導者 の役割というのは官に含まれているのか、あるいはそうでないとすれば政治の在り方、政 治の指導力というのはどこで議論すべきかという質問です。

〔 事務局 〕 大変難しいご質問なのですが、ここで議論を整理したときには、経済活 動に対して影響を及ぼし得る主体として整理しておりますので、行政というものを1つの 基盤として考えたことは事実です。ただ、どこまでこの審議会の中でそういったところを 取り込んでいくのかいいのかどうかというのは、私も正直言ってあまりはっきりしないの ですけれども、経済行動というものを1つの中心の流れとして考えていくのが議論として はやりやすいのではないか。それに圧倒的な力を及ぼすというものがあって、それに何か ものを申し上げなければいけないというときにかかわり合いが出てくるのではないかと いうように思って、一応事務局としては整理したつもりでございます。

〔 部会長 〕 私も個人的見解ですけれども、政治は経済主体ではないと思っておりま す。それに影響を及ぼすものはもちろんありますけれども。

〔 F委員 〕 今の件に関してですが、私、行政改革委員会の官民役割分担小委員会と いうのに入っておりますので、いわば官民という言葉を作り出した責任がややあるので、 一言だけ触れさせていただきたいのですが、その委員会でも実は「官民」という言い方が いいのか、むしろ「政府」の方がいいのではないかという話がありました。
 行政改革委員会という場は、ここと違って行政府の改革のための委員会なのです。した がって、官民分担小委員会というのは実は政治のことに関しても手法のことに関しても基 本的には言ってはいけない。そういうやり方であるがためにむしろ「官民」の方がいいだ ろうということでやったのです。
 逆に、こういう委員会であれば、先ほどデモクラティックなという言い方をしましたけ れども、やはり問題の本質は三権(立法・司法・行政)がどのぐらいうまくチェック・ア ンド・バランスという仕組みを作っているかどうかということが問題で、むしろある意味 では日本は行政が問題だから、そこで官民分担という形になりますけれども、じゃあ、行 政府を押さえればチェック・アンド・バランスの仕組みがうまくいくかというといかない わけです。ですから、やはりそういう意味では「政府」というような言い方にさせていた だいて、立法とか司法についても議論していただく方がいいのではないかと思います。
 もう一つそれとの関連で言えば、官という言葉で言うと、中央政府と地方政府がほとん ど差がなくなってしまうのです。実はここがかなり重要な問題で、先ほどH委員の方から もお話がちょっとあったように思うのですが、官民分担で内々に議論した非常に大きな論 点は、戦後の日本というのは「国土の均衡ある発展」というスローガン、もう一つは「社 会的弱者の救済」というスローガン、この2つをものすごく行ってきたわけです。しかし 、それが今限界にきていて、むしろ既得権益化している。これを見直すということが極め て大事だというのが我々が非常に考えたことです。
 ですから、そういう意味では、本当の役割分担ということであれば、単に官が民に任せ るというだけではなくて、具体的に何を今後手を縛っていくのか、こういうことをきちん と議論すべきだというのが1つありますし、それをやると、当然1つ大きな問題は、へき 地の問題はどうなるのですかというような問題。つまり、本当に弱者はナショナル・ミニ マムですから救えると思うのですが、へき地はどうなるのですかということが非常に大き な問題なのです。少なくとも官民分担の議論は国土のバランスの問題は中央政府は最低限 しかすべきではない。むしろある意味で中立的に、どうしてもへき地で市場の失敗がある ところだけについてお金をつけるべきである。しかし、へき地は何もしてはいけないかと いうと、そこをやるのが地方政府であるのだ。そういう意味では地方政府はいわばある種 のコーディネーションをして産業振興とかいろいろなことをしたっていいではないか、む しろ地方政府同士の競争があるからいいのであって、しかし、そこで中央政府が出てきて 、先ほどのI委員の話のようにコーディネーションをして、国土の均衡ある発展というよ うな形で事実上のいろいろな平準化をする。これは多分日本の活力をむしろ削ぐことにな るのだというのが我々の理解であって、そういう意味では中央政府と地方政府がどういう 役割分担をするのかというのはまさにかなり重要な論点であるというふうに思います。
 そういう意味でも、できれば「官民」ではなくて、中央政府、地方政府、それから企業 云々という形にしていただいた方がいいのではないか。その上でまた政府の中も3つにき ちんと三権という形で議論していただいた方がいいのではないかと思います。

〔 K委員 〕 経済の活性化ということが大きなテーマになっておりますけれども、現 在日本には 1,200兆円と言われる個人金融資産があって、決して資本蓄積が不足している から経済が活性化しないというレベルの問題ではないということです。 したがって大事なことは、外資がどうのこうのというよりも、外資でも内資でもよろし いのですけれども、何かそういった1つの魅力ある市場を作れば当然内資も外資も頑張る に違いないということ。その軸になるのは規制緩和とか規制撤廃という流れではないかと 思います。ということは、この議論をこれから進めていくときに、いままでいろいろと議 論いただいておりますけれども、いくつかの軸、例えば規制緩和という軸とか、官民とす るかどうかという問題とか、経済主体は何のためにあるかといったいくつかの大きな基本 的な1つのコンセンサスのとりやすい部分というのはきちんと決めておかないと、なかな か議論が収斂しないのかなという気持ちを持っています。
 私自身は、外資の問題については規制緩和を実行して、イコール・フッテージでフェア に競争できれはそれがすべてであるというふうに考えております。

〔 L委員 〕 前回、発言させていただましたので、今日はあまりないのですけれども 、いくつか気がついたことを手短かに6点ほど申し上げます。
 第1点は、各界における意見なのですが、確かに政府の場の中に置かれたような場での 議論は抑制されていると思うのですが、先ほどどなたかもおっしゃいましたが、民の分野 でどういう議論がされているのかというのはなかなかまとめにくいと思うのです。あるい は外国が今の日本の状況をどのように見ているのか。外国というか外からどのように見て いるのかという点についても、ごく代表的な意見だけでもけっこうですのでまとめていた だけるといいと思います。私などは自分の専門の分野はいいのですけれども、ちょっと離 れた分野なんかはありがたいと思います。これは勝手な感想です。
 第2点はコーポレート・ガバナンスについてですが、先ほどご説明の中で2つの議論が あると。1つは企業の効率性というようなものを高めるためにはどうしたらいいか。もう 1つは一言で言えば不祥事の再発防止というか、違法行為の再発を防止するというような ご説明、それはそのとおりだと思いますが、ヨーロッパ諸国での議論は、私が承知してい る限りでは、細かいことで恐縮ですがいずれも後者でして、これは資料の中にもご指摘が ありますけれども、イギリスにせよ、ドイツにせよ、フランスにせよ、ベルギーにせよ、 すべて大企業の不祥事が大きな引き金になって監査制度の改善とかが実際には議論されて いますので、むしろ日本が特殊ということはないと思います。
 ただ、私などは学界に身を置いているものですから、どちらかというと、学者は効率性 を高めるための企業のシステムはどうあるべきかということを議論するわけで、両者は本 当はつながらなければおかしいと思うのですけれども、そういうことだと思います。
 第3点は、個人部門について確かに記述が少ないように思いまして、どなたかが指摘さ れましたが、資料2の中では消費者取引の適正化ということが書いてあるのですが、私は ちょっと正しく理解していないかと思うのですが、いわゆる規制緩和みたいな話と消費者 保護というのでしょうか、この関係は国民生活審議会あたりではもう整理されていると考 えてよろしいのかどうか、ちょっとこの資料からはよくわからないと思いました。
 第4点目は、資料1の論点整理なのですが、これは何人かの方からご指摘がありました ように、例えば私が関心のあるコーポレート・ガバナンスの部分を読ませていただきます と、ちょっと表現が悪いのですが、どうも同じように論点を繰り返し議論しているような 感じでして、いま一つパッとしないというような感じが私もあります。したがって、ここ で議論するのであれば、何かパッとした議論をしたいなという感じがします。
 第5点目はNPOですが、これは資料の一番最後の最後に一言触れてありますが、私な どの問題関心から言えば、ガバナンスの問題はあると思います。ただ、先ほどのF委員の ような理論によれば、NPOの場合には問題は少ないということに相対的になるのではない かと思いますが、いずれにしてもそういう問題も議論させていただければと思います。 最後に第6点目、官の役割ということですけれども、いろいろなことがありますけれども 、私もI委員がおっしゃったようにコーディネーターというのはどうもおかしいと思うの ですけれども、先ほど、またこれも自分の法律の分野をとって恐縮ですけれども、I委員 が独占禁止法の活用とかエンフォースメントというのは官が一手に引き受けていて、民が 全然やってないというか、そういう問題をご指摘になったのですが、逆の分野もあると思 うのです。と申しますのは、民に代わってむしろ官がもう少し民を代表してやってもいい のではないかという分野、銀行規制なんかは預金者を代表して官が動いているというふう に基本的にとらえるべきだと私は思っていますけれども、例えば投資家が業者の(これは 業者に違法行為があってという前提をとりますが)被害を受けたような場合で、変額保険 とかワラントとか訴訟が 1,000件も起きているわけですが、あれは民が勝手にやれという ことになってまして官は何もやらない。ただ、実際に起きているものは、本当に業者に違 法行為があったかどうかというのはやや難しい問題が多少あるのですけれども、仮に投資 家が被害を被ったとして、みんな勝手にバラバラに 1,000件訴訟を起こしなさいというよ りも、そういう場合はむしろ官が代表するなり代わって訴える。アメリカにはそういうシ ステムがありますけれども、そういう面もあるように思いまして、そういったようなこと を独占禁止法なんかは逆の部分があると思うのですけれども、私などは大いに議論したい と勝手に感じております。

〔 M委員 〕 2点ほどなのですが、1点は、前回私が強調したのですが、ナショナル ・インタレスト、国民の利益の視点が云々の件なのですが、私はナショナル・インタレス トを「国益」ではなくて「国民の利益」というふうに言ったのですが、それについての言 及がないということでありまして、その点で私の考えをはっきりさせたいと思いまして述 べさせていただきたいのですが、ナショナル・インタレストと言うよりはグロース・ナシ ョナル・プロダクトとグロース・ドメスティック・プロダクトと2つあって、現在、我々 はグロース・ドメスティック・プロダクトの方をよく使うようになっているわけですけれ ども、要するに居住者です。日本に居住している人の利益というようなものがここで考え られるべきではないかというふうに私は考えております。そしてその利益も経済学者で私 がこう呼ぶのは変なのですが、金銭的利益と非金銭的利益と2つあるわけですから、これ だけを読んでいるとどうも全く経済企画庁が金銭的利益だけを考えているのではないかと いうような悪い印象を与えるのではないかという気がしますので、非金銭的な利益と先ほ ど言った文化とかそういったものを含めて、そういったものを掲げるものは高くあった方 がいいのではないかというふうに私は思っております。
 もう1点は、これも前回、非常に強調したのですが、今回全くやはり出ていないのです が、やはり取引の制度を含めた日本の、特に土地取引などにおいて存在している非常に大 きな制度的な問題、司法制度を含めた制度的な問題について言及していただきたいという 気が非常にいたします。

〔 部会長 〕 どうもありがとうございました。
 それでは、一通りご発言、ご意見を伺いましたので、第1の議題につきましてはここま でとさせていただきます。いろいろご議論がございましたので、経済活性化、豊かな国民 生活のためにという、経済審議会の基本方針に沿った形での議論をいろいろこれから中心 にしてまとめていきたいというふうに考えております。どうもありがとうございました。
 それでは、次に第2の議題として、今までの議論を踏まえまして、今後のこの部会の審 議をどう進めていくべきかということをご審議願いたいと思うのでございますけれども、 最初に、「今後の審議スケジュールについて(案)」事務局よりご説明をお願いいたしま す。

〔 事務局 〕 それではお手元の資料4に今後の審議スケジュールにつきまして紙を用 意させていただいております。
 まず、第1点でございますが、ワーキンググループの設置についてということでござい ますが、現在までのご審議を踏まえまして、以下の3つのテーマにつきましてはもう少し 個別専門的に議論して検討していただいた方がよろしいかとも思いますので、そのように させていただけたらと思っております。
 (1)は、民民規制ないしは業界団体の役割ということでございます。
 (2)は、NPOないしは新しい経済主体の役割という点でございます。
 (3)は、もう1つの部会の展望部会と合同で、雇用・労働のワーキンググループというこ とで、この3つの点につきましてはワーキンググループを設置いたしましてご議論を願い たいと思っております。
 なお、業界団体等を除く官民の役割、企業部門の課題、個人部門の課題につきましては この部会で全体としてご議論を願いたいと思っております。
 第2点でございますが、今後の部会審議スケジュールにつきまして、本日第2回目を開 催させていただきましたが、第3回から第4回、第5回と年内の日程は一応部会長と相談 の上決めさせていただいておりますので、またよろしくお願いしたいと思います。
 第3回、第4回におきましては、官民の役割、企業部門の課題等の議論を中心に進めさ せていただきまして、11月25日に予定しております第5回では今設置させていただくこと になります3つのワーキンググループの進捗状況ならびに経済計画等のフォローアップと いうことで年内の議論を進めさせていただきたいと思います。年開け以降、第6回以降の 審議スケジュールにつきましては、また11月頃にご相談させていただくことにしたいと思 っております。

〔 部会長 〕 どうもありがとうございました。
 ただいまご説明のありました今後の審議スケジュール(案)について、ご意見がござい ましたらお伺いしたいと思います。いかがでしょうか。
 それでは、特別にご意見ございませんでしたら、今後の審議スケジュールにつきまして は資料4のようにさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
             ( 「異議なし」の声あり )

〔 部会長 〕 ありがとうございます。それでは、そのように取り計らわさせていただ きます。
 なお、ワーキンググループのメンバーにつきましては、部会長である私にご一任いただ きたいと存じます。また、必要に応じて特別委員の追加を行うことにしたいと存じますが 、この辺につきましても私にご一任いただければありがたいと思いますが、いかがでござ いましょうか。
             ( 「異議なし」の声あり )

〔 部会長 〕 ありがとうございます。それでは、そのように取り計らわさせていただ きます。
 最後の、次回の日程について事務局の方から何かございますか。

〔 事務局 〕 先ほどご説明いたしましたとおりでございますが、確認のために、第3 回次回の会合は10月15日(水)14時から16時ということで執り行わさせていただきますの で、どうぞよろしくお願いいたします。

〔 部会長 〕 それでは、本日第2回の経済主体役割部会の審議は以上にいたしたいと 存じます。なお、本日の審議内容等につきましては、私の方からこの後、記者クラブにお いてブリーフィングをさせていただきたいと存じます。
 若干時間がございますけれども、何か特にまだこの点が足りなかったというご意見がご ざいましたらどうぞ。
 それでは、本日は時間を若干余しましたけれども、ご審議誠にありがとうございました 。この分はまた、おそらく次回以降議論が白熱して延びることがあろうかと思いますので 、今日は早めに終わりたいと思います。どうもありがとうございました。

--以上--