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経済審議会経済主体役割部会 (第5回)

議事録

平成9年11月25日(火) 14:00~16:00

経済企画庁特別会議室 (1230号室)


議事次第

  1. 開会
  2. 「構造改革のための経済社会計画」のフォローアップについて
  3. 経済構造改革ワーキング・グループ報告について
  4. 民民規制(業界団体の役割)、NPO、雇用・労働の各ワーキング・グループの審議経過報告について
  5. その他
  6. 閉会
 

(配付資料)

  1. 資料1.経済審議会経済主体役割部会委員名簿
  2. 資料2.「構造改革のための経済社会計画ー活力ある経済・安心できるくらしー」の進捗状況と今後の課題(案)
  3. 資料3.「構造改革のための経済社会計画ー活力ある経済・安心できるくらしー」の進捗状況(案)
  4. 資料4.「高コスト構造是正・活性化のための行動計画」の進捗状況(案)
  5. 資料5-1 経済構造改革ワーキング・グループ報告書
  6. 資料5-2 経済構造改革ワーキング・グループ報告書<概要>
  7. 資料5-3 経済審議会建議「6分野の経済構造改革」の推進状況(参考)
  8. 資料6 民民規制(業界団体の役割)、NPO、雇用・労働の各ワーキング・グループの審議経過報告について

(参考資料)

参考資料1 「構造改革のための経済社会計画」のポイント

参考資料2 経済審議会建議「6分野の経済構造改革」

経済審議会経済主体役割部会委員名簿

 部会長   水 口  弘 一    (株)野村総合研究所顧問
 部会長代理 金井   務    (株)日立製作所取締役社長
       潮田  道夫    毎日新聞経済部副部長
       浦田  秀次郎    早稲田大学社会科学部教授
       奥野  正寛    東京大学大学院経済学研究科教授
       川勝  平太    早稲田大学政治経済学部教授
       河村  幹夫    多摩大学経営情報学部教授
       神田  秀樹    東京大学大学院法学研究科教授
       公文  俊平    国際大学グローバルコミュニケーションセンター所長
       ポール・シェアード   ベアリング投信株式会社ストラテジスト
       末松  謙 一    (株)さくら銀行相談役
       竹内  佐和子    長銀総合研究所主席研究員
       鶴田  卓彦    (株)日本経済新聞社代表取締役社長
       得本  輝人    日本労働組合総連合会副会長
       豊島   格    日本貿易振興会理事長
       那須   翔    東京電力(株)取締役会長
       西村  清彦    東京大学大学院経済学研究科教授
       樋口  美雄    慶応義塾大学商学部教授
       グレン・S・フクシマ  在日米国商工会議所(ACCJ) 副会頭
       星野  進保   総合研究開発機構理事長
       星野  昌子   日本国際ボランティアセンター特別顧問
       森地   茂    東京大学大学院工学系研究科教授
       諸井   虔    秩父小野田(株)取締役相談役
       山内  弘隆    一橋大学商学部助教授
       山口  光秀    東京証券取引所理事長
       吉野  直行    慶応義塾大学経済学部教授
       米倉  誠一郎    一橋大学イノベーション研究センター教授
       和田  正江    主婦連合会副会長


〔 部会長 〕 ただいまから、第5回の経済主体役割部会を開催させていただきます。
 本日は委員の皆様方には、ご多用中のところをお集まりいただきまして、誠にありがと うございます。
 本日は議題が3つございます。
 第1は、「構造改革のための経済社会計画のフォローアップ」について。
 第2は、「経済構造改革ワーキング・グループ報告」について。
 第3は、「民民規制、NPO、雇用・労働の各ワーキング・グループの審議経過報告」 についてでございます。
 まず第1の議題であります「構造改革のための経済社会計画のフォローアップ」に入ら せていただきます。
 それではまず、事務局から説明をお願いいたします。

〔 事務局 〕 お手元に資料2、資料3、資料4がございます。そちらをお手に取って いただければと思います。経済計画のフォローアップにつきましては、資料2が本体でご ざいまして、資料3は、私どもは“電話帳”と呼んでおりますが、計画の重点課題の対応 として書かれているものの項目別に施策を整理したものでございます。資料4は、「高コ スト構造是正・活性化のための行動計画」の10項目について、それぞれの進捗状況を計数 並びに施策を中心にまとめたものでございます。本日は、資料2を中心にご説明申し上げ たいと思います。
 まず1枚めくっていただきますと、目次がございます。構成は、第1章では「内外経済 情勢の展開」を説明しまして、第2章として、「構造改革への取り組み状況」。「『6つ の改革』の推進」が第1節にございますが、内閣で進めております6つの改革と経済計画 の関係について整理をしたもの。それから、6つの改革の中でも経済構造改革を中心に向 けての取り組み、進捗状況というものを整理してございます。第3章では、「今後の経済 運営に当たって」ということで、今後の政策課題などを提言しているものでございます。
 1枚めくっていただきまして、1ページでございます。平成7年12月に閣議決定されま した現行経済計画について、「毎年、経済審議会は、経済運営との連携を図りつつ、その 後の政策運営の方向につき政府に報告する」こととなっておりまして、昨年度に引き続き 2回目となりますが、フォローアップと今後の課題について取りまとめて報告をする、と いうイントロが書かれております。
 また1枚めくっていただきまして、2ページでございます。第1章では、「内外経済情 勢の展開」ということで、「現行経済計画策定後の国際経済情勢」について、2行目からア メリカ経済、4行目から欧州経済とございまして、特に最近、動きの目まぐるしい東アジ ア経済について調整局面を迎えているというのが、7行目から書かれております。ご承知 のように、1997年央以降、いくつかの国で金融面での不安や通貨の急激な減価などの厳し い調整を迫られておりまして、こういった東アジア経済の動向は、我が国あるいは日系企 業に影響を及ぼすということを1つ書いてございます。 第1節の後段部分では、我が国経済のグローバリゼーションの動きが、潮流として引き 続き大きいということを書いておりまして、そのあたりに係わる分析をしております。下 の方の「また」以下のところですが、貿易の中で、同一産業の製品が双方向に取引される 割合が高まっていて、製品内での差別化とか、非価格要因の重要性が増している。こうい ったこともグローバリゼーションの潮流の現れではないかということで、一番下の方です が、こういった潮流を踏まえて、経済構造改革に積極的に取り組んでいく必要がある。そ して、我が国経済の活性化を図っていく必要がある、と書いてございます。
 3ページは、「我が国経済の現況」ということで、日本経済の現況について整理したも のでございます。2行目の右の方から見ていただければと思いますが、平成8年度には 2. 9 %という成長でありましたが、平成9年度には4ー6月期に前年同期で見ますと 0.1% と低下がみられておりますが、これは消費税の引上げに伴う駆け込み需要の反動が7月以 降も影響が残っていて、景気がこのところ足踏み状態にある。そして、平成9年度の実質 成長率は 1.9%という政府見通しを達成するのは困難な状況にある、と書いてございます。 こうした背景として、【1】で、駆け込み需要とその反動、【2】で、財政面からの国民負担増 などが個人消費に抑制的に働いている、ということを紹介しております。 「さらに」と続けまして、景気回復に従来のような力強さが感じられない基本的な原因 として、我が国経済の構造的な問題をとらえております。それから、そのパラグラフの下 の方で「また」のところですが、バブルの後遺症である深刻な不良債権問題を抱えた金融 機関のなかには、厳しい経営を迫られているところもある。こうした金融面でのリスクが、 我が国経済の回復の足かせとなっており、安定的な金融システムを維持していくことが、 緊急の課題である、と書かせていただいております。 3ページの下では、雇用、物価、対外収支、財政の状況について、それぞれ現状分析を 簡単にしてございます。
 先を急ぎまして恐縮ですが、4ページの第2章では、「構造改革への取り組み状況」と して、先ほど申し上げたように、「6つの改革」と経済計画についてのいわば頭の整理を しております。「6つの改革」が内閣の最重要課題として一体的に推進されております。 「6つの改革」は、そのパラグラフの下の方にありますが、新しい経済社会システムを創 造することにより、活力ある21世紀を目指すものであり、その基本理念においては、現行 計画と軌を一にしております。また、現行計画の中では、「6つの改革」それぞれの基本 的方向についても、一定の言及がなされております。こういう改革の一体的な推進を通じ て、より計画の目指す構造改革が推進されると言ってよろしいかと思います。
 5ページは、その中で「経済構造改革に向けての取り組み」について、この1年につい てフォローしているものですが、ご承知のように、昨年12月に「6分野の経済構造改革」 を総理大臣に建議をいたしました。その後、具体的な進捗はいろいろみられまして、その 下を見ていただきますと、本年5月の「経済構造の変革と創造のための行動計画」の閣議 決定、あるいは時期が逆になりますが、3月に2度目の改定が行われました「規制緩和推 進計画」などがございます。 それから、特筆すべきは、本年11月18日には、最近の経済情勢を踏まえまして、経済体 質改善のための、ここに書かれておりますような規制緩和を中心とした経済構造改革、土 地の取引活性化・有効利用などを柱とする「21世紀を切りひらく緊急経済対策」が取りま とめられた件でございます。 第3節では、このような諸施策を規制緩和を中心として10の分野に整理しまして、進捗 状況と今後の課題について取りまとめてございます。 高コスト構造是正・活性化の状況としては、別紙が付いておりまして、21ページ以降で すが、「高コスト構造是正・活性化の進展状況」として、それぞれの分野について、主に 数量的な点からフォローアップを簡単に整理してございますが、それぞれの分野について は、6ページ以降に、運輸から始まりまして、各分野についての1年間のフォローアップ、 それから若干の今後の検討すべき事柄、提言的なものを整理しております。7ページが(2) 流通、8ページが(3)電気通信、9ページが(4)金融サービス、(5)農業生産、10ページが(6)基 準・認証、輸入手続き等、(7)公共工事、11ページが(8)土地・住宅ですが、土地・住宅につ いては、その真ん中あたりにあります、本年11月の「緊急経済対策」において、ここに書 かれていますような幅広い施策が講じられたことを紹介しております。それ以外について も、経済対策の重要なポイントをフォローアップとして、この中にも整理をさせていただ いております。それから、(9)雇用・労働、そして12ページ、最後に(10)医療・福祉、という 構成になっております。 そこで、第4節としまして、「財政構造改革への取り組みと社会資本整備」というチャ プターが13ページにございます。13ページでは、(財政構造改革への取組み) ということ で、この1年間目まぐるしい動きがあったことが書かれておりまして、特に中段に、本年 1月から始まりました財政構造改革会議、総理大臣を議長とする財政構造改革会議で6月 に、財政構造改革の推進について閣議決定し、現在、政府は「財政構造改革の推進に関す る特別措置法」(財改法と呼んでおりますが、)を取りまとめ、委員会審議は先週の金曜 日に終わっておりますが、参議院で審議中であるということで、こういう文章に今のとこ ろはしております。
 それから13ページのところでは、社会資本整備のあり方として、公共投資基本計画を改 定いたしましたが、そのことについて言及してございます。 なお、14ページの下から3分の1あたりに、(社会資本の整備目標)ということで、社 会資本の整備目標として26項目(32目標) を経済計画で掲げておりますが、別表を付けて おりまして、これは25ページ以下ですが、それぞれの整備目標と年度別の進捗状況をこの ように整理させていただいております。 第3章として、「今後の経済運営に当たって」でございますが、まず、「構造改革と今 後の我が国経済の姿」として、14ページの下の方で、「平成9年度には政府見通しの 1.9 %を達成するのは困難な状況にある。現時点において計画算定後の『6つの改革』の進展 や諸条件の変化を考慮し、改めて我が国経済の中期的な姿を展望すれば、平成15年度を目 標年度とする財政構造改革は、特に来年度以降2000年までの『集中改革期間』において、 公共投資削減等による需要抑制効果を持つことから、ある程度の成長率の引き下げ要因と なることは避けがたい。現行経済計画で想定した実質3%の成長経路を中期的に実現する ため、今後、経済構造改革等の必要な諸施策を着実に実施することが求められる。」とい うふうに整理をしております。
 そこで、「今後の政策課題」といたしまして、成長軌道回復へ向けての政策課題であり ます。第2節の上から4行目ですが、「第一に、中長期的に適切な経済成長を確保するた めには民間部門の経済活動の活性化が不可欠」であるということで、4点掲げております。
 【1】では、規制緩和を中心とした経済構造改革の断行。新しい技術開発やニュー・ビジネ スの創出を活性化する。
 【2】では、都市における地上過密・空中過疎の問題、都市と地方の間の過密過疎の問題、 こういった問題を土地の有効利用によって解決して、ゆとりある国民生活を実現しようと いうこと。
 【3】では、経済のグローバル化ですが、我が国が企業活動の拠点として選ばれるよう、企 業にとって魅力ある事業環境を整備すべきであるということ。
 【4】では、民間の貸し渋りということが指摘される中で、中小企業に対する必要な資金供 給が妨げられることがないようということで、11月18日の経済対策の考え方あるいは柱を コンパクトにまとめたものでございます。 それから、「第二に、現在、我が国財政が危機的状況にある」ということで、16ページ の一番上の行からご覧いただきますと、「財政の健全化を進め、中長期的に国民負担率の 増加を抑制し、公的部門の簡素合理化を通じて、経済の活性化を図っていくことが必要で ある。」、「財政構造改革は一刻の猶予も許されない課題である。」ということが書かれ ております。 それから、「第三に、財政依存型から民間主導型の経済成長を目指した上記のような政 策転換をより効率的に進めていくためには」として、2つの点を掲げております。
 16ページですが、(1)として、「『規制緩和は弱者切り捨ての経済状況を生み出すのでは ないか』といった不安感を払拭する必要がある。」ということで、「規制緩和を進めると 同時に、情報の開示と提供、市場監視機能の強化、真の弱者に対する救済措置等に配慮す ることにより、公正かつ自由な競争秩序を担保し、結果的に資源の財・サービスの安定供 給を通じて、国民の生活向上に結びつくことを制度的に保証する」ということが書かれて おります。この考え方は、後ほどご説明いたしますが、経済構造改革ワーキング・グルー プレポートの骨子でもございます。
 (2)として、「市場機能の効率性を一層高めるため、市場インフラの整備を進める必要で ある。例えば、企業や金融機関の破綻に当たって、市場からの退出が円滑に図られるよう、 効率的かつ透明性のある処理メカニズムの構築を図ることや、明確なルールに基づいた行 動がより重視される中で、法曹関係の人員の充実や裁判の迅速化等司法制度の整備を図る こと」が指摘されております。
 以上は政策課題でございます。
 そこで、よりロングに今後の中長期的な経済社会の展望を書いております。また、これ は当部会及び経済社会展望部会でご議論いただいていることでございますが、特に留意す べき課題として、5つ掲げております。1つは、グローバリゼーションの進展で、一国の 経済政策が他国から独立ではあり得ないということで、16ページの下の方にありますが、 「国全体としての一体性を保ちつつ、効率性と公平性の維持という目標の両立を図るため、 諸外国との制度・政策の調整・調和をどのように進めて行くか」ということ。 それから、17ページの方では、産業構造の面で製造業と非製造業の間の格差ということ をとらえておりますが、(2)の8行目あたりをご覧いただきますと、「生産要素の柔軟な移 動のための環境整備と同時に、次代を担うニュー・ビジネスの創出促進等を推進する」と いうことを書いてございます。 それから、(3)では、一言でいいますと、社会保障構造改革が進められている中で、世代 間の受益・負担という関係などを通じて、経済パーフォーマンスにも影響を与えますので、 そこで新しい経済社会を築くための制度設計を行い、国民の不安を解消すべきであるとい うことが書かれております。 (4)は、土地・住宅についてのコメントでございます。 (5)では、経済主体の役割ということで、ここではNPOの問題、民民規制の問題に言及 しておりまして、「業界団体の役割及びそのあり方等についての検討を行っていくことが 必要」というふうに書かれております。 第3節では、地球温暖化問題をはじめする地球環境問題についての話でございますが、 ご承知のように、ここに書かれておりますように、2000年までの目標のほかに、2000年以 降の温室効果ガスの排出量抑制という問題が現在大きなテーマになっておりまして、18ペ ージの中段にゴシック体で書いてありますが、これは現在いろいろと議論が動いていると ころでございます。よって、現時点ではこのような整理をさせていただいておりますが、 今後の状況に応じて記述を変更することがあるかと思います。 18ページの後段には、一番最後のパラグラフになりますが、「地球温暖化問題への国内 対策に関する関係審議会合同会議」(部会長が参加されております。)において取りまと められた国内対策を確実に実施ていく必要があるということ、これが19ページの方にまい りますと、「CO2 の排出削減に資するインフラ等の社会システムの整備、国民一人一人 の新しいライフスタイルへの移行など」が必要であるということをコンパクトにまとめて ございます。 最後に「むすび」といたしまして、繰り返しになりますが、構造改革の推進が必要であ るということ、国民に対する閉塞感とか不透明感を払拭しようということが書かれており まして、特に「このため」という後半のパラグラフをご覧いただければと思いますが、そ の3行目あたりから、  「『6つの改革』が進展した後の我が国経済社会の姿を展望し、政府、企業、 個人、NPO(民間非営利組織)といった各経済主体の役割と新しい経済システ ムのあり方を示すべく、経済社会展望部会と経済主体役割部会の2つの部会を設 けて、本年7月から調査・審議を進めており、来年6月を目途に取りまとめを行 う予定である。  現行経済計画の枠組みを踏まえ、さらに新しい我が国経済社会の将来展望を切 り開くことが、構造改革の一層の推進と相まって、将来の我が国経済社会に対す る信頼感を回復させ、活力を高めていくことに寄与するものと期待される。」 というふうに、審議会でのご議論に期待をするということを書かせていただいているとこ ろでございます。
 このフォローアップの取りまとめにつきましては、現在のところ、12月10日ごろを予定 しております総会へ提出できればと予定をしております。また、先週の20日木曜日に経済 社会展望部会でも案をお示ししたところでありますが、その際には、経済情勢などにつき まして、より厳しい認識をすべきではないかというようなご指摘をいただきまして、その 点は実は、先ほどご覧いただきました2ページで、東アジアの情勢、あるいはグローバリ ゼーションの動き。3ページで、さっき見ていただきました下の方の不良債権問題のあた りに少し書き込ませていただいたものを、本日ご覧いただいております。
 なお、本日のこのフォローアップの案につきましては、まだペンディングのところもご ざいまして、今後の動静等によって一部変更があり得るということをご了承いただければ と思います。
 以上、簡単でございますが、ご説明を終わります。

〔 部会長 〕 どうもありがとうございました。
 ご意見をいただく前に、5ページの第3節の2行目で「高コスト構造・活性化」となっ ていますのは「是正」という文字が抜けていますので、「高コスト構造是正・活性化」と 直していただきたいと思います。
 それでは、ただいまご説明のありましたテーマにつきましてご意見がありましたら、ど うぞお願いいたします。

〔 A委員 〕 1つお願いしたいことがあるのですが、この作業をめぐって、是正の措 置を、ぜひ結果を踏まえて検討していただきたいと思います。
 ということは、規制緩和とかあるいは制度の是正も、よく名目的といいますか、形式的 には制度が変わっても、実際の結果としては、あまり高コストの是正にはならないことも しばしばあるようです。
 1つ具体例を申し上げたいと思います。私が、今仕事をしている電気通信の分野で、多 分、皆さんご存じのように、今年の8月ごろだったと思いますけれども、郵政省が、「国 際公専公」という国際通信サービスを来年の1月1日から解禁するという発表をしました。 これは今年2月のジュネーブのWTOの協定でも、日本政府が来年から実施するというこ とを言われたわけですが、外国の政府も、外国の企業も、この「国際公専公」ということ によって、まさに高コスト是正の1つの手段として、従来の料金計算の枠外でこれができ ると期待したわけです。従来の料金計算の枠外の実施というのは、アメリカ・イギリス・ カナダ・オーストラリア・スウェーデンはじめ9カ国でそういうことが可能なわけですが、 日本政府の「国際公専公」の実施に関する方針として、「従来の料金計算の枠内の形で実 施する用意がある」、そういう発表を日本政府がしたわけです。ですから、形式的にはこ れは「国際公専公」というのが実施されるわけですが、実質的には新規参入者--それは 外国だけではなく、日本国内の新規参入者も--、コストが低いサービスを提供しにくく なる。そういうやり方で実施を予定しているようです。
 それはまだ、最終的な日本政府の発表が出ていませんので・・・、たしかこれは政府間の 協議の対象にもなっていますし、アメリカあるいはほかの外国企業も日本政府に、特に郵 政省に、「これはぜひ従来の料金計算の枠外で実施していただきたい」というふうに希望 を示しているわけです。
 これは1つの例ですが、形式的あるいは名目的には制度を修正、あるいは規制を緩和す るということで、実質的には決して高コスト構造を是正する結果にはならないわけです。 ですから、今まで料金計算枠内で仕事をしている会社を保護して、それで新規参入者が入 りにくい、そういう方向に今進んでいるわけです。
 これは単なる1つの例ですが、特に電気通信だけではなくて、「6つ」の分野において、 高コスト構造を是正することが本当の目的であるとすれば、形式あるいは名目的なことで はなくて、結果を重視してぜひ作業を進めていただきたいと思います。

〔 部会長 〕 どうもありがとうございました。
 状況はよくフォローするようにいたします。

〔 B委員 〕 私は、16ページの第1点目、第2点目で自分の考え方を申し上げたいと 思います。
 規制緩和についていろいろと言われておりますけれども、端的に言えば、これは新しい、 またより徹底した競争をして、それを通じてまた新しい、より体質の強い構造を生み出す ということでありますから、そのプロセスにおいて弱者切り捨てということはあって当然 であるし、またそういうことは起こらざるを得ないと思われるわけです。ですから、ここ で「規制緩和は弱者切り捨ての無秩序な経済状況」というのは、もちろん全く根拠のない 無秩序な競争ということではなくて、私はこれはもっときちんと「規制緩和というのはそ ういうことである」と、ですから、不安感は当然であるし、また緊張感がなければならな い。それが企業の1つの節度を求めると思うのです。
 そういった意味では、2番に出ておりますけれども、退出のルールということ。市場か ら去らなければならないときに、そのルールはきちんと設けておく必要がある。決して、 それは甘いルールである必要も、当然に私はないと思うのです。そういった意味では、今 後もっとディシプリンが求められる経済構造に移行する際には、このあたりはあまり配慮 する必要がないという言い方はいけませんけれども、きちんとしたルールにのっとって規 制緩和が進むのであれば、退出のルールを作っておけば、退出しなければならない人は、 するのだというだけの不安感、緊張感は当然あっていい。倒れれば、どこかがまたお金を 出してくれる、そういったことはもうあってはならないことではないかと、私は焦燥感を もって思っているわけです。
 それだけ申し上げたいと思います。

〔 C委員 〕 この趣旨を十分に私は理解しているかどうか疑問ですけれども、私のコ メントをさせていただきたいと思います。
 1つは、本日の資料を見ますと、フォローアップという形ですけれども、かなり限定的 な枠組みの中でのフォローアップという感じを受けます。
 フォローアップのもう一つの、例えば可能な目的としては、果して今までのやり方、あ るいは内容でいいかどうかという、再検討みたいなものも可能かと思います。
 例えば、今年「6大改革」の推進を私が観察して感じたことの1つは、税制に絡む政策 課題があちこちで出てくる。いまさら「6大改革」を「7大改革」に、つまり税制制度・ 税制再構築という1つの改革を付け加えるというわけにはいかないでしょうけれども、 「6大改革」を有機的な観点からみるために、もう少し税制の改革をどういうふうに有機 的にするのかという観点が、重要な観点としてあると思います。それが1点です。
 それに関連しますけれども、もう一つは、「6大改革」がそれぞれ別途、恐らく点検な さってきたと思うのですけれども、有機的に、整合性のとれた方で運営されているかどう かという再点検も必要かと思います。特にこの文脈で気になるのは、緊縮財政の路線と、 ビッグバン、特に不良債権問題、あるいは安全ネットをどういうふうにするのかという、 2つの問題。このあたりの整合性が十分とれているかどうかというのが、1つの疑問です。
 特にビッグバンということで考えますと、金融界に身を置いている者として非常に興味 を持っているわけですが、ビッグバンは、私の理解では、2つの柱からなっていて、1つ はいろいろな金融自由化という流れです。これが専ら注目を集めているところですけれど も、もう一つは、不良債権問題をどういうふうにするのかということです。近日の展開も ありまして、むしろ後者の方にますます重点が置かれるようになってきたのではないかと いう気がしているわけです。
 ですから、現行よりもう少し踏み込んだ形での、金融問題、不良債権問題に関する記述 がこの最終的なものであったのですけれども、経済審議会としては、これからこういう問 題をどのように、ビッグバンの一角、あるいは「6大改革」の一角として取り組むべきか という積極的な意見を、一言でいうと、公的資金導入についてどう思うのかという、生々 しい課題ですけれども、もう少し遠慮なくこの問題に取り組んでもよさそうな感じがする わけでございます。

〔 D委員 〕 ただいまの議論に若干関係するのではないかと思いますが、意見でござ いますので、ご回答はいりません。14ページ~15ページに、これから財政構造改革をやる ので、ある程度「公共投資削減等による需要抑制効果を持つことから、ある程度の成長率 の引き下げ要因となることは避けがたい」と慎重に書いてあるのですけれども、これから 財政構造改革をやりますよ、要するに3%目標をやるということは、逆に言うと消費者に とっても、あるいは海外の投資家にとっても、エクスペクテーションとしてはプラスに働 くのだろうと思うのです、きちんとやっていけば。確かに、短期的あるいはケインジアン 的に考えると、公共投資の削減が算術としては需要はマイナスになるのですけれども、財 政構造改革をやるということは、むしろプラスの要因を持つのではないか。つまり、エク スペクテーションに対してプラスの要因を持つのであって、表現はここでは「需要抑制効 果を持つことから、ある程度の成長率の引き下げ要因になる」とすぱっと書いてしまって いますけれども、本当かなぁという気もするのです。
 つまり、これも議論の多いところだと思うのですけれども、今、非常に消費支出が停滞 しているというのも、普通説明するのは、計量経済学的に言えば、減税がなくなったとか、 あるいは消費税が増えたということで直接説明するわけですけれども、実際は多分、今の 消費者というのは、社会保障制度の不安定性だとか、あるいは経済全体の不安定性だとか、 そういう長期のエクスペクテーションが非常に弱いから、むしろ消費が出ないのであって、 日本の今の一番の問題は、短期的な因果関係よりは、かなり長期的な構造的な因果関係に ついて不安感があるので、みんなが心配しているし、国際的な長期資本の動きもそういう ことを伺いながら毎日動いている、というところの方が大きいのではないだろうか。とい うことになると、ここの説明はあまり適正でないのではないかという印象を持ったわけで あります。
 私は、計量的にチェックしたわけでも何でもありませんので、こうしろという主張はで きませんけれども、どうもこの旧来的な考え方、いまだに頭があまり変わっていないので はないかという印象を非常に持つわけであります。
 感想だけでございます。

〔 E委員 〕 今のに関連しての議論ですが、おっしゃいましたように、現在よく乗数 効果が落ちていると言われるのですけれども、私がやっているところによりますと、民間 の設備投資の所得弾力性、あるいは利子弾力性が非常に低下しているのが、どうも現在の 乗数効果の原因のようであります。そうしますと、今のD委員のご説明のように、公共投 資を削減するということ自身が本当に悪いことではなくて、今やるべきことは、恐らく、 民間の設備投資を活性化させるような政府の施策とは何かということを考えなければいけ ないのではないかと思います。
 そうしますと、住宅融資が本当にいいのかどうか。それよりは、むしろ、財政との関係 があるのですが、先端産業に対するある程度の減税をし、それで民間設備投資を増やすと か、そういうやり方で乗数を引き上げるということが重要ではないかと思います。
 ですから、もしここで少し入れていただけるとしたら、民間設備投資の停滞、それの利 子弾力性、所得弾力性が過去と比べると相当下がっていることが1つの乗数効果の原因で はないか。そういうようなこともちょっと含めていただければと思います。

〔 部会長 〕 どうもありがとうございました。民間活力というのはそういう意味を含 めて言っていると思いますが、なお検討させていただきたいと思います。

〔 F委員 〕 今までのご発言に関連のあるところもございます。1つは、今の消費者 の消費が停滞しているというのは、正直なところ、消費税なり、医療費の値上げなりがあ りますけれども、既にお話がありましたように、将来に対する何とはなしの不安感、それ から今の政治に対する不信感、そこから一番来ているのではないかと思います。
 将来に対する不安というのは、しばらく前までは、高年齢層の不安だったのですけれど も、今は若い人たちでも、自分たちが高齢者になったときの社会保障がどうなるのだろう かということで、若い人たちの不安感というのが数年前と比べますと非常に強くなってい るような気がいたします。
 その辺のところを文章でどういうふうに書き込むのかというところまではわかりません けれども、そこのところをもう少し頭に入れるべきではないかという気がいたします。
 例えば、新ゴールドプランの達成率とか、その辺のところについて、プランは出ている けれども、一体その達成率は・・・というようなことの不安感も含めて、私たちの問題にな り、それから若い人たちの話題になっているということを申し上げておきたいと思います。
 それから、16ページに「『規制緩和は弱者切り捨ての無秩序な経済状況を生み出すので はないか』といった」というところがありますけれども、規制緩和によりまして、これは 企業だけではなくて、一人ひとりの個人が本当に規制緩和によって、本人が気づかないな かでいろいろ振り回されている。それから、気がついてみたら、それが規制緩和によって いろいろ出てきている問題だということがあるわけです。規制緩和によっていろいろ消費 者にとりましては、価格の問題にしろ、選択の幅が広がるにしろ、新しい経済構造をつく っていくための必要な方向ではあるとは思うのですけれども、その場合に、もうお話も出 ていますように、公正な、自由な競争の新しいルールができていくので、それによって国 民生活は向上に結びついていくのだという、そこが十分に理解あるいは納得しきれないと ころに不安感というのも結びついてきているような気もいたします。 それから、個人的に見ますと、ここにありますような、「真の弱者に対する救済措置」、 これは先ほどお話が出ましたような、何かあったときにはどこからか公的資金が出てくる のだというようなことではなく、一人ひとりで考えたときの弱者に対する措置、それは大 丈夫なのです、ということが必要ではないかというようなことを感じております。 以上でございます。

〔 部会長 〕 どうもありがとうございました。 貴重なご意見をたくさんいただきました。まだいろいろご意見があるかと思いますけれ ども、時間の関係もございますので、第1の議題につきましては、ここまでとさせていた だきまして、「構造改革のための経済社会計画のフォローアップ」の取り扱いにつきまし ては、私、部会長にご一任いただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
              (「異議なし」の声あり)

〔 部会長 〕 ありがとうございます。
 次に、第2の議題であります「経済構造改革ワーキング・グループ報告」に移らせてい ただきます。まず、事務局から説明をお願いします。

〔 事務局 〕 お手元に資料5-1、資料5-2、資料5-3がございます。経済構造改革ワ ーキング・グループの報告書といたしましては、資料5-1が本体で、資料5-3が各提言に ついてのフォローアップをまとめたものでございます。資料5-2は、報告書を少し簡略に したもので<概要>と書いてございますが、こちらの方をご覧いただければと思います。 先ほど経済計画のフォローアップについてご意見をいただいたところについて、このワ ーキング・グループ報告と多少クロスしているところがございますので、それもご覧いた だきながらと思います。
 まず、ワーキング・グループでございますが、10月15日の第3回経済主体役割部会でこ の設置を決めていただきまして、10月22日に第1回のワーキング・グループ会合をいたし ました。そこでは、6分野のフォローアップ及びその拡大・深化、それから、具体的な規 制の緩和策についてご議論いただき、11月18日に経済対策が出たわけですが、その対策の 具体的なものについては、調整局につなぐといった作業もしております。11月に入りまし て、先週の21日金曜日に第2回のワーキング・グループ会合をやり、この報告書を取りま とめたという経緯でございます。
 第1章「総論」とございますが、「経済構造改革の推進と「『6分野の経済構造改革』 の建議」とございます。(1)では、「構造改革への問題意識」として、今般の経済対策にお いて経済構造改革に向かっての問題意識を説いていることをコンパクトにまとめたもので ございます。その真ん中あたりにありますが、消費者や企業が我が国経済の将来に対する 信頼感(コンフィデンス)を低下させている背景」として、産業の空洞化、少子化・高齢 化、財政収支の悪化、潜在的な成長力の低下、あるいはバブル後の不良債権処理や金融シ ステムの安定化の必要性といった構造的な問題がある。
 こういった経済が抱える構造的な問題に取り組んで、民間部門の経済活動の活性化を図 ることが不可欠であり、「それは中長期的に経済成長の確保につながる」というのが2つ 目の○でございます。
 「このため、21世紀を見据えて」とございますが、「規制緩和をはじめとする経済構造 改革を進め、同時に預金者保護に万全を期すなど我が国金融システム全体に対する内外か らの信頼回復に努め」るということで、「民間需要中心の自律的な安定成長軌道に乗せて いく必要がある」ということでございます。
 一番下の○では、「本年11月に」ということで、先ほどもご覧いただきましたが、4つ の柱によります「21世紀を切りひらく緊急経済対策」を策定しているというご紹介です。
 「構造改革への問題意識」ということでありますが、昨年の12月3日に「6分野の経済 構造改革」を建議いたしておりますが、その時点で、あるいはワーキング・グループのレ ポートとしては、10月の初旬ごろにまとまったものですが、そのころには、実現までにな お紆余曲折が予想されていた多くの行政方針の転換が、この1年間に決定されております。
 情報通信では、「第二次情報通信改革」と呼んでおります。
 金融分野では、「日本版金融ビッグバン」という言葉が人口に膾炙するようになりまし た。
 運輸分野では、「運輸バン」とか「運輸ビッグバン」とも呼んでおられるようですが、 需給調整規制の原則廃止の方針が打ち出されております。
 雇用・労働分野では、ここにありますようなネガティブリスト化へ、原則と例外が逆転 するという転換が行われております。
 その下の○は、「経済主体役割部会」でワーキング・グループをつくり、その建議のフ ォローアップとその拡大・深化をしたという紹介をしております。
 1枚めくっていただきまして、一番上の○は、6月に経済企画庁で出しました8分野に 係わります規制緩和の推進により、GDPの成長率が 0.9%程度押し上げられるというこ とを、ここで引用しているものでございます。
 第2節として、「実効ある改革推進に向けての指針」ということで、「透明で公正な市 場システムの確立」という言葉を出しております。ここでのキーワードは、市場システム の確立ということにございます。先ほどA委員から、実効性、それから結果が伴わないと いうご指摘がございましたが、実効ある改革推進に向けてどのようなことを考えるべきか というので、4つ視点を掲げてございます。(1)情報の開示、(2)市場監視機能、(3)安全・安 心の担保、(4)各経済主体の改革への主体的な取り組みの促進、という整理になっておりま す。
 「情報の開示の促進」につきましては、そこに掲げておりますように、経済主体が正し い選択をするために十分な情報を入手することが可能であるべき。あるいは、消費者・投 資家が十分な情報を入手することが可能であるべき、ということで金融分野などでディス クロージャーの充実がさらに強く求められているということであろうと思います。
 「市場監視機能の強化」のところをご覧いただきますと、そこに市場システムの確立と いうことをまた置き換えて言っているのですが、「透明で公正な市場システムの確立は、 政府による事実上の統制ともいうべき市場の需給管理から、市場における競争が活発に行 われ、競争が公正かつ自由に行われることを担保することへと政策の重点を移すことを目 的としている。」ということであります。
 そこで、市場参加者のために「必要なルールが明示され、参加者はこれを遵守する必要」 があるのではないかということで、各分野別に少し頭だしをしておりますが、例えば金融 分野でご覧いただきますと、「証券取引等監視委員会(SEC)など検査・監視・処分体 制の充実」のほかに、特に「会計士監査の充実」ということが強く要請されると思われま すし、その一番下では、「法曹関係者の数の充実や裁判の迅速化等、司法制度の整備」と いうのがこちらにも掲げてございます。
 「安全・安心の担保」ということです。1つは、経済システムの破綻あるいは機能不全 ということが、「国民経済に重大な影響をもたらすことがないよう、それを未然に防止す るあるいはその影響を最小限に食い止める制度が必要」であること。それから、先ほどご 指摘もありました「弱者切り捨て論」、そういったことについて「いわゆる『弱者保護政 策』の名のもとに効率の悪い生産者保護政策は廃止すべきである。同時に真に弱い立場に ある者に対する政策は充実する必要」である。ここが退出ルールの問題、弱者対策の問題 ということであろうかと思います。
 3ページの上のところに、「雇用・労働」ということで、特に「労働条件をめぐる個別 紛争処理システムの整備や就業形態の多様化に対応した労働者保護のための措置の見直し」 ということが書いてございます。
 「各経済主体の改革への主体的な取り組みの促進」ということで、先ほど、F委員から もご指摘がありましたように、なかなか改革がわかりずらいというご指摘は広くございま して、一番上の「・」に書いてございますが、政府は改革の趣旨・目的あるいは具体的な 改革のプロセスをわかりやすく説明をすべき、説明責任があるのではないか。そして、そ の決められたスケジュールを遵守すべきである、ということを書いております。
 それから、国民の側におきましては、規制に対していろいろ意見もあるわけですが、意 見を発信すべきである。そして、意見を発信しますと、今度は受信手段がいりますが、そ れについては、例えば国内版のOTOの設置を検討すべきでないか、ということを書いて おります。
 それから、企業は、個人とともに、自己責任原則が徹底されるべきものですが、その中 で社会的影響力を自覚し、社会全体の中で企業統治がなされる必要があるということで、 これは当部会でご検討いただいておりますコーポレート・ガバナンスに係わる問題であろ うと思います。
 それから、これも当部会で検討いただいております民民規制ですが、「例えば、競争制 限的な民間活動のうち、違法性のあるものと指摘されているものであるならばその是正を、 違法でない場合であっても競争制限的で高コストをもたらすものであれば、民間部門が自 ら是正」をすべきであると提言しておられます。
 最後に、これも実効性確保に係わる話でございますが、国・地方を通ずる規制緩和を推 進すべきであるということで、「地方公共団体においても、(国と地方と共同して)規制 の見直しを進められ、全体として改革の実効を高める」べきではないかということであり ます。この観点は、今回の経済対策にも、特に土地・住宅などについて強調されていると ころでございます。
 第2章「各論」にまいりまして、それぞれの分野でフォローアップと拡大・深化につい て書かれております。見方は、高度情報通信分野ですと、まず「進捗状況とその評価」と ございまして、一番上に各分野における評価が書かれております。情報通信につきまして は、電気通信事業法以下の法律改正が行われておりまして、「具体的提言に沿った方向で の進展が見られるものと評価」がこの評価でございます。その次に、経済対策についての 考え方が整理されております。
 簡単に項目別のフォローアップが書かれておりまして、建議で出されました項目と今回 の規制緩和の関係を整理するために、それぞれの項目に、今回の経済対策の規制緩和をそ れぞれ整理をして加えているものでございます。
 まず、電気通信事業法の改正における需給調整、過剰設備防止条項の撤廃、それに係わ るような今回の経済対策の特別第二種の範囲を制限するといった施策、そういった整理に しております。
 あとはそれぞれ個別の項目でございますので、ご覧いただければと思うのですが、5ペ ージにまいりまして、上から2つ目の○で、これ以外の経済対策において、建議を越えて いるものといいますか、以上のものについて、簡単に項目だけ今回の措置を整理したもの がございます。
 2.が「建議の拡大・深化を目指した今後への提言」ということでございます。そこに 4つ書いてございますが、まず、第一種、第二種という事業区分を撤廃すべきではないか。 NTTとそれ以外を同様の規制におくのは意味がないという考え方から、「第一種、第二 種という事業区分を撤廃すべき」。
 2番目は、NTTの再編成で、独占性の弊害を解消するために、市場の画定を絶えず行 って、競争条件を整備をして、弊害がなくなったところから、順次規制を撤廃・緩和すべ きであること。
 3番目は、公正な第三者機関による相互接続の監視が必要であること。
 4番目、これは新しいテーマでありますが、「通信、放送の融合」ということで、それ ぞれの相互参入が進んでいって、そこにビッグビジネスができるわけですが、そういった ことから将来的には、関係法のあり方について抜本的な見直しをすべきであるということ が書かれております。
 第2節は物流でございます。運輸分野については物流が中心になっておりまして、今回 は、人流も含めたところで、(運輸)と書かれております。上の4行が全体的な評価で、 先ほども申し上げましたように、原則として、需給調整を廃止する方針を打ち出されてい るわけですけれども、まだ速やかな実現が確約されていない分野もあるということで、「 懸念」という言葉も4行目に書かれております。
 それ以降は、港湾における規制の撤廃、貨物鉄道、トラックというふうに、それぞれの 分野別・提言別に書かれておりますので、ご覧いただければと思います。
 2.の「建議の拡大・深化を目指した今後への提言」というところですが、7つ挙げて おります。内航海運の規制の撤廃について、これは4年を目途とされていたと思いますが、 具体的タイムスケジュールを作るべきである。港湾運送事業については、規制の撤廃・緩 和等、需給調整規制を廃止するための所要の見直しを行うべきである。トラックについて は、営業区域と最低車両台数に係る規制を撤廃すべきである。車検制度の現行の1年から 2年への延長。それから、その下の3つは新しいテーマでありますが、1つは、国内航空 分野における参入・価格規制の撤廃について提言がございます。それから、バス事業に係 る需給調整規制の撤廃。それから最後は、いわゆる物流とその社会資本整備というのは、 ある意味でセットでありますが、効率的な社会資本の整備を進めるためとして、このパラ グラフで見ますと、7ページの「また」以下のところをご覧いただければと思いますが、 「民営化、地方分権化等を進めることによって、開発利益の還元を容易にし、経営効率を 高め、社会資本整備に係る利用者等の負担を軽減しいてくことが必要であり、経済主体役 割部会の今後の議論に期待をする。」となっております。
 9ページは、第3節の「金融分野」ですが、こちらについては上の5~6行目のところ で、「『6つの改革』のひとつとして、この1年で相当の進捗」という評価になっており ます。具体的には、個別施策の進捗状況はそこに項目出しがしてあるとおりですが、今般 の経済対策においても、そこにありますような、大きく3つの点が掲げられております。
 そこで、拡大・深化ですが、1つは、金融関係税制についてでございます。ここでは、 有価証券取引税、取引所税については、早急に結論を得ることが望ましい。先ほどC委員 から税制のお話がございましたが、こういう記載をしております。それから、金融サービ ス法の話。現在一番大きな問題でもありますが、不良債権問題が今後の改革の足かせにな りかねない。それで、金融システムの安定に引き続き万全を期す必要がある、という3つ の事柄を書いてございます。
 10ページにまいりまして、第4節の「土地・住宅分野」ですが、こちらは上の2行目に 「かなりの進展がみられる」とございますが、有体に申し上げまして、今般の経済対策に おいて諸提言がかなり取り込まれておりまして、建議の方は、どちらかというと住宅地を 主眼にして論じているのですが、今回の経済対策では、都市構造再編というのでしょうか、 都市の再構築というのでしょうか、より広い概念から整理をされて、かなり進捗したと言 っていいと思います。
 それで10ページに4つございますが、11ページの「その他」のところは建議の柱立てを 超えているものということですが、「その他」として、農地転用の円滑化、郊外型住宅等 の取得促進、不動産の証券化というところも書かれておりまして、今後の拡大・深化とし ましては、11ページの下にあります「日影規制の一層の緩和等」。こちらでは、日影規制 を街区内での敷地間での売買等によって移転を認めまして、11ページの下から3行目です が、「これを登記等により公示する制度等を検討」してはどうかという提言。それから12 ページの「土地・住宅税制」として、これも建議のときからの提言なのですけれども、「 土地のキャピタル・ゲインを税によって吸収」して、いわゆる「凍結効果」を防止するた めの工夫をすべきではないかということ。それから、土地・住宅の流通促進の観点から、 土地・建物取引への各種課税を撤廃すべきだという提言がなされております。 13ページにまいりまして、第5節の「雇用・労働」であります。こちらについては、3 行目の一番最後にありますように「進展」ということで、かなり評価できるのだろうと思 いますが、労働時間法制の整備、それから「女子保護規定の解消」というところで大きな 変化がありますとともに、「労働力需給調整機能の強化」ですが、有料職業紹介事業につ いて、ネガティブリスト化等が本年4月から進んでおります。それから、今回の経済対策 において、この取扱職業のさらなる拡大をすることと、労働者派遣の方についても対象事 業のネガティブリスト化をさらに進めるということが打ち出されておりまして、建議の拡 大・深化のところでは、労働市場環境の整備ということで、先ほどもご覧いただいたよう に、「労働条件をめぐる個別紛争処理システムの整備や就業形態の多様化に対応した労働 者保護のための措置の見直しが必要」ということが提言されております。
 14ページの第6節の「医療・福祉分野」、こちらは医療分野に特にお詳しい委員のお話 では、優良可の優にさらに◎がつくというお話でありましたが、おおむね「6分野の建議」 で示した方向に沿った進展がみられると言っておられます。
 一番上は、中央社会保険医療協議会における議論の透明化ということで、その点につい て会議の公開などの措置が行われたということを紹介をさせていただいております。
 その下に、経済対策における医療法人の理事長、医師または歯科医師に限定している規 制についての具体的な規制保護策を検討するという事柄が書かれております。
 以下はご覧いただければと思いますが、薬価基準、シルバーマーク制度について国の関 与が廃止されたこと。
 その下では経済対策についての措置が書かれておりまして、ご覧をいただければと思う のは、14ページの「介護保険法成立後における介護サービスの実施」以下、「社会福祉事 業のあり方全般の見直しを行い」というところも、いわゆる「民間企業の参入」を図り、 あるいは「民間委託を可能」にし、といった規制緩和の具体的な施策でございます。 最後の15ページですが、「建議の拡大・深化を目指した今後の提言」というところであ ります。ここに柱書きがございますので、ちょっとご覧いただきたいのです。「医療・福 祉分野の改革の主要な目的は、効率的で質の高いサービスを確保しつつ、財政負担を軽く し、将来の日本経済を活性化させるとともに、民営化による新しいビジネスを発展させる ことである。」その面からみて、さらに透明性のある制度にしなければいけないというこ とでございます。それから、「また」以下で、「規制緩和と同時に既存の規制の再構築と いう視点も必要である。」と書かれております。これは市場システムの確立という言葉の 中に入るわけですが、医療・福祉分野においてはさらに、いわば規制の再構築といった視 点が必要だということを、このワーキング・グループで強調しておられますのでご紹介を いたします。
 具体的提言としては、3つ○が付いておりますが、1つは、中央社会保険医療協議会の 見直し、メンバーの見直し。2つは、後発医薬品の普及による薬剤費を抑制すべきこと。 3つは、消費者保護政策を確立及び介護保険制度実施後の対応ということで、消費者保護 政策を確立して、「消費者契約適正化法(仮称)」は介護だけに係わるものではないわけ ですが、高齢者はなかなか商品内容がわかりにくいということもあって、さらにここでこ の問題を取り上げて強調をしております。
 それから、現在、介護保険法が国会に出されておりますが、利用者にとっても使いやす い仕組みになるようバウチャー制度の導入を図るべきではないかということが書かれてお ります。
 以上駆け足でご説明いたしましたが、先ほどご指摘いただきました点も、このワーキン グ・グループで一部ご意見が出ておりまして、そのあたりも織り込ませていただいている ところがあるということをご紹介いたしました。

〔 部会長 〕 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明に対しましてご意見がございましたらお願いいたします。

〔 G委員 〕 いろいろなところにまたがって制度の変更があり、そして、その進捗状 況について現在どうなっているかというご指摘があったわけでありますが、本来、制度を 変更させることによって目指してきたもの、例えば経済の活性化ですとか、あるいは従来 は民間企業が参入することができないようなところに参入できるような制度になった。 そういった制度の変更についての進捗状況及び評価というのは十分になされていると思う のですが、それによって本来目指したものが本当に達成できてきているかどうかというこ とについて、もう一歩踏み入ったところがあってしかるべきではないかというふうに思う ところがあります。
 例えば、雇用のところにつきましても、職業安定について、有料職業紹介についてのネ ガティブリスト化ということをもう既に4月1日から行ってきているわけですが、実際に どれくらいそれによって参入がなされたのか。あるいは、人の移動というものが行われて いるのか、というようなことについて、そういう議論がそろそろ出てきてもいいのかなと。 もしそこに何か問題があるとすれば、その問題はどうするのかというような議論、次の議 論に踏み込んでもよろしいのではないかという印象を持ちました。
 以上です。

〔 H委員 〕 若干それに関係するのですが、こういう形でやるといつも、こういうよ うな改革をしました、という形で出てくるのですが、一体何が本当に変わったのかという のはよくわからないところがあるのです。そうすると、情報開示というところと関係する のですが、省庁と独立したようなところで、もし企画庁がなさるのであれば、企画庁が少 なくともほかの省庁からの介入なしでやれるような、そういう独立的な機関で、しかもア セスメントを、「何をしたか」ではなくて「何が起こったか」というアセスメントを中心 に調べ、そして発表していかないと、どうも国民の理解というのは得られないのではない かと考えます。
 特に、私は土地・住宅の方に絡んでおりましたから、それを感じるのですが、いろいろ と制度はできていますが、これはほとんど動いていないわけです。恐らく動かないだろう と考えられています。それはこの制度のある一部を変えても、ほかの部分、特にいろいろ な権利関係のところ、そういったところが本質的に変わらない限り、これを使える部分と いうのは非常に限られてくるわけです。そういったところを考えると、もともと限界があ ることは最初からわかっているわけですけれども、過大な期待はまず抱かせないというこ と、それから、本当に起こったことと、起こっていないことを峻別する作業が必要になっ てくるのではないかと思います。
 もう一つは、これはこの前の進捗状況と今後の課題のところに関係するのですが、依然 として量の考え方が非常に強い。例えば、公共事業の削減という形になっていますが、基 本的には我々は、量ではなくて質に変えよう。量が一律にどうのこうのというのではなく て、量から質への転換を目指してきたのだと思うのですが、そこら辺のところをもうちょ っと大胆に書いた方がよっぽど説得力があるのではないか。つまり、公共事業のうちの例 えば3割とか何割とかを削減したところで、もしそれが本当に必要なものがより安く提供 できれば、質といいますか、実質は増加するということもあり得るわけですから、そうい ったところを強調して考えるべきではないかと思います。
 もう一つ、私も流通に絡んでおりますので、流通の件について一言だけお話ししたいの です。流通というと、すぐ消費財流通の話になるのですが、企業間の流通を含めたところ の方がはるかに重要性が高いものですから、そこら辺のところはもう少し書き加えていた だいた方が(どちらに書き加えるかわかりませんが)、よろしいのではないかと私は考え ております。
 以上です。

〔 N委員 〕 H委員の見解ともちょっと関連があるのですが、利用者保護とか、消費 者保護という1つの考え方が何度か出てきているのですけれども、あるいは訴訟の問題と か、OTO、苦情処理の問題が出てきているのですが、もう少しそれより前段階で、どの ように利用者や消費者が自分も自らリスクをとれるようなシステムを作っていくかという のが非常に重要なテーマだろうと思うのです。
 例えば、第三者機関による評価という問題が出ましたけれども、企業のサービスですと か、そういうようなものがどのようにいいのか悪いのか、そういうことを例えばレーティ ングする。つまり、ある程度情報公開されているにもかかわらず、何らかのリスクを消費 者がとったのであれば、それは自己責任ということになりますし、何かリスクをシェアす る仕組みというものがもう少しあってもいいのではないか。
 よく業界の人に聞きますと、消費者は完璧主義すぎる、と。日本の消費者は非常に完璧 主義で、例えば銀行の24時間サービスなんかやったら、もし故障があったら、消費者はも のすごく文句を言うだろうから、そんなことはできない、というような言い方があって、 両方でやっているうちにもう10年たってしまったわけです。 そういう場合も、お金が出てこないケースもありますということを前提として、そのよ うなことを消費者が納得したうえで、事業者もサービスをするというような、リスクのシ ェアの仕方、あるいはそういうメンタリティみたいなものが必要なわけです。最近、ドイ ツなどでも、ヨーロッパ市場に入ってくるいろいろな企業の品質だけではなくて、サービ スのレベル、そういうようなものを含めてレーティングをして、消費者にいろいろな形で 情報公開していまして、日本では例えばNECがすごくいい会社だと思われていたのがヨ ーロッパに行ったらそうでもなかったり、環境の観点とかいろいろ入れるとそうでもない ケースもあります。そういう第三者機関による企業活動の評価基準みたいなものが1つあ ってもいいのではないか。
 もう一つ、住宅の関係で日照権の問題あるいは高層化、その性格が非常に強く出ている のですが、私は、なぜ今消費者が住宅を買わなくなったかという1つの大きな原因は、バ ブル崩壊後、今の住宅産業があまりにも安易に住宅を売りすぎた。つまり、価格と質のバ ランスが非常に悪い。例えば、 3,000万円だと思って買ったら、評価したら 2,000万円だっ たりとか、資産の価格の付け方に対して非常に大きな不信感がある。こういう価格と質の パーフォーマンスが非常に悪いものを、今、買え買えと言っても、バブル崩壊後、資産の 価格に対する不信感というのが非常に大きい。こういう最終消費者の問題点というのがこ こにあまり出てこないで、どんどんつくれば売れるのではないかとか、どんどんつくれば オフィスも売れるというような、そこまではいかないですけれども・・・。やや供給側に対 する規制緩和の意向は出ているのですが、最終消費がどのように動くのか、最終消費のバ リアは何かという問題についての認識が出てこないと思います。 国民生活センターで、そういう住宅関連のトラブルが毎年3,000 億円から4,000 億円あ る。例えば3年ぐらいいけば1兆何千億というお金の問題が日本中でトラブルになってい る。つまり、それは基本的に、価格と質に対する保証がないということに対して、非常に 消費者が怒っているということだと思います。「消費者」と言うと何か非常に狭い範囲で すけれども、ユーザーが怒っている。
 この問題は経企庁の問題なのか、建設省の問題なのか、そこの信頼感をきちっと確立し て、ルール化しない限り、いくら住宅を売りたいと考えても、根が腐っているような状況 になっているわけです。
 こういうような問題点は、どこを見ても最終消費者のイメージが出てこないということ が非常に気になるので、先ほどH委員の話で、権利関係が不明確というお話もありました けれども、そういうふうなことも含めて、最終消費が何がバリアだと考えているかという 点について、ちょっと疑問がありました。

〔 部会長 〕 どうもありがとうございました。
 まだ、いろいろとご意見はあろうかと思いますが、時間が限られてきておりますので、 第2の議題につきましてはここまでとさせていただきます。なお、「経済構造改革の各ワ ーキング・グループ報告」は当部会終了後公表させていただきまして、次回以降また、今 のご意見などをよく参考にして、検討を続けていきたいと思っております。
 次に、第3の議題でございます「民民規制、NPO、雇用・労働の各ワーキング・グル ープの審議経過報告」に移らせていただきたいと思います。
 当部会では、7月31日に第1回の会合を開催して以来、これまで4回にわたる部会並び に各ワーキング・グループにおきまして、構造改革に伴う各経済主体の役割について議論 を重ねてまいりました。
 本日は、これまでの議論の過程について、まず全体の流れを事務局から説明していただ きまして、その後、各ワーキング・グループの座長より、審議経過報告をしていただきた いと思います。
 まず、全体の流れについて、事務局より説明をお願いします。

〔 事務局 〕 お手元の資料6をご覧いただきたいと思います。1ページ目でございま す。ただいま部会長からお話のありましたように、この基本的進め方としましては、2行 目にありますように、「6つの改革」後の我が国経済社会の姿を展望する。そのときに、 各経済主体の役割と新しい経済システムのあり方を示す、というのがこの部会の役割という ことでございました。
 そこで、審議といたしましては、公的部門の役割、企業部門の課題につきましては、本 部会で。(1)の【2】の部分、それから企業部門の中でも雇用・労働のワーキングの部分、次の 2ページにあります(4)の部分につきましては、ワーキング・グループを設けて検討してい るところでございます。
 本部会の議論としましては、(1)の【1】にございますように、「構造改革後の新しい経済社 会において、『官』から『民』へ、『国』から『地方』への基本的考え方を具体的にどの ようにすすめるべきかについて、社会資本整備を例にとりつつ議論を進めてきている。具 体的には、公共サービスを提供する手段選択概念としてのPFI、あるいは民間活力を活 用した社会資本の在り方(BOT)、地域における社会資本整備の評価検討手法等」とい ったものについてご議論を願ってきたところでございます。
 (2)の企業部門の課題につきましては、「金融ビッグバン、さらには経済構造改革後の経 済社会を見据えたときに、企業の効率化という視点が重要になってくるが、そのような視 点に立ったとき、我が国のコーポレート・ガバナンスはいかにあるべきかということにつ いて、グローバルスタンダードとの整合性を踏まえながら議論を進めている。具体的には、 メインバンクシステムや株式持ち合いの今後の方向性等について」検討を行ってきたとこ ろでございます。
 2ページに移りますが、(3)の個人部門の課題につきましては、今後、横断的な議論の中 で消化をしていってはどうかと思っております。
 そこで、3.の「今後のすすめ方」につきましては、第1回、第2回の議論でございま したように、今後は、ワーキング・グループの検討結果を踏まえて、必要に応じさらに議 論を深めるとともに、各主体間に共通する、あるいは相互に関連する問題について横断的 な議論を行う。それで6月の報告書取りまとめまで進めたいというのが、今の進捗状況で ございます。
 以上でございます。

〔 部会長 〕 どうもありがとうございました。
 続きまして、「民民規制ワーキング・グループの審議経過報告」につきまして、荒木座 長からお願いいたします。

〔 荒木座長 〕 お手元の資料6の3ページに概要が記してございますので、ご覧いた だきたいと思います。
 私どもの民民規制のワーキング・グループは、10月17日に第1回の会合を開催いたしま して、民民規制という問題の定義を次のように確認をしております。ここにも書いており ますが、「国の法令に基づく規制以外の、民間事業者間(及び業界団体)による事業活動 の規制」ということで一応の定義をいたしました。
 これを踏まえまして、当ワーキング・グループの検討テーマの3点を確認しております。 1点目は、民民規制といわれているものの具体的な事例を挙げてみようということであり ます。2点目は、いわゆる民民規制を一般論としてどう認識するか、あるいはそれに対す る対応をどうするかということを論議したい。3点目は、今後の業界団体の積極的な役割 とはどういう役割があるのかということを議論したいと考えております。
 まず1点目の具体的な事例でありますが、情報通信、物流、金融・土地・住宅、建設、 医療・福祉、エネルギーの6分野について、各委員から具体的な事例のレポートをご提出 いただきまして、現在、事務局でその内容を整理中でございます。
 第2回目の会合は、12月12日に開催を予定しておりまして、ここで民民規制の具体的な 事例、それから民民規制に関する一般論としてのとらえ方について議論をしたいと考えて おります。 来年1月以降に、グローバリゼーションが進むなかで業界団体が今後積極的に担う役割 というものにどういうものがあるかということで、括弧の中にちょっと書いておきました が、いろいろな役割と、その役割をはたすべき環境の整備ということについて議論をして、 意見を取りまとめる予定にしております。
 報告書としては、来年3月までにワーキング・グループとしての報告書を取りまとめた い。今のところ、そういう予定にしております。
 以上でございます。

〔 部会長 〕 どうもありがとうございました。
 続きまして、「NPOワーキング・グループの審議経過報告」につきまして、出口座長 代理よりお願いいたします。

〔 出口座長代理 〕 それでは、NPOワーキング・グループの審議経過報告をさせて いただきます。本来ならば、座長の大阪大学経済学部長の本間正明先生がするところであ りますが、本間先生がご欠席ですので、私が務めさせていただきます。
 NPOワーキング・グループは、政府の失敗や市場の失敗が指摘されている中で、経済 活動の1つとしてNPOの役割を明らかにしていこうという立場で、これまで研究会を3 回にわたって開催してきました。とりわけ、NPOと行政、企業等他の経済主体との相互 関連、連携のあり方について議論をしてきました。
 まず第1に、NPOとは一体何かという点でありますが、この点につきましては、ノン ・プロフィット・オーガニゼーションということで民間の非営利の団体すべてを考察の対 象にしております。ここで言う非営利団体といいますのは、政府でないということ、それ から営利を目的としていなくて、利益が出てもそれを株主等に分配しないという非分配性、 それから、何らかの形で組織としての形態を成している。これは必ずしも法人という制度 の枠の中での組織であるかどうかを問いません。実体的に組織というものであれば、それ は対象にしております。さらに、政党とか、宗教団体とか、そういったものも広義には含 まれるはずでありますが、一応、これまでの議論では、そういった党派的なものについて は除外した形で議論しております。
 こうした議論の範囲につきましては、現在、国際的に議論されているときのある程度の 合意が成立している定義の中で議論しているわけでございます。したがいまして、現在、 マスコミ等で使われている用法でありますNPOと言ったときは、法人格を持たない市民 の団体というケースが非常に多いのですけれども、ここでの議論では、そういった現在の 議論よりも非常に広いコンセプトで議論させていただいていることをご了承いただければ と思います。
 主な議論につきましては、4点議論しております。1つは、まずNPOを経済主体とし て位置づけて、それを考えていこう。NPOは行政や企業セクターとは違った独立したセ クターである。しかも、3番目の独立したセクターであるという認識で議論しております。 ここでもちょっと用語が混乱しますが、第三のセクターというのは、現在、日本で使われ ています、いわゆる官民乗り入れの第三セクターとは全く違う意味でございますので、そ の点について留意していただけたらと思っております。
 こういったNPOが市場の試練を受けない、あるいは行政と違って公平性の呪縛からも フリーであるということから、柔軟に、あるいは先駆的なことにチャッレンジャラスにさ まざまな活動ができるということが近年、特に注目をされているわけでございます。
 2点目の議論としては、これは非常に大事なことですけれども、特に日本社会の中の構 造改革の中でNPOをとらえていこう。とりわけ、政府のセクターが国民のニーズをつか むに当たって、NPOの存在というのが非常に重要になってくるであろう。先ほどのワー キング・グループの報告でも、例えば、真に弱い立場にある者を保護するのだという表現 がありましたけれども、果して誰が、真に弱い者であるかどうかを判断していくのかとい うときには、従来は行政が判断していくということしかオプションがなかったわけですけ れども、むしろ多様な社会にあっては、多様なブレーンがさまざまな角度から、さまざま な価値観を反映していろいろな情報を提供していく。そういう点で極めて多元的な価値観 の中で国民のニーズを行政に、あるいは一般国民に提供し得るものとしてのNPOの役割 を議論してきたわけでございます。
 3点目の議論としては、NPOというものが、例えば他の経済主体とどのように連携し ていくのかということにつきまして、とりわけ行政との関係では、新しいパートナーシッ プというものが注目されるわけでして、従来のように、何かNPOを行政の下請的な団体 としてみる見方ではない、新しい見方を議論してまいりました。さらに、企業との関係に つきましても、企業がNPOを支援するということは多々見られるわけでございますが、 昨今のグローバリゼーションの中で、企業は地域社会との関係を極めて良好に保っていく、 そういう点から企業フィランソロピーの重要性が再認識されているわけですが、そういっ た点からもNPOの存在というものを議論してまいりました。
 さらに、近年では、新しい情報産業に係わるNPOがずいぶん出てまいりまして、新し いベンチャービジネスを育成していくという点、新しい雇用を創出していくという点から も、NPOの存在というものを改めてとらえていく必要があるのではないか、ということ が議論されました。
 さらに、既存の団体である労働組合等につきましても、NPOとの新しい関係を現在模 索している最中でございます。
 最後の議論として、NPOの健全な発展のための環境整備のあり方について、いろいろ な議論を展開しておりますが、その中でとりわけ、NPOがマーケットの試練を受けない ということはある意味ではプラスでもありますけれども、ある意味ではNPOが果して正 しい活動を行っているのかどうかということが全く誰もジャッジできないということにな りかねませんので、とりわけNPOのディスクロージャーを進めていくことが、NPOの セクターを非常に大きくする意味では不可欠であるということが今、強く指摘されており ます。
 さらに、NPOと言いましても、これまでの日本社会からするとなかなかよい人材が入 っていくような形になっていなかったわけですから、今後は、企業、行政との間で、NP Oにいかにして人材の交流を図っていくかということが議論されてきたわけでございます。
 さらに、これはNPOの機能として最も大事なことではないかと思うのですけれども、 真に独立したノン・プロフィット・セクターの中でシンクタンクが育っていって、さまざ まな形での行政にいろいろな提言をしていくということがNPOの機能にとって非常に重 要なことではないか。とりわけ、NPOの事業主体としての性格とそのネットワーク性、 さらにシンクタンク機能、こういったものをどのように有機的につなげていくかというこ とが議論されております。
 今後の審議予定につきましては、とりわけ経済システム改革との係わりにおけるNPO 活動の存在意義について、もう少し明確にしていこう。さらに、NPOであれば、それで は全部がいいのかということに議論が偏ってもいけないわけでありまして、NPOのガバ ナンスを一体どのようにしていくのか。さらには、NPOを健全に発展させていくための 環境整備は一体どうあるべきか、ということについて審議していく予定であります。
 以上で終わらせていただきます。

〔 部会長 〕 どうもありがとうございました。
 次に、「雇用・労働ワーキング・グループの審議経過報告」につきまして、樋口座長よ りお願いいたします。

〔 樋口座長 〕 それでは、資料に基づきましてお話しをさせていただきます。私ども 雇用・労働ワーキング・グループの資料は9ページからになっております。
 第1回目の審議を10月3日から行いまして、現在まで5回ほど審議を重ねてまいりまし た。
 要約をいたしますと、16ページにフローチャートが載っておりますので、これに沿って お話しをさせていただきたいと思います。 私どもの委員会は、この役割部会と展望部会の両方にまたがるわけでありまして、検討 テーマという形で、労働市場の将来展望、さらには雇用システムの変化、それに基づきま して我々、経済主体の役割についてこの部会で議論をするということを受けまして、それ ぞれ将来的に起こってくるであろう問題、あるいは現在既に起こっているような問題、さ らに、そういうものについてそれぞれの役割をどういうふうに考えていくかということを 政府の役割を中心に議論させていただいております。政府の役割としては、市場機能が働 くための基盤整備として、監視機能、紛争処理機能、セーフティネットを整備することが 重要と考えております。 足元でも既にいろいろな問題が起こっているわけですが、まず企業あるいは労働市場を 取り巻く環境、これがどのように将来的に変わっていくのだろうか。それを考えるために は、取り巻く環境の変化というものを提示しなければいけないということから、そこには 3つのキーワードにより、それを示そうということをしております。 第1点は、少子・高齢化が将来的にさらに進展していきますし、経済のグローバリゼー ションが進展するだろう。そして、それに伴う経済構造改革が促進されていくだろう。個 々の企業にとってこれらは、ある意味では外生要因ということで、こういったものに伴っ てどのような変化が労働市場あるいは企業の内部に起こってくるのかというようなことを 考えることにしております。
 最終的に一体労働市場を通じてどういうことを達成できる社会にするのかということで ありますが、基本的には、完全雇用が究極的な1つの目的になるだろう。さらに、従来と 違いまして、労働市場に参加するような人たちについても、価値観というのは非常に多様 化してくる可能性がある。従来のような男性中心の、若い人中心の社会ということではな くて、女性も、さらには高齢者も、共にいろいろな価値観を持ちながら入ってくるでしょ うし、あるいは若い人たちの間でも価値観というのは非常に多様化している。その多様化 する価値観というものをどのように実現することができるのか、そういう社会システムを 作る上では労働市場はいかにあるべきかということも議論しております。
 さらには、職業能力が従来も重要であったわけですが、今後とも、その重要性というの は変わらないだろうということから、職業能力あるいは就業意欲をどのように開発し、そ して発揮できるような場を確保していくかということについて議論しようということであ ります。
 真ん中に、企業を取り巻く環境が変化し、なおかつ最終的な目的が与えられた場合にど ういうことが検討テーマとして上がってくるのかということで、大きく分けて2つほどの 検討テーマがあるだろう。1つは、労働市場の将来展望をどのようにしていくのかという ことです。特にこれは計量モデルとの関連もありまして、例えば失業率ですとか、就業人 口、労働力人口、こういったものがどのように変化していくかについて検討するというこ とでございます。もう一つは、雇用システム、雇用慣行の変化が必要的な変化としてどう いうことが起こってくるかということがあるかと思います。
 現在までの審議におきましては、労働市場の将来展望については、これから行うという ことで、主には雇用システムの変化について行ってまいりました。その中では、長期雇用 について、現在どのような変化が見られてきているか。あるいは、将来的にどういう変化 が起こりそうなのかということについて議論してきたわけですが、特に平成景気が終わっ た後、バブル崩壊以降について見られている現象というのは、特に企業におけるコア労働 者について、必ずしも流動性が高まっているとは言えないのではないだろうか。その一方 で非正規従業員と言われている、例えばパートタイマーでありますとか嘱託労働者、こう いった人たちの人数も拡大している、そういう形での流動化というものが現在のところ起 こっている。将来どうなるのかというのは、まさに労働市場の需給ギャップがどのように 推移するのかということに依存するのではないだろうかと思っております。流動的な、な おかつ円滑な労働移動というものを達成するためには、その分、良好な雇用機会が確保さ れる必要がありまして、それが将来どうなっているのかということと関連して、これから 議論していくことになるかと思います。
 2番目の雇用システムの変化ということですが、人事管理制度についての検討をする必 要があるだろうということを検討しておりまして、従来の人事管理制度というものがどち らかというと、集団的能力開発ということ、あるいは集団的な雇用管理ということをやっ てきているわけですが、ここにおいて個別化の動きが見られる。全体的な、例えば何歳の 人で給与いくらという形ではなくて、能力給のウェイトが高まってくるということもあり ますし、あるいは労働時間についても個別化が進展するということから、従来とは違った 動きが起こってきているだろう。その場合の問題点としまして、個別紛争の問題というも のをどのように考えていくのかについて検討しているということであります。
 3番目は、職業能力開発ということで、基本的には今までは企業が責任をもって労働者 を教育・訓練していくというシステムをとっていたわけですが、ホワイトカラーの増大で あるとか、あるいは職種の転換、これを見ていきますと、自己選択というものが重要にな ってくるのではないだろうか。その自己選択を達成させるために、モチベーションを高め るということがあるわけで、そのための自己責任のとり方ということがある。しかし、そ の一方で、個人にすべて責任を負わせるということをした場合に、企業はいかにあるべき かということですが、能力開発の効率性を考えて、企業の外だけで、例えば学校等々にお いて能力開発をしようと思っても、必ずしも効率がいいわけではないということがありま して、企業の責任というものも依然として強いものがあるのではないか。さらには行政と しまして、どのような能力が今後必要となるのかという情報提供ですとか、そういう従来 は企業に補助金を出すという形で能力開発をしてきたところを、個人への補助ということ が中心として移ってくるのではないだろうかと考えられます。
 4番目は、非正規労働者の増大に係わる課題ということで、具体的には社会保障制度で あるとか、税制について、前回の経済審議会の方からも要望が出ていたわけでありますが、 今回についても同じ要望を出す必要があるのではないか。具体的に申し上げれば、働くこ とによって損にならないような税制あるいは社会保障制度というものを考えていくべきだ ろう。どこを問題としているかといいますと、従来の 103万円の壁というのが、配偶者特 別控除制度が設けられることによって壁自身はなくなってきたわけですが、それに付随す るようなところもあります。あるいは、在職老齢年金という形で、60歳~65歳のところの 給与が増えるに従って給付額が削減される。こういったところが依然として問題として残 っているのではないだろうかと考えております。 コーポレート・ガバナンスにつきましては、まだ今後検討するということでございまし て、これからの課題という形で残っております。 以上でございます。

〔 部会長 〕 どうもありがとうございました。 それでは、今までのご報告を踏まえまして、内容、あるいは今後の議論の進め方を含め まして、ご意見をお伺いしたいと思います。どうぞご自由にお願いいたします。

〔 D委員 〕 2点ほどお願いしたいと思います。第1番目は、NPOでございますが、 4ページのところに(NPOの範囲)とありまして、その中で「非党派性」というのを出 されております。その下の「2.主な議論」の(1)のパラグラフの一番下に、「先駆的な、 様々な価値観に基づいた多元的な活動を行う役割を担っている」というところが少し気に なるわけであります。
 つまり、NPOは、現在の日本の状況で言うと、このとおりの範囲に限った方が、NP Oの法律ができたりするのにもいいでしょうし、議論は混乱しないと思うのですが、経済 主体役割部会の役割から言うと、そこにとどめて議論をすると何となくプレーンソーダに なってしまうのではないか。
 つまり、NPOというのはそもそも非常に重要なのは価値観なのでありまして、価値観 というのはイデオロギーだとかそういうのも入るわけで、所詮、党派性を最後は持つので あります。
 海外の例を言うまでもないのですけれども、これが一番はっきりしているのは西ドイツ のようなところでして、キリスト教民主同盟だとか、必ず政党自体が非常に宗教的であり ます。イタリアもそうです。それぞれが今度はシンクタンクを持つわけです。シンクタン クを持つと同時に、今度はそれぞれのシンクタンクが、日本的に言うNPOと非常に関係 を持つ。こういう恰好で、つまり違った価値観を持った、コアリションと私は言うのです が、連合体がお互いに切磋琢磨する政治システム、あるいはまさに住民運動システム、そ ういうものが実は民主主義の一番の基礎なので、価値観を除いてしまったプレーンソーダ のところで、あなたは経済協力をやるところですね、あなたは社会福祉ですね、というだ けだったら、これは行政のお手伝いに止まってしまう。そこでいくら行政に闘うと言って も、闘えないのでありまして、ある意味では、住民の情報を与えるだけだろうと思うので す。
 しかしながら、日本の今の状況から言うと、私は決して反対ではなくて、このままでい いと思うのですが、もし余力がありましたら、そういうポリシーメーキングと言いますか、 日本のこれからの民主的な政策形成にNPOがどういう役割を果たすのかという意味では、 価値観を含め、党派性を含めご議論いただければ大変ありがたいと思うわけであります。
 すぐ来ます。21世紀に入った途端にこういう議論というのはすぐ起こるだろうと思うの であります。
 これは、今までのNPOの考え方だろうと思います。
 先生方は十分ご存じの上で、実践的にやるためにこういうふうにされたことも重々わか るわけであります。
 第2番目は、ちょっと外れた議論かもしれないのですが、また思いつきで恐縮ですが、 経済主体役割部会でやっていることは、それぞれの主体についてボーリングしていくこと は非常にいいことですが、先ほど来、結果のサーベイランスということのご議論があった わけです。恐らくサーベイランスをするのに何らかの指標が必要になってくるはずであり まして、そのときには、ミクロの指標とマクロの指標があるわけであります。経済主体役 割部会でやっていきますことは、どんどん自由化、市場化していくことだろうと思います ので、ちょうど今回の山一事件でムーディーズの指標が大変インパクトを与えたように、 個別の各分野については、恐らくそれぞれの民間でそういう指標が自然に開発されてくる だろう。それはファッションでも、歌謡曲でもみんなベストテンだとかいうのがあるのは、 そのとおりだと思います。経済分野でもこれからは個別のところで、新しいビジネスとし てそういう指標ビジネスが起こってくると思うのですが、マクロの指標についてはどうだ ろうかと非常に疑問に思うわけであります。
 例えば、労働市場について、パソナが一生懸命頑張ってくれるということについて、そ れでは、労働省が今やっておりますハローワーク、そういうところへの需要が少なくなっ てきたときに、いわゆる有効求人倍率という指標が今、経済指標としては非常に重要な指 標でありますが、有効求人倍率をどうやって今度は代理させていくのかとか、マクロ指標 で重要な指標がいくつか、自由化しているのに対応して変化せざるを得ないのではないだ ろうか。そういうマクロ指標について、そんな数多くないと思いますので、この部会がや ることかどうかはわかりませんけれども、当然、検討される必要があるのではないだろう かと思いました。
 以上です。

〔 A委員 〕 3点ほど簡単に申し上げたいと思います。第1点は、民民規制ワーキン グ・グループですが、民民規制という問題は、軽減する、あるいは除去するのは大変難し いのではないかと思います。なぜかと申しますと、政府が民間同士で合意した民民規制に 介入して是正するのには、作業、あるいは情報も必要です。むしろ、民民規制を軽減する のに有効なのは、政府よりも排除されている側、あるいは除外されている当事者が何らか の措置でそれを除去することではないかと思います。
 したがってその有効性は、排除されている側に、どういう手段があるか、どういう救済 措置があるかということに尽きるのではないかと思います。それに関連して、日本の競争 政策、あるいは独禁法を、公正取引委員会だけでなく、民間が活用できるようにすること が大事だと思います。日本では前から学者は提言していますが、日本の公正取引委員会も 法務省もあまりこれを受け入れる体制はないようです。独禁法も今年で50年目ですか、日 本で実施されてから。今一つの見直しとして、もう少し今よりは独占禁止法を民間が私人 として活用できる形にすることを、ワーキング・グループで検討していただきたいと思い ます。それが1点目です。
 2点目は、NPOのワーキング・グループなのですが、私は、NPOの日本の状況につ いてあまり詳しくないですが、日本のNPOの1つの問題点というのは、社会環境とか政 治環境だけではなくて、税制上等法律制度そのもの、法律の枠組みそのものが制度として、 NPOを弱い立場に置いている、ということだと私は理解しています。今国会でも議論中 ですし、ワーキング・グループの皆さんはご専門ですから私が申し上げることはないと思 いますけれども、NPOがもっと企業あるいは行政と対等な立場で発言して、提案できる ようになるために、法律の整備、法律の枠組みそのものの修正を具体的にどうしたらいい か、ぜひ提案していただきたいと思います。
 3点目は、雇用・労働ワーキング・グループに関してですが、先ほどG委員が言われた ように、日本の市場もグローバル化、あるいは多様化することによって、労働人口も多様 化しつつあります。先生は、若い男性だけでなく、女性とか高齢者の参加ということをお っしゃったのですが、ぜひそれに加えて外国人のことも検討していただきたいと思います。
 15ページには、外国人労働者という形で若干触れていますが、私は、労働者だけではな くて、管理職としての外国人もぜひ検討していただきたいと思います。これは、日本企業 が外国に進出して仕事をする場合、あるいは日本国内における日本の組織が外国人を採用 することによって、ある意味では、新しい考え方や技術、あるいはやり方を導入すること によって活性化に貢献できる面もあります。それだけではなくて、日本企業をもっと魅力 的にする1つの手段としても、外国人雇用の改善もぜひ検討いただきたいと思います。 以上です。

〔 J委員 〕 今お話しのNPOの問題が大変はやりになってきた割には性格がはっき りしない。書いてしまうと、どうしてもこういうことになってしまう。 それで、今問題なのは、公益法人とNPOの差です。公益法人というのは、本来もっと 自由であるはずのものが、何かときどき問題を起こす公益法人が出たりするから、寄付行 為定款の書き方までこのごろはうるさくなってきた。ということにいささか、何となく反 発心が出て、なおNPOを作る。 NPOがどうかというと、これが法人格を持ちたいという気持ちを持ってくるようにな ってきて、NPO協会が法人格をとるなんていうのは、何となくナンセンスではないかと 私は思いながら、そういう動きを黙って見ているのですけれども、こういうことになって くると、その定義をはっきりさせて、NPOというのがもう少し自由に活発にやっていく。 判断するのが市場だとは言えませんけれども、それこそ、一般市民の心の問題でそれをど う受け取るかというふうなことを考えて作らないと、かえって雁字搦めになるか、何もや らないことになるか、それとも曖昧模糊たるものになるか。その3つのどれかになるおそ れが非常にあるということ。大事なことだと思いながら、NPOというときには私は不安 感を持っているというのが率直な気持ちでございます。 ほかのこともありますが、今日はそこまでにしておきます。

〔 K委員 〕 簡単な質問なのですが、雇用・労働ワーキング・グループの中に、地域 的なバランスの問題とか、自営業だとか、農業だとか、そういう話はないのですが、これ は対象外でしょうか。

〔 樋口座長 〕 対象外ということではなくて、雇用の方は一応企業が働いている人と いうことでありますが、労働の方というのはもっと広く、自営業も含めて検討する必要が あるだろう。特に、これは雇用創出、ジョブ・クリエーションとの関連でベンチャービジ ネス等々において、中小企業であるとか、創業という問題。これは雇用ではなくて、むし ろどのように仕事をつくり出していくか。そこにおける労働の役割というものについて検 討しようということで行っております。 農業については、現在のところは検討しておりません。

〔 K委員 〕 そういうことを伺いましたら、農業ですとか、林業ですとか、あるいは 建設業ですとか、地域計画的にみますと、その地域バランスがどういうふうになっていく かというところが大変気になるところでございます。将来の人口移動の問題とも絡みます ので、もし対象となっていれば、ぜひその辺もご検討いただければと思います。

〔 L委員 〕 1点だけ、意見を述べたいのです。どこのワーキング・グループで検討 するのがふさわしいのかよくわかりませんが、専門家の要請ということが、多分、今は非 常に必要とされているのではないかという気がいたします。
 例えば、労働の移動が少ない。その1つの理由は、企業に育っている人たちがゼネラリ ストとして育っているということ。つまり専門性を持っていないということが1つの理由 かと思います。
 ですから、NPOに関しても、専門家を育てることによって、NPOから、大学もNP Oも1つのなのかもしれませんが、例えば大学、あるいは企業という形で人材の交流が活 発になっていく。そういったことが日本の経済を活性化する1つの重要な要因ではないか と思います。
 日本の経済を現在見ていますと、例えば、企業の数が減少しているという実体がありま す。廃業率が開業率よりも高いということです。これは両方が割合低いのです。例えば、 私の記憶ですと、廃業率も開業率も、多分、3%か4%前後で動いています。それに対し まして、今絶好調と言われるアメリカでは、開業率も廃業率も、両方とも15%前後で、ネ ットで見ると開業率の方が高い、こういう状況であります。
 こういった非常に新陳代謝の激しい経済、これが活性化をもたらすわけで、その背後に あるのは労働の移動が重要ではないかという気がいたします。
 そういう意味でも、専門家の養成、これはどこで行うかというのはまたいろいろ議論が あるかもしれませんが、そういった点に関して検討していただけるとありがたいと思いま す。

〔 C委員 〕2点ほど、手短に・・・。
 NPOについてですけれども、私は、この分野は全く素人ですけれども、1つの課題と しては、NPOにどのくらい新しい福祉の担い手として期待できるのかという問題がある と思うのです。
 簡単に言いますと、特に役割分担という観点から考えますと、国民が税金を収めて、政 府に福祉をやってもらおうというのが1つです。もう一つは、寄付という形で、慈善運動 の組織に寄付をして、そこで福祉をしてもらおうというやり方です。
 8ページに出ている図が非常におもしろいのですけれども、日本人による寄付の思考と いうものが非常に後発になっている。未成熟であるというのが浮かんでいるのです。
 ですから、どういうふうに、税制の仕組みのいじりということも含めて、慈善運動の組 織を通じて福祉をしてもらおうという環境がこれから、育成できるのかというのが、1つ のアイデアだと思います。
 もう一つ、労働問題に関するものですけれども、これからは労働とコーポレート・ガバ ナンスの問題について取り組んでいくという話でしたけれども、ここでは2つの観点があ ろうかと思うのです。1つは、コーポレート・ガバナンスの変化が進むにつれて労働環境 もどういうふうに変わっていくのか。ここで重要なポイントは、資本市場における流動性 と労働市場における流動性、この2つをどういうふうに同時並行して高めるのかという問 題があるのです。例えば、山一の事件を引用するのもアレだと思いますけれども、1つの 解釈は、資本市場の流動性が先に動いて、そこで例えば 7,500人ぐらいの人が失業する。 それでいいのですが、それなりの労働市場における流動性の受皿がなければ非常に困った ことになる、ということが1つあると思います。
 もう一つの観点は、これからのコーポレート・ガバナンスの仕組みにどういうふうに労 働が参加するのか、特に労働組合を中心に。そういった制度面における工夫も検討する必 要があろうかと思います。
 以上です。

〔 部会長 〕 どうもありがとうございました。 ぼつぼつ時間が迫ってまいりましたけれども、M委員、いろいろご苦労さまでございまし た。本日、何かコメントがございましたら。

〔 M委員 〕 今、相当危機的な状況が出てきていて、さっきから出ているように、政 府が相当てきぱきと強い意思を表明しなければいけないのではないかと思うのですが、そ ういう視点からすると、何か少しのんびりしている議論を我々はしているのかなという印 象を受けるのです。
 パニックは絶対に起こさないということをはっきり出すべきではないかと思うのですが、 そういう意思決定のシステムというのが今、どういうふうに動くのか。これは省庁間調整 をやっていたのでは、なかなかしっかりした意思決定ができないのではないかという気が するのです。
 例えば、こういうペーパーなどを今作っているときに、相変わらず各省にペーパーを投 げて、いろいろ意見を聞いて直して、調整して、時間をかけて、大体できたころに出すと いうことをやっているのでしょうか。
 6分野のときは、ほとんど聞かないでやって、結果としては、わりとタイミングよく入 ったと思うのです。その代わり、あれは閣議決定はしてもらえなかったわけです。
 これから、こういうふうに非常に流動的に急変して、場合によると大量の失業者が出る とか、連鎖倒産がどんどん出てくる。経済企画庁というのは、そういうことに対して迅速 に対処するためにあるのではないのでしょうか。
 今、尾身長官も内閣の中で非常に一生懸命やっていただいていると思うのですけれども、 こういうときの政府の対応のシステムというのは、いまでも相変わらず前と同じような動 きをしているのか。何か変化がそこに生じてきているのか。そういうことと我々の作業と の関係がどうなのか、というあたりが気になるところです。
 見当が外れているかもしれませんけれども・・・。

〔 部会長 〕 どうもありがとうございました。
 大臣がお見えになっておりまして、最後に大臣の挨拶をいただくということに予定して おりましたので、ちょうどいい機会でありますので、どうぞお願いいたします。

〔 尾身大臣 〕 大変遅くなりまして、皆様のご意見を全部お伺いできなかったのでご ざいますが、またよく事務当局からのペーパー等を拝見させていただき、勉強させていた だきたいと思います。
 今、M委員がおっしゃいましたご意見、私自身は痛感しております。 18日に「21世紀を切りひらく緊急経済対策」というのを出しました。緊急というのは、 まさに各省折衝で、通産省から「緊急」という題を付けてくれと言われたので「緊急」と いう単語を入れましたが、あとの「21世紀を切りひらく経済対策」というのは、いわゆる 狭い意味の景気対策というふうに私どもは考えておりませんで、財政状況がこういう状況 でございますので、財政出動なき経済対策、言い換えればそういうものだと思っておりま すが、民間の活力を中心として、それを十分生かすような21世紀に向かってのシステムの 変更、構造改革をやるというのがねらいでございまして、規制緩和とか、不良債権の処理 を進める、土地の流動化とかいうところに重点を置きました。もとより緊急の中小企業金 融対策等はございましたけれども、基本的には、規制緩和、土地の流動性をすすめる、そ ういうものを中心として対策を出させていただきました。 その中には、電気通信事業の規制を抜本的に、かなり抜本的に直しました。百点満点は 取れませんでしたが、60点か70点は取れるくらいの規制緩和をしたと思っておりまして、 これによってかなりの経済活性化が実現できると思います。法律改正が必要なので、来年 の通常国会に出しますが、その方向を決めさせていただきました。 それから、土地の流動性の問題にいたしましても、農地転用を促進して、市街化調整区 域の開発の許可を弾力的にやるということをしながら、かつ現在住む予定のない住宅に対 しても住宅金融公庫の融資を付けるという対策によりまして、セカンドハウスというとお かしいのですが、郊外型住宅、いずれ住むつもりの住宅、あるいは現在は東京のアバート にいるけれども、ウィークエンドはファミリーと一緒に行って家庭菜園をやれるような住 宅ということも含めて、対策を講じさせていただきました。 それから、規制緩和については、東京都心の古いビルの建て直し。例えば中央区銀座あ たりの古いビルの建て直しは、容積率に制限がありまして、今の容積率制限の下で建て直 しをしますと、今よりも8割のビルになってしまうということで、容積率の規制ができる 前に建てていたビルがございまして、そういうビルのオーナーは、建て直しをしたいけれ ども、建て直した瞬間にビルが小さくなるので建て直しができないで、ずっと長い間悩ん でいた問題がございまして、この容積率緩和を、今 800%の容積率を1300%までできるよ うなフレームワークを作りました。 これは東京都が 800から1000まで上げていただいて、その1000から1300までは建設省で 上げていただくという操作がありますので、まだ最終的に決着をつけていませんが、東京 都がその気になれば確実にできて、しかも、私どもの計算では、中央区だけで6兆円に相 当する金額のビルの建て替が起こる。日本全体では大体20兆円ぐらい。いわゆる既存不適 格と言っているのですけれども、昭和39年にできた容積率制限で、その前に建てた容積率 の大きいビルは建て替えができない。その現状を直しまして、建て替えができるように今、 直したところでございます。 これはあまり新聞等で報道されないので、私は、その点について大変遺憾に思っている のですけれども、非常に大きな実需がございまして、東京都が容積率を緩和をしていただ きました瞬間に、景気上はものすごくプラスになると思っております。 そういう、規制緩和といっても、痛みを伴う規制緩和もありますが、同時に、規制を緩 和することによって簡単に景気が上がるような規制緩和もかなりございまして、先ほどの 話に戻しますが、田舎の方の農地に住宅や工場を建てるというのも、実はほとんど許可に なっておりません。これももっと弾力的にできるように直しました。まだこっちは十分で はありませんが--百点満点になっていませんが--、これをきちっと実現をしていきた いと考えております。 その他いろいろな規制緩和の問題は大変細かい問題がございまして、素人にはわかりに くい、例えば土地の取引につきましても、国土庁の規制がございまして、事前届出勧告制 という規制があって、事前に届け出をして、そして値段が高かったり、使用用途がおかし かったりすると勧告を受けるという制度になっていたのを、事後届出制で、価格について は自己責任で決めていただいて、勧告はしない。使用目的が、土地基本法の方向に反して いた場合には勧告をするけれども、価格はいくらであっても、自己責任でやってもらうの で勧告はしないということになりました。 そういういろいろなこを含めながら、いわゆる地価下げどまりというような感じになっ ていきませんと、経済は活性化しない。それから、不良債権問題も処理ができないという ことで、いろいろな対策をとらせていただきまして、実は、ここに盛り込んであります内 容についても、先日の経済対策の中身に盛り込んだものをかなり入れて書かせていただい ております。
 もとより、先ほどのお話のとおり、こちらの経済対策は各省合議をいたしましたが、私 自身が細かい詳細まで全部詰めまして、ほかの役所の懐に手を突っ込むような政策もかな りやっておりまして、そういう意味では、中長期にわたってはかなり有効なものであり、 かつ民間需要中心の経済構造に変換できるような内容を含んでいると考えております。 これを出しまして、私自身は、かなり自信があって、プロの世界の方々がしっかり中身 を見てくれれば、必ず有効であるということをおわかりいただけると確信をしております が、なかなかマスコミは、財政出動を伴わない経済対策は役に立たないというような先入 観念がありまして、全体のマスコミ自身がいわゆる新しい21世紀に向かっての民間活力中 心の経済発展ということに対しての頭の切替えができていないようなところがございまし て、まだでございますが、一つ一つ中身を詰めて、実行に移してまいりますから、必ず効 果が出てきて、それによってムードも変わるというふうに思っております。 もう一つは、経済対策は火曜日でしたけれども、その前の月曜日に北拓の問題があり、 それから昨日、今日あたりは山一証券の問題があって、実は株価の問題等についていろい ろ動きを見ておりますと、将来に対するコンフィデンスがない一番大きな所以は株価でも ある。もうちょっと別の言い方をすると、マーケットが一体どういうふうに見るかという こと。そのマーケットの見方というのは、実は最近、私自身がただファンダメンタルズを よくしただけでは駄目だなと気が付きましたのは、公的資金を入れるかどうかということ だけに集中をしてマーケットが動くという実情で、もっと逆に言うと、金融システムとか 信用秩序自体に対するクレディビリティがなくなっていることが大変大きい。もうちょっ と別の言い方をすると、不良債権の問題が完全に解決していないということが大変大きな 問題であると気づかせられました。そこで、昨日、今日あたりは、この問題に手をつけて、 日本の政府として、要するに信用秩序といいますか、金融システムといいますか、そうい うものについては絶対に守り抜く。そして、投資家、あるいは預金者、保険の契約者の皆 様には絶対に迷惑をかけないようなものをシステムとして構築するということをしっかり と打ち出していきたいと考えている次第でございます。
 そういうことによって、将来に対する信頼感を取り戻して、いわゆる日本のシステムそ のものに対する信頼感が取り戻せた場合には、かなりの程度先行きの展望が開けると考え ているわけでございまして、これも直接的には大蔵省の所管と言えば大蔵省の所管であり ますけれども、私自身も全力で勉強して、マーケットの状況とか、国民世論の状況とか、 あるいは全体の自由主義経済の枠内で政府としてどういうことができるのか、公的資金の 問題も含めて一体どういうことができるのか、21世紀に向かってシステム全体をどういう ふうにしていくのが一番妥当かという将来展望も含めまして、方向づけをしていきたいと 考えております。
 経済企画庁という役所は大変に理論的な役所でもありますが、逆に言いますと、私自身 が痛感しているのでありますけれども、経済に関してはどこの役所の仕事にも口が出せる という利点もございますので、そういう利点を最高に生かして、そして正しい方向に方向 づけをしながら、当面の経済運営といいますか、景気対策をやっていたきいと考えており ます。
 私自身は全力で取り組んでおりますし、経済企画庁のスタッフも本当に朝から夜まで仕 事をしていただいておりまして、大変に申しわけないという思いでありますけれども、こ の日本経済の非常に重大なときでありますから、非常に意識を高くして、私どもが日本経 済をしっかり建て直すのだという意識で頑張っていただいております。そういう意味では、 これから完全に景気が正常な回復軌道に乗るまで、息を抜かないで、頑張り抜いていきた い。そして、今ペシミスティックな経済行動をする人が損をし、楽観的な経済行動をする 人が得をするような、そういう経済運営を必ずやっていきたいと考えております。
 そういうことでございますので、ぜひ皆様のご理解とご支援をお願い申し上げる次第で ございます。
 ありがとうございました。

〔 部会長 〕 どうもありがとうございました。
 私も、部会長として、M委員の意見に全く賛成でございます。表現において、私自身も、 このレポートは若干弱いなという感じがするところもございますが、これはまたよく検討 をしてやってまいりたいと思います。
 それでは、力強い大臣のご意見も伺いまして、本日のテーマはこれで終わりたいと思い ます。
 最後に次回の日程について、事務局からお願いいたします。

〔 事務局 〕 次回第6回の会合につきましては、年明け1月27日火曜日の14時から、 同じ場所で開かせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

〔 部会長 〕 第5回の経済主体役割部会の審議はこれで終わりたいと思います。本日 は長時間のご審議、誠にありがとうございました。
 なお、本日の部会の模様につきましては、この後、私より記者会見をさせていただきま す。
 本日は、どうもありがとうございました。

以上

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