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経済審議会経済主体役割部会(第1回)

時:平成9年7月31日
所: 共用特別第一会議室(1212号室)
経済企画庁

経済審議会経済主体役割部会(第1回)議事次第

日時 平成9年7月31日(木)14:00~15:50
場所 共用第一特別会議室(1212号室)

  1. 開会
  2. 経済企画庁長官挨拶
  3. 経済主体役割部会の議事の公開について
  4. 経済主体役割部会の審議の進め方について
  5. その他
  6. 閉会

(配付資料)

  1. 資料1.経済主体役割部会委員名簿
  2. 資料2.経済主体役割部会の議事の公開について(案)
  3. 資料3.経済主体役割部会の審議の進め方について(案)
  4. 参考資料1.「構造改革のための経済社会計画」のポイント
  5. 参考資料2.経済審議会建議「6分野の経済構造改革」(平成8年12月)
  6. 参考資料3.「規制緩和推進計画の再改訂について」(平成9年3月閣議決定)
  7. 参考資料4.経済審議会の今後の運営について(平成9年6月17日経済審議会)

経済審議会経済主体役割部会委員名簿 

  部会長  水口  弘一    株野村総合研究所顧問
       潮田  道夫    毎日新聞経済部副部長
       浦田  秀次郎    早稲田大学社会科学部教授
       奥野  正寛    東京大学大学院経済学研究科教授
       金井  務    株日立製作所取締役社長
       川勝  平太    早稲田大学政治経済学部教授
       河村  幹夫    多摩大学経営情報学部教授
       神田  秀樹    東京大学大学院法学研究科教授
       公文  俊平    国際大学グローバルコミュニケーションセンター所長
       ポール・シェアード   ベアリングス投信株式会社ストラテジスト
       末松  謙 一    株さくら銀行相談役
       竹内  佐和子    長銀総合研究所首席研究員
       鶴田  卓彦    株日本経済新聞社代表取締役社長
       得本  輝人    日本労働組合総連合会副会長
       豊島   格    日本貿易振興会理事長
       那須   翔    東京電力株取締役会長
       西村  清彦    東京大学大学院経済学研究科教授
       樋口  美雄    慶応義塾大学商学部教授
       グレン・S・フクシマ  在日米国商工会議所(ACCJ) 副会頭
       星野  進保   総合研究開発機構理事長
       星野  昌子   日本国際ボランティアセンター特別顧問
       森地   茂    東京大学大学院工学系研究科教授
       諸井   虔    秩父小野田株取締役相談役
       山内  弘隆    一橋大学商学部助教授
       山口  光秀    東京証券取引所理事長
       吉野  直行    慶応義塾大学経済学部教授
       米倉  誠一郎    一橋大学イノベーション研究センター教授
       和田  正江    主婦連合会副会長

〔 部会長 〕 ただいまから第1回の経済主体役割部会を開催させていただきます。
 私は、去る6月17日の経済審議会におきまして当部会の部会長を仰せつかりました水口でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 委員の皆様方には、ご多用中のところをお引き受けいただきまして、かつ、今日お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。 さて、本日の参考資料にございますように、去る6月17日の経済審議会におきまして、同審議会の下に「経済社会展望部会」と「経済主体役割部会」の2つの部会を新たに設置することが決定されました。
 この経済主体役割部会におきましては、構造改革により新たな対応を求められる各経済主体の役割と課題等を検討することとされております。
 委員の皆様方からは、忌憚のないご意見をいただきまして、活発な議論が展開されることを期待しております。
 本日は、お手元にお配りいたしました議事次第のとおり、第1の課題として「議事の公開について」、第2の議題として「本部会の審議の進め方等」についてご審議いただきたいと考えておりますので、よろしく活発なご議論をお願いしたいと思います。
 今回、本部会の審議に参加していただきます方々は、お手元にお配りしてあります資料1の委員名簿のとおりでございます。初回でもありますので事務局から本日ご出席の皆様をご紹介いただきたいと思います。

〔 事務局 〕 それでは、ご紹介させていただきます。
 潮田道夫委員でございます。河村幹夫委員でございます。神田秀樹委員でございます。
 鶴田卓彦委員でございます。得本輝人委員でございます。豊島格委員でございます。西村清彦委員でございます。樋口美雄委員でございます。グレン・フクシマ委員でございます。星野進保委員でございます。星野昌子委員でございます。山内弘隆委員でございます。和田正江委員でございます。
 なお、吉野直行委員は、やや遅れてお見えになる予定でございます。以上でございます。

〔 部会長 〕 どうもありがとうございました。
 部会長から部会長代理を指名することとなっております。本日ご欠席でございますが、金井委員にお願いしたいと存じますので、その旨ご了承お願いいたします。
 続きまして、本日の議事に入ります前に、麻生長官がご出席でございますので、長官からご挨拶をいただきたいと存じます。

〔 麻生経済企画庁長官 〕 本日は、ご多用中のところをご出席いただきましてありがとうございました。
 ご存じのように、ここ数年来、経済にかかわらず日本全体に閉塞感というか何となく不透明感があります中で、どうしてもこういった状況を打破して日本の将来につきまして中長期的な展望を切り拓いていく必要があるということから、改革なくして新たな発展はないという理念に基づきまして6つの改革の推進に、今、政府として挙げて取り組んでいるところであります。
 この経済審議会におかれましても、一昨年、構造改革の指針となります「構造改革のための経済社会計画」をご答申いただきまして、その後、6つの分野にわたる、特に経済構造改革の建議をまとめていただくなど、一連の構造改革の推進に大変大きくご尽力をいただいたところであり、お陰様をもちまして諸般の改革が今大きく進展しつつあると思っております。
 また、先般、7月25日にもう一つの「経済社会展望部会」の第1回の会合が開催されましたが、そこにおいては、構造改革がされました場合どういった経済社会ができてくるのか、いろいろ規制緩和された後一体どういう社会になるのかというのは非常に関心のあるところでありますので、そういった国民生活の姿をわかりやすく国民の皆様にお示しすることが極めて重要であるという観点から、構造改革を踏まえた我が国の経済社会の姿の展望に関してご審議いただくようにお願いさせていただいたところであります。
 また、同じように、構造改革がされました後、新しい経済社会というのは従来に比べて規制が緩和されております。自由競争の部分が増えてくる等々、いろいろな意味でいままでにない部分が出てきて、それが結果的に活力をもたらすであろうという前提で私どもはこういったものを公正に公平にやっていくというようなことを言っておりますが、その結果、公的部門、または、いわゆる各企業におけます企業部門、個人の部門、そしてさらにNPOなどの新しい経済主体というのはそれぞれの役割もまた変わってくるはずであろうと思っております。持株会社が認められる等々、監査役の制度が変わってみたり、社外重役等々、いままでとはいろいろ変わったものが出てくるのは当然なのでありまして、外国人の就労者が増えてくることも当然予想されるところであります。また、その相互の関係についてもいろいろな意味で変革が求められるであろうと思っております。
 この部会におかれまして、構造改革後の新しい経済社会の中において各経済主体のやり方と課題等に対していろいろご審議をいただきたいということでお願いさせていただいたところでございますので、皆様方の一層のお力添えをお願いいたしたく、今日の第1回目の会合に参加させていただいた次第でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

〔 部会長 〕 どうもありがとうございました。
 それでは、本日の議題に入らせていただきます。
 まず、議事の公開方法についてお諮りしたいと思います。事務局からご説明をお願いいたします。

〔 事務局 〕 お手元の資料2をご覧いただきたいと思います。
 経済主体役割部会の議事の公開についてお諮りするものでございます。
 議事の公開につきましては各部会で決めることとなっております。「経済主体役割部会の議事の公開は、今後、以下によることとする」とございまして、「原則として議事録を会議終了後1ケ月以内に作成し、公開する。ただし、発言者名の公開は行わないものとする。」、「また、原則として議事要旨を会議終了後2日以内に作成し、公開する。」とございます。2.、3.はさらに事務的なことを書いてございます。
 この公開につきましては、従前どおりの扱いで案を作成しております。以上でございます。

〔 部会長 〕 ありがとうございました。
 それでは、ただいまご説明のありました「議事の公開方法」につきましてご意見等ございましたら、どうぞ。
 ございませんでしたら、資料2のとおり、 1.経済主体役割部会については、原則として議事録を会議終了1ケ月以内に作成し、 公開する。ただし、発言者名の公開は行わないものとする。 また、原則として議事要旨を会議終了後2日以内に作成し、公開する。 2.配付資料は、原則として議事録と併せ公開する。 3.会議開催日程については、事前に周知を図るものとする。
 ということでご了承いただいたものとして進めていきたいと思います。
 それでは、議事の公開方法につきましては、本会合の冒頭にさかのぼってそのようにさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、「経済主体役割部会の審議の進め方」につきまして、事務局より説明をお願いいたします。

〔 事務局 〕 お手元に、議題2 経済主体役割部会の審議の進め方についてというのをお配りしてございますが、1枚めくっていただきますと、資料3経済主体役割部会の審議の進め方について(案)というのがございます。
 1 基本的考え方でございますが、これは、先ほどの長官のご挨拶で尽きているわけでありますけれども、今回、経済審議会の中に2つの部会を作りまして、経済社会展望部会では6つの改革が進んだ後にどういう社会の姿になるかを展望していただくとありますけれども、経済主体役割部会では、そういう枠組みが変わってきた中で、それの経済主体の在り方というものがどうなっていくべきであるか、そういうご議論をしていただきたいというのが全体の趣旨でございます。
 2 審議事項でございますが、4つに分けて書いてございます。1)は、政府と申しますか公的部門の役割についてということでございます。この中をさらに3つに分けて書いてございますけれども、一番最初は公的な部門と民間部門との間の役割の分担ということでございます。これはある意味では非常に議論の積み重ねがある分野でもございますけれども、そこに(例)ということで示してございますように、例えば公的金融というのがどういう役割を果たしていくべきであるか。あるいは公共事業についても、いろいろ膨らんできたものについてご批判があるわけでありますけれども、今後、社会資本の整備ということで国なり地方公共団体というのはどういう分野のやり方を果たしていくべきであるか。さらにもう少し広く申し上げますと、社会資本に限らず公的部門が提供する財なりサービスというのはどういうものであるべきか。あるいは所得の再配分という問題について政府がどういう役割を果たすべきかというようなことがあろうかと思います。
 2つ目は、公的部門の中で中央政府と地方公共団体との間の役割の分担の問題ということでありまして、これも地方分権推進委員会で既に2次にわたる答申が出されているということで、権限の委譲の問題等いろいろ議論が既にされているわけでありますけれども、そこに例示として挙げてございますのは、地方公共団体が地域の住民の方々に、いわばナショナルミニマムとしてどういうサービスを提供しなければいけないのか。これは裏を返すと交付税等の財政調整はどういうふうにあるべきかということとも関連する問題かと思います。
 もう一つ例示で挙げてございますのは、今や企業が国を選ぶ時代ということがよく言われておりますけれども、それをもう少し具体的に考えますと、企業が世界的な視野で都市と都市の間、地域と地域の間で、どこに立地するかという選択を進めているということでもありまして、いわば地方公共団体が競い合って自分のところの雇用をどうやって確保していくかという問題にもなろうかと思っております。
 次のページにまいりまして、公的部門の役割ということで 3民間業界団体等による規制的役割というふうに書いてございますが、最近、時々、民民規制というような言葉もございますけれども、政府が現在いろいろな規制緩和を進めているわけでございますけれども、そういう公的主体による、あるいは法的根拠に基づく規制の他に民間の業界団体等が事実上の規制をやっているという問題がありまして、例えばOTO等でもそういうものが実際に輸入の障壁になっているというようなことがいろいろ取り上げられているということがございます。この分野は、これまであまり正面から取り上げられてこなかった問題かと思いますけれども、こういう問題についてどういうふうに考えるか。片方で言いますと、直接公的部門が担当しないということで、ある意味では安上がりであった面もあろうかと思いますけれども、片方で非常に弊害も目立つということでございます。
 経済活動の主体の2つ目といたしましては、2)企業部門の課題ということで書いてございます。最近、コーポレートガバナンスの問題、非常にいろいろなところでご議論がされているわけでありますけれども、ここでは一応2つの観点からということで、1つはグローバルスタンダードと申しましょうか、国際的視野から見て日本型の企業システムをどういうふうに評価するかという問題でございます。
 例示で挙げてございますけれども、これまで日本の場合のコーポレートガバナンスという場合にはメインバンクの役割が非常に大きかったということを指摘される方々もおられますけれども、ビッグバンが進んだ後で、そういう日本型のコーポレートガバナンスというのはどういうふうに変わっていくのか、あるいは株式の持合でありますとかベンチャー企業に対する資本提供のあり方、そういう問題を含めてコーポレートガバナンスの在り方をご議論いただくということも1つであります。
 2つ目に書いてございますのは、対内直接投資の誘発ということでございますけれども、日本の場合、外に向けての投資と国内への投資というのでは、文字どおりケタ違いで対内直接投資が少ないわけでありますけれども、それはどういう環境整備をすることによって日本の中に外国の企業が入ってくるという形になるのかという問題でございます。
 3番目は、コーポレートガバナンスの在り方とも密接に関連いたしますけれども、新しい雇用の在り方の問題。これは雇用慣行の問題、従業員が経営に参画していくという問題、さらに広げて考えますと、外国人雇用の問題をどう考えるかということもあろうかと思っております。
  2で書いておりますのも広い意味でのコーポレートガバナンスでありますけれども、最近、いろいろと不祥事も出ておりますけれども、企業の社会的責任という問題で、これは例示にございますように、企業が社会に対してどういう情報を提示していくか、あるいは企業行動に対するチェックのシステムはいかにあるべきかというような問題があろうかと思います。
 経済主体の3つ目ということで3)個人部門の課題を掲げてございます。政府、企業を取り巻く環境が変わるということと同時に、家計にとりましても消費行動、あるいは資産の運用行動という面で選択の幅が広がってくるということになりますと、逆に自己責任でそうしたものの中から最適な行動を探していかなければいけないことになってまいります。そのためには情報の提供でありますとか、セーフティーネットをどういうふうに張るかという問題を含めて議論があるということだろうと思います。
 なおこの問題につきましては、国民生活審議会の方でもご議論をしておられるということでありますので、そういうところと連携を取ってご議論していただく必要があると思っております。
 最後のページにまいりまして、いままで申し上げました3つの経済主体というのは、いわば伝統的な経済主体ですけれども、4)に掲げてございますのはNPOのような新しい経済主体が登場してきている。それがどういうやり方を担っていくかということでありまして、現在、NPOについては法人格を取りやすくするということで議員立法で法案の審議も進められておりますけれども、例えば高齢化社会においてのNPOの役割でありますとか、町づくりにおけるNPOの役割、さらには海外での支援活動、NPOの活動が非常に広がってきているわけでありますけれども、こういうものをどういうふうに位置づけていくかという問題でございます。
 以上、4つにわけて審議事項ということで例示を申し上げたわけでありますけれども、一番最初のページに書いてございますように、こういうことで審議項目としてよろしいのかどうか、もっと大きな問題もあるというご指摘もありましょうし、あるいは非常に網羅的なのでもう少し焦点を絞って審議を進めるべきだというご議論もあろうかと思います。
 最後のページの3 審議のスケジュールと書いてございますが、本日が第1回でございますけれども、8月はお休みにしまして、9月に第2回、以降、大体月に1回ぐらいのペースでご審議いただきまして、来年の6月ぐらいを目処に報告書をお取りまとめいただければと考えております。
 また、今、申し上げましたような審議項目になってまいりますと、例えばコーポレートガバナンスの問題にいたしましても、あるいはNPOの問題にいたしましても、それぞれまたご専門の方にご議論をいただくということも必要かということで、場合によりましては新たに委員をお願いいたしまして、この部会の下に小委員会といいますかワーキンググループを設置するということも必要ではないかと考えております。
 以上でございます。

〔 部会長 〕 ありがとうございました。
 ただいまご説明のありました本部会の審議の進め方について自由な意見交換をしていただきたいと思います。
 やり方として、まず、論点メモにございますような、基本的考え方の視点についていかがかということでございます。審議いただきまして、その後、審議事項につきまして、これは順不同で、例示にこだわることなく自由なご意見をいただいて審議していただきたいと考えておりますが、まずはじめに基本的考え方という点についていかがでございましょうか。A委員、何かご意見ございますか。

〔 A委員 〕 大体こういう考え方でよろしいのではないかという気がいたします。
 ただ、この中に入るかどうかわかりませんけれども、現象的なことで申しますと、今、アメリカが大変長期にわたって景気回復が続いている。いろいろなとり方があると思いますけれども、7年間にわたって景気が上昇している。どうしてこんな長期にわたって景気回復が続くのか、ちょっと理解できないようなところがあるわけです。しかも物価もあまり上がっていないし、かつての日本におけるバブル経済とはちょっと違うと思うのです。株価の順調に上昇しているし、やがて天井がくるのではないか、くるのではないかと言うけれども、そうでもなく着実に株価の方も上がり続けているということで、いままでのものの考え方というか、いろいろな考え方がありますけれども、在庫循環で景気が左右されていくという考え方は、そのまま採用していていいのかどうか。ニューエコノミーというような言葉も登場しているようですけれども、何か景気分析というか、それも経済の分析の新しい視点というものをそれこそ加味する必要があるのではないか。ここの部会でやるのがいいのかどうかわかりませんけれども、経済企画庁全体としてどこかの部署でそういう問題を取りまとめてみたら、国民の参考にもなるのではなかろうかという気がいたしますので、本題と離れるかもしれませんけれども申し上げてみました。

〔 B委員 〕 私も基本的にはこういうことかなと思うのでありますが、ものをもっと将来に向けてみるのか、今の欠点を直すという観点でみていくのかという、見方の相違によってちょっとテーマが違うのかなという気もしないでもない。
 これはべつによく考えて発言しているわけではございませんので、間違っているかもしれませんが、例えば、企業のガバナンスにしましても、これからの家計のビヘイビアにいたしましても、あるいは政府と民間との役割にいたしましても、例えば諸外国との間の比較しながら欠点を直していくというのは、当然一番着実なやり方だと思うのですが、同時にある目標といいますか、お互いにこんなふうにいったらどうだろうかという目標みたいな側面からものを考える考え方もあるだろう。それで最近のはやりの言葉で言えば、グローバルスタンダードに積極的に貢献するというか、グローバルスタンダード構築に貢献できるような日本の経済なり社会の体質にしていくのには、一体会社はどうしたらいいのか、政府はどうしたらいいのか、あるいは消費者に至るまでの心構えといいますか、あるいは国際的な連携だとか、NPOの話も出ておりますが、そういったものをどうしたらいいのだろうか。そういう形でとらえるとらえ方もあるのかなという気がしまして、ここに書いてあるのは非常に着実な方法で、現在からいろいろな欠点を是正しながら、構造改革が進んだときのそれぞれの心構え、在り方、あるいは行き着くところはインスティチューションとか、そういう問題についていろいろ知恵を出そうではないかということだと思いますが、何かもう一つ一くくりにして将来のわかりやすい角度からもう1回照らし直してみるというやり方もあるのかなという印象を持ちました。印象でございますのでどうぞお気軽に--。

〔 C委員 〕 私の方からは、次の審議事項のところでちょっと申し上げたいことがありますので、今は--。

〔 部会長 〕 基本的な考え方につきましては、こんなことでよろしゅうございましょうか。
 今、A委員がおっしゃられた経済・景気分析の視点、アメリカでもグリーンスパンの議会証言も非常に歯切れが悪くなってしまったというような状況もありますし、片方では、ポール・クルーグマンはまた異端の説というようなことを言っておりますけれども、何か企画庁の方では、この問題については特にコメントすることございますか。

〔 事務局 〕 実は昨年、日本経済研究センターの香西さんに座長をお願いいたしまして、経済政策のこれからの在り方についての研究会ということで、従来の循環的な、ファインチューニング的な景気政策をどういうふうに考えるか、むしろこれからは中長期の供給力の増加、成長力の強化ということを頭に置いた施策を中心にやっていくべきではないか。そういったことの提言をまとめていただいたことがあるのでございますけれども、先ほど、A委員がおっしゃいました、景気循環というものが在庫調整を中心としたものがなくなったかどうかということにつきましては、日本の場合はついこの間までかなりいろいろな意味でのストック調整もあれば在庫調整もあればということだったと思っております。ただ、アメリカが情報投資を中心にして長期に潜在成長力が上がってきているのではないかというようなこともございますし、日本で今これだけ、構造調整下ですからやむを得ないこととはいえ、ジグザクとしているということはどういうことでこんなことに、アメリカと違っているのかというようなことは、私どももしっかり受け止めて勉強させていただきたいと思っております。

〔 部会長 〕 ありがとうございました。
 それでは、一番中心の審議事項につきまして、各経済主体ごとの検討の視点、あるいは例示事項、これにこだわることなく自由にご審議いただきたいと思います。
 はじめに、本日、早めに退席される予定でございますD委員、よろしくお願いいたします。

〔 D委員 〕 審議事項について、今の部会長のご指摘のようなこれにこだわらずにということですので、考え方を少し述べたいと思うのですが、1つの疑問と意見ですけれども、公的部門の役割と企業部門の課題、個人部門の課題と、3つの大きな柱で議論するということなのですけれども、当たり前のことですけれども、これはおそらく3つを切り離して議論できるものではないということだと思います。特に私の専門分野が公的な社会資本形成とか公共財の提供ということを研究しておりますものですから、そういう面から見ますと、これまでも公的な部門の役割は非常に大きかったわけですが、それとともに公共部門の例えば公社とか公団という形で、民間部門との接点が出てきていて、ある意味ではそれがまた今整理といいますか、どういう形でいくのかという議論になっているわけですが、それをもう少し進めていきますと、今度は民間部門から公的部門に接近する必要があるというようなところも出てくると思います。
 と申しますのは、社会資本整備等につきましては財源問題等ありまして、これから公的な部門がすべての役割を担うということはなかなか難しいということになりますので、そうしますと、民間部門がそれをいかに肩代わりするか。ところが社会資本とか公共財というのは、ご承知のとおり民間部門がやっていけないといいますか、民間部門だけでは供給できないというのが基本的な原則でありますから、そうなってきますと、それに対して公的な部門がどういうふうにサポートするのかということだと思います。
 私が申し上げたようないままでのやり方は公的な部門から少し民間的なやり方を出してきたと言うところが強いですし、また今、議論されているエージェンシー等の議論もそういう面があると思いますが、それだけではなくて、民間部門が公的な資本形成とか公共財の提供というものをいかにできるかという、そういう土台を作っていくということが出てくると思います。そういう、間の関係といいますか、中間的な領域について何か1つの原則といいますか、基本的な考え方を持たなければいけない。そのためにこの3つの柱について個別に議論するのではなくて、何か別の視点から横に連携するような視点、あるいはその価値観といいますか、そういうものを議論する必要があるかと思います。
 もちろん、言うまでもないことですが、今の私の申し上げたことについての非常に有力なといいますか、根本的に重要な問題は市場機構をどう使うかとか、そういった問題なのですが、それだけではなくてそこにもう一つ超えたところで何か横につなぐような軸といいますか、価値観というものを議論すべきだというふうに思います。

〔 部会長 〕 ありがとうございました。
 E委員も途中からご退席と伺っておりますので、ご意見がありましたら、どうぞお願いいたします。

〔 E委員 〕 私は法律を専門にしておりますので、あまりこの部会でお役に立てないのではないかとも思いますが、若干気がついた点を2点ほど、法律との関係で申し上げたいと思います。
 第1点は、いろいろなところで、例えば(案)の中に、企業部門のところで企業はどのように行動していくべきかといったような文章があるのですけれども、どの程度、法律制度というのでしょうか、というものを所与として考えるのか。いろいろな改革が行われるといたしましても、非常に基本的なところに在る法律制度、例えば企業の一番基本にある商法という法律、そこでは、先ほどちょっと長官からもご指摘ございましたけれども、取締役という制度があるし、監査役という制度がある。しかし、監査役という制度は日本に独自のものでありまして、先進諸外国にはない制度であります。そういうかなり基本のところをある程度所与として考えるのか、あるいはそういう制度も変えていこうという、そういう議論も含めてここでしていいのか、いいのかという表現はちょっとよくないかと思うのですけれども、私自身、その辺、この部会の役割というものをわかっていないのかもしれませんけれども、日本が大きく変わらなければいけないという現状からいたしますと、これは企業だけではなくて他のところも同じだと思いますけれども、基本にかかわる法制についても、あるいは変えていかなければいけないのではないかという議論も、もし併せてしていただければ大変ありがたいと思います。それが第1点です。
 もう1点は、ここで申しますと個人部門に属するのかと思いますが、法律をやっておりますと、しょっちゅう「消費者保護」とかいうような概念がありまして、あるいはここの言葉で言うと「裏返しとしての自己責任原則」という表現があるのですが、どうもこれが、私もいろいろ議論する機会があるのですが、人によって非常に違っておりまして、例えばルールを明確にする。ルールを明確にして、そのルールの下で、例えば金融の分野等で申しますと、金融商品をルールに違反して業者が消費者ないし投資家に売った。その結果、消費者や投資家が被害を被った。これはルール違反があるわけなのですが、その先が、ここの言葉で申しますと「救済制度」、被害を受けた人は自分で裁判所に行って損害を取り戻してください。そういうことでいいのか。そうだとしますと、今の弁護士の数で足りるのかとか、裁判所の制度で時間がかからず迅速な救済が受けられるのかというような話になるのですけれども、もう一方では、ルールの違反があった場合には、これは官民の役割分担になるのですが、消費者をいわば代表して官が出て行って止めるとか、あるいは損害賠償を代わりに取って消費者に配るとか、そういう議論もあり得ると思うのです。
 今、ちょっと具体的に申し上げたのはイメージを明確に、明確にならないかもしれませんが、その趣旨で申し上げたのですが、要は「消費者保護」とかあるいは「自己責任原則」とかいう意味についてもう少し詰めたご議論を、もしここでしていただければ私は大変ありがたいと思います。

〔 部会長 〕 どうもありがとうございました。
 どうぞ、全くフリーにお願いいたします。

〔 C委員 〕 最後の「新しい経済主体の登場と役割」という柱立ての文言なのですけれども、他の伝統的な主体に比べれば、確かにまだ歴史が浅いし、という感じはございますが、この役割の確認であるとかというようなことで終わらずに、他のところと同じような柱、「新しい経済主体」という言葉を使ってもかまわないと思うのですが、「役割と課題」というふうにしていただいた方が望ましい。本文の方を読みますと「意義を高めていくための環境整備の在り方について議論を深める」というふうになっていますから、実際には課題について話が及ぶのだと思うのですが、何か柱立ての文言の重みがちょっとおまけ的な感じで(笑)、先ほど局長がおっしゃったように、この件については、例えば秋の継続審議に持ち込まれているようなNPO法案のことなども含めて、特別専門部会のようなものが設けられる、あるいは現在、既にあるならば、この部会ではそこまでは踏み込まないというのもあろうかと思いますが、ちょっとそういう印象を得ました。

〔 部会長 〕 ありがとうございました。
 これをやっている審議会とか部会はありますか。

〔 事務局 〕 NPOの問題につきましては、今、C委員の方からお話がありましたように、法案は通常国会で継続審議ということになっておりますが、その前の段階で、ちょうど阪神・淡路大震災が起こる前の年でございましたけれども、国民生活審議会の方で、こういうボランティア活動といいますか、NPO活動の在り方ということを審議会としてご議論していただいておまとめいただいた経緯がございまして、それが今度の法案作りにもある意味では背景になっているだろうと思います。
 それから、NIRAの方でも、NPO法の問題についてもいろいろな研究を重ねておられるというふうに承知いたしております。
 今現在、これを特に部会として取り上げて専門的にご議論されている審議会というのはないと思います。

〔 F委員 〕 今のNPOの問題、4番目の項目については、議論の中からもう少し明確な位置づけができればいいなと思っております。
 労働組合自体も、NGOだとか、また広い意味でのNPOの1つであるし、いろいろな面で、特に21世紀を展望したときの少子・高齢化社会を乗り切っていくためには、この分野がいろいろな面でもっともっと大きな役割を果たしていくだろう。そういう面でこの中でも議論しながらきちんとした位置づけができればと思います。
 たまたま昨日、産業労働問題懇話会、次官も出ていらっしゃいますが、雇用の問題をどういう受け皿にしていくのか、新しい雇用分野をどのように作っていくのかというのは、ここにも書かれていますが、新しい産業分野をどうやって作り出していくのかというのは、これはこれで重要でして、そして、雇用の移動をどうしていくかということと同時に、もう少しこれを本当に継続的な雇用とみるのかどうか。NPOでも、本来ならばボランティアの分野ということでも、有料なボランティアというのが考えられるのかどうかという、そのあたりなんかはまだ議論し始めたところなわけです。そういうあたりが広い意味での雇用の受け皿にもなっていく、そういう面なんかで非常に大きな役割があるのではなかろうかと思います。そういう面でコンセンサスができればと。
 それと同時に、組合自体もいろいろな面で変わっていかなければならない、ならないと言われながらも、どちらかというと物取り主義になっている、そういう面では、皆さんがたからNPOの一員という視点で、私たち組合のいろいろな在り方等々についてもっと幅広くいろいろな面での市民や地域社会との連携という面での率直なご意見等もいただければ幸いだと思います。

〔 G委員 〕 4点ほど申し上げたいと思います。
 1点目は、この部会のテーマが大変大きいテーマで重要なテーマなのですが、と同時に専門的知識を要求されるようなテーマではないかと思いまして、それぞれの分野の実態を正確に把握するだけでも大変な作業ではないかと思うのです。
 それで、私、1つ伺いたいことは、来年6月の報告書はどの程度の具体性、あるいは細かいところまで述べる予定なのかということです。それは、総論的な一般論的なレベルでよろしいのか、あるいはかなり突っ込んだ各論の議論、あるいは行動計画の形でいくつかの望ましい方向に持っていくためには、実現するために必要な具体的手段を提言するのが目的なのか。そこら辺をひとつ明確に教えていただきたい。
 2点目は、国際問題なのですが、企業部門の課題のところで「国際的視野から見た日本型企業システム」と書いてありますが、私、他の国との国際比較が、企業だけではなく他の分野においても1つの重要な参考になるのではないかと思います。私の個人的希望としては、日本が諸外国の経験によって学ぶ、あるいは利用するということだけでなく、日本の制度が変わることによって、諸外国との関係にどういうふうに影響するかという視点から見ることです。ですから、日本の制度を見直すことによる世界の中の日本の役割という、そういう視点あるいは観点も、何らかの形で念頭に置いて議論していただきたいと思います。
 3点目は、問題設定です。分け方が非常にタテ割的すぎるということです。政府、公共部門、民間、個人、NPOとなっているわけです。先ほど、E委員もおっしゃったのですが、法律とか、より横断的に機能する側面が非常に重要な役割を果たしているのではないかと思います。例えば、法律制度、弁護士の役割とか、裁判所もそうなのですが、教育制度とか、教育の内容とか、あるいは情報通信のあり方とか、英語の役割とかです。例えば透明性を確保するための英語の役割も大切です。具体的に申しますと、ある日本の役所が新しいルールを作る際に、それに対する民間からの意見書を日本語でなければ受けないのか、それとも英語でも受理するのかというような問題です。実はつい最近そういう具体的な例がありましたので申し上げるのですが、そういうタテ割りだけでは把握できないいくつかの横断的な問題点があるのではないかということです。
 4つ目は、これも多分、最後の報告書がどういう内容を目指すかによっても違うと思いますが、報告書のまとめ方についてです。普通は、こういう報告書の場合には、コンセンサスといいますか、一応、皆さんの共通意見をまとめることになるのではないかと思います。これはあくまでも日本を外から見て感じることなのですが、もう少しディベートを促進するために、各分野においてかなり異なった意見の代表を招くか、あるいは委員の方々の中でも指名して1つのディベートのような形にしたらどうかということです。もちろん、専門的な知識を前提としてなのですが、そういう知識を持っている人たちが違う視点から、最初からディベート方式に、例えば20分とか30分議論して、その後でそれに関して委員がいろいろ議論するという、そういうやり方もあると思います。最終的にまとめるには大変な作業になると思いますけれども、むしろそういうやり方の方が新しい意見、あるいはどういう点で明らかに違うかということが明確に出るのではないかと思います。

〔 部会長 〕 どうもありがとうございました。
 今、6人の委員の方からいろいろご意見をいただきましたが、それに対して企画庁の方からコメントか何か、企画庁サイド、長官も含めてございましたら--。
 私から1つ申し上げたいのは、これは後ほど、事務局の方からもお答えいただきたいと思いますけれども、今、G委員がおっしゃった報告書の内容をどこまでかという問題は、まさにこれからの審議の内容いかんということで、また、客観的な事実も、来年の春以降、特に4月に外為法の実施であるとか、その他いろいろな問題、金融ビッグバンについて具体的な問題がずいぶん出てくるということを含めまして、相当客観的な事実も前に進んでいるという大きな期待感と、ある意味では恐怖感を持っておりますので、議論の内容からして相当具体的なものが出てくるのではないかという、私は期待を持っております。
 ディベートの問題は、おっしゃった意味は、例えば仮にA委員、B委員2人最初に並べて、まずディベートさせて、それをもとにするという方式はどうかなと思いますが、実際問題として、今日の委員の先生方が考え方がみんな同じかといいますと、そんなことはないと思いますし、また、前回の行動計画委員会、私が委員長をさせていただいておりましたが、これは麻生長官がご就任されて、ご出席されたときがディベートの真っ最中でございましたので、特にこれはNTTの在り方というような問題を、高度情報通信という問題につきましてディベートの真っ最中だったというようなこともございまして、特にこの部会は、私も冒頭に、活発なご議論を是非お願いしたいと申し上げたのは、活発なあるいはディベートをお願いしたいと言ってもいいかと思いますので、これは是非、進めていただきたいと思います。以上、これは私の所感でございますが、局長、あるいは次官、何か他にございますか。
 よろしゅうございますか。
 それでは、続きましてH委員、どうぞ。

〔 H委員 〕 申し上げたいのは2点ございます。
 1点は、私は労働経済学をやっているものの立場から発言させていただきたいと思うのですが、雇用問題というのが企業部門の課題といった中に入っているかと思います。その中に「新しい雇用の在り方」、「雇用慣行」、「経営参画」、「外国人雇用問題」ということでありますが、最近の流れとしまして、当然、労働市場というのは企業側と働く側という両方からなっているわけですが、個人部門の中に雇用といいますか働き方といったようなことについて入れてもらえないだろうかというのが1点であります。
 特に労働市場の流動化を考えていくということになりますと、転職問題、自発的な転職ということでありますから、これはもう個人の問題であるというようなことにもなるでしょうし、あるいはそれに伴って自己啓発が必要だというようなことであれば、いままでのように企業が中心になって能力開発をするというようなことがだいぶ変わってくるだろう。そうなってきますと、やはり個人の主体というものが求められてくることになるだろうというようなことがあります。そういったことから、新しい働き方についつて、個人部門の中で少し議論していただけないかというのが第1点であります。
 第2点は、労働市場の流動化という話をしたわけでありますが、その中が、最近、足下を見ておりますと多重化してきている。特に正規社員と非正規社員の間、例えばパートタイマーといったものの間で大きな乖離が出てきているということを感じるわけであります。例えば去年の雇用の増加を見ますと、1年間で 120万人雇用者が増えたということでありますが、その中で正規社員がどのぐらい増えたかというと、統計によりますと13万人しか増えていない、残りの9割近くがパートタイマーであるとか、嘱託社員であるとか、そういう非正規社員というふうに言われている人たちの増加である。
 労働組合も一生懸命やっているわけで、おそらく、今後、能力給のウエイトが高まってくるということになってきますと、どうしても従業員の方から公平ではない、公正ではない処遇がなされているのではないかということから不平不満が上がってくるだろう。そういったものに対して労働組合も中心になって企業の中にいる内部化された労働者については苦情処理委員会みたいなものができると思いますが、片方、非正規社員についての苦情処理、未組織労働者についての苦情処理といったものをどういうふうにしていくのか。企業とそれと労働組合だけで十分なのだろうか。私は必ずしもそうではないと思います。公的な部門の役割というのも重要になってくる可能性があるわけでありまして、そういう点についても考えていただけたらということです。

〔 I委員 〕 私も2点ほどお話しさせていただきたいと思います。
 1点は、先ほどE委員からお話のありました法律制度の問題です。私は土地問題とか、大店法の問題等いろいろやっておりますが、そこで問題になってくるのは、最終的には日本の経済問題というのは法律をどういうふうに運用するか、その運用の問題に実は帰着してしまう。経済学で考えているような市場メカニズムが実は法律の実際の運用によってかなり妨げられている部分がある。そういった問題が解決しない限り、いかにすばらしいことをやっても最終的なところは結果が出てこないという形になりがちです。特に定期借家権の問題とか、大店法の実際の運用に関する問題、手続法の問題、そういった問題があるわけです。我々にとって重要なのは、こういうときに公的部門がどういうルールに従って何をするかということに関して意思をはっきりさせて、それに従うようにさまざまな制度を変えるということが必要なのではないかと思います。特に土地問題に関しては、こういったいわば経済外的なもので経済的な取引が非常に阻害されている。そういったものがいろいろなところにコストの増加というものをもたらしてきていますから、こういったルールを考えるというのは、経済審議会の基本的な役割ではないかと思います。
 それに対応して次の問題なのですが、グローバルスタンダードの問題です。企業もグローバルスタンダード化し、個人もグローバルスタンダード化する。そうすると我々にとってもナショナルインタレストがどうなるのかということが重要になってくるわけですが、実はこれを読みますとナショナルインタレストというのはどうも出てこない。つまり、日本の企業はずっと日本の企業であって、日本の個人はずっと日本の個人であって、日本の政府が言うことを忠実に守るというような印象があるわけです。でも、おそらくこれはそうなっていかないだろう。ウィンブルドン化という言葉がありますが、そういった形になってきたとき、我々がナショナルインタレストをどうやって守るかという非常に大きな問題が出てくると思うのです。そういったことをここで議論しないと、多分、どこでも議論するところはないのではないかと思いますので、その辺を議論していただきたいと思います。

〔 J委員 〕 私もよくわからないので、質問になるのか意見になるのかわかりませんけれども、1つは、役割分担という考え方というのはいろいろありまして、例えば、費用負担まで含めて言うのかどうかということで、公的部門があると計画を作るけれども、民間から金を集めるとかいろいろあるのではないかという感じがします。ボランティアでも場合によっては民間だけではなくて政府がやるとか、この「役割」というのはその辺まで分析して、費用負担まで--、公的部門とか企業の役割というときには、負担との関係がどうかという議論は今後どのようにお考えになるのか、押さえるかどうかということです。
 もう一つは、国際比較とか何かいろいろ出ていますけれども、日本型企業システムについてというけれども、やはり企業とは何ぞやというところからきているのは、私は非常に多いのではないかという気がしておりまして、例えばベンチャービジネスが最近はありますけれども、私も昔、石油開発をやったのですが、要するにまさに当たる企業とプロジェクトはいっぱいあるわけですけれども、結局、金を出す人は、そこで大体当たらないところは損をして、当たったところで全部取り返すということでできているので、まさに株主が思いどおりになるということです。だから、そういう基本に戻るような議論が、単にシステムの問題よりはそこが議論されないと不十分ではないか。審議会としてはそこまでやらないということかもしれませんが、単にシステムの問題として考えるのがいいのかどうか、今後の日本の産業の在り方ということから言うと、企業そのものが何ぞやというところにある程度さかのぼらないといけないのではないかという感じがします。
 国際比較で、ちょっとピントが外れているかもしれませんが、外国の街なんかは花を植えたり非常にきれいに整備されているというので、日本から調査団が行くと、これは非常にいいから日本でも是非やらなければいけないというのですけれども、大体日本人の考えているのは、市町村にやってもらうべきではないかというのですけれども、実際、外国では自分たちで住民が自分たちの街をきれいにする、そういう努力をしているということで、何が言いたいかといいますと、要するにどこまで個人が自分たちで環境を良くしていこうかという、そういうカルチャーないし基本的な考え方というのと、役割というのは関係するのではないかということで、ちょっとピントが外れているかわかりませんけれども、単に誰がどうしたらいいか、これは国がやるべきだと思うがどうかというような、根底の問題が少しあるのかなという気がいたします。これは議論の中で出てくるかと思いますが、そんな感じがしております。

〔 K委員 〕 まだ意見を申し上げるところまでいきませんけれども、3点ほど申し上げます。
 1つは、公的部門の役割の次のページの 3の民間、業界団体等による規制的役割、「民民規制の実態についてはこれまで必ずしも十分な議論が行われてきていない」とありますけれども、この辺のところを十分に、いろいろ具体的なことを検討しながらみていく必要があるのではないかと思っております。
 例示として、業界団体による認証制度、成立経緯と問題点とありますけれども、私ども、団体として規準とか規格を決めるような場にそれぞれ出ておりますけれども、それをまた団体に持ち返りまして、こういうことで案が出ているがということを検討したりするのですけれども、そのときに、役所でやっている規格であったり規準であったりというときと、本当の民間業界団体とまでもいかないで、いわゆる外郭団体というのでしょうか、行ってみたら役所ではないけれども、役所の人たちも来ていた、そして少々裏に回っているときもあるけれども、本当に表に立っていて、これでなぜ役所ではないのかなと思うようなときもあるわけです。その辺のことまで含めて--、私は、ここにあります民間業界団体による云々と言うのが全部ダメということを言うわけではないのですけれども、やはりその辺のところが何となくいままでモワッとして、それでいて相当な意味を持っていたというところを突っ込んで議論していく必要があるのではないかということを感じております。
 個人部門のところでは、先ほどもお話が出ましたけれども、規制緩和になりますと、当然、個人個人がまさに自己責任というところに放り込まれるという感じがしておりますので、そのへんのところで、自己責任をとるためには情報開示、これが個人個人にとっていままで慣れていないことが多いわけですから、明確にしかもわかりやすく情報が開示されているかどうか、救済制度の環境整備、この辺のところを相当これからの問題としては取り上げていく必要があるのではないかと思います。
 4番目の新しい経済主体のNPOが出ておりますけれども、これはいままでこういう場にきちんと出されなかったものが出されてきた、これからの時代の1つの課題だと感じております。
 NPO法案につきましては、まだいろいろな問題点、さまざまな意見もございますけれども、法案そのものを議論する場ではありませんけれども、その辺のところまで含めて考えていこうというふうに考えております。

〔 L委員 〕 遅れてきて申し訳ありません。
 まず1つ官民の役割のところでは、官のダイナミズムといいますか、そういうものが日本では欠けているのではないかと思います。例えばアメリカの場合には、ある程度うまいビジネスになっていきますと、それを民間に任せるとか、あるいはある程度の期間やってうまくいかないと廃止するとか、いろいろダイナミズムがあるわけですが、日本の場合はそれがなかなか難しいという点があると思います。それは人の流動性の問題とも絡んでまいりまして、アメリカの場合には終身雇用制ではありませんので、おそらくそういうことが容易にできるのだと思います。ですから、H委員の分野でもありますけれども、人の流動化、組織の流動化、それと官の役割、ダイナミズムを持たせるということが必要ではないかと思います。
 あとは、公務員の給与体系とか、定年の問題とか、そういうことも含めて考えませんと、きちんとした官と民の役割ということができないのではないかと思います。
 第2点は、インフラの整備とかいわゆる民間にどこまで任せて外部効果のある社会資本というものができるかどうか。ある程度のところまでは民間に任せられるわけですが、民間でできないところはやはり官の役割というのが、今後もあると思います。ただし、その場合に、 2の国と地方の役割分担のところで、地方交付税によってある程度地方にお金が流れます。そうしますと地方では箱物というハードをたくさん作ることによりまして、本来はそれほど乗数効果とか、あるいは効果がないようなところに支出されるという面もあるわけです。ですから、国と地方の役割分担というのも、今後、是非、考えさせていただきたいと思います。
 3点目は、個人部門の課題のところでありますが、これはベンチャー、金融とも関わると思うのですが、現在の日本の場合はご承知のように安全資産に対する個人の金融選択があまりにも高すぎると思います。ヨーロッパとかアメリカですと3分の1ぐらいが預貯金でありますが、日本の場合には6割近くが預貯金であります。そうしますと預貯金は元本保証ですのでリスクの高いところになかなか運用ができないと思います。片や危険資産ですと株式とか外債というものしかございませんので、日本ではおそらく中間のリスクとリターンの商品がこれまで欠けていたのではないかと思います。
 そういうふうに家計部門でも大きな資産選択ができるようにすることによりまして、ベンチャーとか新しい産業にたいする融資ということもできるのではないかと思います。そのような点をいろいろ勉強させていただきたいと思っております。

〔 M委員 〕 まず基本的な考え方のところで「構造改革後の新しい経済社会」という言葉がございますが、これは時間軸としては大体4年後か5年後というふうなことについて一応確認がいるのかなと思っているわけです。なぜかといいますと、例えば4年後といたしますと、そのときに日本が構造改革を終えているとしても、そのときにグローバルスタンダードというようなことを考えた場合に、果たしてそのときの構造改革を終了したときの日本の国とか、日本の企業というものが、その時点での外部経済、外部システムとどのようにシンクロナイズできるのかできてないのか。したがって、日本だけのことではなくて、もし、4年後でしたら4年後の世界経済とか、そういうものは一体どうなっているかということも頭に置かなければならないのかなと思っているわけです。
 なぜかといいますと、実は私は企業に長くいたものですから、多少企業的な見方になりますけれども、先ほどのご議論を受けることになりますが、例えばそのとき企業がどんなビヘイビアをしているかとか、企業は雇用問題をどう考えているかという問題についても、我々としてはもっと深く掘り下げて、本当に国境とは何か、日本とは何か、日本人とは何か、そこまで掘り下げていかないと、この4,5年後の姿というものが果たして世界的に見てジャスティファイできるような姿なのかどうかということまでは一応ディベートはすべきではないかと思っているわけです。
 2番目に

〔参考資料1〕の中で4つの潮流変化というのがございます。これは非常に大事なポイントでありますので、この点は状況認識からスタートするということになりますので、状況認識についてどれほど時間がかかるかわかりませんが、これもやはりきちんと議論して、ある程度共通の状況認識をまず立てないと、その議論が結局違ったことを言っていたということになりはしないかということをちょっと考えております。
 3番目に、我々がここでどういう結論を出すかによりますけれども、結論だけではなくて、非常に具体的にそこに至るプロセスをきちんと提示したい。そうでないと、例えばコーポレートガバナンス、大体いろいろなことが言われております。大なり小なり当たっているかもしれません。企業の中にいれば、もし、結論を出すとすれば、どうすればそこに至ることが可能なのかということについて、先ほど出ましたように法律問題、会計上の処理の問題、いろいろあると思いますけれども、そういうふうにプロセスというものを明示できるような形になっていくべきではないかと考えております。

〔 B委員 〕 先ほどのI委員のご議論に触発されまして、ちょっと申し上げたいのですが、グローバルスタンダードとナショナルインタレストということを言われたわけであります。大変重要な問題だと思います。私は、先ほどちょっとあいまいに申し上げたのですが、多分、2010年ぐらい、今から10数年後ぐらいに備えて日本がグローバルスタンダードが作れるといいますか、かなり世界にそういうことを貢献できるという状況にもっていけるような体質にすべきということが一番大切なことではないかなと思うわけであります。そのこと自体が実はナショナルインタレストにも合いますし、インターナショナルなインタレストにも合うわけであります。 アメリカは、今さら申すまでもないわけですけれども、1980年代、日本の企業経営まで非常に真剣に勉強されて、情報化時代のリーダーシップを取られた。もう今さら言うまでもない話でありますが、要するに、我々、今、アメリカ、ヨーロッパのナショナルスタンダード作りに比べてかなり立ち遅れてしまっているのは事実だと思いますが、これは事実だからやむを得ないわけでありまして、しばらく欧米型のナショナルスタンダードを使わせてもらうということをせざるを得ないだろうと思うわけであります。 例えば、情報について専門家の話でございますと、例えば暗号の問題でありますとか、あるいは情報を圧縮して送る技術だとか、こういうのはとてもアメリカにはかなわないわけでありまして、そういうことがしばらく続くと思います。したがって我々は借りるしかないわけですが、それで企業の在り方とか、あるいは技術開発についての在り方とか、部分部分、改良していくのだと思いますけれども、我々が将来目標とすべきことは、2010年なり、2015年ぐらいについて地球の上の一人として欧米諸国と一緒になって、あるいは欧米諸国に負けないでと言った方がもっとはっきりするかもしれません、グローバルスタンダードを作れるような我々の体制を整えていくということをこれからじっくりやっていくというのが、非常に重要なのではないかと思うわけでありまして、I委員がナショナルインタレストと言われましたが、まさにそのことがナショナルインタレストなのかなというふうに思っているわけであります。ただ、道は長くて大変だと思いますけれども。
 今、コーポレートガバナンスのことが盛んに言われておりまして、経団連が監査委員会を強化したらどうかというようなご提案をされているとか、それぞれパーシャルにはお知恵を出されているわけでありますが、日本のいろいろな経営学者が言われておりますように、従業員組合型の日本の企業をこれから一体どうやって変えていくかといったら、気の遠くなるような話かもしれないわけであります。それだけに社長さんの権限が非常に強いわけですから、そういう会社をどうやって変えていくかというのは、容易な話ではないわけでありますが、かなりスパンを長く考えてみれば、そういうこともある程度は可能かなとか、いろいろな問題があるのではないだろうかと思うわけであります。

〔 I委員 〕 これはH委員と話をしたことなのですが、実は企業部門の課題の中で、日本型企業システムの「企業の社会的責任と役割」というところで、ここに書いてあることはどちらかというと、いわゆる日本型企業システムという今はやりのところで、主に大企業を念頭に置いたということだと思うのですが、日本のGNPに占める中小企業の割合の大きさを考えたら、中小企業を抜きにして日本の将来はないわけですから、そこら辺の視点がないと、欧米及び日本以外の国で話をすると、日本は三菱と三井に牛耳られているという印象をみんな持っているわけですが、そういうわけではありませんので、そこら辺のところはもう少し考えていただきたいということです。
 もう一つは、過去 100年の世界のトップの企業がどういうふうに移っていったかという実証研究があるわけですが、そういうのを見ますと、実際のところその生存率は非常に低いわけです。したがって、我々が今後30年のグローバルスタンダードを考えるときには、実は中企業が非常に重要な役割を果たすわけです。ソニーがそうであったように、実際上将来の大企業は中企業から出発するわけですから、日本という国が中企業を生まれやすくするかということが、おそらく日本のナショナルインタレストにもつながりますし、グローバルスタンダードにもつながる重要なやり方を果たすのではないかと思いますので、是非とも中企業に関してのところを考えていただきたいと思います。

〔 部会長 〕 いろいろご意見が出ておりますけれども、A委員、いかがですか。

〔 A委員 〕 時間が余って、部会長もつなぎに困っているようで(笑)、再度、別の視点から申し上げてみたいと思うのですけれども、論点メモにも入っていますけれども、日本型企業経営とか日本型システムとか、そういう言葉が登場していますけれども、いままで確かに戦後50年日本型経営といわれるものが、定義の仕方は違うと思いますがそれぞれにおいて大変成功した。経済の分野では高度成長で、最終的にはバブルというものにぶつかりましたけれども世界第2の経済大国にのし上がった。その中で国民生活も飛躍的に豊かになったことは間違いないと思うのです。そういう事実があるのですけれども、果たしてそのままの延長でいいか、今、まさにそういうことが問われて、改革、改革という非常に大きな声になっているわけです。
 それでは、どう改革したらいいかということについては、なかなか的確な方向づけができないというのが現状だと思うのです。それでひとついろいろな部門ごとに反省をしてみたらいいのではないかと思うのです。経済主体、公的部門、民間部門、個人部門それぞれのところで、いろいろな反省ができると思うのです。例えば、先ほども自己責任の問題が出ましたけれども、日本の最も悪い点というか欠点は自己責任原則の欠如だと思うのです。「お上」という言葉がいいかどうかわかりませんけれども、「お上に頼れば何とかなる」ということで、規制緩和の問題にしてもいろいろ議論はされておりますけれども、本当に規制緩和を民間が望んでいるのかどうかとなると疑問の点もあるのです。政府の保護の下に公的部門に保護されていた方が楽でいいわという気分がないことはないと思うのです。だから、そういうところをどうやって変えていくかというのは非常に大事だと思うのです。
 この中にもちょっと触れておりますし、先ほど話もありましたけれども、雇用問題1つとっても、一体今のような労働組合法の下で労働移動の弾力化ということができるのかどうか。日本の人口が将来どうなるかわかりませんけれども2009年から減少傾向に向かっていく、2015年には1億人になって、2100年には 7,000万人になってしまう、統計どおりにいくかどうかわかりかませんけれども、今の出生率で延ばすとそういうことになるのでしょうけれども、そうなったときに日本がやっていけるのかどうかということです。ここにもチラッと出ておりますけれども、外国人の労働者というものを日本の就業者の中にどういうふうに位置づけていくかというようなことも相当真剣に考えなければいけないところにきているのではないかという気がするわけです。ところが、労働省の話なんかを聞きますと、治安が乱れるとか、何かすぐそういうことでだめだよと、ドイツの例があるとかそういうことを言って、タブー視して動かないわけです。そういうことでいいのかどうか。 企業の場合だって、マーケットの問題いろいろありますけれども、例えば株式の持合なんていうのを安定化対策としていろいろやってきたと思うのですが、その結果として極めて株主軽視の風潮が出てきてしまった、そういう点も反省材料の1つだと思うのですけれども。公的部門はまさに行革というようなことで、いろいろ反省を迫られておりますけれども、戦後のパフォーマンスは非常にすばらしいものがあったと思うのですが、各部門ごとに、ここで総反省する。悪いことをしたわけではないから懺悔するというと言葉はきついですけれども、やってきたことの失敗に気がつくのがちょっと遅かったということだろうと思うのです。そういう意味では、先ほどアメリカのことをちょっと申しましたけれども、情報通信分野が非常に大きく伸びて、アメリカはサンノゼでもっているのではないかと思われるくらい大きく飛躍しているわけです。だから、そういうことについてもう少し早くみんなで気がついて改革をしていけばよかった。もちろん、まだ遅くなりすぎたというのはないと思うのです。もちろんいろいろ議論はしなければいけませんけれども、せっかく今日は長官がご出席しておられますから、長官に申し上げたいのですけれども、どうやら橋本政権9月また再任ということで延長していかれる、大変結構なことだと思うのですけれども、本当にリーダーシップというか「これでいこう」という線を出して、それで国民をどんどん引っ張っていく。たまには振り落とされるようなところもあるかもしれませんけれども、振り落とされるようなところはやむを得ないです、みんな優等生ばかりではない、いろいろな犯罪なんか出てくるわけだから、そんなものを全部平等に救済していこうなんていう考え方がいいのかどうか。もう少し思い切って太い線を考えて、6つの改革なんかもだんだんしぼんできているような気がします、論議の中身はわかりませんけれどもだんだんしぼんできているような感じがしますので、あえて平地に波瀾を起こすぐらいの勇気を持ってやる時期ではないか。
 私は学者じゃないからよくわからないのだけれども、おもしろいのは、お隣りの中国は社会主義市場経済でけっこううまくやっているのですが、これは理論的にはどう考えてもよくわからないのだけれども、食糧は十分あるし、本当の中身のことは僕らも長くいて見ているわけではないからわかりませんけれども、非常にうまくやっているのではないか。社会主義がいいというわけではないのですが、要するに新しいシステムというものをみんなで論議して知恵を絞って作り出す。いままでの日本のやり方は「みんなで渡れば怖くない」式のそういうところがあるのです、みんなと一緒ならいいと。銀行とか企業なんかはその典型です、A銀行が何かやるとみんな真似してやる。企業も、あそこがやって失敗したのだから、俺のところだって罪は問われないだろうというような、そういうところを本当に変えていくということでやらないと、新生日本というか、いい日本の国づくりはできないのではないか。
 だいぶ脱線してしまいましたけれども、これで少しは時間つなぎになったのではないかと思います(笑)。

〔 部会長 〕 決してそういう意味ではございません、どうもありがとうございました。
 長官から一言お願いいたします。

〔 麻生経済企画庁長官 〕 時間つなぎの一環というわけではありませんけれども(笑)--。
 やはり国のシステムとか制度を変えるというのは、何か喧嘩をして負けたときなのです。だから、黒船で負けた明治とか、物量で負けた第2次世界大戦とか、こういった後はきれいに変わるのですが、日清・日露に勝ち、第1次大戦も勝ち組についた後は、失敗するわけです、それで結論はああいうことになる。
 今回も多分、貿易戦争に勝ち、経済戦争に勝ち、冷戦もうまいこと勝ち組に乗っかって、うまいことおいしい汁を吸ったわけです、当たったわけです。だから、明治から 130年このかた、貧しい国を豊かにするための制度としてはうまくいったから、これだけ豊かになったことは間違いないのですが、どうやら豊かになってしまった国の制度としては問題があるということなのだと思うのです。 一連の経済構造改革にしても、目的は経済のシステムがどうだというより、早い話が高コスト構造を直さないと、日本という国が国際競争で立ち行かないから企業は全部海外に出る、海外に出ない企業は当然のことに工場は閉めるから、組合は解散に追い込まれる、仕事がないから失業が増える、民生が不安定というところで、多分、高コスト構造是正ということになるのだと思うのですが、ただ、そのときに、高コストというときに、個人部門のビヘイビアとして、前の会合でも申し上げたのですが、ニューヨークにメトロノースという地下鉄が走っているのですが、スカースデールという、日本人がやたらと住んでいる地域に向かって地下鉄で32分ぐらい走るのですが、当時、片道6ドルだったのです。定時到着プラス・マイナス4分と書いてある。8時半に出る予定の地下鉄が8時34分に出るかもしれないし、26分に出てしまっているかもしれない、それもプラス・マイナス4分で8分の差で 100%と計算して、94%の定時到着率だということが書いてある。そこに住んでいる日本人は「ふざけるな、こんないいかげんな話があるか、大体、4分遅れるのは辛抱できても4分前に出るなんて冗談じゃない」と言って怒鳴り込んだ日本人がいっぱいいたわけです。ある日、駅に「文句が出た、我々の会社としては99.9%(日本並み)プラス・マイナスゼロ、定時到着率99.9%プラス・マイナスゼロ分にできることは可能、ただし、そのときは11ドル50セント払ってください」という張り紙が出た。これはおもしろいことになったなと思っていたのですが、結論はそのままになったのです。あと5ドル50セント払って4分だか8分だかの到着率を上げるより今のまま安い方がいいという選択を乗客はしたわけです。
 私は、これは大事なことだと思って大変参考になったのですが、そういう発想が我々にあるかというと、これは極めてないので、今ぐらいが当たり前だと思っておられるのだと思うのです。今、人口の話も言われましたけれども、こういう例をひくのはいかがかと思いますが、喫茶店では今でも若い人がコーヒーを出していますが、このまま高齢化が進んでいったら間違いなくロボットでやるか、自分で取ってくるか、もしくは高齢者で対応するかというどれかの選択になるのだろうと思うのですけれども、こういった経済構造改革をやっていったときに、少子高齢化とともに避けて通れないのは多分国際化だろうと予測するのです。ちなみに新聞配達は、今、ほとんど日本人なんていないのではないでしょうか、東京都内で。

〔 A委員 〕 いや、います。

〔 麻生経済企画庁長官 〕 数は少ないでしょう。「明日から夕刊はいりません」なんて書いてあっても永久に夕刊は配られます、配っている人は日本語を読めないから。そういうことになっているように思うのですけれども、そういうようなのを見てくると、かなり大変になるのだと思うのですが、ただ心配なのは、国益ということをI委員がおっしゃいましたけれども、私ども見ていて、グローバリゼーションという名前の、簡単に言えばこれはアメリカナイゼーションですよ、グローバライズされたスタンダードが世界に確立したわけではありませんから、アメリカナイゼーションというものが行われていて、それにある程度合わせなければ仕方がないという、先ほどのB委員のご意見、私も当分の間それでやらなければしようがないと思いますが、その間、どうやって日本のあれを確立していくかを考えないと、戦後だって我々はアメリカにずいぶんいろいろなことを習って教えてもらってやってきた。今度は、ある程度いったら落っこった。そういう競争がある程度行われていくので、世界中はどんどん国は小さく分裂して、民族化が激しく進んでいる時代ですので、その間どうやってナショナルインタレストを守りながら、日本人をきっちり維持しながら、そこらの間の生活をどうやっていくかというところは、非常に難しいところが企業においてももちろん、国においてもいろいろ出てくるのだと思うのです。
 今日も、ある知事会があって出ていたのですけれども、「いろいろおっしゃるけれども、知事さん、地方分権ということは簡単に言えば、各県、各市町村で競争するということですよ。だから陳情したらみんな同じことをしてもらえるなんて思うのは、もうやめた方がいいです。ここの県はこういった企画をしたから予算がうまくいったけど、企画のないところには予算がつかない。これからは、同じようにしろと言っても、政府は全然違うのだからと言って開き直ってきますよ。だから企画を出しきらないところは、県として合併されるかどうかされないともちませんよ」と話したらシーンとなって、終わった後、元気のあるところは「私もそう思います」とおっしゃる方がいらっしゃる。やはりそこのところが、過渡期としてはすごくおもしろい時期だと思わなければいけないのであって、「これがしんどいなと思うなら知事はやめた方がいいですよ、もっと別の方に知事を代わってもらった方がいいですよ」という話をして、かなり顰蹙もかいましたけれども(笑)、率直に言ってそんな感じがするのです。
 だから、そういった意味ではおもしろい時期なのだと思ってやらないといけないのかなと思って、いい意味での挑戦をしていこうという意識を経営者も国家、行政も、個人も考えていかなければいけない時期なので、これは大変大事なところだと思っております。
 3時半から会議がありますので、これで失礼させていただきます。

〔 部会長 〕 どうもありがとうございました。
 多彩なキャリアの大臣らしい率直なご意見をいただきまして、ありがとうございました。
 べつに時間が余ったからいろいろ言っているわけではございません。N委員、まだご意見を伺っておりませんので、どうぞ。

〔 N委員 〕 先ほどG委員もおっしゃっていましたけれども、ものすごく広範な議題で、これについて一家言持とうと思ったら、ものすごい天才でなければできないようなことで、まじめに考えればえらいものを引き受けてしまったという感じがするのですが、この先、議論がいろいろ出る中で、いろいろな審議会が他にもございますし、公的部門なんか相当いろいろな話がもう既に進んでいると思うのですが、この部会で委員の方からいろいろなお話が出て、かなり具体的な提言等もあろうかと思うのですが、そうした場合に、この部会の1つの話をまとめる場合に、何も総花的にバランスをそんなに考えずとも、多少突出したものがあってもいいのではないか。妙に詳しく書き込んでいるなというようなものがあってもいいのではないかという気がちょっといたします。そうでないとおもしろくないものを出しても仕方ないと思うので、あまりバランスを考えなくてもよろしいのではないかと言う気がちょっといたします。
 構造改革の6分野の話の中にも出てきますけれども、経済効果の定量的な把握を国民に示していくべきだと。アメリカなんかの例でも実にこれをうまくやってまして、一体どうやったらこんな計算ができるのかという類の数字が出てきますけれども、この部会もそういったものを積極的に利用されたらいいのではないかと思います。

〔 部会長 〕 ありがとうございました。
 E委員、お出かけ前に何かありましたら、どうぞ。

〔 E委員 〕 グローバルスタンダードという概念について、私の感想なのですけれども、どうもわかっているようでよくわからない概念でして、グローバルスタンダードというのは、アメリカンスタンダードというようなお話もあったようですけれども、世界で1つ、つまり1つの同じ規準だというふうに理解するとちょっと間違っているのではないかと私は思っております。もちろん世界で1つのような基準が望ましい分野もあると思うのですが、例えば世界的にグローバルに活躍する企業の場合の一定の会計基準なんかはそういうものだと思いますけれども、多くの場合はグローバルスタンダードというのはグローバルに通用するスタンダードだという意味だと思います。したがって、日本独自のものであっても、それが今日、あるいは5年後かもしれませんが、グローバルに通用するということが多くの場合グローバルスタンダードの意味であって、そういう意味では世界で複数の通用し合うスタンダードがあって、それが競争し合うということが望ましいのではないかと思います。
 これまで日本の企業を取り巻くいろいろなものは通用しなかったわけでは決してなくて、通用する部分もあったと思うのですが、通用しにくい部分がやはり相当あったような感じがあります。それは時間の関係であまり長くお話しできませんけれども、先ほどどなたかおっしゃっておられた、例えば行動の基準となるルールが今一つ明確でないというような分野もあったように思います。したがって、そういう部分についてはルールを明確にするということが世界で1つのルールを作るということとは違う意味で、それは日本独自のルールでもいいと思うのですが、それを明確にすることがグローバルスタンダードになるという意味だと私は思っております。

〔 部会長 〕 ありがとうございました。
 G委員、今のご意見に対して意見がありますか。

〔 G委員 〕 グローバルスタンダードに関しては、私もE委員がおっしゃるとおり、必ずしもアメリカがスタンダードというふうには考えていません。
 2点ほど申し上げたいのですが、1つはお願いなのです。これから進めていくテーマとして、私、いくつか個人的に関心のあるテーマがあります。ここに例として出ていないので、ちょっと申し上げたいのでが、1つは、これは多分御不評を買うことになってしまうと思うのですけれども、天下りの問題です。新聞報道等でいろいろ議論はされているのですけれども、わかりにくい面がずいぶんありますので、実態と利点と弊害といいますか、天下りする、あるいは逆に民間から政府に人が移る、官民の役割分担の中で、そのテーマがもし可能であれば1つのテーマとして取り上げていただきたいと思います。
 もう一つは、政府系の外郭団体といいますか、外から見て官か民かよくわからない組織が日本にたくさんあります。そういう組織が日本にあるからこそ民間と政府の関係がうまくいっているという説もありますけれども、ディベートまでいかなくても政府関係の組織に関する議論がありましたら大変参考になるのではないかと思います。
 3番目は、これはどこに入るかよくわからないのですけれども、女性の社会的役割あるいは社会的進出というテーマ、今後の日本の制度のことを考えて、関心がありますので申し上げたいと思います。
 もう1点は、先ほど私が申し上げたディベートに関してなのですが、私、母国語が英語ですので、日本語の説明が多分不十分だったのだと思いますが、私も委員の方のご意見が違うということは確かだと思います。私が申し上げたかったのは、単なる個人的に意見の異なる人が個人の立場から議論するということではなくて、私が考えていたのは人為的に2つか3つか4つの見方を立てて、その議論をある程度聞いて、それを材料としてその後の議論をするということです。
 例えば、電気通信の議論に関して、部会長がおっしゃるとおり、NTTの支持者と郵政省の支持者の間にはいろいろ議論があると思います。しかし、その他の視点もいくつかあるわけです。例えば消費者の見方とか、あるいは企業のユーザーの電気通信をどう使うか、そういういくつかの視点がありますので、議論があるということだけではなくて、もう少し広範囲、あるいは型にはまっていないもう少し視野が広い形の議論を人為的に作る。もう一つ例を申し上げますと、アメリカの大学の先生方の話で時々聞くことなのですが、大学のゼミで日米の問題を話すときは、日本から留学している通商産業省の役人にアメリカ側の主張をさせて、アメリカ人に日本側の主張をさせる。それによって大変おもしろい議論になる。それは個人的にあるいは立場上ある見方をとるのではなくて、資料あるいは材料に基づいて論理的に相手を説得する形の議論をする。そういうことを私は考えていました。ですから、特に委員の先生方が意見の違いがないとか、そういうことを申し上げるつもりではなくて、むしろ、例えば外の専門家を2人か3人呼んで、それぞれ議論をさせて、資料に基づいて論理的な議論をする。それによって刺激されて、いろいろな視点に触れる機会を持って、それに基づいてその後の議論をする。そういうことだったのです。ですから、単に私の説明が不十分だったと思いますので、もう少し明確にさせたいと思います。

〔 部会長 〕 ありがとうございました。
 ディベートの意味につきまして、よくわかりました。
 他にいかがでございましょうか。
 おそらく次回以降は、なかなか時間の余裕がないということにもなりかねませんので--、1つだけ、例えば雇用問題につきましては、H委員はこれは個人の部門というお考えが強いのですけれども、F委員は、労働界というお立場で、この辺は両方で論ずるという、この辺はいかがでございますか。べつにディベートということではないですけれども。

〔 F委員 〕 私はどちらかというと幅広い形でどう守るかということの視点で言いましたけれども、基本はやはり長期雇用、確かにいろいろな面での雇用の移動が必要であるとか、また専門性とかそういうあたりについて、従来とは違ってきているということは私たちも認識はしておりますが、やはりできれば長期雇用という形の、長期雇用というのは例えば企業は変わる可能性は当然あるでしょうけれども、継続的な形でどういうふうに長期に継続できるかという、1つの企業でというのは理想でしょうけれども、そういかなくてもスムーズな形で長期雇用をどう継続させるか。職種によっていろいろな形での違いがあるでしょうから、こういうものをどういうふうに整備していくのかが非常に大事なことだと。
 もう一つは、いわゆるキャリア形成であるとか、または自分自身が仕事の面での専門性を高めていくというときに、今、どちらかというと何でもかんでも企業ですが、まだまだ現業部門についてチームで仕事をしているところは企業の中でもいろいろな、例えばOJTとかそういうものが必要でしょうが、特にホワイトカラーや技術者等々については、自分のキャリアは自分で作っていくという、そういう自己啓発を含めて、そういう具合に変わっていく。これを労働組合の方もどうそういう機会を作ってサポートしていくのか、そういうふうに変わっていかなければならないと思うのです。そのあたりをどういうふうにスムーズにしていくのか。これは実は組合の中でもっと議論しながらやっていけばいいのでしょうけれども、我々自身も硬直的な形だけで考えているわけではなくて、長期雇用をベースにしながら、企業間を替わっても移動がスムーズにできるような--。
 ただ、そうは言いながらも働いている人たちには変化というのは非常にきついことです。これにどうトライしていくのか。これはまた逆に言うと個人部門の課題であり、別な意味での自己責任という形になるだろうと思っています。

〔 H委員 〕 基本的には同じような考え方なので、長期雇用云々という議論については、またそのうちゆっくり話すということで、審議の事項で、これをこう見ていきますと、やはりそれぞれの主体別に並んでいるわけです。ですから、言うならば縦糸、縦の方に主体があって並んでいる。片方は本当はイベントがいろいろあると思うのです。私が申し上げた労働市場のいろいろな出来事という1つのイベントがあって、それをどこに押し込めているかという、今度は横糸の方が出てくると思うのですが、そういった視点も1つ必要なのではないだろうか。縦だけで見ていきますと、私が申し上げたような問題というのは実は見落とされてしまう可能性がありますので、例えば労働にしろ資金調達にしろ、そういったところの議論というのも、今度は横の方から見ていって、どこに問題が起こってくるのか、それで、その問題の解決のためにはいかにあるべきなのかというような議論も必要になってくるのではないかというふうに思います。

〔 部会長 〕 ありがとうございました。
 他にいかがでございましょうか。
 それでは、時間が若干余っておりますけれども、今後、また30分ぐらい延長する部会の日もあろうかと思いますので、早いときには早く終わるという格好にしたいと思いますので、この部会の進め方につきましては、基本的には事務局から提示したような内容に従いながら、また、ただいまのご意見、縦糸、横糸の問題、その他を含めまして十分参考にしながら、これからやっていきたいと思っております。 私も大変な部会の部会長を引き受けてうまったなという感じがいたしますので、ひとつよろしくお願いをしたいと思います。 それからまた、今日のご発言に関して、なお追加すべきことがございましたら、事務局までご連絡をいただきたいと思います。 それでは、次回以降の日程につきまして、事務局からご説明をお願いいたします。

〔 事務局 〕 第2回の部会につきましては、9月16日(火)の10時より開催させていただきたいと考えております。また改めてご連絡を取らせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

〔 部会長 〕 どうもありがとうございました。 それでは第1回の経済主体役割部会の審議は以上で終了したいと思います。
 なお、本日の審議内容等につきましては、私の方から、この後、記者クラフでブリーフィングをさせていただきたいと存じます。
 本日は、長時間のご審議、誠にありがとうございました。次回以降もどうぞよろしくお願いいたします。

--以上--

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