第2部 第1章 第4節 持ち直しのみられる地域もある個人消費 3.

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3.通説ほど盛んではない地方圏への大型小売店の出店状況

地方圏では大型スーパー等の出店が相次いでいると言われるが、実際はどうだろう。

大型小売店の出店状況を地域別にみると(第2-1-4(3)図)、近年増加が目立つのは、2002年の北海道、東北、関東、中部であり、地方圏で特に目立って出店が進んでいるわけではない。

次に、96年を100として、店舗数、店舗あたりの面積等の推移をみる(第2-1-4(4)図)。

大型小売店全体をみると、店舗数は増加傾向にあるが、百貨店とスーパーを分けると、百貨店は2001年以降大きく減少、スーパーは年々増加傾向にある。

こうした中、百貨店は店舗当たりの面積が増加している(付図2-1-4(1))。競争力のない百貨店の閉店が進む中(15)で、残った百貨店が増床等の戦略を取っているか、新規出店は大規模店が中心となっているためと考えられる。面積当たりの販売額をみると、大きく落ち込んでおり、販売効率は落ちている。大規模化することで店舗当たりの売上の減少を食い止めようとする試みと言える。

スーパーは売場面積、店舗数ともに増加している(付図2-1-4(2))。ただし、店舗数の増加が売場面積の増加をやや上回っており、店舗当たりの面積は微減となっている。やや詳しく見ると、店舗当たりの面積が増加しているのは中国と九州のみである。スーパーは店舗当たりの販売額及び面積当たりの販売額がともに減少している。販売総額は96年比で微減となっており、店舗数及び売場面積を拡大することで、販売額を確保していると言える。

一方、スーパーや百貨店という販売形態のくくりではなく、店舗面積でくくった超大型店の動向はどうなっているのだろうか。97年を100として、面積10,000m2以上の店舗数をみると(第2-1-4(5)図)、沖縄を除いて全地域で増加している。中でも東北、東海、北陸、中国、四国は全国平均を上回って大きく伸びている。こうしたことから、超大型店の商圏内に占める専有割合は年々高まっており、商店街や小規模のスーパー等に影響を与えている。2002年時点では、北海道、関東、東海、北陸、近畿、中国、九州の7地域で、超大型店の専有割合が4割を超えている。

なお、ドラッグストアや専門店ビル、スーパーを中核とする大型ショッピングセンターのスーパー以外の専門店街等は、商業販売統計には含まれていないことに留意する必要がある。

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