第2部 第1章 緩やかに回復する地域経済 <要 約>

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第1節 緩やかな回復の進む地域経済

地域の景気動向をみると、2002年の半ばに下げ止まりから持ち直しの状況に転じた。2003年の中盤までは中だるみがみられたが、後半から再び持ち直しから回復局面入りする地域がみられた。2004年秋口現在で、2地域で回復、6地域で緩やかな回復、2地域で持ち直し、1地域でやや弱含み。一方で、景況感の地域差はみられなくなってきている。

第2節 企業部門の回復が進む

  • 生産は2002年の半ばから増加に転じており、2004年晩夏現在、依然として増加。その回復には地域による差異が明確にみられ、一様の回復を示していたバブル後過去2回の回復局面と異なる傾向。
  • 設備投資は2003年には多くの地域で増加、2004年もこの傾向が継続。好調の続くデジタル家電関係を中心に工場の新設や生産ラインの増設の動き。

第3節 総じて改善の進む地域の雇用

  • 地域の雇用は総じて改善が進む。完全失業率は1年前と比較して多くの地域で改善、有効求人倍率は全地域で上昇。
  • 改善の度合いは地域によって差がみられ、いまだに失業率が5%を超える地域があるなど、厳しさも残っている。

第4節 持ち直しのみられる地域もある個人消費

  • 個人消費には、生産や雇用ほどの地域差はみられないが、持ち直しの動きのみられる地域も。
  • 大型小売店(既存店)は前年比減少が続く。デジタル家電は全国的に好調。地域のサービス消費把握は統計の制約上困難。

第5節 公共投資削減の影響

  • 公共投資削減の影響は、公共投資依存度が高く、公共投資の削減率の大きい地域に特にみられる。
  • 民需のシェアが高ければ、公共投資削減の影響は小さい。公共投資依存経済からの脱却を。

第6節 三大都市圏では下げ止まりの兆候もみられる地価動向

  • 三大都市圏は下落傾向に歯止めがかかってきた感があり、一部で上昇に転じた地点も。地方圏はいまだに下落傾向が継続。

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