平成13年度

地域経済レポート2001

−公共投資依存からの脱却と雇用の創出−

平成13年11月

内 閣 府 政 策 統 括 官

(経済財政-景気判断・政策分析担当)


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第1章 景況が悪化に転じた2000年度〜2001年度前半の地域経済

[第1章の要約]

1.2001年度前半に悪化を続けた地域経済

 2000年には、各地域において景気の改善が続いたが、年末から輸出の急減により生産が減少し、2001年前半にはすべての地域においてほぼ同時に3年振りに景況が下向きに転じた。鉱工業生産は、電気機械と一般機械が大幅に減少し、それに関連して設備投資も縮小した。個人消費は、2001年にはおおむね横ばいを続けたが、消費者の低価格志向と高級品志向が並存する二極化した状況となった。住宅投資は、2000年後半には減税効果が先細り、2001年には減少基調に転じた。公共投資は、2000年度には、地方単独事業を中心に前年水準を下回った。そうした中で、有効求人倍率は低下に転じ、各地域で失業率が上昇するなど厳しい雇用情勢が続き、企業倒産は件数、負債総額ともに高水準で推移した。

2.企業部門にけん引された2000年後半の景気回復

 2000年度の景気回復期においては、すべての地域で企業部門が家計部門に先行して改善した。家計部門の改善の遅れは、地方圏の方が都市圏よりも顕著で、自然災害の影響を受けた北海道、輸入により地場産業が影響を受けた四国などで個人消費が伸び悩んだ。企業部門の改善は、電気機械などのIT(情報技術)関連の寄与が大きく、IT関連の集積する東北、九州で順調に回復した。また、情報サービスの集中する関東、東海でも順調であった。一方、アジアからの輸入品と競合する産業が集積する四国、中小製造業の集積する近畿では改善に遅れがみられた。

3.IT不況が契機となった2001年前半の景況悪化

 2001年はじめからの地域経済の景況悪化には、以下のような特徴がみられた。[1]欧米向け輸出の減少が、地域経済に直接的に影響を与えた。[2]IT関連需要が急速に冷え込んだ。[3]鉱工業生産減少の個人消費への影響は、比較的緩やかであった。[4]多くの老舗地場企業の経営が苦しくなっている。[5]地域の地元商店街の不振が目立つ。このように地域経済にもグローバル化と情報化、そして流通などの構造変化の影響が現れたことが指摘できる。

4.構造改革の影響が顕在化しつつある地域経済

 構造改革が進展し、その影響は各地域で顕在化した。流通分野の新規参入は、輸入品の価格低下を導き、消費者の低価格志向と相まって地域の消費に大きく影響した。不良債権の処理と企業リストラの進行は、地域の雇用に大きな影響を及ぼした。地域経済の持続的な発展には、構造改革の円滑な進行が必要となる。そのためには、地域における雇用の創出と、セーフティネットの整備によって地方の不安が緩和され個人消費が萎縮しないことが重要とみられる。


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