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「公共事業の入札・契約手続の改善に関する行動計画」運用指針

(平成8年6月17日 事務次官等会議申合せ)

「公共事業の入札・契約手続の改善に関する行動計画」(以下「行動計画」という。)について、平成6年1月18日付け閣議了解「公共事業の入札・契約手続の改善に関する行動計画について」に基づき、行動計画に盛り込まれた措置を着実に推進するため、運用指針を下記のとおり定めることとする。

  1. 一般競争入札方式の競争参加資格
    良質で効率的な公共事業の確保により納税者の利益を増進するためには、透明かつ客観的な手続に従い信頼のおける者に発注することが必要であるが、これに必要な競争参加資格の条件は、入札に参加しようとする者が当該入札に係る契約を履行する能力を有していることを確保する上で不可欠なものに限定されるものとし、このため、発注者は、競争参加資格について次のように運用する。
    1. (1) 経営事項審査に基づく客観点数
      1. (イ) 客観点数(一般競争有資格業者の登録において経営事項審査に基づき付与された客観点数をいう。以下同じ。)の水準は、各工事の規模、技術的特性等を勘案して、建設業者の施工能力及び工事の質を確保する観点から必要なものでなければならない。
      2. (ロ) 特定建設工事共同企業体の代表者以外の構成員に係る客観点数については、特定建設工事共同企業体として効果的な共同施工のために必要な施工能力が確保でき、工事の質の低下を招くおそれがないと認められる範囲で、代表者に係る客観点数に比べて低いものとすることができる。
    2. (2) 個別工事に係る技術的条件
      具体的な工事に照らして当該工事の契約を履行する能力があるかどうかを判断するために設定される技術的条件は、個別の工事ごとに不可欠なものでなければならない。具体的には次のように運用する。
      1. (イ) 過去の同種工事の実績
        1. 1 同種工事として認める工事の範囲の設定に当たっては、施工上の技術的特性を勘案した上で支障がないと認める場合には、例えば類似の工法によるものを含めることとしたり、発注工事の規模よりも小規模なものを認めることとする等、弾力的運用を図る。
        2. 2 同種工事の施工実績として認める対象期間は少なくとも10年とする。
        3. 3 共同企業体の構成員としての施工実績は、出資比率20%以上の構成員として施工したものについては、これを認める。
        4. 4 特定建設工事共同企業体の代表者以外の構成員に係る施工実績の要件については、特定建設工事共同企業体としての効果的な共同施工のために必要な施工能力が確保でき、工事の質の低下を招くおそれがないと認められる範囲で、代表者に係る施工実績の要件に比べて緩和することができる。
      2. (ロ) 十分な資格・経験を有する技術者の配置
        (イ) と同様の趣旨から、十分な資格・経験を有する技術者の配置の取扱いについては、次のように運用する。
        1. 1 同種工事の経験として認める対象期間は、少なくとも10年とする。
        2. 2 技術者に求められる経験は、当該工事を施工する上で必要なものとし、技術的難度の高い工事、困難な作業条件の下で施工する工事
        3. 3 同一の技術者を重複して複数の工事の配置予定の技術者として競争参加資格の確認の申請をすることは、これら複数の工事のうち一の工事を落札したことにより他の工事に当該配置予定の技術者を配置できなくなった場合に競争参加資格の申請の取下げを行う等により当該他の工事に係る入札に参加しないことを条件として、認める。
  2. 競争参加資格の確認等
    有資格業者の登録を受けていない者の競争参加資格の確認等については、次のように取り扱う。
    1. (1) 工事の調達手続に参加しようとする者であって、申請書及び資料の提出期限日において一般競争有資格業者の登録を受けていないものについては、開札時までに登録を受けた場合には、提出期限日において有資格業者の登録を受けていた者と同等に扱う。
    2. (2) 設計・コンサルティング業務の調達手続に参加しようとする者であって、関心表明時において有資格業者の登録を受けていないものについては、公募型プロポーザル方式にあっては提案書の提出時までに、公募型競争入札方式にあっては開札時までに、有資格業者の登録を受けた場合には、関心表明時において有資格業者の登録を受けていた者と同等に扱う。
  3. 特定建設工事共同企業体の活用
    1. 特定建設工事共同企業体の構成員の数は2ないし3社とされているところであるが、その適切な活用を図るため、特に大規模な工事であって技術的難度が高いこと、多数の工種にわたること等により、確実かつ円滑な施工を図るため技術力を特に結集する必要があると認められるものについては、構成員の数を3社とする特定建設工事共同企業体の活用を図る。
  4. 基準額未満の設計・コンサルティング業務の調達手続
    1. 調達手続における透明性・客観性及び競争性を高めるため、公共事業に係る設計・コンサルティング業務(平成6年4月15日にマラケシュで作成された「政府調達に関する協定」附属書1日本国の付表4中、付表4に関する注釈注3ただし書により同協定の適用範囲から除かれる種類のサービスを除く。以下5(2)において同じ。)であって、契約単位ごとの見積価額が基準額に満たず5,000万円以上であるものの調達については、案件ごとに、行動計画2.2.の手続よりも簡易な手続によって、調達情報を公表し、当該調達に対する関心表明を行った者の中から提案書提出者又は競争参加者の選定を行う。ただし、安全保障に係る調達並びに緊急を要する場合及び秘密を要する場合等における調達については、これによらないことができる。
  5. 年度発注計画
    1. (1) 工事に係る年度発注計画
      工事に係る年度発注計画には、工事の概要及び入札予定時期に関する事項のほか、当該工事の競争入札に参加するために必要とされる一般競争有資格業者の登録の工事種別を記載する。
    2. (2) 設計・コンサルティング業務に係る年度発注計画
      行動計画2.2.の措置の対象となる設計・コンサルティング業務及び公共事業に係る設計・コンサルティング業務であって契約単位ごとの見積価額が5,000万円を超えない範囲で発注者の定める額以上の額となるものの調達については、年度発注計画を公表する。ただし、安全保障に係る調達並びに緊急を要する場合及び秘密を要する場合等における調達については、公表しないことができる。
  6. 指名競争入札の改善
    指名競争入札方式の活用に当たっても、透明性・客観性及び競争性を高めるため、次のように運用する。
    1. (1) 発注標準を公表する。
    2. (2) 工事に係る公募型指名競争入札の弾力的実施
      1. (イ) 同種工事の施工実績として認める対象期間は、少なくとも10年とする。
      2. (ロ) 配置予定の技術者につき同種工事の経験として認める対象期間は、少なくとも10年とする。
      3. (ハ) 共同企業体の構成員としての施工実績は、出資比率20%以上の構成員として施工したものについては、これを認める。
      4. (ニ) 特定建設工事共同企業体の代表者以外の構成員に係る施工実績の要件については、特定建設工事共同企業体として効果的な共同施工のために必要な施工能力が確保でき、工事の質の低下を招くおそれがないと認められる範囲で、代表者に係る施工実績の要件に比べて緩和することができる。
      5. (ホ) 同種の工事の施工実績は、必要な程度を超えて多くの件数を求めない。
  7. 入札の結果の公表
    1. 5(2)本文の設計・コンサルティング業務についても、契約の相手方又は落札者の決定後速やかに、契約の相手方名又は入札経緯及び落札者名を含む入札等の結果を公表する。ただし、安全保障に係る調達及び秘密を要する場合等における調達については、公表しないことができるものとし、契約単位ごとの見積価額が基準額に満たない業務については閲覧に供することをもって足りる。
  8. 入札談合等不正行為に対する防止措置
    1. (1) 建設業者の不正行為に対しては、許可行政庁において、建設省が定めた「不正行為に対する監督処分の基準」に従って厳正な処分を行う。
    2. (2) 不正行為に対する指名停止措置については、「工事請負契約に係る指名停止等の措置要領中央公共工事契約制度運用連絡協議会モデル」を参考として基準を策定し、これに従って行う。
    3. (3) 発注者は、談合情報対応マニュアルを作成して、マニュアルに沿った談合情報の処理を行う。
    4. (4) 建設業者に対し、公正取引委員会が策定した「公共的な入札に係る事業者及び事業者団体の活動に関する独占禁止法上の指針」(入札ガイドライン)の一層の周知を図る。
  9. 附則
    1. この運用指針に定める具体的運用については、平成9年度当初予算に係る公共事業から実施するが、可能なものについては平成8年度中のできるだけ早い時期から実施することとする。
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