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経済審議会構造改革推進部会(第9回)議事録

時:平成11年6月23日

所:共用第二特別会議室(407号室)

経済企画庁

経済審議会構造改革推進部会(第9回)議事次第

日時 平成11年6月23日(水)10:00~11:40

場所 共用第二特別会議室(407号室)

  1. 開会
  2. 議題1 :構造改革推進部会報告書(案)について

    議題2 :経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針(素案)の序章

  3. 閉会

経済審議会構造改革推進部会委員名簿

部会長

水口 弘一
(株)野村総合研究所顧問

部会長代理

江口 克彦
(株)PHP総合研究所取締役副社長

五十嵐 三津雄
簡易保険福祉事業団理事長

岩田 一政
東京大学大学院総合文化研究科教授

加藤 秀樹
構想日本代表

リチャード・クー
(株)野村総合研究所主席研究員

草野 厚
慶応義塾大学総合政策学部教授

草野 忠義
日本労働組合総連合会副会長

清水 秀雄
(株)セブンーイレブン・ジャパン取締役副会長

中条 潮
慶応義塾大学商学部教授

中村 靖彦
NHK解説委員

野中 郁次郎
北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科長

長谷川 公敏
(株)第一生命経済研究所専務取締役

濱田 康行
北海道大学経済学部教授

村井 勝
コンパックコンピュータ(株)顧問


〔部会長〕

おはようございます。定刻でございますので、まだ二、三お見えにならない方もいらっしゃいますけれども、ただいまから、第9回の構造改革推進部会を開催させていただきたいと思います。

 本日は、お忙しいところをご出席いただきまして、誠にありがとうございます。

 それでは、早速、本日の議題に入らせていただきます。本日の議題は2つございます。第1は、「構造改革推進部会報告書(案)」に関しての審議でございます。これは事務局からも連絡させていただきましたが、今回がこの報告書案につき議論する最後の部会になると思います。

 もう一つの議題は、「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針(素案)」の序章です。直前に送付いたしましたが、これは、各部会の報告を踏まえ策定される答申の序章となるものの素案でございます。これは、ご承知の方も多いかと思いますけれども、後ほど出席されます堺屋長官、自ら思いを込めて書かれたもので、先週の企画部会でも相当議論して、かなり修正をしながら、もちろん事務局意見あるいは従来の各部会の議論を踏まえながら全体としての整合性をとりながら作ったというものでございます。

 議論の前半は、前回までの議論に基づいて修文された主な点を踏まえながら、「構造改革推進部会報告書(案)」についてご審議いただきまして、後半は、「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針(素案)」の序章についてご審議をいただきます。ご議論の時間はそれぞれの説明の後にとるという形で進めたいと思います。

 それでは、第1の議題の「構造改革推進部会報告書(案)」につきまして、事務局から説明をお願いします。

〔事務局〕

資料が多いので、配布資料をご説明したいと思います。資料2が、これからご議論いただく「構造改革推進部会報告書(案) 」でございます。資料3が「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針(素案)」。これが現在、各省と協議をしております新しい計画の素案でございます。この中に、先ほどご紹介いただきました序章が入っております。参考資料としまして、経済審議会地方シンポジウムの結果を配布してございます。シンポジウムにおきましては、当部会の水口部会長、江口部会長代理、濱田委員にご出席をいただきまして大変ありがとうございました。各地でいろいろ貴重な意見を伺うことができたと考えております。

 それでは、まず、資料2「構造改革推進部会報告書(案) 」につきましてご説明いたします。これまでの委員のご議論、ご意見も踏まえ、各省とも協議をしながらまとめたものでございます。中にはまだ各省と協議中のものも入っていまして、若干変わり得るものもございます。そういうことで前回5月にご覧いただいたものとの変更点を中心に簡単にご説明したいと思います。

 まず、1ページの「はじめに」ですが、前回、この中に構造改革と雇用の問題を入れていたのですが、今回は、2ページの第1章で「総論」を書きましたので、構造改革と雇用は総論の中で述べるということで、そのまま総論のところに移してございます。

 主要な変更については下線で示してございます。1ページの一番下の下線ですが、スケジュールについて、いろいろな施策をいろいろなタイミングでやるということであるけれども、スケジュールについて明確な考え方を示すべきだという委員のご指摘を踏まえまして、「経済社会システムの状況不適合を21世紀に持ち越さないという観点からも、本報告において提言されている改革については、一刻も早い対応が求められる。今後なお検討を要するものについても早急に結論を得て実施に移す必要がある。」ということで、スケジュールについての考え方をここでまとめて書いてございます。

 第1章「総論」ですが、これは、全体としてどうなのだということで、総論を入れるべきではないかと、この間の部会でもご紹介いたしましたけれども大臣からのご示唆もございまして、総論を入れさせていただきました。総論としては、「これからの構造改革のあり方とその基本理念」ということでまとめてございます。

 ここで3つの視点から構造改革を取り上げたわけですが、その3つの視点から取り上げた趣旨、あるいはその背景にある基本理念というものをここでまとめてございます。

 (1)で「21世紀にふさわしい経済社会システムの構築と構造改革のあり方」と題しまして、現在の状況、特に長期の経済停滞、日々深刻化している廃棄物処理、処分場問題が、我が国の経済社会システムが新しい状況に適合しなくなっている非常に顕著な例であるということで、それらを解決するためには、単なる個別分野の対症療法では解決できない。大胆な発想の転換を行って、それと整合的な各分野での制度・システムの転換、すなわち構造改革を行っていくことが必要である、ということを述べております。

 (2)で、「本報告で取り上げた構造改革~その趣旨と背景にある基本理念~」ということでまとめてございます。

 まず、1)「経済停滞からの脱却と長期にわたる経済ダイナミズムの確保」ということで、この基本理念として「経済的自由の徹底」を挙げてございます。経済停滞が長引いているわけですが、それは、従来型の需要不足だけではなく、供給側のダイナミズムの欠如によるものであるという認識でございます。

 3ページに移りまして、そのダイナミズムの欠如は、我が国の制度・システムが、これまでのいわばキャッチアップ高度成長期の残滓を引きずり、新しい時代に対応できていないためであるという認識でありまして、その原因としては、規制の撤廃・緩和が不十分であった、あるいは我が国の規制システム自体の改革が立ち遅れていること。そうした視点に立った構造改革が重要である。これが、第2章で触れられているということを書いてございます。

 第3章では、さらには、多様な知恵の時代が本格化する中で、リスクへの積極的なチャレンジや創造力の発揮が求められているが、それが十分でない、育っていないという点に着目して構造改革を提言していると、ここで書いてございます。

 その背景にある基本理本として「経済的自由の徹底」を挙げているということがその下に書いてございまして、「経済的な自由の徹底を通じて個性、創造性を解放し、それぞれの個人、企業が、多様な知恵の時代を自らの力で切り開いていくことが求められる。」と、最後のパラグラフでまとめてございます。

 4ページに移りまして、2)で、「環境と調和した持続可能な経済社会システムの構築」というのを第4章で取り上げたことを説明してございます。これは、経済的自由との関係では、「経済的自由」の前提となる新たな制度、ルールの創設ということで位置づけてございます。これにつきましては、2つ目のパラグラフで、物質循環的な行き詰まりという状況ですが、このシステムを21世紀初頭においてそのままの形で持ち越すことはできない、動脈経済と静脈経済のバランスのとれた循環型経済社会の構築が差し迫った課題であるということでございます。

 その下1つとんだパラグラフで、これを実現していくためには、「廃棄物の適正処理」という考え方から「可能なものはリサイクルする」というこの問題への行政の基本スタンスの転換ということと、環境コストを内部化した新しい制度、ルールの確立が必要であるということを述べてございます。

 その下のパラグラフで、従来課されていなかったコストが課され、制約のなかった活動に新たなルールや制約が設けられることから、自由が制限されることになり、先に述べた「経済的自由の徹底」と矛盾するという印象があるかもしれない。しかし、環境コストを内部化した新しい制度やルールを作ることで、環境と経済社会活動との調和を図るということはこれから長い時間の中で、日本も含めて、人類が存続と繁栄を続けていくためには大前提である。したがって、「経済的自由」の大前提としてそういうことは実現されなければならない最重要課題という位置づけでここで検討した、そういう趣旨でまとめてございます。

 (3)は「構造改革と雇用」ということで、前回ご覧いただきましたものから若干の修文がありますが、基本的には変わってございません。

 それが第1章でございます。

 引き続きまして、第2章「『グローバリゼーションに対応した経済社会』を実現させるための構造改革」でございます。主要な点ですが、7ページ、(1)「規制改革の推進」1「基本的な考え方」のところで、細かい点ですが、「英国・米国等のいくつかの分野では」とございます。前回は、「アングロサクソン系の国々では」と書いていたのですが、若干表現を正確にしてございます。

 8ページ、2「政策方針」、ア)「原則」というところで、「三つの視点を規制改革においてもさらに重視する」に線を引いておりますが、これは前回は、原則としてやるということだったのですが、この三つの視点のほかにもいろいろある。これは重視する視点である、というご意見もございまして、こういう形にしてございます。

 イ)「推進手法」のところ、いろいろな意見がございまして、この文章でまとまったということではありませんが、こういう形で事務局としてはまとめたいと考えている案文でございます。

 後ほど、別紙については、担当の計画官から説明いたしますが、この分野について推進手法として、私どもが、これから特にグローバリゼーションに対応して非常に重要な物流と情報通信の分野で、明確なスケジュールで包括的な改革を実施していくのだ、そこを強調したいというのがここのセクションでございました。現在、物流については、総合物流施策大綱という、政府で決定したものがございまして、97年から2001年までの5カ年間の計画で、かなり幅広い包括的なものですが、施策を実施をしている現状でございます。情報通信については、高度情報通信社会の推進に向けた基本方針が、これも政府レベルで決められていまして、これもかなり包括的なプログラムに沿って、21世紀初頭の高度情報通信社会に対応するための施策が進められています。そういう施策が進められている中で、我々としては、さらにグローバリゼーションに対応して我が国経済の繁栄、それから世界の中での位置づけを保っていくためには、物流、情報通信分野での一層の包括的な改革を明確なスケジュールの下に実施していくことが必要であるということで、そこに書いているわけでございますが、そこの現在やっていることと、それから、21世紀初頭でさらにきちんとしたスケジュールを作って、包括的な施策を実施していくということの繋がりをつけるという点で、現在、施策を担当している各省庁といろいろ協議を進めているところでして、その繋がりがつくような表現ということで今、案文を作って、これで調整をしたいと考えております。

 そういう「物流、情報通信分野が重要であるということを踏まえ、現行の総合物流施策大綱や高度情報通信社会の推進に向けた基本方針等に沿って施策を着実に実施するとともに、21世紀初頭において世界の最先端を行く効率的で魅力的な事業環境を整備するための包括的な改革の方策について早急に検討を行い、明確なスケジュールの下に施策を実施する。」という表現で、何とか収めたいと考えているところでございます。

 さらに、前回の部会の議論で、改革を実施すべき分野が物流と情報通信分野に限られるのだろうかというご指摘もございました。そういうことではございません。私どもとしては、グローバリゼーションに対応したという観点からは、特にこの2つの分野が重要だと考えているわけですが、そのほかにもいろいろございます。そのいろいろある分野について、「また」以下で、「市場メカニズムの一層の活用が望まれる土地流通、教育、福祉等の分野においても、思い切った制度改革を実行する必要がある。」ということで、そのほかもいろいろあり、それについては実行する必要があるということを、ここで述べてございます。

 2)のところは、若干の修文はございますが、特に本質的なものではございません。

 9ページ、3)も、趣旨としては特に変わったものはございません。

 ウ)「推進体制」で、1)「政治主導の規制改革」は、2001年以降の中央省庁再編後の進め方につきまして現在、検討が進められていることも踏まえ、表現を若干変更したもので、特に前回お示ししたものと比べて内容が変わっているものではございません。現在の検討状況を踏まえた書きぶりにしたものでございます。

  3)「事後チェック型行政体制」は、前回は、事後チェック型規制という表現にしておりました。事後チェック型規制というのは、表現としてあまりなじまないのではないかというご意見もあって、事後チェック型行政という言い方にしてございます。中身としては、「許認可等の直接規制に係る体制のスリム化」、それから、ルールを作った上でその「ルールが守られているか否かの監視を重視した体制に移行する」という表現で、基本的には発想は全く同じでございますが、表現ぶりは若干変わってございます。

 4)で、「司法の役割」を追加しております。「ルールの確立とルールの実効性確保に当たっての司法の役割」ということで、事後チェック型行政になれば、司法の役割が高まっていくことですが、そういう趣旨で司法の役割を書いてございます。

 ただし、司法については、司法の独立ということもございますので、最後のところは、「検討・見直しが進められることを期待する」と、司法の独立性に配慮した表現ぶりにしてございます。

 それから、この下に民民規制が載っておりましたけれども、民民規制は、エ)で「規制改革の趣旨を徹底するための取組み」というのをもう一つ起こしまして、地方公共団体における規制の対応とあわせて、民民規制の対応というものをここで書いてございます。

 2)「民民規制への対応」につきましては、線が引いてあるところは、「私人による差止訴訟制度を含む民事的救済制度の整備を図る」と書いてあります。前回は、「私人による差止訴訟制度」だけが書いてありましたけれども、もっと広い範囲の民事的救済制度の整備を図るということで書いてございます。

 それから、下線のところで、「情報通信分野の相互接続ルール策定の例」と書いてありますが、これはエッセンシャル・ファシリティの利用に関するルールということで、各省庁でエッセンシャル・ファシリティの利用というものについての概念がなかなか理解できないという意見がございまして、例えばということで、どういうことかという例をここで示してございます。

 11ページ、(2)「魅力的な事業環境の構築」では、1「基本的な考え方」の2つ目の○のところ、これは著作権の話を付け加えてございまして、「著作権に関する仲介業務が事実上独占状態にあることで、技術革新に伴う新たな媒体や利用形態に対応できていないという指摘がある」ということを、1つ問題点として加えてございます。

 それから、「グローバリゼーションの流れに適切に対応していくための司法制度のあり方」、これは特出しで、前は中に埋ずもれた形で書いていたのですが、司法制度の重要性ということで、下の方に特記する形にしてございます。

 12ページ、イ) 「ビジネス人材の充実」ですけれども、先般、外国法事務弁護士に関する外弁法の改正措置がございましたので、そのことについて触れたということ。それから、ビジネス人材については、必要な人員の増員という書き方をしていたのですが、ストレートに増員という表現が難しいということで、「ビジネス人材の充実方策について検討する」と若干修文をしてございます。

 第2章の主なところは以上でございます。

 第3章ですが、最初のところは修文はございません。16ページ、企業の面からの改革の政策方針のところですが、ア)の下の方に線が引いてありますが、これは前回は、労働移動の円滑化ということがここに書いてあったわけですが、労働移動の円滑化がどうして起業の促進につながるのかということを、少しわかりやすく表現したということでございます。

 <具体的施策>のところで、「新規産業育成のために必要な支援措置について検討」とありますが、ここは前は、エンゼル税制の拡充ということが入っておりましたが、エンゼル税制については今般、拡充を既にしたということもありまして、更なる拡充ということも含めて、もっと広い意味でいろいろな措置を検討していくということで、こういう表現をしてございます。

 17ページ、イ)「起業家の資金調達環境とセーフティネットの整備」で、「起業家の抱えるリスク」云々のところは、表現の適正化でございます。

 <具体的施策>の下線は、事務方で、新しいアイデアだと思って「大学教官等の情報を一元化し検索できるようなシステムを構築すべき」と書いたのですが、実は既に、一部地域で行われているところがありまして、そういうことを踏まえた修文をしてございます。

 17ページの一番下のところは、「大学等の先導的な起業家教育講座等に関する実証研究の実施」、大学でこういうことをやり、その実績としてその人が実際にどういうふうに育っていったのか、起業家が実際に育っていったのか、そういったところまでこれから研究をしていきますということで書いてございます。

 18ページ、上の方の下線、これも若干の修文ということで、ご紹介するほどのことはないかと思います。

 2「政策方針」の<具体的施策>で、真ん中に線が引いてありますが、国立大学教官の「民間企業の役員兼業については早急に結論を得る」、これは今の有名な事例がございますが、そのことも踏まえて書いてございます。

 それから、情報通信分野について重要であるというのを「基本的な考え方」で述べておりますので、それを受けて、この分野についての施策を若干書き込んだものでございます。

 19ページ、(2)「個人の面からの改革」、ア)「能力開発を行う場の提供」で線が引いてありますが、能力開発を行う場ということで、大学と各種能力開発施設があるということをまず述べたということでございます。

 <具体的施策>の最初のところも、記述の拡充・充実と理解していただければと思います。

 20ページ、イ) 「能力開発に必要な費用の支援」、これについては奨学金のところに線が引いてあります。奨学金は、前回お示ししたものは、拡充を図るというストレートな言い方をしていたのですが、先般、拡充も図られたということで、もう既にやられたではないかという声が大分ありました。ただ、私どもとしては、今年やるとか来年やるとかでなくて、より長期にそれを図ることが必要なのだということで、奨学金の充実という表現を残し、こういう表現になってございます。

 ウ)のところの下線は、大学院の卒業生を企業等がなかなか受け入れてくれないということ、これは理科系ではなくて人文系の話が中心であるというご指摘も委員からいただきまして、そのことを触れてございます。

 <具体的施策>の下の方の下線は、能力評価がホワイトカラーだけでなく、ブルーカラーのものもある、それを読めるようにすべきであるという意見もございまして、修文してございます。

 第4章「『環境と調和した循環型経済社会』を実現させるための構造改革」ですが、1「システム基盤の構造改革」、ア)「リサイクル原則の確立」の<具体的施策>、ここが大体主要な修文でございます。前回は、循環経済法を制定して基本原則を定めるという、思い切った言い方をしていたのですが、まだ循環経済法を定めるというところまでは詰まっていない、時期尚早だというコメントが出てまいりまして、そういうコメントも踏まえ、そこの4行目ですが、「基本原則を徹底し、法制度等の整備、充実を図る」という表現で、我々の主張も入れ、新しく循環経済法を作るということだけでなくて、既存の法律を改正してしっかりと原理原則を徹底するということだって1つのオプションとしてある、という形で表現をしております。

 そのほか、廃棄物の発生の抑制に努める、最大限に努力した後にやむをえず出た廃棄物について、リサイクル等に伴う環境負荷にも留意しながらリサイクルをやる。ここは、若干いい方向での修文だと思います。

 その下で、排出者あるいは製造者の役割というので線を引いてあります。前は、責任と書いてございましたが、責任論ということについて今いろいろな議論がある、まだ詰まっていない、そういう意見がかなりいろいろな方面から出てまいりまして、ここは「役割」という言葉で表現してございます。さらに、製造者の役割の1つとして、「併せて、廃棄物に起因する環境負荷の低減に大きな役割を果たせる者として効率的な廃棄物処理とリサイクルに対する貢献を求める」という表現をしてございます。

 それから、廃棄物処理あるいはリサイクルの効率的、効果的な実施ということでは、線が引いてありますが、「現行の一般廃棄物と産業廃棄物の区分及びそれらの処理責任のあり方についての見直しを検討する」ということを追加してございます。厚生省においても、こういう方向でやるという回答を得ております。

 イ)「廃棄物処理・リサイクル体制の見直し」、24ページ、<具体的施策>で、「デポジット制等の各種経済的手法の活用を検討する」。ここは前は、環境税の導入も含めたという、環境税ということを書いていたのですが、これもかなりいろいろなところから意見がございまして、何とか税、課徴金とか、途中でいろいろな表現を工夫しながら考えていたのですが、最終的には、「各種経済的手法の活用を検討する」という表現で落ち着いております。

 ウ)「リサイクル財の需給安定方策の実施」、真ん中あたりに、企業の環境報告書とありますが、前の案では、義務づけについても検討するというところまで書いていたのですが、まだ義務づけとかいうことを検討できるような代物あるいは状況ではないということで、「環境報告書の公表を推奨する」という言い方にしてございます。それから、企業等の取組みについての第三者機関で評価するような仕組みを整備する、と前回書いていたのですが、これは国の役割ではないのではないか、民間でそういう活動が起こってくることを期待するというような趣旨のものではないのかというご意見がございまして、「企業等のリサイクルへの取組み等を評価・格付けする第三者機関の誕生等が期待される」と、これは民間でやってほしいという趣旨でこういう表現をしてございます。

 25ページ、イ)「廃棄物・リサイクル産業の効率化」、<具体的施策>で若干線を引いてあります。これも表現の適正化で、「新規参入」とだけ書いていたのですが、どういう新規参入者かということで、新規参入者についての説明、あるいは「廃棄物処理業者とリサイクル事業者の連携の強化」といった文言を付け加えて若干の修文をしてございます。

 26ページ、「企業等に対する支援を行う」というところに線が引いてございます。前回は、財政的な支援について検討するという文言でございました。これは、「財政的」というのが取れたということのほかに、「検討」が「行う」ということで前向きな表現になっておりまして、こういう形で修文したものでございます。

 あと、別紙について、担当の計画官の方から簡単にご説明したいと思います。

〔事務局〕

それでは、ご説明いたします。変更点の主要なところとしては、1つは、当初、運輸部門と電気通信・放送というところにかなり絞った書き方をしておりましたが、物流全般、それから情報通信全般という少し広い領域に問題を拡張しております。背景としましては、従来からの総合物流施策大綱、高度情報社会に向けての基本方針というものがまとめられて推進されている。それとの関連をどう整理するかというところがございまして、基本的に、これまでのいわゆる物流大綱あるいは高度情報通信社会に向けての基本方針等の関係を整理する必要があるということで広がっております。また、これまでスケジュール的にも、例えば、2001年までこの大綱が推進されるとか、基本方針に示されているものも大体2001年を目途に実施されるというようなスケジュールとの関係をどのように考えるかということで、これらの推進と、その中で着実にやっていくということと、その先を見据えて21世紀初頭というものを睨んだその取組みという関係で、相互の関係というものを整理するという形で、それぞれ物流、情報通信の分野の考え方を整理し直させていただいております。

 したがいまして、従来、スケジュールについてはやや個別単独的なイメージで置いておりましたが、こういった政府全体の取組みという形の中での位置づけというところになってございます。

 それぞれの分野についての主な変更点をご紹介いたしますと、まず、物流分野につきまして、論点の中で1つは、カボタージュの留保に関連して外資規制の問題を取り上げてございましたが、現在の国際情勢の中でこれを日本として提案していくという状況にないということで、残念ながら、ここについては強く主張するということができなかったというところでございます。

 「社会資本整備・運営のあり方」で、空港・港湾の民営化といったところを出しておりましたが、ここでは、取り上げられるものとして、国際空港・港湾のほかに、高規格幹線道路(高速道路)を視野に入れることと、「民間の資金、ノウハウ等の活用を含めた物流基盤施設等物流に関する社会資本における効率的な整備・運営のあり方」ということで、これは民営化一本という形ではなくて、幅の広い中で位置づけるという形に書き直してございます。

 需給調整規制、これは撤廃されてまいりますけれども、各輸送モード間の垣根を減らしていくということを考えているわけですが、その中で具体的にどういうやり方で進めていくかということについて、一体型包括的な認可や届出というところに限定されない形での検討にしたいということで、ここについてはやや幅を広げた形になっておりますが、基本的に、需給調整の原則撤廃ということで、競争的な環境の下で、民間主体が自主的に取り組むための対応である、ということで整理しております。

 物流サービスの高度化については、システム開発、標準化といったような形で環境を整備していくということで、「検討する」ということで整理いたしました。

 情報通信分野ですが、こちらも基本方針が定められていまして、それに伴うアクションプログラムというのがございます。その関係で、2001年までの間に様々な取組みが行われるということで、今進められています。それの取組みを進めるということ、それから21世紀初頭での最先端のデジタルネットワーク社会を実現したいという我々の観点とを整理したという形になっております。

 (検討の方向)は、基本的に同じでございますが、内容的には、研究開発の分野で電気通信だけではなくて、ソフト分野が付け加わっております。

 「情報通信のインフラの整備」、情報通信分野の基盤ということで言っていますが、ソフトとインフラと書き分ける必要があるということで、ここはインフラという形にしております。

 「事業環境の整備のあり方」というのは、基本的な考え方は同じで、今後、国際展開をしていただきたいという環境整備の問題を整理いたしました。

 今、NTTにユニバーサルサービスの義務づけが行われていますが、これからの地域通信分野、データ通信分野における公正な競争確保のための施策を着実に実施する中で、競争の結果生じる課題への対応という位置づけで、「検討する」ということを書いております。

 放送分野においては、デジタル化ということを根本に据えまして、国民の選択の幅というものを拡げていくということで、それを具体的にプログラムとして示すということでまとめてございます。

 「ソフト市場発展のための環境整備」、デジタルコンテンツについてコンテンツ市場の厚みということを申しておりましたが、放送のコンテンツだけではなくて、それ以外のソフトもいろいろあるということで、ソフト市場発展のため、放送のコンテンツ市場の問題と、アプリケーションの問題、幅を広げて整理をしております。

 「利用面の環境整備」ですが、利用面については項目で立てていろいろとやっておりましたが、その中で特に重要と考えられる部分について列挙するような形にしております。また、「電子政府」という書き方で単純に書いていましたが、具体的な位置づけとして、「情報通信技術の最大のユーザーである」ということで、届出、申請、証明その他様々な政府の手続において電子的手段が使えるようにするということを書いております。

 最後に、「人材面の強化、情報通信教育の充実」ということで、今、この面での人材の育成が大きな課題になっているということで、この項目を追加いたしました。

 以上でございます。

〔部会長〕

どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまご説明のありました問題につきまして、ご議論いただきたいと思います。

〔A委員〕

この報告を読ませていただきまして、いくつか少し安易なコメントが入っているのではないかという印象を受けました。

 といいますのは、構造改革という我々が課せられている目的の中で、本当に構造問題なのか、そうでない問題なのかという部分が、私は、ごっちゃになっているような気がするわけであります。

 例えば、1つ構造問題として挙げられる点、よく高コスト体質ということが言われてるわけですけれども、そういうコメントがここの中にはあまりない。

 さらに一歩進めまして、高コスト体質というのはどういうものなのかというと、国内のいろいろな要因、それから海外と比較しての要因と2つあると思うのです。

 例えば、どんなに国内で一生懸命技術革新をやって立派な工場をつくっても、結局、黒字ばかりがたまって円高になって、それが全部不良資産化してしまうということを、日本の企業はこの10年、20年ずっと経験してきた。それで、もう国内で投資してもしょうがない、いくらやっても、輸入が増えず、黒字がたまり、また円高になるのであれば、もう外でやりましょう。こういう行動が一方で出ているわけです。

 この中に、供給側のダイナミズムが足りないという表現があるわけですけれども、しかし、日本製品は世界では依然としてめちゃくちゃに売れております。日本の黒字は、依然として世界最大。それで、最近また円高傾向になっているので、日銀が盛んに為替介入で抑えている。これがもう一つの大きな構造問題です。

 恐らく、多くの企業が日本での投資をあきらめ、海外でやっている。またアジアて増産ということが、最近の新聞にも、日本企業の行動としてたくさん報告されていますけれども、それは、やはり国内の高コスト体質または市場解放、つまり輸入がまたなかなか入ってこない。結果として円高になり、また設備投資をやっても無駄になる。これこそが1つの、我々が議論すべき構造問題ではないのかという気がします。

 したがって、もっと市場解放して、もっと輸入が増える。そして、結果として国内で努力してもそれが円高で消えてしまう、この循環を断ち切る何かが、私はここにあった方がいいのではないかと。その方が、企業の方々に対しても説得力を持つのではないかという気がします。

 もう一つの点ですけれども、ここに何回も、バブル崩壊後の長期にわたる経済停滞ということがあるわけですが、確かに構造問題があって、今お話ししたような理由も含めて構造問題がたくさんあると思いますが、安易にバブル崩壊後の景気の停滞というのを入れるのは、私は非常に強い抵抗を感じるのです。

 といいますのは、結局、バブルの崩壊というのは日本中の企業、個人も含めてですけれども、当然に金融機関も、バランスシートがめちゃくちゃになってしまったわけです。80年代、みんなお金を借りて投資したわけですが、その負債がまだ残っているわけです。資産の方はがた落ちになってしまった。そういう状況では、みんな新たにお金を借りて投資しようという行動はとれないわけですから、早くバランスシートをバランスさせなければいけない。これは、どんなに日本経済の構造が優れていても起きる問題であります。恐らくアメリカで、株が今度暴落したら、同じような局面になるだろう。つまり、それは構造問題というものではなくて、バランスシートの問題ですから、これはちょっと分けて議論しないと、あたかも全部が構造問題だ、バランスシートも含めて構造問題だとやってしまうと、構造問題を解決したら、じゃあすぐ日本経済は元気になるのですか、という別の議論が出てくると思うのです。

 私は、バランスシートは、やはりバランスシートの問題として対応しなければいけないと思いますし、それをやらずに構造問題だけをやっても、国民の期待を裏切ることになってしまうのではないかという気がします。

 そういう意味で、バブル崩壊以降の景気停滞の話と、それから我々が本当に立ち向かわなければいけない構造問題、これをもう少しはっきり分けて書いた方がいいのではないかという気がします。

〔事務局〕

今、A委員がおっしゃった最初の点は、確かにおっしゃるとおりである点もございますけれども、現行の経済計画自体が高コスト構造是正のための構造改革ということを柱として計画が作られておりまして、高コスト構造是正という観点から、例えば内外価格差の是正ということも、これは10年来取り組んでいる課題で、私どもそういうものに携わっていた者にとっては、それは言うまでもない、言わずもがなという感じがあったということで、若干、そういうところで感じの違いがあるのかなということでございますが、高コスト構造是正の重要性というのはずっと認識してございます。

 それから、構造問題のとらえ方ということで、構造問題というものはいろいろなとらえ方ができる、いろいろな角度からとらえることができる。A委員がおっしゃったように、日本のいわば黒字体質というものを構造問題であるととらえて、それをどう是正していくのか、解決していくのかというのも、もちろん1つの問題提起であるし、それは1つの構造問題として取り上げてふさわしいものと思いますが、私どものこの議論のスタートが、構造問題をそういう形でなくて、日本がグローバリゼーションの中でどう活力を維持し、あるいはこれから世界と伍していくか。あるいは、非常に創造力が失われたような状況を、いかにして活発にみんなが創造性を発揮するようにするのか、そういうことを構造問題としてとらえて議論するというのがスタートでしたので、A委員がおっしゃるような意味での構造問題というのは、もちろんそういう問題設定をして構造問題として扱うことは非常に重要だと思いますけれども、これまでの議論の経緯で構造問題を、今回の場合には、ここでお示ししたような形で取り上げて、その観点からの構造問題として議論をしたということでご理解いただければありがたいと思います。

 バランスシートの問題については、バブル崩壊後、もちろんそのことは非常に重要なことでありますし、その観点から経済白書等でも再三にわたって取り上げましたし、また、政策的な対応も行われてきたわけでございますけれども、この10年間にわたって停滞が続いたということの中に、供給側のいわば従来的な体制--政府がいろいろルールづくりなりシステムを準備しているということも含めて、供給側が十分に国内の潜在的なニーズをいわば発掘してこなかった。消費が非常に停滞しているということが今回の大きな停滞の要因なわけですが、それはもちろん循環的にいろいろ説明できる部分があるし、それが重要な要因であるということは、私どもも承知していますけれども、それ以外に、構造問題として供給側がもっと消費を活発化していくような、より魅力のある商品・サービスを提供していくようなことを、アメリカで活発にやられているような形で供給側が活発にやっていれば、恐らくもっと人々が消費支出を増やして、そのことが経済の活性化につながったであろう。そういうことが開業率等においても全くないというところが、今回の経済停滞の大きな要因の1つではないか。それだけがすべてだとは全く思いませんし、おっしゃったバランスシートについて重要だということは重々理解しておりますが、私どもがここで議論している構造問題との関係で経済停滞ということを理解すれば、そういうことが言えるのではなかろうか。

 そういう視点に立って、活性化といいますか、供給側のダイナミズムを回復させていくためにはどういうような方策が必要だろうか、という観点で検討しました。そういう切り口でまとめられているということで、ご理解いただければと思います。

 A委員のおっしゃっている切り口は、ものすごく重要なことでありますし、そういう方向でまとめるということも1つのやり方だとは思いますけれども、今回の議論の流れの中でのこういうようなまとめである、とご理解いただければ非常にありがたいと思います。

〔部会長〕

今までも、内外価格差是正という問題は真っ正面から、経済審議会も数年前から、あるいは各部会でも取り上げてレポートも出しているのですけれども、なかなかそれが実現していないという問題はあるわけです。今回、その辺も踏まえての構造改革推進部会ということでやってきておりますが、今のような説明でご理解いただきたいと思います。

〔B委員〕

A委員がおっしゃったことと若干関係があるのですが、細かい修文されたところを含めて、以前より非常に読みやすくなったということはあるのですけれども、基本的な考え方のところで、私は、このままでしたら注文をつけるべきだったと思うのですけれども、前回見過ごしてしまいました。

 7ページ、「規制改革の推進」というところです。今、A委員も、構造問題ということで市場解放の遅れということをちょっと口にされました。この部会として、今までの行政あるいは政治による規制改革の努力をどういうふうに認識しているかという、そこの部分についてもう少し明確なスタンスをとるべきではないかという気がしています。

 というのは、下から10行目ぐらいの「一方」で始まるところですけれども、「従来の規制の撤廃・緩和に対する取組みが米国をはじめとする外圧により進められてきたという側面が強かったために、上述したような規制に関する発想の転換が主体的には行われてこなかったとの指摘もある」と書いてあります。これも非常に細かい指摘になるかもしれませんけれども、「指摘もある」という審議会全体の認識になるのですか。私は、主体的に行われてきたとは言えないとか、行われてこなかった、というふうに書くべきではないかと思います。

 もちろん、各省庁の個別的な利益で、いわゆる内圧で、規制の改革とか市場解放が行われてきた例はないわけではありませんけれども、つい先日も、1989年のSIIのアメリカ側の数百項目に及ぶ要求を見る機会があったのですけれども、そこでアメリカ側から要求されていることをこの10年間少しずつ、日本は実施してきたというプロセスがあるわけで、その意味では、「指摘もある」という曖昧な言い方よりも、きちんと反省をするということではないですけれども、はっきり書いた方がいいのではないか。

 その関連で言えば、その次のところで、「個別の既得権益を擁護する要求に対し全体の利益を優先させるという点では、行政ばかりでなく、政治や言論界の機能も必ずしも十分とはいえなかった」というのですけれども、政治・行政と言論界というのはレベルが違うと思うのです。確かに、第四権力というような言い方がいわれて、マスメディアも非常に力が強い、マスメディア以外の有識者の力も強いという話もありますけれども、情報公開がきちんとなされていないという前提を考えれば、行政と政治と言論界というのを3つ並べるべきではないという気がするのです。

 あと2点だけ申し上げます。これは質問ですけれども、非常に重要なポイントです。スピードのところで、1ページの下に「一刻も早い」「早急に」という言葉を入れられ、修文されたというお話です。官僚の方々がお使いになる言葉というのを私は熟知しておりませんので、「一刻も早い」「早急に」という言葉を入れたということは大変大胆だという認識なのかもしれませんけれども、一般の国民からすると、これがどのくらいのことを指すのかというのがよくわからない。

 例えば、規制緩和推進計画等々でも、期日を区切って様々なことを行おうとしているわけです。それに比べると、これはずいぶん曖昧な書き方だなという感じがするのです。

 それは印象です。これについてもコメントがあれば頂戴したいと思います。

 それから、別紙の方、物流の1ページの加わったというところです。「社会資本整備・運営のあり方」で、これは建設省の方から注文が付いたのだろうと思うのですけれども、「高規格幹線道路並びにこれらを結ぶアクセス道路等の整備を重点的に進める」というところ、これは書き方を注意された方がいいかと。1997年11月に、たしか道路整備五箇年計画というのがあって70数兆円、毎年14兆円ぐらい道路をつくるという計画が政府として決まっていると思うのです。それを事実上追認するような形になっているので、これは本当にいいのでしょうかという気が、私どもはするのです。全部道路が悪いというわけではありませんけれども、財政構造改革という点から考えれば、本当に必要な道路をこういう観点からつくるということについては反対ではありませんけれども、建設省の言っていることをそのままサポートするような感じがしてならないのです。

〔部会長〕

広範なご指摘がありましたけれども、初めの基本的な考え方の点につきまして、修文上の問題、その他もあるかと思いますけれども、基本的な考え方の私などの感じでは、大体こんなものかなと。ただ、構造改革、規制改革が非常に不十分であるというところは、この前の報告書でもはっきりと書いて、さらに研究会報告も出しております。その上に、その前提の上で、ということで、この辺は、B委員のご意見も踏まえて修文上の問題はまた考えてみたいと思います。

 あと、官庁間折衝は、なにしろこれを閣議決定に持っていくという問題がありますので、6分野の経済構造改革のときのように一刀両断に行きにくい点があって、隔靴掻痒の感がなきにしもあらずです。

 今、各省庁と折衝をして、情報通信分野は事実が先行しているという問題もあります。

 道路の問題、その他について何かコメントがありましたらお願いします。

〔事務局〕

B委員のおっしゃった中で、1ページのスピード、スケジュールの話でありますが、この報告の中に書いてあるそれぞれの施策の実施のタイミング、あるいは検討を求めているもののタイミングというのが、その施策ごとにかなりバラツキがありまして、ものによっては、さらに検討を重ねたけれども、実際にどうするということがもっともっと先にならないとなかなか出てこないようなものがある。そういうものを全体として表現するときに、1行目で、「システムの状況不適合を21世紀に持ち越さないという観点から」ということで、そこにちょっと思いを込めて、早急にやっくれ、間に合うようにやってくれ、というのがこの趣旨です。「一刻も早い」とか「早急に」というのは、修飾語ですから、それが何か特定の意味を持っているというわけではなくて、一番最初の文章で「間に合うようにやってください」というのが趣旨でございます。

 道路の方は、ここで書いておりますのは、アクセス道路も含めて、日本の物流に関連した社会資本について国際競争力のあるようなものにしていくという観点で重点的に進めるということです。

〔B委員〕

重点的という修飾語のかかっているところですが、重要なところをやるという意味だったらいいのですけれども、そうなのですか。

〔事務局〕

書いた側は、そういうつもりでは書いてございますが。

〔部会長〕

その辺は、また誤解のないようにするように。

〔C委員〕

今日で終わりだということで、暑い東京に来なくていいというのでホッとしていますけれども。

 私は、全部に出席させていただいて、途中でもいろいろ意見を言わせていただきましたので、概ね言いたいことは反映されて満足な報告書ができ上がったと思っています。

 特に、総論の認識ですけれども、経済の現状を不適合現象というふうにとらえられて、だから、いくつかの構造改革が必要なのだ、そういうふうに持って行かれたということは、これはこれでわかりやすいのではないかと思いました。

 それと、前々回でしたでしょうか、3本柱が立っているのですが、そのうち環境のところが、全体の中でどういう位置づけになっているのかということが問題になりました。それを、環境問題は経済的自由の大前提である、そういうふうに位置づけていただいて、総論の中に組み込んでいただいたので、非常に座りはよくなったと思っています。

 ついでに、おねだりをさせていただければ、グローバル化という話は全体の中でどういうふうに位置づけるのかなというところ、私が聞き漏らしたのかもしれないけれども、その位置づけがもうちょっとはっきりすれば、さらにわかりやすくなったと思っています。

 A委員が最初におっしゃったことですが、たぶん、これは牛嶋審議官がお答えになったと思いますけれども、もちろん認識はしているのだけれども、それにちょっと角度を変えてこの報告書は答えたのだと。例えば、構造問題として輸出依存型だ、いつも輸出でやってきた、そういう日本の構造があるわけですけれども、それをどうするのだというときに、従来だったら内需拡大とかいう話に持っていったのでしょうが、今回はもう少し原点というか、原理的な部分で経済人の活動の自由というものを保障、そういうことから解決していこうという書き方をなさっているのだろうと思いました。

 この後に及んで無いものねだりをしてもしょうがないような気がするのですが、最後の機会ですから言わせていただければ、どこかの部会が触れられるのかもしれませんけれども、中小企業と大企業の関係というのは構造問題としてどういうふうになるのかというところを、どこかにちょっと加えられたらという気がしました。というのは、創業問題について大きな章が割かれているわけですけれども、創業が活発になっていったときに、伝統的な日本の大企業、中小企業関係というのはどういうふうに変化するのだというような展望があってもいいのかなと思いました。

〔D委員〕

私は、拝見いたしまして、ずいぶん前と変わっていて、皆様のご意見が反映されているなという印象がございます。

 だた、2、3全体を通しての感想ですけれども、例えば、2ページの下の方に、経済の停滞の原因について、ほとんど企業の問題だというような書き方に読めてしまいます。もうちょっと、ほかにもいろいろあったかなと。全体を読むと、その辺はわからなくもないのですけれども、ここを読んでしまうと、企業の人はちょっとかわいそうかなという気がします。

 それから、この中では、これまでの経済運営といいますか、そういうもののキャッチアップ型というものをかなり戒めているという印象がございます。ただ、一方で、例えば今回のグローバル化に対応するいろいろな形というのも、言ってみれば、とりあえずキャッチアップしましょうというように、私には読めてしまいます。そんなものですから、キャッチアップがだめだと言っておきながら、もうキャッチアップの時代ではないよと言いながら、やはりキャッチアップをしましょうというのも、若干の違和感があるかなという感じがします。よく読むと、それを前提としていろいろ転換しましょうというふうに読めるのですけれども、もうちょっと工夫が必要かという感じがいたします。

 それから、雇用のことは大変たくさんお書きいただきまして、私としてもうれしく思っているのですけれども、もう一つ、実は雇用の問題として数の問題と、量より質といいますか、質の問題。つまり、全体としてのバラツキはどうなのか。全体の底上げ・平均の底上げはあるとしても、バラツキが拡大することによる不幸な面というのは出てこないのだろうか、というのが実は心配になります。したがいまして、そこの部分についても、そこはある程度容認するなら容認する、あるいは容認できないとすると、それなりの社会保障の問題として解決するのだということも必要かという感じがいたします。

 それから、ニュアンスばかりで大変恐縮ですが、M&Aの記述がございますが、M&Aというのは、私は、これはとてもいいことで「どんどんしなさい」という議論ではなくて、ある意味で必要悪といいますか、やむを得ず企業がいろいろ生き残っていくためにやることというふうな理解をしております。したがいまして、M&Aできないから問題なのだということではないのではないか、という考え方を持っております。

 なおかつ、大変恐縮ですけれども、企業の中でのいろいろな内製化の問題がありますが、これは2つに分けて考える必要があると思いますけれども、アウトソーシングということでは、これはコストの問題が1つありますし、それから、前にもちょっと申し上げたような気がするのですが、いわゆる企業内ベンチャーというのは、むしろいい意味、日本の特性に合ったベンチャーのやり方という感じもいたしますので、できましたら、その辺も少し触れていただければという感じがいたします。

〔部会長〕

議論は果てしないという感じはいたしますけれども、「構造改革推進部会報告書(案)」につきましては、本日が最後の部会ということですが、あといろいろご意見がございましたら、できるだけ早急に事務局の方にご連絡いただきまして、最終的には、部会長である私の方に一任ということにさせていただきたいと思います。また、公表につきましても、事務局と相談の上、私の方で責任を持って行わせていただきたいと考えておりますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

〔部会長〕

それでは、そのようにさせていただきます。

 なお、本日欠席の委員の方々には、事務局の方から個別に連絡を取りまして、了解を得るようにしたいと考えております。

 それでは、ちょうど今、堺屋長官がお見えになりましたので、次の議題であります「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針(素案)の序章」につきまして、ご意見を伺いたいと思います。事務局の方から説明をお願いいたします。

〔事務局〕

最初に、部会長の方からこのペーパーの位置づけをご説明させていただきましたけれども、素案の概略につきまして、時間も限られていますので、簡単に説明させていただきます。

 1ページ目に「序章 知恵の時代へ」ということで目次が出ておりますけれども、第1節が「最適工業社会の繁栄と行き詰まり」、第2節が「『あるべき姿』の条件」、第3節が「『あるべき姿』の目標」、第4節が「『あるべき姿』の概念」、そして第5節で「経済選択の基準としての価値観」、こういう構成になっております。

 早速ですが、目次のページをめくっていただきまして、1ページ目をお開けいただければと思います。最初に「知恵の時代へ」ということで、「政府としては、不況対策に取り組むと同時に、この不況から立ち直ったあとの日本の経済社会の『あるべき姿』とそれに至る政策を、はっきりと提示しておくことが必要である。」という認識であります。

 その下に書いてありますが、「目下、進行中の世界文明の変化は、通常の『進歩』や『高度化」ではなく、新たな歴史的発展段階を創るものであろう。つまり、近代工業社会を超越して、新しい多様な知恵の社会に至る転換である。」という認識であります。

 「これ故、この経済社会の『あるべき姿』においても、経済構造や経済活動だけではなくて、新しい経済社会の根底をなす条件、目標、概念及び価値観についても明確にしておくべきであろう。」ということで、この最初に序章が付いているということでございます。

 第1節「最適工業社会の繁栄と行き詰まり」、これまでの社会的合意ということで、アから2ページ目のカまでが書いてございます。

 「こうした合意が国民多数の間に形成された背景には、効率と平等と安全を3つの正義とする価値観があった。」という認識が書いてございます。

 2ページの下から3行目ですが、「そこには、戦後の成長を支えてきた近代工業社会の規範が、人類文明の大きな流れにそぐわなかったという根本的な問題がある。これからは、先人が蓄積した生産の技術と精神を残しつつ、多様な知恵の値打ちを生み出す機能と才能を拡大する仕組みと気質が必要である。」ということが述べられています。

 第2節「『あるべき姿』の条件(未来変化への対応性)」ですが、「2010年頃までに到達する日本の経済社会は、次の諸条件にかなったものでなければならない。」ということで4点指摘してございます。

 1が「知恵の社会化対応」ということで、「これからの多様な知恵の社会においては、絶えざる新しい知恵の創造による経済と文化の活性化が行われることになる。」としております。

 2が「少子高齢化対応」ということで、「人口の少子高齢化は、21世紀に入ると一層深化する。」としております。

 3が「グローバル化対応」、次のページをめくっていただきますと、例えば、日本が今後「世界の流動の『集散』の場となるべきである。」ということも指摘してございます。

 4が「環境制約対応」でございます。

 第3節「『あるべき姿』の目標」で、「最大自由と最少不満」ということを述べております。

 1で「『個』を基盤とした自由と『公』の概念」が述べられております。2つ目のパラグラフですけれども、「多様なの知恵の社会においては、商品サービスはもちろん、雇用や勤務の形態や、人々の帰属対象までが多様化する。ここでは、各個人がそれぞれの好みによって人生の目的とその達成手段とを選び得る個人の自由を、社会全体として最大にすることが重要である。」という認識でございます。

 また、「各個人が自由を追求できるためには、相互の了解としての『公』の概念が形成されねばならない。」ということでございます。

 2「人権と尊厳が守られる経済社会」ということで、5ページの4行目からですけれども、「『あるべき姿』の経済社会では、すべての人々の人権が完全に守られ、成功への挑戦の機会と人間としての尊厳が保たれなければならない。」ということが述べてございます。その後、2の最後のところですけれども、「ただし、守るべきは個人の人権であって、経済的利権や行政的権限ではない。」ということがはっきりと述べてられていまして、「『あるべき姿』の経済社会は、国民全体の不満が最少になる均衡点が追求される仕組みでなければならない。」ということで、最大自由と最少不満ということが述べられています。

 3「成長拡大傾向を維持する経済」ということで、「人口の停滞減少の中でも国民1人当たりではもちろん、総体としての国民経済も成長拡大傾向を維持すべきある。」というところで、ア~カまでの問題点を指摘してございます。

 第4節「『あるべき姿』の概念(コンセプト)」であります。「以上の条件を満たし、目標を達成し得る経済社会を考えるとすれば、以下のような経済社会の構造と気質が浮かび上がってくる。」と述べてございます。

 1「自立した『個』を基盤とした経済社会」でなければいけない。「まず、見えるのは、自立した『個』を基盤とした経済社会である。」ということが、第1に述べられています。その下3行目あたりですが、「当然、日本式経営の一部である終身雇用や年功賃金体系を保つこともできないし、それを前提とした『会社人間』が一般的な社会構造も維持できなくなる。」という指摘もしてございます。

 2は「多様多角的な繋がりのある複属社会」ということを述べております。「各個人が自らの好みによって帰属意識の対象を選ぶことになる。」ということでございます。

 3が「経済社会における『官』の役割」であります。「政府(官)の役目は、自立した個人が自らの好みに基づく自由なる選択を行い、個性と独創性を発揮し得る社会的条件を整え、それを維持するためのルールを明確にし、適切に運営することに純化する。」ということを述べております。

 8ページですけれども、4は「創造的に変革する企業経営」であります。「知恵の値打ちの創造が経済成長と企業利益の主要な源泉となる世の中では、最大の生産手段は、人間そのものと切り離すことができない『知恵』と『経験』と『感性』である。」と述べております。

 5は「多源的補充性のある経済社会」であります。「少子高齢化が深化する中で、総体としての経済成長を保ち、グローバル化する世界でモノ、カネ、知識情報が集散する経済社会を築くためには、強い刺激と必要な機能や要素の補充が欠かせない。そのためには、年齢性別を超えた人材の活用はもちろん、外国からの機能や要素の補充も必要となる。」という指摘をしております。

 第5節「経済選択の基準としての価値観〔新しい効率、平等、安全と自由〕」ということで、「これまでの近代工業社会を形成する戦後社会の価値観では、1効率、2平等、3安全が『正義』であった。これからも、この3つは変わることのない正義であり続けるが、より明確かつ意識的な定義が必要になる。」というのがまず1つ述べてあります。「また、これらの正義に4自由が加わり、好みの選択と間断なき競争によるイノベーションが強く支持されることになる。」ということで、効率、平等、安全について述べてございます。これは、こういう新しい定義をしろということで述べてございます。最後に11ページで、「自由」ということで、「これまでの日本では、明治以前から、戦前、戦後を通じて、自由が社会正義とは認識されていなかった。」ということを述べてありまして、「『あるべき姿』の経済社会では、自由は、効率、平等、安全と並ぶ正義の一つとなる。これなくしては、『個』を基盤とした『横』に繋がる社会の形成も、激しい競争による生産性の向上や経済成長の維持も、不可能である。」ということが述べられています。「『あるべき姿』の経済社会が個の自立と競争による繁栄と楽しさを追求する経済の仕組みと気質を持つためには、『自由』が社会正義と認識されなければならない。この点を曖昧にしたのでは、日本は世界経済の主要プレーヤーにとどまることができない。」と述べております。

 以上、簡単でございますが、序章の説明を終わります。

〔部会長〕

どうもありがとうございました。

 「経済社会のあるべき社会と経済新生の政策方針(素案)」は、企画部会でずっと練ったものでございますけれども、目次でご覧のとおり、従来は、第1部「『経済社会のあるべき姿と政策方針』策定の意義」、第2部「経済社会のあるべき姿」、第3部「経済新生の政策方針」、(参考)で「2010年の国民生活」、こういう構成になっていたわけですけれども、構造改革推進部会では、本日ご披露しましたように、皆様のご意見も入れまして、総論で基本理念ということを入れたわけでございます。特に堺屋大臣の強いお考えもございまして、「序章」ということで「知恵の時代へ」という章が入ったわけでございます。これにつきまして、ご自由にご意見をお願いしたいと思います。

 E委員、何かございますか。

〔E委員〕

5 ページ目、3「成長拡大傾向を維持する経済」、人口停滞よりも人口減少だと思うのですけれども、例えば、人口が1億2000万から8000万ぐらいになった。そのときに、総体的な経済成長率というのは、従来どおり追い求めていくのか。個人としての経済成長率というか、個人の幸せ度合いの拡大というものは別にやっていかなければならないと思いますけれども、実質的にこういうことが可能なのかどうか。そして、当然のことながら、人口が減少していけば、官民の設備と負債の恒常的過剰を招くというのは、これを前提に、今度また対策を別に考えなければいけないのではないかというふうに思うのです。

 ですから、ここのところは、そういうことも含めての、国民1人当たりではもちろん、総体としての国民経済も、成長拡大傾向を維持すべきであるという。私の考え方では、総体という字は、むしろ相対的な「相対」の方がいいのではないかという気がしないでもないのですけれども、この辺をどういうふうに解釈したらいいのか。人口が 100から80に減っても、全体の経済成長率というのは常にプラスであって、常に拡大していかなければいけないのか、この辺を教えていただきたいのです。

〔部会長〕

従来の1人当たり国民所得ということに力点を置くべきではないかという議論と、パイ全体が大きくなければいけないのだという議論と、常に両方あるわけです。この場合では、E委員の見方では、パイがそんなに大きくなっていくということに力点を置いていかがなものかというお考え、非現実的でないか、と。

〔堺屋経済企画庁長官〕

2010年までは、まだそれほど急激に落ちないのです。2007年ぐらいから落ちだして、25年ぐらいになると加速度的に落ちるわけですが、その際に、2025年まで少子化が続くかどうか、それを止める方法があるかということが1つあります。

 歴史を調べてみると、人口が減って経済が縮小して、礼節と秩序が保たれた例が見当たらない。総体としての経済が減少しますと、過去の債務が、必ずGDPに対して比重が増してまいります。それから、高齢者の支払い負担等がそこへ加わって、過去の債務がGDPあたりに同じ金額であっても、常に同化するわけです、GDPの方はボンボン減りますから。そこへ高齢者の負担がどんどん上がってくる。そうなりますと、スパイラル的に経済の縮小を呼ぶことになるだろう。それから、公共施設の補修も困難になります。さらに、一番問題なのは、恒久的に設備投資が行われない。将来、人口が減るようなところをマーケットとして評価する企業、個人が少ないものですから、どんどん流出する。

 このスパイラル的悪化というのが、紀元2世紀にさかのぼって探しましたけれども、逃れた国が一つもないのです。だから、日本がそういう奇跡の道をとるという可能性は非常に少ないから、やはり総体としての、全体としての経済は成長基調であらねばならない。そのために、必要ならば多源的補充(これは外国人の流入も想定しておりますが、)がなければならない。

 一番近いところでは、1870年代のアイルランドですが、これは自然ではなしに、アメリカ移民が増えて人口が減っておりますが、この間は、犯罪は増え、ついには独立を失うに至るわけです。大変な混乱を起こすのです。

 ジャガイモ基金から出たと言われていますが、逆にジャガイモ基金の最大の理由が,全体の経済の縮小で農地の荒廃だったという、逆の説が最近、有力でございます。

 イギリスも、1873年~96年まで、アメリカ移民が三百数十万出まして、経済が停滞しデフレ時代になっておりますが、この間、やはりあまり楽しい世の中にはなっておらないのです。ヴィクトリア王朝の後半だから良さそうに思いますけれども、前半と末期はいいのですが、この間はあまり良くありません。

 そういう例をずっと調べますと、過去の負債がどんどん加重化する。新しい設備投資が入れられない。それから、ポストが減り続けますから、必ず固定人事・利権人事になる。

 経済が縮小しながら改革を続けるというのは、言うべくして不可能ではないかという結論になったのですが、皆様方に何かいい知恵がありましたら。

〔E委員〕

そうするすと、外国人労働者は、大臣は容認をされるということ。

〔堺屋経済企画庁長官〕

これには「検討」と書いております。2010年以降は……。

〔E委員〕

どれぐらいの数を想定されているのか、外国人を。

〔堺屋経済企画庁長官〕

それは一方において、出生率の回復。これは、外国人が入ってくると回復する可能性も出てくるのですが、そういう刺激を含めて、日本の人口が急激な減少をしない程度。減少をしない程度といいますと、2010年段階でございますと、年率零点何パーセントです。10万人から20万人単位です。

 それがずっと続いていって、そのまた子孫が出てきますから、先へ行くとかなりの累積になってくるのですけれどもね。

〔E委員〕

それは、外国人労働者の条件はないですね。

〔堺屋経済企画庁長官〕

その条件が非常に難しい議論がありまして、有技能者、有能者を入れるという説があるのですが、そうすると有能ポストは全部外人で、ダーティーワークは全部日本人という構成になるのです。これもなかなか難しい世の中になりますしね。

 だから、やはり両方をしないと、会社の経理、法律何とかというのは皆外国人で、ごみ集めと建設業は全部日本人という、しかも、高齢者の日本人がダーティ-ワークをやって、若い外国人が上の方をやるという社会が、果たして耐えられるかどうか、これまた難しい問題なんですね。

〔B委員〕

その逆も、問題が出てきますね。

〔堺屋経済企画庁長官〕

「逆も」という説はないです、下だけを入れるという説は。

〔部会長〕

数年前の経済審議会の後で、どなたでしたか、日本経済のためには経済成長が必要であると、ただし、成長率がいくらかという問題はまた別問題ですけれども。私は、縮小均衡・縮小はいけないという論文をある雑誌に書いたことがありますけれども、個人的には、ある程度の成長は必要ではないかという考え方です。そのためにどういう施策をするかというのは、これはまた具体的に、企画部会の案にもいろいろ出ておりますけれども、さらに詰めるべきことではないかと考えております。

〔F委員〕

E委員の話とちょっと似たところがあります。序章のところについては、今の大臣のお話に関して、改めていろいろご議論ができればと思いますけれども、感想だけ申し上げますと、私は、一番最初の「通常の『進歩』や『高度化』」が問われているというのは、全くそのとおりだと思います。そういう認識を、こういうところで示すのは非常にいいと思うのですけれども、ただ、そこから後の論理があまり一貫していない。今言われているのは、まさに成長を前提としている仕組み自体が問われているのであって、最初に一言言っていながら、結局は、やはり成長しましょうということをかなり、実は強く言っているように私には読めたのですけれども、そこはいかがでしょうか。

 それと、抽象的にはいろいろなことが言えるのですけれども、各論に関して言えば、では、実際に環境とか子供の問題とかは、そういうことと具体的にどうやればうまく折り合いをつけることができるのでしょうかということになると、私は、あまりよく見えないところがあるという気がしてしまいます。

 ただ、これは感想ですので、いろいろ皆さんご意見は違うのだと思います。

 それで、1つ非常に評価したいのは、「公」の概念というのがあって、これは非常に大事なことだと思います。日本では、「公」というのは、ガバメントという意味で使われることが多く、官と公がごちゃ混ぜになっていますけれども、ここで、「公」というのはガバメントではなくてパブリックであって、官がガバメントであって、官の役割というのとは別なのだということは、非常に大事なことだと思います。

 ただ、翻って、そう思ってこの部会の報告書を見てみると、一部、そこが混同されているところもあるのかなと、明確には区別されていないのかなと、公共の関与とか、公的な何とかというところでは、明らかにガバメントの意味で使われていますので、これは言葉の話ですから、そんな固執はしませんけれども、せっかく総論のところでこういういい仕分けをしているわけですから、部会の報告の中でも、改めて経審でそういうことをきちっと世の中に、ここからスタートしていこうという意味で、区分けして使えばなおいいのではないかと思います。

〔部会長〕

非常に重要なご指摘だろうと思います。前半の感想の点は、大臣とディベートを始めるとキリがありませんので、感想として聞かせていただくことにいたしたいと思います。

 ほかにいかがでございましょうか。

〔D委員〕

全体として、私も読み比べて、短いのですけれども、この素案は大変すばらしいなという印象を受けました。ですから、それと整合的でない部分がちょっとあるかなというのは、先ほどのF委員と同じような感じがあるのですが、1つは、ガバナンスが、構造改革推進部会の方ではメインバンクというような書き方をされているのですが、こちらの素案の方で明らかに官がガバナンスをしたというふうに書かれておりますので、そこの整合性がどうかなという感じがいたしました。

 あとは、先ほどの人口の問題があるのです。これは若干スタンスの問題だと思うのですが、人口が減るということを前提としていろいろな施策をとるのか、あるいは、減らないようにソフトランディングという言い方があると思いますが、それをするためのいろいろな人口増加のための施策も考えるのかという、スタンスが若干曖昧なような感じがいたします。

 それから、若干気になったのは、実業という言葉がございます。2ページですが、我々は虚業のような感じがしております。何が実業で何が虚業なのか、モノをつくるのが実業で、あるいは、後ろの方を読んでいきますと、知恵を使っていろいろやることも実業に入るのかなという気もします。そこが、言葉がよくわからないという部分がございます。

 あとは、若干、事実の問題として、企業のISバランスの貯蓄超過はつい最近のことでございまして、これは1980年代後半と書いてございますので、ちょっと違うなという印象がございます。

〔部会長〕

どうもありがとうございました。時間の関係で、最後の発言になりますが、C委員は何かご意見がございますか。

〔C委員〕

機会を与えていただいてありがとうございます。私は、1つ質問したいことがあります。それは、これからの時代を知恵の時代というふうに位置づけるというのは、大変言葉が生き生きしていてすばらしいと思うのですけれども、それでは、今までは何の時代だったのだと、そういう話をぜひ聞きたいのです。

 知恵の反対語は体力ですから、今までは体力の時代だった。経済学に置き替えれば、体力というのは生産力だ。ヒト、モノ、カネを効率よく注ぎ込んで、大量に注ぎ込んで最大限の体力を発揮する。そういう時代から知恵の時代へ行くのだ、こんな認識でよろしいのかということです。

 もしそうだとすると、知恵とか、感性とか、経験とかというのは測定しづらいものですから、経済がうまくいっているかどうかというのは、一体どういうふうに測定することになるのだろうかというような疑問も持ちました。

 だけど、全体としては生き生きとした非常にいい文章で、私は感動しました。

〔部会長〕

ちょうどぴたりとはまってきました。知恵の時代の前は何の時代なのか、これは最後の挨拶を兼ねて、大臣にお願いします。

〔堺屋経済企画庁長官〕

いろいろとありがとうございました。

 実業という言葉は、ちょっと迂闊に使ったかと思いますけれども、序章で出ておりますのは、実体経済の、要するに株価・地価が値上がりしても、それで行う小売業なり、製造業なり、事務所業がそれにふさわしい利益を生まなかったというような使い方で、改めます。

 知恵の時代の前の時代は何だったのかというのは、最初に書いてあります「規格大量生産の時代」。この規格大量生産の時代も、技術がどんどん進歩した時代でありますが、技術を開発する人は、やはり少数で、ある偉い人がフォードシステムをつくると、大勢の人々が、その技術がないわけではありませんが、そのマニュアルに従って行動する。そういうような少数の人が規格あるいは技術をつくり出すこと。

 このフォードシステムが生まれるまでの過程などというのを見ると、実に大勢の人が、サミュエル・コルトから、シカゴの牛肉業者から、テーラーから、いろいろなことが関わってくるのでありますけれども、結果として見ますと、そういうトップマネジメント、トップテクノロジストがつくったものを大勢の人が生産をし、販売・流通をさせていた。

 それに比べてこれからの時代は、はるかに大勢の人々が自分のやり方をそれぞれに知恵で考えて、そして、もちろんそれを加工するだけの人もいるわけですが、利益としていいますと、企業利益、つまり資本蓄積の段階でみると、生産の1つの方式によりいかに上手に生産するという段階、いかに大量に生産するという段階よりも、最初の立案の段階が重要になってくる。それから、経済成長も、モノの数ではなくして、その前のつくり方、あるいは技術や、デザインや、ソフトウエアの組合せ方、情報コンテンツの作り方、そういうところに利益が上がってくる。総生産の中で占める割合はまだまだ小さいだろうと思いますが、経済の成長の原因と企業の利益、つまり資本蓄積の主要な源泉、そういう考え方をしているわけです。

 これまでずいぶん長時間にわたりまして、いろいろな方面からご審議に預かって大変ありがとうございました。

 従来の経済計画、13回ありました。13回の計画の中で、高度成長時代は実績よりも低い計画を立てることが多くて、超過達成というような例が多かった。

 それ以後は、今度は逆になりまして、計画はバラ色で、現実は惨めということが2、3回続いております。

 今回は、従来の13回続いた計画という言葉をやめました。計画というのは、社会主義的経済計画の印象があるので、ご覧のように「あるべき姿」ということにいたしました。

 たちまち「姿」が流行しておりまして、次の21世紀の日本の姿などという諮問が出ているようでございます。

 そういう意味で、官が自ら指し示すのではないのだ、官の役割はルールづくりで、そのルールを守ることと事後処理だという形になりますと、やはり「計画」はふさわしくない。この点も、皆様方のご同意をほぼいただけたと思っております。

 各部会の報告を積み上げて、そして本報告になりまして、これは閣議決定でございますので、全官庁の了承がいります。そうなりますと、福祉、年金の問題、教育の問題、あるいは農業政策の問題など、まだまだ各省との折衝の苦労があるようでございますけれども、できるだけ皆様方のご意見も反映して、そういったところもなるべくこの形でやらせていただきたいと思っております。

 1月以来、再三大変お忙しいところをご審議いただきましてありがとうございました。

〔部会長〕

大臣、どうもありがとうございました。

 最後のD委員の言われた点は、私も同じような業界に属してきた関係からいいまして、大臣が言われるように、経済実体とか、経済ファンダメンタルズとかいふうに修正した方がいいのではないか。恐らくそういう方向でやられると思います。  

 それでは、本日をもちまして、構造改革推進部会の審議を終わりたいと存じます。本当に委員の皆様には、お忙しいところを、非常に出席率のいい部会でございまして、部会長として非常に感謝をしております。

 本日の最終意見もできるだけ本文の中に反映させて、その中身の各論でございますが、できるだけ実行を早くするという格好で進めていくような、また記者発表その他もしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 本当にお忙しい中、毎回精力的なご審議をいただきましてありがとうございました。

以上

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